声楽・ミュージカル・ボーカル、子どもにはどれ?3つのちがいをやさしく解説
「歌を習わせたいけれど、声楽とボーカルって何がちがうの?」 「ミュージカルも歌うけれど、声楽とはちがうの?」
どれも「歌の習い事」ですが、中身はけっこうちがいます。この記事では、3つのちがいを、はじめての方にもわかりやすくお伝えします。
ひとことで言うと
- 声楽:マイクなしで、体ぜんたいをひびかせて歌う
- ミュージカル:歌いながら、お芝居をして、踊る
- ボーカル:マイクを使って、ポップスなどを自分らしく歌う
3つをくらべてみると
| 声楽 | ミュージカル | ボーカル | |
|---|---|---|---|
| 歌う曲 | 童謡・唱歌、日本の歌曲、イタリア歌曲など | ミュージカルの曲 | ポップス、アニメの歌など |
| 声の出し方 | 体をひびかせる。マイクなしが基本 | ことばが伝わるように歌う | マイクを使う前提で、自然な声で |
| 体の使い方 | まっすぐ立って歌う | 踊る、動きながら歌う | リズムにのって歌う |
| 発表の場 | 発表会、コンクール | 舞台公演、オーディション | 発表会、ライブ、オーディション |
※教室によって、あつかう曲ややり方はちがいます。
声楽
どんな習い事?
声という楽器を、基礎からしっかり育てる習い事です。姿勢、息の吸い方、声のひびかせ方を、じっくり学びます。
よいところ
- 声の基礎がしっかり身につくので、ほかのどんな歌にもいきる
- 日本語をていねいに歌う力がつく
- コンクールが多く、目標をもちやすい
こんなお子様に
童謡やきれいなメロディーが好き。じっくり、ひとつのことをきわめるのが好き。
ミュージカル
どんな習い事?
歌、ダンス、お芝居をいっしょに学ぶ習い事です。歌は「役の気持ちを伝えるもの」として歌うので、表現する力がとても育ちます。
よいところ
- 歌・ダンス・お芝居をまとめて経験できる
- 仲間といっしょにひとつの舞台をつくる経験ができる
- 人前で堂々と話したり、表現したりする力がつく
こんなお子様に
体を動かすのも好き。ごっこ遊びや、なりきるのが得意。友だちといっしょに何かをつくるのが好き。
ボーカル
どんな習い事?
ポップスやアニメの歌など、好きな曲を上手に歌えるようになる習い事です。マイクの使い方や、リズムのとり方も学びます。
よいところ
- 好きな曲を歌えるので、やる気が続きやすい
- カラオケや学校の行事など、ふだんの生活でもいきる
- 自分らしい歌い方を大切にできる
こんなお子様に
テレビや動画で流れている歌を、まねして歌うのが好き。リズムにのるのが得意。
レッスンの中身は、こんなふうにちがう
同じ「歌のレッスン」でも、1回のレッスンでやることは、ジャンルによってかなりちがいます。体験に行く前に知っておくと、ようすがイメージしやすくなります。
声楽のレッスン
体をほぐす運動や、息を長くはく練習から始まることが多いです。そのあと、「あ」「お」などの母音をつかった発声練習をして、曲の練習にうつります。ピアノの横に立って、先生と向きあって歌うのが基本です。
ミュージカルのレッスン
グループで、歌の時間、ダンスの時間、お芝居の時間に分かれていることが多いです。セリフを言ってから歌い出すなど、場面の中で歌う練習もあります。発表に向けて、みんなでひとつの作品をつくっていきます。
ボーカルのレッスン
マイクを持って歌う練習や、リズムにのる練習が入ります。お子様の好きな曲を課題にすることも多く、「この曲を歌えるようになりたい」という気持ちをいかしやすいレッスンです。
おうちでの練習も、ジャンルによってちがう
声楽は、毎日少しずつ発声と曲の練習をつみかさねるのが基本です。鏡の前で、姿勢をたしかめながら歌うのもおすすめです。
ミュージカルは、歌だけでなく、ダンスのふりつけやセリフの練習もあります。家では、歌いながら動ける広さがあるか、まわりにぶつかるものがないかをたしかめておきましょう。
ボーカルは、好きな曲を聞きこんで、リズムや歌い方をつかむ練習が中心になります。イヤホンで聞くときは、耳を守るために音量を上げすぎないようにしてあげてください。
どのジャンルでも、長い時間の練習より、短くても毎日続けるほうが身につきやすいです。
年れいによる向き・不向き
幼児
まだ体が小さいので、どのジャンルでも、遊びの中で楽しく歌うことが中心になります。体を動かすのが好きならミュージカル系、歌うこと自体が好きなら、歌あそびをとり入れた声楽の教室などが入りやすいです。
小学校の低学年
先生のまねをして、どんどん吸収できる時期です。どのジャンルも始めやすく、いろいろ体験してみるのにもよい年れいです。
小学校の高学年
自分の好きな歌や、なりたい姿がはっきりしてきます。お子様の「やってみたい」という気持ちを、いちばん大切にしてえらびましょう。
体験でたしかめたいこと
| ジャンル | 体験で見たいところ |
|---|---|
| 声楽 | 子どもの声にあった高さや曲をえらんでくれるか |
| ミュージカル | 歌・ダンス・お芝居の時間のバランス。発表の回数や準備の大変さ |
| ボーカル | マイクの音量が大きすぎないか。好きな曲だけでなく基礎も見てくれるか |
体験レッスンでの見方は、こちらの記事にくわしくまとめています。歌の体験レッスンで見るべき5つのこと。聞いておきたい質問リストつき
どのジャンルでも気をつけたい、のどのこと
ジャンルがちがっても、子どもの声がまだそだっているとちゅうであることはかわりません。どのジャンルでも、つぎのことに気をつけてあげてください。
- 大人の歌手のまねをして、むりに大きな声や低い声を出しすぎない
- のどがいたいとき、声がかれているときは、歌う練習を休む
- 声のかれた状態が長くつづくときは、耳鼻科で見てもらう
とくにボーカルやミュージカルでは、好きな歌手の歌い方をそのまままねしたくなることがあります。先生に「この子の声にあった歌い方」を教えてもらえるかも、えらぶときに見ておきたいところです。のどを守るための毎日のケアは、こちらの記事にまとめています。子どもののどを守るためにできること。歌をがんばる子の毎日のケア
よくあるしつもん
どれから始めたらいい?
どれから始めても、ほかの歌にもいきる力がつきます。ただ、声の基礎をしっかりつけたいなら声楽、楽しさをいちばんにしたいならボーカルやミュージカル、と考えるとえらびやすいです。
とちゅうでかえてもいい?
もちろん大丈夫です。声楽で身につけた声の基礎はミュージカルでもいきますし、ミュージカルで身につけた表現力は声楽にもいきます。お子様の「今やりたいこと」を大切にしましょう。
ふたつのジャンルをいっしょに習ってもいい?
時間と体力によゆうがあれば、問題ありません。ただ、先生によって声の出し方の教え方がちがい、お子様がまよってしまうこともあります。両方の先生に、ほかでも習っていることを伝えておくと安心です。
コンクールに出られるのはどれ?
声楽や童謡のコンクールが多いですが、ジャンルを問わずに出られるコンクールもあります。たとえば全日本こどもの歌コンクールは、曲のジャンルを問いません。(募集要項)
子どもが出られる歌のコンクールはこちら。子どもが出られる歌のコンクール一覧。童謡・声楽・動画で出られるものまで
まとめ
- 声楽:声の基礎をじっくり。童謡やきれいなメロディーが好きな子に
- ミュージカル:歌・ダンス・お芝居。体を動かすのが好きな子に
- ボーカル:好きな曲を自分らしく。ポップスやアニメが好きな子に
- どれから始めても、ほかの歌にもいきる
- どのジャンルでも、のどにむりをさせないことが大切
まよったら、お子様がいちばん楽しそうに歌っている曲を思いうかべてみてください。それがいちばんのヒントです。
わたしが開く「こどもの歌声グランプリ」は、ジャンルを問わず、動画で出られる歌のコンクールです。声楽でも、ミュージカルの曲でも、ポップスでも、出てくれたお子様全員に講評をお届けします。習っている歌の力だめしに、気軽にのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ