歌の練習の防音、アパートでもできる工夫。お部屋の中でできることと、防音グッズの考え方
「家で歌の練習をしたいけれど、となりの部屋に聞こえていないか心配」 「アパートなので、大きな声を出すのは気がひける」
歌を習いはじめると、家でも少し練習したくなりますよね。でも、アパートやマンションでは、まわりへの音が気になって、なかなか声を出せないという方がとても多いです。お子様の練習を見ているお父様・お母様も、「近所に迷惑になっていないかな」と気になることがあると思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。家での練習は、歌を続けるうえで、とても大切な時間です。だからこそ、まわりに気をつかいながら、安心して練習できる工夫を知っておくと、気持ちがずっとらくになります。
この記事では、歌の練習の防音について、お部屋の中でできることにしぼってお話しします。アパートでもできる工夫、防音グッズをえらぶときの考え方、そして声を大きく出さなくてもできる練習をまとめました。
家の外の練習場所(カラオケやスタジオなど)については、こちらの記事でくわしく書いています。家で大きな声が出せないときの、歌の練習場所と方法
まず知っておきたい、音の伝わり方
音は「空気」と「壁や床」から伝わる
防音を考えるときは、音がどこから伝わるのかを知っておくと、工夫がしやすくなります。音の伝わり方は、大きく分けて2つあります。
- 空気を通って伝わる音(窓やドアのすきま、かべのうすいところから)
- かべや床、天井をふるわせて伝わる音(足音や、ものを置く音など)
歌の声は、おもに空気を通って伝わります。ですから、すきまをへらしたり、音をすいこむものを置いたりすることが、防音の工夫の中心になります。
「音を消す」より「音をへらす」と考える
ふつうのお部屋で、歌の声をまったく聞こえないようにするのは、むずかしいことが多いです。本格的な防音のお部屋をつくるには、工事が必要になることもあります。
アパートでの防音は、「音をゼロにする」ではなく、「まわりに伝わる音を少しへらす」と考えると、むりなく続けられます。小さな工夫をいくつか重ねていくことが大切です。
お部屋の中でできる防音の工夫
練習する場所をえらぶ
同じ家の中でも、練習する場所によって、まわりへの伝わり方がかわります。
- となりの部屋とくっついているかべから、できるだけはなれる
- 窓の近くより、お部屋のまん中や奥のほうで歌う
- 玄関や共用の廊下に近い場所はさける
かべに向かって歌うより、お部屋の内側に向かって歌うほうが、外へ伝わる声が少なくなりやすいです。
窓とドアのすきまを見直す
声は、すきまから外にもれやすいものです。
- 練習するときは、窓をしっかりしめる
- カーテンをしめる(厚手のカーテンだと、音をすいこみやすい)
- ドアの下のすきまに、タオルなどをあてておく
窓のまわりは、音がもれやすいところです。練習の時間だけでも、窓とカーテンをしめておくと、ちがいを感じやすいと思います。
やわらかいものを部屋に置く
かたいかべや床は、音をはねかえします。反対に、やわらかいものは音をすいこみやすい性質があります。
- 床にラグやカーペットをしく
- ソファやクッションを置く
- 本棚やたんすを、となりの部屋側のかべに置く
家具をうごかすのは大変ですが、本棚やたんすを、となりとのかべ側に置くと、音がやわらぐことがあります。
クローゼットの前で歌う
服がたくさん入ったクローゼットは、音をすいこみやすい場所です。クローゼットの戸をあけて、その前で歌うと、声のひびきがおさえられることがあります。
ただし、せまい場所で長い時間歌うと、息苦しくなることもあります。ときどき休んで、空気を入れかえてください。
防音グッズをえらぶときの考え方
防音グッズには、いろいろな種類があります。ここでは、商品の名前ではなく、えらぶときに考えたいことをまとめます。
どんな種類があるか
- かべにはる、音をすいこむパネル
- 窓にかける、厚手のカーテン
- ドアや窓のすきまをうめるテープ
- 床にしく、厚みのあるマット
- 口にあてて声を出す、声をおさえる道具
- 組み立てて中に入る、小さな防音ブース
えらぶ前に考えたいこと
- 何の音を、どのくらいへらしたいのか
- 賃貸の場合、かべにはってもよいか(はがしたあとがのこらないか)
- 部屋の広さに合っているか
- 使わないときに、しまえるか
賃貸のお部屋では、かべにテープやくぎをつかうと、退去のときにこまることがあります。はる前に、契約の内容をたしかめておくと安心です。
声をおさえる道具をつかうとき
口にあてて声を出す道具は、まわりへの音をへらしやすい反面、ふだんの歌い方とはちがう感じになりやすいです。
- いつもより強く息をはいていないか
- のどに力が入っていないか
- 長い時間つかいすぎていないか
こうしたことに気をつけて、ときどき道具をはずして、ふつうの声もたしかめてみてください。
小さな防音ブースのこと
お部屋の中に置く小さなブースは、まわりへの音をへらしやすいと言われます。ただ、場所をとることや、中が暑くなりやすいこともあります。中で練習するときは、こまめに休んで、水分をとるようにしましょう。
声を大きく出さなくてもできる練習
防音の工夫と同じくらい大切なのが、「大きな声を出さなくてもできる練習」を知っておくことです。歌の練習は、いつも大きな声で歌う必要はありません。
ハミングで練習する
口をとじて「んー」と声を出すハミングは、声が外にもれにくく、アパートでもやりやすい練習です。音の高さをたしかめたり、声のひびきを感じたりするのに向いています。くわしいやり方は、こちらの記事にまとめています。ハミングのボイトレのやり方。口をとじた練習で、声のひびきをつかもう
息の練習をする
声を出さずに、ゆっくり息をはく練習も、歌の土台になります。
- 「スー」と、細く長く息をはく
- 4つ数えてすい、8つ数えてはく
- 肩を上げずに、おなかのまわりがふくらむのを感じる
小さめの声で、ことばと音をたしかめる
大きな声で歌わなくても、小さめの声で、歌詞やメロディをたしかめることはできます。息つぎの場所を決めたり、ことばをはっきり言う練習をしたりするのも、小さな声でじゅうぶんです。
聞く練習をする
お手本の歌を聞いて、どこで息をすっているか、どこを強く歌っているかをメモするのも、りっぱな練習です。声を出さない時間も、歌を上手にするための大切な時間になります。
まわりの人との関係も大切に
練習する時間帯を考える
防音の工夫をしても、音がまったく聞こえなくなるわけではありません。早朝や夜おそくは、練習をひかえるようにしましょう。昼間の、まわりが生活している時間帯のほうが、音が気になりにくいことが多いです。
ひとこと伝えておく
となりや上下の部屋の方と顔を合わせる機会があれば、「歌の練習をしていて、うるさくないですか」とひとこと伝えておくと、おたがいに安心できることがあります。お子様の練習の場合も、お父様・お母様からひとことあると、関係がよくなりやすいです。
建物のきまりをたしかめる
マンションやアパートによっては、楽器や歌について、きまりがあることもあります。入居のときの書類や、管理会社のお知らせをたしかめておきましょう。
のどにむりをさせないために
防音の工夫をしていると、「小さな声で」「声をおさえて」と意識するあまり、のどに力が入ってしまうことがあります。声をむりにおさえつけるような歌い方は、のどの負担になることもあります。
- 小さな声のときも、息はやさしく、ゆったりと
- のどがつかれたら、すぐに休む
- 水をこまめにのむ
痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
家での練習と、教室での練習を組み合わせる
家では、ハミングや息の練習、小さな声での確認を中心にして、思いきり声を出す練習は教室でする、というように分けるのもひとつの方法です。先生に見てもらいながら声を出すと、家ではわからなかったことにも気づきやすくなります。
近くの歌の教室をさがすときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし
まとめ
- 歌の声は、おもに空気を通って伝わる。すきまをへらし、音をすいこむものを置く
- 防音は「音を消す」より「音をへらす」と考える
- となりとのかべからはなれ、窓とカーテンをしめて歌う
- 防音グッズは、へらしたい音、賃貸のきまり、部屋の広さで考える
- ハミングや息の練習など、大きな声を出さない練習も取り入れる
- 時間帯に気をつけ、まわりの人との関係も大切にする
- のどがつらいときは休み、痛みやかすれが続くときはお医者さんに相談する
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