小さい声でできる歌の練習。家族や近所が気になるときの工夫
「となりの部屋に家族がいるから、大きな声では歌えない」 「近所が気になって、歌の練習をためらってしまう」 「小声で歌っても、練習になるのかな」
歌の練習をしたいのに、まわりが気になって声を出しにくい。そんなときもあると思います。でも、大きな声を出せないからといって、練習ができないわけではありません。小さい声だからこそ、ていねいに確かめられることもあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、小さい声で歌の練習をするときの声の出し方、小さい声でできる練習、のどに無理をさせないための注意をまとめました。声をまったく出さない練習については、こちらの記事にまとめています。声を出さない歌の練習。通勤中や家族がいるときにもできること
小さい声の練習でも、できることはある
小さい声だからこそ、気づけること
大きな声で歌っていると、勢いでごまかせてしまうところがあります。小さい声で歌うと、音の高さや、ことばの発音、息のつかい方などが、かえってよくわかることがあります。
- 音の高さが、合っているか
- ことばが、はっきりしているか
- 息つぎの場所が、きまっているか
- フレーズの終わりまで、ていねいに歌えているか
こうしたことは、小さい声でもじゅうぶん確かめられます。
大きな声の練習とは、役わりを分けて考える
小さい声の練習だけで、本番と同じ声の出し方をすべて身につけるのは、むずかしいこともあります。大きな声やひびきのある声の練習は、教室や練習室など、声を出してよい場所でおこない、家では小さい声でできることをする、と分けて考えると、気持ちが楽になります。
小声で歌うときに気をつけたいこと
ささやき声を長くつづけない
小さい声というと、ひそひそ話のような、ささやき声を思いうかべるかもしれません。でも、ささやき声で歌いつづけると、のどがつかれやすくなることがあります。
小声で練習するときは、ささやき声ではなく、声の音がちゃんとある、やさしい小さな声で歌うようにしてみてください。「となりの人に話しかけるくらいの声」をイメージすると、わかりやすいです。
のどをしめない
小さい声を出そうとすると、のどをぎゅっとしめて、声をおさえこんでしまうことがあります。
- 肩や首に力が入っていないか
- あごがかたくなっていないか
- 息をとめていないか
ときどき、こうしたところを確かめてください。力が入っていると感じたら、肩を上げてストンと下ろしたり、首をゆっくり回したりして、ゆるめてから歌いましょう。
息は、いつもと同じように流す
声を小さくするときに、息まで止めてしまうと、声がかすれたり、ふるえたりしやすくなります。声は小さくても、息はやわらかく、なめらかに流しつづけるようにしてみてください。
小さい声でできる歌の練習
ハミングで練習する
口をとじて「んー」と鼻のほうにひびかせるハミングは、小さい声でも練習しやすい方法です。音の高さを確かめたり、メロディをなぞったりするのに向いています。
ハミングのやり方は、こちらの記事でくわしく紹介しています。ハミングのボイトレのやり方。口をとじた練習で、声のひびきをつかもう
「ルー」や「ウー」でメロディを歌う
歌詞をつけずに、「ルー」「ウー」などのやわらかい音でメロディを歌う方法もあります。口をあまり大きくあけないので、声も小さくしやすくなります。
- まずはゆっくり、音の高さをひとつずつ確かめる
- なれてきたら、フレーズをなめらかにつなげる
- 音がとびはねるところは、とくにていねいに
ことばだけを、小さい声で読む
メロディをつけずに、歌詞をリズムにのせて小さい声で読んでみる練習もあります。ことばのくぎり、発音、息つぎの場所を確かめるのに向いています。
口の形をはっきりさせて読むと、小さい声でもことばが伝わりやすくなります。鏡を見ながらやってみるのもよい方法です。
録音して聞いてみる
小さい声で歌ったものを録音して、あとから聞いてみるのもよい練習です。音の高さがずれているところや、ことばが聞きとりにくいところに気づけることがあります。
小さい声でもスマホの近くで歌えば録音できます。イヤホンで聞くと、細かいところまで聞きとりやすくなります。
声の大きさを、少しずつかえてみる
小さい声のままでも、その中で強弱をつける練習ができます。
- とても小さい声から、少しだけ大きい声へ
- 少しだけ大きい声から、とても小さい声へ
声の大きさをなめらかにかえる練習は、歌に表情をつける練習にもなります。まわりが気にならない範囲で、ためしてみてください。
家族やご近所が気になるときの工夫
声を出す場所をえらぶ
同じ家の中でも、声のとどき方は部屋によってちがいます。
- 家族がいる部屋から、はなれた部屋をえらぶ
- となりの家に面したかべから、少しはなれる
- 窓やドアをしめておく
ちょっとした場所のちがいで、声がまわりに伝わりにくくなることもあります。お部屋の防音の工夫は、こちらの記事にまとめています。歌の練習の防音、アパートでもできる工夫。お部屋の中でできることと、防音グッズの考え方
家族に、ひとこと伝えておく
家族に「これから少し歌の練習をするね」と伝えておくだけでも、おたがいに気持ちが楽になります。家族がテレビを見ている時間や、休んでいる時間をさけるなど、練習の時間を話しあってきめておくのもよい方法です。
お子様が練習するときは、お父様・お母様が「小さい声でもいい練習ができるよ」と声をかけてあげると、安心して歌えるかもしれません。
時間帯を考える
小さい声でも、朝早い時間や夜おそい時間は、まわりに聞こえやすく感じることがあります。できれば、まわりが活動している昼間の時間帯に練習するようにすると、気持ちよく歌えます。
小さい声の練習を、ふだんの歌につなげるには
小さい声で「ていねいに」をおぼえる
小さい声で練習していると、ひとつひとつの音やことばを、ていねいに歌うくせがつきやすくなります。このていねいさは、大きな声で歌うときにも生かせます。声を大きくしたときに、勢いだけで歌っていないか、小さい声の練習を思い出してたしかめてみてください。
声を出せる日に、ためしてみる
教室のレッスンや、声を出してよい場所で歌える日には、家で小さい声で練習したところを、ふつうの声で歌ってみましょう。
- 小さい声のときと同じように、音の高さが合っているか
- ことばのくぎりや息つぎが、くずれていないか
- のどに力が入っていないか
小さい声でたしかめたことが、ふつうの声でもできているかを見ると、家での練習の成果がわかりやすくなります。
お子様が小さい声で練習するとき
お子様の場合、「小さい声で」と言われると、声を出すこと自体をこわがってしまうこともあります。「ないしょ話みたいに」ではなく、「お人形さんに歌ってあげるくらいの声で」など、やさしいイメージで伝えてみてください。
小さい声で上手に歌えたときは、「ことばがよく聞こえたよ」「音がきれいだったね」と、具体的にほめてあげると、お子様も練習を楽しめるかもしれません。お子様の声の大きさのなやみについては、こちらの記事も参考にしてみてください。声が小さい子が、のびのび歌えるようになるには。お父様・お母様ができること
小さい声の練習で、つかれを感じたら
休みをはさみながら練習する
小さい声の練習でも、長い時間つづけると、のどがつかれることがあります。とちゅうで水をのんだり、少し休んだりしながら練習しましょう。
のどの調子がおかしいときは、お休みする
歌っていてのどがいたい、声がかすれる、いがらっぽい、と感じたら、その日の練習はやめて、のどを休めてください。しばらく休んでもよくならないときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してみてください。
大きな声で歌える場も、ときどきつくる
家では小さい声の練習が中心になるときは、ときどき、声を出してよい場所で歌う時間をつくるのもよいです。教室のレッスンで、先生に声の出し方を見てもらうと、家での練習のしかたも相談できます。歌の教室さがし
まとめ
- 小さい声の練習でも、音の高さ、ことば、息つぎなどは確かめられる
- 大きな声の練習と、家での小さい声の練習は、役わりを分けて考える
- ささやき声を長くつづけず、声の音がある、やさしい小さな声で歌う
- のどをしめず、息はなめらかに流す
- ハミング、「ルー」で歌う、ことばを読む、録音するなどの練習ができる
- 部屋や時間帯をえらび、家族にひとこと伝えておく
- つかれやのどの不調を感じたら休み、つづくときはお医者さんに相談する
小さい声でもていねいに練習をつみかさねると、歌への自信につながることがあります。練習してきた歌を出してみる場として、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ