練習・発声のコツ

童謡を上手に歌うコツ。「ことば」を大切にすると歌はかわる

更新日:2026年11月4日 ・ 書いた人:うみ

「童謡って、簡単そうだけど、上手に歌うのはむずかしい」

童謡は、メロディーがやさしいぶん、ちょっとしたちがいが大きく聞こえます。この記事では、童謡を上手に歌うコツをお伝えします。

童謡が「むずかしい」と言われる理由

童謡は、小さなお子様でも歌えるように、短く、音の動きもやさしくつくられています。だからこそ、ごまかしがききません。

  • 音が少ないぶん、一つ一つの音のゆれや、ことばのあいまいさが目立つ
  • 速さがゆったりした曲が多く、息を長く使う力が必要になる
  • 昔のことばが多く、意味がわからないまま歌うと、気持ちが伝わりにくい
  • みんなが知っている曲なので、聞く人も「ことば」によく耳をかたむける

むずかしいテクニックより、「ことばを、気持ちをこめてていねいに届ける」ことが、そのまま上手さにつながる歌なのです。

童謡でいちばん大切なのは「ことば」

童謡のコンクールでは、日本語の美しさや、歌詞の気持ちが伝わるかがとても大切にされます。たとえばこども童謡コンクールでは、自然な声で自分のことばとして歌えているか、ことばの意味を考えたイントネーションになっているか、などを審査のポイントにあげています。(募集要項)

つまり童謡は、「歌う」より「語りかける」ように歌うと、ぐっとよくなります。

コツ1:歌詞を「話すように」読んでみる

曲にのせる前に、歌詞をふつうに話すように読んでみましょう。どこで区切ると意味が伝わるか、どのことばを大切に言いたいかが見えてきます。

コツ2:ことばの「はじめ」をていねいに

日本語は、ことばのはじめの音があいまいだと、何を言っているかわかりにくくなります。「ゆーやけ」「こーやけ」のように、はじめの音をやさしく、はっきり出すようにしましょう。

コツ3:息つぎの場所を決める

ことばの途中で息を吸うと、意味がとぎれてしまいます。歌詞にしるしをつけて、「ここで吸う」を決めておきましょう。文の切れ目が、いちばん自然です。

コツ4:場面を思いうかべる

童謡には、季節や景色、気持ちがつまっています。「夕焼けってどんな色?」「この子は今どんな気持ち?」と、お子様と話しながら場面を思いうかべると、声の色が自然にかわります。

曲の場面を絵にかくのもおすすめです。子どもが歌詞と曲を早くおぼえるコツ。暗譜がにがてな子も楽しくできる6つの方法

コツ5:「自分の声」で歌う

大人の歌手のまねをしたり、むりに声をつくったりしなくて大丈夫です。その子の今の年れいの、自然な声がいちばん美しく伝わります。

コツ6:のびのび、楽しく

「まちがえないように」と思うと、声がかたくなります。童謡は、歌う人が楽しんでいると、聞く人もしあわせな気持ちになれる歌です。

年れい別:ここを大切にしよう

幼児のお子様

まずは、元気に、楽しく、さいごまで歌いきることがいちばんです。ことばを全部はっきり言えなくても大丈夫。歌詞の中の動物や景色の話をして、「どんな歌かな」を親子で楽しむところから始めましょう。

小学校の低学年のお子様

ことばの意味がわかるようになり、「やさしく歌うところ」「元気に歌うところ」の歌い分けができはじめます。「ここはどんな気持ちかな?」と聞いて、お子様なりの答えを大切にしましょう。

小学校の高学年のお子様

息を長く使えるようになり、ことばの流れを大きくつかんで歌えるようになります。強弱や、ことばの終わりのやさしい消し方など、細かいところにも気をくばれる年れいです。高い音がきつくなってきたら、曲の高さをかえることも先生に相談しましょう。

よくあるくせと、直し方

よくあるくせ 聞こえ方 直し方
ことばの終わりが強くなる 「そら〜ア」のように、音がおし出される ことばの終わりは、そっとおくように
すべてのことばを同じ強さで歌う 平らで、気持ちが伝わりにくい 大切なことばを一つえらび、そこをていねいに
声をつくって歌う 大人っぽく、むりのある声になる 話すときの声の高さに近いところで歌ってみる
「ん」や小さい「っ」があいまい ことばがつぶれて聞こえる ゆっくり話して、一音ずつたしかめる
口があまり動かない こもった声になる 鏡を見ながら、口の形をたしかめる

一度に全部を直そうとすると、お子様はつかれてしまいます。1回の練習で1つだけ、と決めて取り組みましょう。直せたときは、すぐに「今のよかったね」と声をかけてあげてください。

曲えらびも大切

どんなにコツをおさえても、お子様の声の高さや年れいに合わない曲では、のびのび歌えません。歌いやすい高さか、歌詞の世界をお子様が思いうかべられるか、という目で曲をえらんでみてください。年れい別の曲えらびはこちら。童謡コンクールの曲のえらび方。年れい別のおすすめと、さけたいえらび方

おうちでできる練習メニュー

練習 やり方
歌詞を読む 話すように、ゆっくり声に出して読む
しるしをつける 息つぎの場所、大切なことばにしるし
ハミングで歌う メロディーだけを、やさしく
録音して聞く ことばが聞きとれるか、いっしょにたしかめる

おうちでできる発声練習はこちら。おうちでできる子どもの発声練習。5分でできる遊びのような練習法

録音を聞くときのチェックポイント

録音を聞くと、歌っているときには気づかないことがよくわかります。親子でいっしょに、次のことをたしかめてみましょう。

  • 歌詞を知らない人が聞いても、ことばが聞きとれるか
  • 息つぎで、ことばがとぎれていないか
  • 場面がかわるところで、声の感じがかわっているか
  • さいごのことばまで、ていねいに歌えているか

聞いたあとは、まず「ここがよかったね」をひとつ伝えてから、「つぎはここをやってみよう」とひとつだけ伝えると、お子様も前向きに練習できます。

よくある質問

ビブラートはつけたほうがいい?

子どもの童謡では、むりにつける必要はありません。まっすぐで自然な声のほうが、ことばがすっきり伝わります。自然にかかる場合は、そのままで大丈夫です。

振りつけをして歌ってもいい?

コンクールによって決まりがちがうので、募集要項をたしかめましょう。決まりがなくても、大きな動きは歌に集中しにくくなることがあります。練習のときだけ、場面を思いうかべるために使うのがおすすめです。

歌っているとのどがいたくなります

むりに大きな声や高い声を出していないか、ふりかえってみましょう。いたいときは練習をお休みし、続くときは耳鼻科で相談すると安心です。

方言のアクセントが出てしまいます

童謡は、ことばのイントネーションが大切にされる歌です。気になることばがあれば、辞書やアクセントをしらべられるアプリで、たしかめてみましょう。ただ、気にしすぎて歌がかたくなるより、気持ちをこめて歌うことのほうがずっと大切です。先生に相談しながら、少しずつととのえていけば大丈夫です。

何回くらい練習すれば上手になる?

回数より、1回1回の練習で何を気をつけるかが大切です。「今日は息つぎの場所だけ」「今日ははじめの音だけ」と、テーマを決めて短く練習すると、長くだらだら歌うより、ずっと上手になります。

まとめ

  • 童謡は「ことば」がいちばん大切
  • 歌詞を話すように読む、はじめの音をていねいに
  • 息つぎの場所を決め、場面を思いうかべる
  • 自分の声で、のびのび楽しく
  • 年れいにあったポイントと、くせの直し方は1回に1つずつ
  • 録音を聞いて、親子でたしかめる

ことばを大切にした童謡を、発表する場がほしいときは、動画で出られるこどもの歌声グランプリもあります。どの部門でも、歌ったお子様一人一人に講評がとどくので、つぎの練習のヒントにもなります。こどもの歌声グランプリ

やさしいメロディーだからこそ、お子様のことばと気持ちがまっすぐに伝わります。

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