練習・発声のコツ

おうちでできる子どもの発声練習。5分でできる遊びのような練習法

更新日:2026年11月4日 ・ 書いた人:うみ

「レッスンの日以外にも、おうちで何かできないかな」

そんなときにおすすめなのが、簡単な発声練習です。ここで紹介するのは、特別な道具もいらず、遊びのようにできるものばかりです。

ただし、子どもののどは、まだそだっているとちゅうです。むりはせず、楽しく続けることをいちばんにしてください。習っている先生がいる場合は、先生のやり方をいちばん大切にしましょう。

発声練習をすると、どんなよいことがある?

発声練習というと、むずかしそうに聞こえるかもしれません。でも、目的はとてもシンプルです。

  • 体の力がぬけて、のびのびした声が出やすくなる
  • 息を長く続けられるようになり、ことばのとちゅうで切れにくくなる
  • のどだけでなく、体全体で声を出す感覚がわかってくる
  • 歌う前の「じゅんび体操」になり、のどをいためにくくなる

いきなり歌いはじめるより、ほんの数分、体と声をあたためてから歌うほうが、お子様も楽に歌えます。

はじめる前に:3つの約束

  1. 1回5〜10分で十分
  2. のどがいたい、かすれるときはお休み
  3. 大きな声をむりに出さない

練習1:まっすぐ立つ(姿勢)

歌の基本は、姿勢です。

  • 足を肩のはばぐらいにひらく
  • 頭のてっぺんから、糸でつり上げられているように
  • 肩の力をふっとぬく

「木になってみよう」「おひめさまみたいに立とう」など、たとえを使うと小さなお子様も楽しくできます。

練習2:のびのび息をはく

口をすぼめて、「すー」と細く長く息をはきます。どれだけ長く続くか、数えながらやると遊びになります。

ティッシュを一枚、口の前にぶら下げて、「ずっとゆらゆらさせられるかな?」とやるのもおすすめです。

練習3:おなかをふくらませて吸う

あおむけにねて、おなかにぬいぐるみをのせます。息を吸うと、ぬいぐるみが上がり、はくと下がります。「ぬいぐるみをエレベーターにのせよう」と言うと、楽しくおなかの息を感じられます。

練習4:くちびるをぶるぶる(リップロール)

くちびるを軽くとじて、「ぶるるる…」とふるわせながら声を出します。車のエンジンのまねのような感じです。

のどに力が入りにくく、声を出す前の「じゅんび運動」になります。うまくふるえないときは、ほっぺを指で少しおさえるとやりやすくなります。

練習5:ハミング

口をとじて「んー」と、鼻でひびかせるように声を出します。鼻やくちびるがむずむずするのが、うまくひびいているサインです。

知っている童謡を、ハミングで歌ってみるのもよい練習です。

練習6:あくびの口で「ほー」

あくびをするときのように、口の中をたてに大きくあけて、ふくろうのように「ほー」とやさしく声を出します。高いところから低いところへ、すべり台をすべるように声を下げていくと、楽しくできます。

練習7:ことばをはっきり(早口ことば)

「あえいうえおあお」を口を大きく動かして言ったり、かんたんな早口ことばをゆっくり言ったりします。歌詞がはっきり聞こえるようになります。

童謡のコンクールでは、ことばのひびきがとても大切にされます。審査で見られているポイントはこちら。歌のコンクール、審査員はどこを見ている?点数につながる7つのポイント

5分メニューの例

順番 練習 時間
1 まっすぐ立つ 30秒
2 のびのび息をはく 1分
3 くちびるぶるぶる 1分
4 ハミング 1分
5 あくびの口で「ほー」 30秒
6 好きな曲を1曲 1分

毎日全部やらなくても大丈夫です。お子様が好きな練習を2〜3こえらんで、続けることが大切です。

年れい別:すすめ方のちがい

同じ練習でも、年れいによって、すすめ方を少しかえるとうまくいきます。

幼児のお子様

「練習」ということばは使わず、遊びの中にまぜます。ぬいぐるみのエレベーター、ティッシュゆらゆら、ふくろうの「ほー」など、まねっこ遊びとして親もいっしょにやりましょう。1つの遊びが1分続けば十分です。

小学校の低学年のお子様

「何秒『すー』が続いたか」をカレンダーに書くなど、目に見える形にすると楽しく続きます。きのうの自分とくらべて「のびたね」とほめるのがポイントです。

小学校の高学年のお子様

自分で考えて練習できる年れいです。「今日はどの練習をする?」と、本人にえらんでもらいましょう。高学年は声がかわりはじめる時期でもあるので、高い音をむりに出させないように気をつけます。

よくあるまちがいと、なおし方

よくあるまちがい なおし方
息を吸うとき、肩が上がる 鏡の前で肩に手をおいて、肩が上がらないように吸ってみる
大きな声を出そうとして、どなり声になる 「となりの部屋の人にとどくくらい」と、ちょうどよい大きさを伝える
高い音を出そうと、あごが上がる 頭のてっぺんの糸を思い出し、あごは軽く引いたままにする
毎日長い時間やろうとして、あきてしまう 5分で終わりにして、「もっとやりたい」で終わらせる

とくに「どなり声」は、元気よく歌っているように見えて、のどに負担がかかりやすい声です。お子様が「大きい声=上手」と思っていたら、「やさしい声のほうが、遠くまできれいにひびくんだよ」と伝えてみてください。

まちがいを見つけても、「ちがう!」と言うより、「こうするともっと楽になるよ」と伝えるほうが、お子様は前向きにとりくめます。

続けるためのコツ

  • 時間を決める(おふろの前、ごはんの前など、生活の流れの中に入れる)
  • 親もいっしょにやる(見ているだけより、ずっと楽しくなります)
  • できたことをカレンダーにシールではる
  • ときどき動画にとって、前とくらべてみる

おうちでとった動画は、成長の記録にもなります。スマホでのとり方のコツはこちら。歌の動画審査、スマホでのきれいなとり方。おうちでできる10のコツ

練習のあとは「クールダウン」を

運動のあとに体をゆっくりもどすように、声にもクールダウンがあると、のどがらくになります。

  • さいごに、ハミングで低めの音をやさしく出す
  • 肩をまわしたり、首をゆっくりかたむけたりして、力をぬく
  • 常温の水を少しのむ

歌い終わってすぐに大声でさわいだり、冷たいものを一気にのんだりするのは、さけたほうが安心です。

よくある質問

毎日やったほうがいいの?

毎日でなくても大丈夫です。週に何回か、楽しくできる日にやるだけでも、体はだんだん声の出し方をおぼえていきます。「やらなきゃ」になると、歌そのものがいやになってしまうこともあるので、気がるに続けましょう。お休みした日があっても、また次の日から始めればいいのです。

マンションで声を出すのが気になります

ハミング、リップロール、息をはく練習は、大きな音が出ないので、時間帯を気にせずできます。声を出す練習は、昼間の時間にまとめるなど、ご家庭のルールを決めておくと安心です。

先生のやり方とちがうときは?

この記事の練習は、あくまで一つの例です。習っている先生がいる場合は、先生のやり方をいちばんに。「おうちでもできる練習はありますか」と先生に聞いてみると、お子様にあったメニューを教えてもらえることもあります。

のどを大切にするために

  • たくさん水をのむ(冷たすぎないものを)
  • どなるような大声を、ふだんから出しすぎない
  • かぜのときや、声がかすれているときは、練習をお休みする
  • かすれが長く続くときは、お医者さんに相談する

声のことで心配なことがあるときは、耳鼻科で一度みてもらうと安心です。発声練習は、いたみをがまんしてやるものではありません。

まとめ

  • おうちの発声練習は、1回5〜10分で十分
  • 姿勢、息、くちびるぶるぶる、ハミングなど、遊びのように
  • 年れいにあわせて、すすめ方をかえる
  • まちがいは「こうすると楽になるよ」で伝える
  • 生活の流れに入れて、親もいっしょに
  • のどがいたいときはお休み
  • 先生がいる場合は、先生のやり方をいちばんに

毎日少しずつの練習が、お子様の声をのびのびと育ててくれます。

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