歌のコンクール、審査員はどこを見ている?点数につながる7つのポイント
「うちの子、ちゃんと歌えていたのに、なぜ入賞しなかったんだろう」
コンクールの結果が出たあと、そう感じたことはありませんか。わたしも何度もあります。
コンクールでは、「まちがえずに歌えたか」だけでなく、いろいろなところが見られています。この記事では、審査員が見ているポイントを、7つに分けてお伝えします。
審査のポイントは、募集要項に書いてあることもある
まずチェックしたいのが、募集要項です。審査で大切にしていることを、はっきり書いているコンクールもあります。
たとえばこども童謡コンクールでは、日本語の美しさが伝わるか、自然な声で歌えているか、歌詞の意味をわかっているか、ふさわしいところで息つぎができているか、楽しんで歌えているか、などを審査のポイントとしてあげています。(募集要項)
また、全日本こどもの歌コンクールでは、本選で歌の動画のほかに「1分以内の自由動画」を出すようになっていて、コンクールへの思いや曲のことを伝えます。(募集要項)
つまり、歌のうまさだけでなく、「その子らしさ」や「歌への気持ち」も見られているのです。
審査員が見ている7つのポイント
1. 音程とリズム
正しい音の高さで、正しいリズムで歌えているか。これは土台です。とくに、音が高くなるところや、曲のおわりで音が下がってしまうことがよくあります。
おうちでできること:練習を録音して、いっしょに聞いてみる。自分の声を聞くと、お子様も気づきやすくなります。
2. 声の出し方
大きな声を出せばいいわけではありません。どなったり、のどをしめつけたりせず、その子の自然な声で、のびやかに歌えているかが見られます。
おうちでできること:「大きく」ではなく「遠くの人にとどけるように」と声をかける。
3. ことば(発音)
歌詞がはっきり聞きとれるか。とくに童謡では、日本語のひびきがとても大切にされます。
おうちでできること:曲にのせずに、歌詞をゆっくり読む練習をする。
4. 歌詞の意味と表現
歌詞の場面や気持ちが、歌から伝わってくるか。「さびしい場面」と「うれしい場面」で、声の色がかわると、審査員の心にとどきます。
おうちでできること:「このとき、どんな気持ちかな?」とお子様に聞いてみる。絵にかいてみるのもおすすめです。
5. 息つぎ
ことばの途中で息を吸ってしまうと、意味がとぎれてしまいます。どこで息を吸うかを、先に決めておきましょう。
おうちでできること:歌詞に「V」などのしるしをつけて、息を吸う場所を見えるようにする。
6. 姿勢と表情
まっすぐ立って、前を見て歌えているか。表情は歌と同じくらい大切です。動画審査ではとくに、顔がよく見えるので、表情がそのまま伝わります。
おうちでできること:鏡の前で歌ってみる。「だれに歌っているのか」を決めると、目線が定まります。
7. 歌う楽しさ
子どものコンクールでは、いちばん大切にされることが多いポイントです。きれいに歌おうとしすぎてかたくなるより、「歌うのが好き!」が伝わるほうが、審査員の印象にのこります。
年れいによって、見られやすいところはかわる
7つのポイントは、どの年れいでも大切です。ただ、年れいによって「どこまでできていればよいか」は少しずつちがいます。
幼児
小さなお子様は、音程が少しゆれても、元気に、楽しそうに歌えていることが大切にされやすいです。さいごまで自分の力で歌いきることも、りっぱな力です。まずは「歌うのが楽しい」という気持ちを大切にしましょう。
小学校の低学年
ことばがはっきりしているか、息つぎが歌詞の切れ目でできているかなど、少しずつ「ていねいさ」が見られるようになります。歌詞の意味をわかって歌えると、ぐっと伝わり方がかわります。
小学校の高学年
歌全体の流れや、場面ごとの声のかえ方など、「表現」が見られるようになります。声が大人っぽくなってくる時期でもあるので、むりに高い声を出すより、今の声でのびのび歌えることを大切にしてください。
動画審査と会場審査で、伝わり方はちがう
会場で歌うときは、ホールのひびきや、立ち姿ぜんたいが審査員に伝わります。いっぽう動画審査では、画面の中の顔の表情や、マイクに入った声がそのまま伝わります。
動画審査では、とくにつぎのことに気をつけましょう。
- 顔が明るく、はっきりうつっているか
- 伴奏の音が大きすぎて、歌が聞こえにくくなっていないか
- 部屋の音(エアコン、外の車の音など)が入っていないか
- カメラを見るか、少し上を見るか、目線を決めているか
うつり方は、歌の中身とは別のことですが、審査員が歌に集中できるかどうかにかかわります。動画のとり方は、こちらの記事にくわしくまとめています。歌の動画審査、スマホでのきれいなとり方。おうちでできる10のコツ
おうちでできる「審査員ごっこ」
コンクールの前に、録画した歌をお子様といっしょに見て、7つのポイントでふりかえってみるのもおすすめです。お子様に「審査員」になってもらうと、楽しく自分の歌を見なおせます。
| ポイント | おうちでのたしかめ方 |
|---|---|
| 音程とリズム | 録音を聞いて、音が下がるところがないか |
| 声の出し方 | どなっていないか、くびに力が入っていないか |
| ことば | 歌詞を見ずに聞いて、ことばがわかるか |
| 歌詞の意味と表現 | 場面がかわるところで、声がかわっているか |
| 息つぎ | 決めた場所で息を吸えているか |
| 姿勢と表情 | 画面で見て、前を向いて歌えているか |
| 歌う楽しさ | 見ていて、楽しそうに見えるか |
ひとつのポイントについて、「よかったところ」をまず言ってから、「つぎにがんばりたいところ」をひとつだけえらぶのがコツです。いっぺんにたくさんなおそうとすると、歌うことが楽しくなくなってしまいます。
点数がさがりやすいこと
- 決められた時間をこえる
- 暗譜が決まりなのに、歌詞を見ている
- 募集要項の決まり(曲、伴奏、動画の編集など)をまもっていない
- 大人のまねをしすぎて、その子らしさが見えない
とくに最後の「大人のまね」は、がんばっているお子様ほどやりがちです。年れいにあった、その子の今の声を大切にしましょう。
また、練習をしすぎて、本番の前にのどをいためてしまうこともあります。声がかれる、のどがいたいときは、練習を休むことも大切です。心配なときは、早めに耳鼻科で見てもらいましょう。
講評は「次の練習の地図」
コンクールのあとに届く講評は、審査員がどこを見たかがわかる、いちばんの手がかりです。結果だけでなく、講評をお子様といっしょに読んで、つぎの練習につなげましょう。
わたしが開くコンクールでは、出てくれたお子様全員に、「よかったところ」と「次に練習するところ」がわかる講評をお届けします。こどもの歌声グランプリ
よくあるしつもん
審査員によって、結果がかわることはある?
歌の審査は、人が聞いて決めるものです。審査員の先生によって、大切にするところが少しずつちがうこともあります。だからこそ、ひとつの結果だけで「うちの子は向いていない」と決めつけないでください。
小さなまちがいがひとつあったら、落ちてしまう?
歌詞をひとつまちがえた、音が少しはずれた、ということだけで結果が決まるわけではありません。まちがえたあとも、気持ちを切らさずに歌いつづけることのほうが、ずっと大切です。
本番で緊張してしまうときは?
緊張するのは、それだけ真剣に取り組んできたしるしです。本番前の声かけは、こちらの記事にまとめています。本番で緊張する子へのことば。歌のコンクール前に親ができること
まとめ
審査員が見ているのは、つぎの7つです。
- 音程とリズム
- 声の出し方
- ことば(発音)
- 歌詞の意味と表現
- 息つぎ
- 姿勢と表情
- 歌う楽しさ
ぜんぶを一度になおそうとしなくて大丈夫です。まずはひとつえらんで、お子様といっしょに練習してみてください。