子守唄の歌い方。赤ちゃんに歌うときのやさしい声と、昔から歌われてきた子守唄
「赤ちゃんに子守唄を歌ってあげたいけれど、歌い方がよくわからない」 「歌は苦手だけど、子守唄くらいは歌ってあげたい」
夜、赤ちゃんをだっこしながら、なにか歌ってあげたいと思うお父様・お母様は多いと思います。でも、いざ歌おうとすると、どんな声で、どのくらいの大きさで歌えばいいのか、まよってしまうこともありますよね。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。コンクールの歌と子守唄は、まったくちがうものです。子守唄にいちばん大切なのは、上手さではなく、そばにいる人のやさしい声だと思います。
この記事では、子守唄の歌い方を中心に、赤ちゃんに歌うときの声の出し方や、はやさのめやす、昔から歌われてきた子守唄のことをお話しします。
子守唄ってどんな歌?
赤ちゃんを寝かしつけるときの歌
子守唄は、赤ちゃんや小さな子を寝かしつけるときや、あやすときに歌われてきた歌です。世界中に、その国や地域の子守唄があります。
子守唄の多くは、こんな特ちょうをもっています。
- ゆったりとしたはやさ
- ゆれるようなリズム
- 同じメロディーのくりかえし
- 音の高さが、あまり大きく上がり下がりしない
だっこしてゆらすときの動きに、自然と合うような歌が多いのです。
昔の日本の子守唄
日本にも、昔から歌われてきた子守唄がたくさんあります。だれが作ったのかわからず、人から人へ、口伝えで歌いつがれてきたものが多いです。
たとえば、江戸の町で歌われてきたと言われる「江戸子守唄」は、いまも多くの人に知られています。熊本県の五木村につたわる「五木の子守唄」のように、地域の名前がついた子守唄もあります。
昔は、家の子どもを、少し年上の子が子守をすることもありました。そのため、子守唄の中には、赤ちゃんを寝かせる歌だけでなく、子守をする子のさびしさや、ふるさとを思う気持ちを歌ったものもあると言われています。歌詞の意味を知ると、同じ子守唄でも、また少しちがって聞こえてくるかもしれません。
外国の子守唄
外国の子守唄で、日本でもよく知られているのが、ドイツの作曲家ブラームスが作った「ブラームスの子守歌」です。オルゴールや、おもちゃの音楽などで、聞いたことがある方も多いと思います。
外国の子守唄は、日本語の歌詞がつけられて歌われていることもあります。メロディーだけをハミングで歌っても、すてきです。
赤ちゃんに歌うときの声の出し方
声の大きさは「小さめ」に
赤ちゃんに歌うときは、ふだん話す声よりも、少し小さめの声がおすすめです。耳もとで大きな声を出すと、赤ちゃんがびっくりしてしまうことがあります。
ただし、ひそひそ声のように、のどに力を入れてしぼり出すと、かえってのどがつかれやすくなります。息を少しまぜるような、ふんわりとした声をイメージしてみてください。
高さは、むりのない高さで
子守唄は、高い声で歌わなければいけないものではありません。自分がらくに出せる高さで歌いましょう。
- 話し声に近い高さで歌うと、のどにやさしい
- 高いところが苦しいときは、全体を低くして歌ってよい
- お父様の低い声も、赤ちゃんにはやさしくひびく
楽譜どおりの高さにこだわらなくて、だいじょうぶです。
はやさは、だっこのゆれに合わせて
子守唄のはやさは、だっこしてゆらすリズムに合わせると、自然です。ゆっくり歩くくらいのはやさや、自分がゆったり息をするくらいのはやさが、ひとつのめやすです。
だんだん赤ちゃんがうとうとしてきたら、ゆれも歌も、少しずつゆっくりに、小さくしていきましょう。
息つぎは、ゆっくり
歌いながら、自分の息もゆっくりにしていくイメージをもつと、声も落ちつきます。急いで息をすうと、声がかたくなりやすいので、ことばの切れ目で、ゆっくり息をすいましょう。
子守唄を歌うときのコツ
同じ歌を、くりかえし歌う
毎日ちがう歌を歌うより、同じ子守唄をくりかえし歌うほうが、歌う人も楽です。「この歌がはじまると、ねる時間」という、毎日のならわしのひとつにしているご家庭もあります。
歌詞をおぼえていなくても、だいじょうぶ
子守唄の歌詞を、さいごまでおぼえていなくても、だいじょうぶです。
- 口をとじて「んー」とハミングする
- 「ねんね」「よしよし」など、自分のことばにかえる
- 赤ちゃんの名前を入れて歌う
メロディーにのせて、やさしいことばをかけるだけでも、りっぱな子守唄です。
歌が苦手でも、気にしなくていい
「音程に自信がない」「歌が苦手」という方もいると思います。でも、赤ちゃんに歌う子守唄は、だれかに聞かせるための歌ではありません。上手に歌おうとするより、ゆったりした気持ちで、声をかけてあげることを大切にしてください。
目を見て、からだでリズムを
だっこしながら歌うときは、ときどき赤ちゃんの顔を見たり、背中をやさしくトントンしたりしながら歌うのもよいと思います。歌とからだのリズムがそろうと、歌う人の気持ちも落ちつきやすくなります。
子守唄を歌う時間のつくり方
まわりの音と明かりを、少し落とす
子守唄を歌うときは、テレビを消したり、部屋の明かりを少し暗くしたりすると、歌う人も赤ちゃんも、気持ちを切りかえやすくなります。小さな声でも、まわりが静かだと、やさしい声がよくとどきます。
歌う前の流れを、いつも同じにする
おふろ、着がえ、ミルクや授乳など、ねる前の流れのさいごに子守唄を入れると、毎日のリズムを作りやすくなります。流れは、ご家庭のくらしに合わせて、むりのない形でかまいません。
歌う人が、まず深く息をする
赤ちゃんがなかなかねむらないと、あせってしまうこともあります。そんなときは、歌いはじめる前に、まず自分がゆっくり息をはいてみましょう。歌う人の気持ちが落ちつくと、声も自然とやわらかくなります。
昔の子守唄のことばも、ゆっくり味わう
昔の子守唄には、いまはあまり使わないことばが出てくることもあります。意味をしらべてみると、歌われてきた時代のくらしが見えてきて、歌う時間がもっと楽しくなるかもしれません。
子守唄について知っておきたいこと
いつもねむってくれるわけではない
子守唄を歌えば、かならず赤ちゃんがねむる、というわけではありません。ねむってくれる日もあれば、なかなかねむらない日もあります。それは、歌い方がわるいからではありません。
「今日はねむってくれなかった」と、自分をせめなくてだいじょうぶです。子守唄は、赤ちゃんといっしょにすごす、ひとつのやさしい時間だと考えてみてください。
つかれているときは、むりをしない
夜中に何度も起きる時期は、お父様・お母様もとてもつかれています。歌う元気がないときは、歌わなくても、だいじょうぶです。小さな音で、子守唄の音楽を流すという方法もあります。
のどをいたわる
夜、長い時間歌いつづけると、のどがつかれることがあります。
- 歌う前後に、水を少しのむ
- 小さな声でも、のどをしめつけない
- 声がかれてきたら、ハミングにかえる
のどの痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
家族みんなで子守唄を
お父様も、祖父母も
子守唄は、お母様だけが歌うものではありません。お父様や、おじいさま・おばあさまの声も、赤ちゃんにとっては身近な声です。それぞれが知っている子守唄や、好きな歌を歌ってあげるのもすてきです。
おじいさま・おばあさまがお孫さんと歌う時間については、こちらの記事でも書いています。孫といっしょに歌う。シニアと子どもの歌の時間
ふるさとの子守唄を伝える
家族のふるさとに、その地域の子守唄がつたわっていることもあります。おじいさま・おばあさまに「子どものころ、どんな子守唄を聞いた?」とたずねてみると、家族の思い出話が広がるかもしれません。
赤ちゃんとの歌の時間を、少しずつ広げて
子守唄のほかにも、赤ちゃんや小さなお子様との歌の時間は、少しずつ広げていけます。赤ちゃんから3歳ごろまでの歌の育ちについては、こちらの記事でくわしく書いています。子供はいつから歌うの?赤ちゃんから3歳ごろまでの歌の育ちと、おうちでの関わり方
まとめ
- 子守唄は、ゆったりしたはやさと、ゆれるリズムの歌が多い
- 日本には、作った人がわからず歌いつがれてきた子守唄がたくさんある
- 声は小さめで、息をまぜたふんわりした声に
- 高さは自分がらくに出せる高さで、はやさはだっこのゆれに合わせる
- 歌詞をおぼえていなくても、ハミングや自分のことばでよい
- ねむらない日があっても、自分をせめない
- のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
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