心のこと・声かけ

産後に歌を再開するとき。声が出ないと感じても、体と声に合わせたむりのないはじめ方

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「出産してから、また歌いたい気持ちがわいてきた」 「産後、ひさしぶりに歌ってみたら、声が出ない感じがした」 「どのくらいから、どんなふうに歌を再開したらいいのか、わからない」

赤ちゃんとの毎日がはじまり、少しずつ自分の時間も考えられるようになったころ、こんな気持ちになる方もいらっしゃると思います。歌が好きだった方ほど、思うように声が出ないと、さびしさやあせりを感じるかもしれません。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。

この記事では、産後に歌を再開するときの、むりのないはじめ方をまとめます。妊娠中の歌については、こちらの記事でふれています。妊娠中に歌ってもいい?歌のレッスンやカラオケで気をつけたいことここでは「出産のあと、もう一度歌いはじめる」ところにしぼってお伝えします。

はじめにお伝えしたいのは、産後の体と声のようすは、人によって大きくちがう、ということです。ほかの方とくらべる必要はありません。歌を再開する時期や進め方も、ご自身の体と気持ちに合わせて決めてよいのです。

産後に「声が出ない」と感じても、あせらなくてだいじょうぶ

体のようすがかわる時期

出産のあとは、体がもとの状態にもどっていく途中の時期と言われます。おなかまわりの力の入れ方や、姿勢、息のつかい方が、妊娠前とちがうように感じることもあります。

歌は、息と体をつかって声を出すものです。そのため、産後に歌ってみると、「息が続かない」「おなかに力が入らない」「声に張りがない」と感じることもあるようです。それは、歌が下手になったということではなく、体がかわっている途中だから、と考えてみてください。

ねむりの足りなさや、つかれも声にかかわる

赤ちゃんのお世話で、まとまってねむれない日が続くこともあります。ねむりの足りなさや、つかれのたまり方は、声の出しやすさにかかわると言われることもあります。

また、授乳などで、気づかないうちに水分が足りなくなっていることもあるかもしれません。のどがかわいた感じがするときは、こまめに水分をとることを心がけてみてください。

声の感じがかわったように思えるとき

産後に、「声の高さや感じが、前とちがう気がする」と思う方もいます。その理由は人によってちがい、はっきりとはわからないこともあります。しばらくようすを見るうちに、なじんでくることもありますが、気になる変化が続くときは、ひとりでなやまず、お医者さんに相談してみてください(あとでくわしくふれます)。

歌を再開する前に、たしかめておきたいこと

体のことは、お医者さんにたしかめる

産後の体は、人によって回復の進み方がちがいます。歌では、おなかや体の中心をつかって息を支えることもあるため、どのくらい体を動かしてよいか、おなかに力を入れてもよいかは、ご自身だけで決めず、産婦人科のお医者さんにたしかめておくと安心です。健診などの機会に、「歌を再開したいと思っている」と伝えて、相談してみてください。

帝王切開で出産された方や、出産のあとに体のトラブルがあった方は、なおさら、お医者さんの話を聞いてから進めることが大切です。

気持ちの準備も、大切にする

「早くもとの声にもどしたい」と思う気持ちは、とても自然なものです。ただ、あせりが強すぎると、声が思うように出ないことに、落ちこみやすくなってしまいます。

「今は、また歌いはじめる準備の時期」と、ゆったり考えてみてください。歌を楽しむ気持ちを、いちど取りもどすことからはじめるだけでも、じゅうぶんです。

家族と、歌の時間について話しておく

赤ちゃんのお世話をしながら歌の時間をつくるには、家族の協力があると、ぐっと楽になります。

  • 歌いたい気持ちを、パートナーや家族に伝えておく
  • 短い時間でも、赤ちゃんを見てもらえる時間がないか相談する
  • できない日があっても、だれもせめないことを決めておく

「自分のための時間をもつのは、わがままかな」と思う方もいるかもしれません。でも、好きなことをする時間は、心をととのえる大切な時間にもなります。

おうちでできる、やさしい再開のステップ

まずは、ゆったりした呼吸から

いきなり歌うより、まずはゆったりした呼吸からはじめてみてください。いすに座るか、あおむけに横になり、鼻からしぜんに息をすって、口からゆっくり、長めにはきます。

このとき、おなかに強く力を入れたり、息を長くがまんしたりする必要はありません。体がらくだと感じる範囲で、気持ちよく息をはくことを大切にしてください。体の動かし方について不安があるときは、お医者さんの話を優先してください。

ハミングや、小さな声から

呼吸になれてきたら、口をとじて「んー」と、らくな高さでハミングをしてみます。ひびきを感じながら、やさしく声を出すことで、声を出す感覚を少しずつ思い出していきます。

そのあと、「あー」「おー」など、小さな声で、短く声を出してみてください。大きな声や高い音は、あとからでかまいません。小さな声での練習のくわしい方法は、こちらでも紹介しています。小さい声でできる歌の練習。家族や近所が気になるときの工夫

赤ちゃんに歌いかけることも、立派な練習

赤ちゃんに歌いかける時間も、声を出す大切な時間です。子守唄やわらべうたを、小さな声でやさしく歌うと、自分の声とゆっくり向き合うことができます。

うまく歌おうとしなくてかまいません。赤ちゃんの顔を見ながら、自分も心地よいと思える声で歌うことが、再開のきっかけになることもあります。子守唄の歌い方は、こちらの記事でもまとめています。子守唄の歌い方。赤ちゃんに歌うときのやさしい声と、昔から歌われてきた子守唄

好きな歌を、キーを下げて歌ってみる

声を出すことになれてきたら、好きな歌を歌ってみましょう。高い音が出にくいと感じるときは、キーを下げて歌うのもよい方法です。

  • 出にくい音は、むりに出そうとしない
  • とちゅうで息が苦しくなったら、休んでよい
  • 歌ったあと、のどや体がつかれていないかを感じてみる

ひさしぶりに歌うときの声のとりもどし方は、こちらの記事にもまとめています。声の出し方を忘れた?久しぶりに歌うときの、声のとりもどし方

練習の時間は「すきま」でいい

まとまった時間がなくても、だいじょうぶ

赤ちゃんとの毎日では、予定どおりに時間をつくるのはむずかしいものです。歌の練習も、「まとまった時間をとらなきゃ」と思わず、すきまの時間をつかうと考えてみてください。

  • 赤ちゃんがお昼寝をしているあいだに、ハミングを少し
  • 家事をしながら、小さな声で好きな歌を口ずさむ
  • 赤ちゃんをあやしながら、いっしょに歌う

声を出せない時間は、聞く・読む時間に

赤ちゃんがねていて声を出せないときは、歌を聞いたり、楽譜や歌詞をながめたりするだけでもかまいません。歌にふれる時間があることで、気持ちが歌に向いたままでいられます。

できない日があっても、自分をせめない

体調が悪い日や、ねむれなかった日は、歌わなくてかまいません。歌はいつでも、また再開できます。「今日はお休み」と決めることも、むりなく続けるための大切な工夫です。

教室やサークルにもどるとき

先生に、産後であることを伝える

歌の教室やサークルにもどるときは、先生に「産後で、体と声のようすを見ながら再開したい」と伝えておくと安心です。

  • 息が続きにくいと感じていること
  • おなかに力を入れることについて、お医者さんから言われていること
  • 授乳や赤ちゃんのお世話で、時間が読みにくいこと

伝えておくことで、先生も、むりのない練習のしかたを考えやすくなります。

通い方を、今の生活に合わせる

もとの通い方にもどすことだけが、再開ではありません。

  • レッスンの回数や時間を、いまの生活に合わせて考える
  • オンラインのレッスンを取り入れる
  • 赤ちゃん連れで参加できる教室やサークルをさがす

赤ちゃん連れで通えるレッスンやサークルについては、こちらにまとめています。赤ちゃん連れで通える歌のレッスン・サークル。さがし方と、当日の工夫

お医者さんに相談したいとき

次のようなことがあるときは、ひとりでがまんせず、お医者さんに相談してください。

  • 声のかすれや、のどの痛みが続くとき(耳鼻科など)
  • 歌うと、おなかや腰、骨盤まわりに痛みや違和感があるとき(産婦人科など)
  • 息苦しさや、強いつかれが続くとき
  • 気持ちの落ちこみや、ねむれない状態が続くとき(産婦人科や、地域の相談窓口など)

産後は、体だけでなく、気持ちもゆれやすい時期と言われることもあります。歌のことにかぎらず、「なんだかつらい」と感じたら、早めにだれかに話してみてください。

まとめ

  • 産後に声が出ない、息が続かないと感じても、あせらなくてだいじょうぶ
  • 体のようすや、ねむり、つかれ、水分など、いろいろなことがかかわると言われるが、人によってちがう
  • 歌を再開する前に、体のことは産婦人科のお医者さんにたしかめる
  • 呼吸、ハミング、小さな声、赤ちゃんへの歌いかけから、ゆっくりはじめる
  • 練習はすきま時間でよく、できない日は休んでよい
  • 教室にもどるときは、先生に産後であることを伝える
  • 体や気持ちのつらさが続くときは、お医者さんや相談窓口に話す

歌は、いつからでも、どんなペースでもはじめなおせます。いまの生活に合った通い方ができる教室をさがしたいときは、歌の教室さがしもつかってみてください。赤ちゃんが大きくなったら、親子で歌を楽しむ目標として、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ

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