コンクールで落ちた日に、親ができること。かけたいことば、さけたいことば
コンクールに出るということは、「落ちる日」もかならずあるということです。
息子は入賞したこともたくさんありますが、そのぶん、落ちた日もたくさんありました。
この記事では、コンクールで落ちた日に、親としてできることをお伝えします。
いちばんくやしいのは、お子様自身
まず忘れたくないのは、いちばんくやしいのはお子様自身だということです。
親もがっかりします。お金も時間もかけてきたので、つい「なんでだろう」と考えてしまいます。でも、親のがっかりした顔は、お子様にとてもよく伝わります。
結果を知った直後から、ねる前まで
落ちた日は、時間ごとにお子様の気持ちがかわっていきます。その日の流れにそって、できることを考えてみましょう。
結果を知った直後
会場で結果が発表されたときや、メールやサイトで結果を見たときは、まず親が深呼吸をします。お子様は、親の表情を見て「どれくらいだめだったのか」を感じとります。おどろいた顔やため息は、できるだけ見せないようにしたいところです。
帰り道
すぐに歌の話をしなくても大丈夫です。お子様から話してきたら、聞き役になります。何も話さないときは、そっとしておきましょう。好きなおやつを買って帰るなど、いつもの楽しみを入れるのもよい方法です。
夕ごはんのとき
家族がそろう場では、結果の話題を中心にしないようにします。きょうだいや、ほかの家族にも、先にひとこと伝えておくと安心です。
ねる前
ふとんに入って気持ちがゆるむと、お子様から本音が出てくることがあります。「今日は本番まで、よくがんばったね」と、一日をしめくくることばをかけてあげてください。
落ちた日にかけたいことば
「がんばったね」より「ここがよかった」
「がんばったね」もうれしいことばですが、具体的にほめると、お子様は「ちゃんと聞いてくれていた」と感じます。
- 「さいごの高いところ、きれいに出てたね」
- 「いつもより、前を向いて歌えてたね」
- 「緊張してたのに、さいごまで歌えたね」
気持ちをそのまま受けとめる
お子様が「くやしい」と言ったら、「くやしいよね」とそのまま返します。すぐにはげましたり、理由を説明したりしなくて大丈夫です。
泣いているときは、何も言わずにそばにいるだけでも、十分に気持ちは伝わります。
「歌っているところが好き」と伝える
結果に関係なく、「あなたが歌っているところが好き」と伝える。これがいちばんの応援になります。
落ちた日にさけたいことば
- 「だから、もっと練習しなさいって言ったでしょ」
- 「あの子は入賞したのに」
- 「いくらかかったと思ってるの」
- 「審査員がたまたま……」(だれかのせいにする)
とくに、ほかの子とくらべることばと、お金の話は、お子様の心に長くのこります。審査員のせいにするのも、「自分がどうがんばっても意味がない」という気持ちにつながるので、さけたいところです。
年れいによって、受けとめ方はちがう
幼児
小さなお子様は、結果の意味がまだよくわからないこともあります。親がしずんでいると、「何か悪いことをしたのかな」と感じてしまいます。「ステージで歌えたね」「かっこよかったよ」と、歌ったことそのものを、たくさんほめてあげましょう。
小学校の低学年
くやしさを、泣いたりおこったりして、そのまま出すことが多い年れいです。気持ちを出せるのは、悪いことではありません。おさまるまで、そばで待ってあげてください。
小学校の高学年
「べつに平気」と、気にしていないようにふるまうことがあります。でも、心の中ではとてもくやしいことも多いです。むりに話をさせようとせず、「話したくなったら、いつでも聞くよ」と伝えておきましょう。
きょうだいや友だちが入賞したとき
同じコンクールに、きょうだいや仲のよい友だちが出ていることもあります。だれかが入賞して、だれかが落ちたとき、親はどちらの気持ちも大切にしたいものです。
- 入賞した子のお祝いは、別の日や、別の時間にする
- 落ちた子の前で、入賞した子をくらべてほめない
- 「それぞれの歌のよさがあったね」と、ひとりずつに伝える
友だちが入賞したときは、「おめでとうって言えたら、かっこいいね」と、むりのないはんいで声をかけてみてください。
落ちた日のすごし方
その日は、ふりかえりをしない
結果が出たその日に、「どこが悪かったか」を話しあうのは、おすすめしません。お子様も親もつかれています。
ごほうびは、結果に関係なく
「入賞したらごほうび」という約束にすると、落ちた日がさらにつらくなります。「本番をがんばったごほうび」にしておくと、どんな結果でもうれしい日になります。
歌から少しはなれてもいい
数日は歌の練習を休んで、好きなことをするのもいいです。気持ちがもどってくると、自分からまた歌いはじめます。
親自身の気持ちも、大切にする
お子様をささえるには、親の心にも少しよゆうが必要です。親だってくやしいし、つかれています。それは、とても自然なことです。
- 気持ちを紙やスマホのメモに書き出してみる
- 家族や、気持ちをわかってくれる人に話を聞いてもらう
- お子様がねたあとに、自分の好きなことをする時間をつくる
親の気持ちが落ち着いてくると、お子様にもやさしいことばがかけやすくなります。
数日たってから、つぎにつなげる
気持ちが落ち着いたら、つぎのことをいっしょに考えます。
- 講評をいっしょに読む(まず「よかったところ」から)
- 「つぎはどこをがんばりたい?」とお子様に聞く
- 先生にも相談して、練習の目標をひとつ決める
講評の読み方や、審査員が見ているポイントはこちらにまとめています。歌のコンクール、審査員はどこを見ている?点数につながる7つのポイント
入賞したとき・だめだったとき、それぞれの声かけは、こちらの記事でもくわしく書いています。コンクールの結果が出たあとの声かけ。入賞したとき・だめだったとき、親が伝えたいこと
つぎのコンクールは、いつ決める?
落ちた直後に「つぎはこれに出よう」と決めると、お子様は気持ちの整理がつかないまま、また本番に向かうことになります。まずは、お子様の口から「また歌いたい」「つぎも出てみたい」ということばが出てくるのを待ちましょう。
決めるときは、つぎのことをいっしょに話しあうと安心です。
- 同じコンクールに、もう一度挑戦したいか
- ちがう形のコンクール(動画で出る、会場で歌う)をためしてみたいか
- 本番までに、どれくらい練習の時間がとれるか
- 学校の行事など、ほかの予定とかさなっていないか
お子様が自分で「出たい」と決めたコンクールは、練習へのやる気もちがってきます。
「もうやめたい」と言ったら
落ちた日に、「もう歌やめたい」と言うお子様もいます。そのときは、すぐに答えを出さなくて大丈夫です。「そっか、それくらいくやしかったんだね」と受けとめて、少し時間をおいてから、もう一度話してみましょう。
「やめたい」という気持ちとの向きあい方は、こちらの記事にまとめています。「歌をやめたい」と言われたら。すぐに答えを出さない、親の向き合い方
コンクールは「結果」より「経験」
子どものころのコンクールでいちばん大切なのは、賞の数ではなく、「目標に向かって練習した」「人前で歌いきった」という経験です。
落ちた日のことも、いつかお子様の力になります。そのためにも、親がいちばんの味方でいてあげられたらと思います。
まとめ
- いちばんくやしいのはお子様自身
- ここがよかった、と具体的にほめる
- くらべることば、お金の話はさける
- 年れいによって、受けとめ方がちがうことを知っておく
- 親自身の気持ちも、大切にする
- その日はふりかえらない。数日たってから講評をいっしょに読む
「また歌いたい」と思えるように。落ちた日こそ、お子様にいちばんよりそってあげられたらと思います。