練習・発声のコツ

歌の練習の防音、アパートでもできる工夫。お部屋の中でできることと、防音グッズの考え方

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「家で歌の練習をしたいけれど、となりの部屋に聞こえていないか心配」 「アパートなので、大きな声を出すのは気がひける」

歌を習いはじめると、家でも少し練習したくなりますよね。でも、アパートやマンションでは、まわりへの音が気になって、なかなか声を出せないという方がとても多いです。お子様の練習を見ているお父様・お母様も、「近所に迷惑になっていないかな」と気になることがあると思います。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。家での練習は、歌を続けるうえで、とても大切な時間です。だからこそ、まわりに気をつかいながら、安心して練習できる工夫を知っておくと、気持ちがずっとらくになります。

この記事では、歌の練習の防音について、お部屋の中でできることにしぼってお話しします。アパートでもできる工夫、防音グッズをえらぶときの考え方、そして声を大きく出さなくてもできる練習をまとめました。

家の外の練習場所(カラオケやスタジオなど)については、こちらの記事でくわしく書いています。家で大きな声が出せないときの、歌の練習場所と方法

まず知っておきたい、音の伝わり方

音は「空気」と「壁や床」から伝わる

防音を考えるときは、音がどこから伝わるのかを知っておくと、工夫がしやすくなります。音の伝わり方は、大きく分けて2つあります。

  • 空気を通って伝わる音(窓やドアのすきま、かべのうすいところから)
  • かべや床、天井をふるわせて伝わる音(足音や、ものを置く音など)

歌の声は、おもに空気を通って伝わります。ですから、すきまをへらしたり、音をすいこむものを置いたりすることが、防音の工夫の中心になります。

「音を消す」より「音をへらす」と考える

ふつうのお部屋で、歌の声をまったく聞こえないようにするのは、むずかしいことが多いです。本格的な防音のお部屋をつくるには、工事が必要になることもあります。

アパートでの防音は、「音をゼロにする」ではなく、「まわりに伝わる音を少しへらす」と考えると、むりなく続けられます。小さな工夫をいくつか重ねていくことが大切です。

お部屋の中でできる防音の工夫

練習する場所をえらぶ

同じ家の中でも、練習する場所によって、まわりへの伝わり方がかわります。

  • となりの部屋とくっついているかべから、できるだけはなれる
  • 窓の近くより、お部屋のまん中や奥のほうで歌う
  • 玄関や共用の廊下に近い場所はさける

かべに向かって歌うより、お部屋の内側に向かって歌うほうが、外へ伝わる声が少なくなりやすいです。

窓とドアのすきまを見直す

声は、すきまから外にもれやすいものです。

  • 練習するときは、窓をしっかりしめる
  • カーテンをしめる(厚手のカーテンだと、音をすいこみやすい)
  • ドアの下のすきまに、タオルなどをあてておく

窓のまわりは、音がもれやすいところです。練習の時間だけでも、窓とカーテンをしめておくと、ちがいを感じやすいと思います。

やわらかいものを部屋に置く

かたいかべや床は、音をはねかえします。反対に、やわらかいものは音をすいこみやすい性質があります。

  • 床にラグやカーペットをしく
  • ソファやクッションを置く
  • 本棚やたんすを、となりの部屋側のかべに置く

家具をうごかすのは大変ですが、本棚やたんすを、となりとのかべ側に置くと、音がやわらぐことがあります。

クローゼットの前で歌う

服がたくさん入ったクローゼットは、音をすいこみやすい場所です。クローゼットの戸をあけて、その前で歌うと、声のひびきがおさえられることがあります。

ただし、せまい場所で長い時間歌うと、息苦しくなることもあります。ときどき休んで、空気を入れかえてください。

防音グッズをえらぶときの考え方

防音グッズには、いろいろな種類があります。ここでは、商品の名前ではなく、えらぶときに考えたいことをまとめます。

どんな種類があるか

  • かべにはる、音をすいこむパネル
  • 窓にかける、厚手のカーテン
  • ドアや窓のすきまをうめるテープ
  • 床にしく、厚みのあるマット
  • 口にあてて声を出す、声をおさえる道具
  • 組み立てて中に入る、小さな防音ブース

えらぶ前に考えたいこと

  • 何の音を、どのくらいへらしたいのか
  • 賃貸の場合、かべにはってもよいか(はがしたあとがのこらないか)
  • 部屋の広さに合っているか
  • 使わないときに、しまえるか

賃貸のお部屋では、かべにテープやくぎをつかうと、退去のときにこまることがあります。はる前に、契約の内容をたしかめておくと安心です。

声をおさえる道具をつかうとき

口にあてて声を出す道具は、まわりへの音をへらしやすい反面、ふだんの歌い方とはちがう感じになりやすいです。

  • いつもより強く息をはいていないか
  • のどに力が入っていないか
  • 長い時間つかいすぎていないか

こうしたことに気をつけて、ときどき道具をはずして、ふつうの声もたしかめてみてください。

小さな防音ブースのこと

お部屋の中に置く小さなブースは、まわりへの音をへらしやすいと言われます。ただ、場所をとることや、中が暑くなりやすいこともあります。中で練習するときは、こまめに休んで、水分をとるようにしましょう。

声を大きく出さなくてもできる練習

防音の工夫と同じくらい大切なのが、「大きな声を出さなくてもできる練習」を知っておくことです。歌の練習は、いつも大きな声で歌う必要はありません。

ハミングで練習する

口をとじて「んー」と声を出すハミングは、声が外にもれにくく、アパートでもやりやすい練習です。音の高さをたしかめたり、声のひびきを感じたりするのに向いています。くわしいやり方は、こちらの記事にまとめています。ハミングのボイトレのやり方。口をとじた練習で、声のひびきをつかもう

息の練習をする

声を出さずに、ゆっくり息をはく練習も、歌の土台になります。

  • 「スー」と、細く長く息をはく
  • 4つ数えてすい、8つ数えてはく
  • 肩を上げずに、おなかのまわりがふくらむのを感じる

小さめの声で、ことばと音をたしかめる

大きな声で歌わなくても、小さめの声で、歌詞やメロディをたしかめることはできます。息つぎの場所を決めたり、ことばをはっきり言う練習をしたりするのも、小さな声でじゅうぶんです。

聞く練習をする

お手本の歌を聞いて、どこで息をすっているか、どこを強く歌っているかをメモするのも、りっぱな練習です。声を出さない時間も、歌を上手にするための大切な時間になります。

まわりの人との関係も大切に

練習する時間帯を考える

防音の工夫をしても、音がまったく聞こえなくなるわけではありません。早朝や夜おそくは、練習をひかえるようにしましょう。昼間の、まわりが生活している時間帯のほうが、音が気になりにくいことが多いです。

ひとこと伝えておく

となりや上下の部屋の方と顔を合わせる機会があれば、「歌の練習をしていて、うるさくないですか」とひとこと伝えておくと、おたがいに安心できることがあります。お子様の練習の場合も、お父様・お母様からひとことあると、関係がよくなりやすいです。

建物のきまりをたしかめる

マンションやアパートによっては、楽器や歌について、きまりがあることもあります。入居のときの書類や、管理会社のお知らせをたしかめておきましょう。

のどにむりをさせないために

防音の工夫をしていると、「小さな声で」「声をおさえて」と意識するあまり、のどに力が入ってしまうことがあります。声をむりにおさえつけるような歌い方は、のどの負担になることもあります。

  • 小さな声のときも、息はやさしく、ゆったりと
  • のどがつかれたら、すぐに休む
  • 水をこまめにのむ

痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。

家での練習と、教室での練習を組み合わせる

家では、ハミングや息の練習、小さな声での確認を中心にして、思いきり声を出す練習は教室でする、というように分けるのもひとつの方法です。先生に見てもらいながら声を出すと、家ではわからなかったことにも気づきやすくなります。

近くの歌の教室をさがすときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし

まとめ

  • 歌の声は、おもに空気を通って伝わる。すきまをへらし、音をすいこむものを置く
  • 防音は「音を消す」より「音をへらす」と考える
  • となりとのかべからはなれ、窓とカーテンをしめて歌う
  • 防音グッズは、へらしたい音、賃貸のきまり、部屋の広さで考える
  • ハミングや息の練習など、大きな声を出さない練習も取り入れる
  • 時間帯に気をつけ、まわりの人との関係も大切にする
  • のどがつらいときは休み、痛みやかすれが続くときはお医者さんに相談する

おうちで工夫しながら練習してきた歌は、動画にとって、だれかに聞いてもらうこともできます。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られるコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、家での練習の成果をたしかめるきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ

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