親に歌の習い事をすすめたい。40代・50代の方が知っておきたい、すすめ方とプレゼントの考え方
「母は、むかしから歌がすきだった。何か始めてみたらいいのに」 「父が定年をむかえて、家にいる時間がふえた。楽しめることがあるといいな」
40代・50代になると、親のこれからの毎日について、ふと考えることがふえてくるのではないでしょうか。そのなかで、「歌の習い事はどうだろう」と思いついた方もいるかもしれません。
わたしも、息子の歌の習い事やコンクールをとおして、たくさんのおとなの方が歌を楽しんでいる姿を見てきました。年を重ねてから歌を始めた方が、とても生き生きと歌っているのを見ると、「歌は、何歳からでも楽しめるものなんだ」と感じます。
この記事では、親に歌の習い事をすすめたい方のために、すすめ方やえらび方のポイントをまとめます。
なぜ「歌」をすすめたいのか
親に歌の習い事をすすめたいと思う理由は、人それぞれだと思います。
- むかしから歌がすきだったことを、知っている
- 家にいる時間がふえて、楽しみをもってほしい
- 人と会う機会を、ふやしてほしい
- 何か新しいことを始めて、毎日にはりあいをもってほしい
歌は、体ひとつで始められ、すきな曲を口ずさむだけでも楽しめる習い事です。また、教室や合唱団に通えば、同じように歌がすきな仲間と出会えることもあります。
ただし、歌はあくまで楽しみのための習い事です。健康のことで心配なことがあるときは、歌に期待しすぎず、まずはお医者さんに相談することを大切にしてください。
歌の習い方には、いろいろある
すすめる前に、どんな習い方があるかを知っておくと、親の好みに合わせて提案しやすくなります。
- カラオケ教室:歌謡曲や演歌など、なじみのある歌を楽しく習える
- ボイストレーニング:声の出し方を、ていねいに練習する
- 声楽:クラシックの歌い方を、体全体をつかって習う
- 合唱団:仲間といっしょに、声を合わせて歌う
- オンラインのレッスン:家にいながら、画面ごしに習える
それぞれのちがいは、こちらの記事でくわしく書いています。シニアの歌の教室えらび。カラオケ教室・ボイトレ・声楽・合唱のちがいと、自分に合う教室の見つけ方
カラオケ教室と声楽教室でまよったときは、こちらの記事もどうぞ。カラオケ教室と声楽教室、どちらが合う?おとなが歌を習うときのえらび方
親の「すき」を思い出してみる
どの習い方がいいかを考えるときは、親がどんな歌がすきだったかを、思い出してみてください。
- 家で、どんな歌を口ずさんでいたか
- テレビの歌番組で、だれの歌を楽しそうに見ていたか
- 若いころに、合唱やコーラスをしていたか
- カラオケに行くのが、すきだったか
親の「すき」につながる習い方だと、始めるときのハードルが、ぐっと下がります。ジャンルのちがいについては、こちらの記事も参考になると思います。声楽・ミュージカル・ボーカル、子どもにはどれ?3つのちがいをやさしく解説
気持ちよくすすめるための声のかけ方
「やったほうがいい」より「楽しそう」
「何か始めたほうがいいよ」「家にばかりいたらだめだよ」と言われると、親は少しさびしい気持ちになるかもしれません。それよりも、「お母さん、歌がすきだったよね。こんな教室があるみたいだよ」と、楽しそうに話してみるのがおすすめです。
決めるのは、親自身
すすめるのはよいことですが、決めるのは、あくまで親自身です。「どう思う?」と聞いて、親の気持ちを大切にしてください。その場で返事がなくても、しばらくたってから「行ってみようかな」と言ってくれることもあります。
不安な気持ちを聞いてみる
親が乗り気でないときは、その理由を、ゆっくり聞いてみましょう。
- 声が出るか心配
- 人前で歌うのがはずかしい
- 教室まで通うのが大変
- お金がかかるのが気になる
理由がわかれば、それに合った方法を、いっしょに考えることができます。声が出にくいのが心配なら、やさしい発声練習から始める方法もあります。年をとって声が出にくいと感じたら。歌がすきな方のための、やさしい発声練習
体験レッスンを「プレゼント」にする
いきなり入会をすすめるより、体験レッスンをいっしょに申しこんでみるのは、とてもいい方法です。
- 母の日や父の日、誕生日のプレゼントにする
- 敬老の日に、「いっしょに行ってみない?」とさそう
- はじめの1回だけ、いっしょについていく
ただ、60代の方のなかには、「敬老の日」とよばれることに、まだぴんとこない方もいます。親の気持ちを考えて、誕生日など、ほかの日をえらぶのもひとつの方法です。
体験レッスンなら、「合わなかったら、やめればいい」と、気がるに考えられます。体験レッスンで見ておきたいことは、こちらの記事にまとめています。歌の体験レッスンで見るべき5つのこと。聞いておきたい質問リストつき
月謝をプレゼントするときは
習い事のお金を、子どもがプレゼントする方もいます。ただ、月謝や入会金などは、教室によって大きくちがいます。また、長くつづくものなので、どれくらいの期間、どんな形でサポートするのかを、さいしょに親と話しておくと、おたがいに気をつかわずにすみます。
えらぶときに見ておきたいこと
親のかわりに教室をさがすときは、つぎのことを見ておくと安心です。
- 家から通いやすい場所か
- 階段の上り下りが多くないか
- すわって歌える時間があるか
- 同じくらいの年代の方がいるか
- 先生が、ゆっくりわかりやすく話してくれるか
教室をさがすときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし
はなれてくらす親へのサポート
親とはなれてくらしている方も多いと思います。そんなときは、オンラインのレッスンも選択肢になります。
- 帰省したときに、スマホやタブレットの設定を手伝う
- ビデオ通話を、いっしょにためしてみる
- よくつかうボタンを、紙に書いておく
- 知らない人からの連絡やリンクに、気をつけるよう話しておく
スマホになれていない親は、レッスンの申しこみやしはらいのときに、こまってしまうこともあります。「お金のことや、知らない人からの連絡でまよったら、いつでも電話してね」と、ひとこと伝えておくだけでも、親は安心できます。
スマホの使い方が不安なときのことは、こちらの記事にまとめています。おうちでできるオンラインの歌のレッスン。スマホが少し不安なシニアの方へ
また、電話やビデオ通話のときに、「最近、どんな歌を練習しているの?」と聞いてみるのも、すてきなサポートです。練習している歌を、少し歌ってもらうのもいいですね。
始めたあとの見守り方
- 「どうだった?」と、レッスンのようすを聞いてみる
- 発表会があれば、できるだけ見に行く
- うまくいかない日の話も、しずかに聞く
- 体調がすぐれないときは、むりをしないように声をかける
声のかすれが長くつづいたり、のどにいたみがあったりするときは、耳鼻科などのお医者さんに相談するよう、すすめてあげてください。
いっしょに歌うのも、ひとつの方法
親にすすめるだけでなく、自分もいっしょに習ってみるのも、すてきな方法です。親子で同じ教室に通ったり、同じ合唱団に入ったりする方もいます。
「ひとりで行くのは不安」という親も、子どもがいっしょなら、安心して始められるかもしれません。仕事や家のことでいそがしい40代・50代の方にとっても、歌う時間は、ほっとひと息つける時間になると思います。
いっしょに習うのがむずかしいときは、帰省したときに、カラオケにさそってみるのもいいですね。親がどんな歌を楽しそうに歌うかを見ていると、合いそうな習い方のヒントが見つかることもあります。
もし、合わなかったら
せっかく始めても、「やっぱり合わなかった」となることもあります。そんなときも、がっかりしなくてだいじょうぶです。ほかの教室や、ちがう習い方をためしてみることもできます。
また、習い事をやめたとしても、「やってみた」という経験は、親にとってきっと楽しい思い出になります。すすめてくれたあなたの気持ちも、ちゃんと伝わっているはずです。
親が60代・70代から歌を始めるときのはじめかたは、こちらの記事にまとめています。親にそのまま読んでもらうのもいいと思います。60代・70代から歌を習いたい。はじめての方のための、やさしいはじめかた
まとめ
- 親の「すき」を思い出して、合いそうな習い方を考える
- 「やったほうがいい」より「楽しそう」と、明るくすすめる
- 決めるのは親自身。不安な気持ちも、ゆっくり聞く
- 体験レッスンを、プレゼントにするのもおすすめ
- はなれてくらす親には、オンラインのレッスンやスマホの設定を手伝う
- 健康のことで心配なときは、まずお医者さんに相談する
親が歌を楽しめるようになったら、いつか家族みんなで、その歌を聞く機会をつくってみてはいかがでしょうか。こどもの歌声グランプリには、シニア(65歳以上)の部もあり、おうちでとった動画で応募できます。動画をとるお手伝いも、すてきな親孝行になるかもしれません。こどもの歌声グランプリ