カラオケ教室と声楽教室、どちらが合う?おとなが歌を習うときのえらび方
「歌を習うなら、カラオケ教室がいいのかしら。それとも声楽教室?」
おとなの方が歌を習おうとすると、まずこのふたつでまよう方が多いように思います。どちらも「歌の教室」ですが、じつは、大切にしていることや、レッスンのすすめ方がかなりちがいます。
わたしは、息子の習い事をとおして、声楽の先生のレッスンも、ポップスや歌謡曲にくわしい先生のレッスンも見てきました。どちらにもそれぞれのよさがあり、どちらがすぐれているということはありません。大切なのは、自分に合っているかどうかです。
この記事では、カラオケ教室と声楽教室のちがいを、わかりやすくくらべてみます。
いちばん大きなちがいは「歌い方」
カラオケ教室の歌い方
カラオケ教室では、マイクをつかって歌うことが多いです。マイクが声をひろってくれるので、小さな声でも、ことばや気持ちをこまやかに伝えることができます。
歌謡曲や演歌、ポップスなどの、その歌らしい歌い方を習うことが多いのも、とくちょうです。こぶしやビブラートなど、曲の味わいを出す歌い方を教えてもらえることもあります。
声楽教室の歌い方
声楽教室では、マイクをつかわずに、体全体をひびかせて歌う練習をします。ホールのうしろの席まで、自分の声だけで届けることを目ざす歌い方です。
姿勢や息のつかい方を、とてもていねいに練習します。はじめのうちは、曲を歌う前の発声練習に、多くの時間をつかうこともあります。
歌う曲のちがい
カラオケ教室
- 歌謡曲、演歌、ポップスなど
- 若いころにすきだった歌を、えらびやすい
- テレビやラジオで耳にする曲が多い
声楽教室
- 日本の歌曲や、むかしからある日本の歌
- 外国のクラシックの歌
- オペラや、宗教音楽の歌など
声楽教室でも、先生によっては、なつかしい日本の歌や、すきな曲を取り入れてくれることがあります。気になる方は、体験レッスンのときに聞いてみてください。
ジャンルによるちがいは、こちらの記事にもまとめています。声楽・ミュージカル・ボーカル、子どもにはどれ?3つのちがいをやさしく解説
レッスンのすすめ方のちがい
カラオケ教室のレッスン
カラオケ教室では、すきな曲を1曲えらんで、その曲をじょうずに歌えるように練習していくことが多いです。
- 曲の入り方や、息つぎの場所を教えてもらう
- 音のとり方や、リズムをたしかめる
- 気持ちの込め方を、いっしょに考える
「この曲を歌えるようになりたい」という目標が立てやすく、楽しみながらつづけやすいと思います。
声楽教室のレッスン
声楽教室では、まず発声練習をしてから、曲の練習に入ることが多いです。
- 姿勢や呼吸をととのえる
- 声をひびかせる場所を、体で感じる
- 楽譜を読みながら、ことばや音をていねいに歌う
すぐに成果が見えにくいこともありますが、声の土台をじっくりつくっていけるのが、声楽のよさです。
おうちでできる発声練習は、子ども向けの記事ですが、おとなの方にも役に立つと思います。おうちでできる子どもの発声練習。5分でできる遊びのような練習法
発表の場のちがい
カラオケ教室
カラオケ教室の発表会は、マイクをつかって、伴奏の音源に合わせて歌うかたちが多いです。カラオケの大会や、地域のイベントなどに出る方もいます。
声楽教室
声楽教室の発表会は、ピアノの伴奏で歌うことが多いです。ホールや、教室のなかでひらかれる小さな演奏会などがあります。声楽のコンクールに挑戦する方もいます。
シニアの方が出られる発表の場については、こちらの記事にまとめています。シニアが出られる歌のコンクール・発表の場。オンラインもふくめた、えらび方とチェックしたいこと
どちらが合うか、考えるための質問
まよったときは、こんなことを考えてみてください。
- 歌いたいのは、なじみのある歌謡曲か、クラシックの歌か
- すきな曲を早く歌いたいか、声の土台をじっくりつくりたいか
- マイクをつかって歌いたいか、自分の声だけで歌いたいか
- 楽譜を読むことに、きょうみがあるか
カラオケ教室が向いているかもしれないのは、こんな方です。
- すきな歌を、気持ちよく歌いたい
- 楽しく、気がるに始めたい
- カラオケに行ったときに、もっと楽しみたい
声楽教室が向いているかもしれないのは、こんな方です。
- ひびきのある声で歌ってみたい
- 体のつかい方から、ていねいに学びたい
- 合唱をしていて、もっと声をみがきたい
「どちらか」でなくてもいい
かならずしも、どちらか一方に決めなくてもいいと思います。
たとえば、声楽で声の土台をつくりながら、カラオケですきな歌を楽しむ方もいます。反対に、カラオケ教室で歌になれてから、声楽にきょうみをもつ方もいます。
また、ボイストレーニングのように、ジャンルを問わず声をととのえるレッスンもあります。いろいろな教室のちがいは、こちらの記事でくわしく書いています。シニアの歌の教室えらび。カラオケ教室・ボイトレ・声楽・合唱のちがいと、自分に合う教室の見つけ方
体へのやさしさも見ておく
どちらの教室をえらぶにしても、シニアの方は、体にむりがないかどうかも見ておきましょう。
- 長い時間、立ちっぱなしにならないか
- のどがつかれたときに、休ませてくれるか
- 高い声や大きな声を、むりに出させないか
声楽では、体全体をつかって歌うので、はじめのうちは少しつかれを感じることもあります。カラオケでは、すきな曲を何度も歌いすぎて、のどがつかれることもあります。どちらも、むりをしないことが大切です。
のどの調子が長くすぐれないときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してみてください。
先生のタイプも見ておく
同じカラオケ教室、同じ声楽教室でも、先生によって教え方はさまざまです。
カラオケ教室の先生のなかには、歌い手として舞台に立ってきた方もいれば、教えることを長くつづけてきた方もいます。声楽の先生も、オペラが得意な方、日本の歌曲が得意な方、合唱の指導になれている方など、いろいろです。
体験レッスンでは、つぎのようなことを見てみてください。
- 自分の歌いたい曲に、くわしそうか
- ゆっくり、わかりやすく説明してくれるか
- できたところを、きちんと見つけてくれるか
- 質問をしたときに、ていねいに答えてくれるか
「何を習うか」と同じくらい、「だれに習うか」も大切です。先生と話していて、自然と笑顔になれるかどうかも、ひとつの目安になると思います。
家での練習のしかたもちがう
カラオケ教室で習うと、家では、音源に合わせてすきな曲をくりかえし歌う練習が多くなります。スマホで音源をながしながら、口ずさむだけでも練習になります。
声楽教室で習うと、家では、発声練習や、楽譜を見ながらの練習が多くなります。大きな声を出せない家でも、ハミングや息の練習など、しずかにできることもあります。
ご自分の家で、どんな練習ならむりなくできそうかを考えてみるのも、えらぶときのヒントになります。
体験レッスンで、じっさいにくらべてみる
いちばんわかりやすいのは、両方の体験レッスンを受けてみることです。じっさいに歌ってみると、「こっちのほうが楽しい」「この先生の話がわかりやすい」と、自分の気持ちがはっきりしてくることがあります。
カラオケ教室と声楽教室では、レッスンの長さや、発表会のときの伴奏者へのお礼など、かかるお金の中身もちがうことがあります。金額は教室によってさまざまなので、体験のときに「月謝のほかに、どんなときにお金がかかりますか」と、あわせて聞いておくと安心です。
教室をさがすときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし
まとめ
- カラオケ教室は、マイクをつかって、すきな歌を味わいぶかく歌う
- 声楽教室は、体全体をひびかせて、声の土台をじっくりつくる
- 曲、レッスンのすすめ方、発表の場にもちがいがある
- どちらがすぐれているかではなく、自分に合うかどうかが大切
- 両方の体験レッスンを受けて、くらべてみるのがおすすめ
どちらの教室で練習しても、歌った歌をだれかに聞いてもらえると、はげみになります。こどもの歌声グランプリには、一般の部とシニア(65歳以上)の部があり、ジャンルを問わず、おうちでとった動画で応募できます。よかったらのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ