子どもののどを守るためにできること。歌をがんばる子の毎日のケア
「練習のあと、声がかれている」 「コンクール前にかぜをひいたらどうしよう」
歌をがんばっているお子様のお父様・お母様にとって、のどのことはとても気になりますよね。この記事では、おうちでできる毎日のケアをまとめます。
ただし、この記事は医療のアドバイスではありません。声のかすれが続くときや、のどのいたみが強いときは、かならずお医者さんに相談してください。
子どもののどは、まだそだっているとちゅう
子どもののどは、大人よりもせんさいです。大きな声を出しつづけたり、長い時間歌ったりすると、声がかれやすくなります。「たくさん練習するほどうまくなる」ではなく、「のどを大切にしながら練習する」ことが大切です。
声がつかれているサインに気づこう
お子様は、のどがつかれていても、自分ではうまく言えないことがあります。つぎのような様子があったら、その日は練習を軽めにするか、お休みにしましょう。
- 話し声が、いつもよりかすれている
- 高い音が、きのうまでより出にくそう
- せきばらいを何度もしている
- 「のどがイガイガする」「いたい」と言う
- 歌いはじめはよくても、すぐに声がつかれてしまう
「まだ歌えるよ」とお子様が言っても、サインが見えたら、おとなが止めてあげることも大切です。
毎日のケア
水をこまめにのむ
練習の前やとちゅうに、少しずつ水をのみましょう。冷たすぎない、常温のものがおすすめです。
部屋をかわかせすぎない
冬は空気がかわきやすい季節です。加湿器を使う、ぬれたタオルをかけるなど、部屋のしっけにも気をつけましょう。
ふだんから大声を出しすぎない
遊んでいるときに大声でさけびつづけると、のどに負担がかかります。とくにコンクールの前は、「いまはのどを大切にしようね」と声をかけてあげましょう。
練習は短く、お休みも大切に
長い時間つづけて歌うより、短い練習を毎日つづけるほうが、のどにもやさしいです。練習のあいだにも、ときどきお休みを入れましょう。
よくねて、体調をととのえる
声は体の調子に大きく左右されます。よくねて、しっかり食べることが、いちばんののどのケアです。
練習の前と後に、できること
いきなり大きな声で歌いはじめると、のどがびっくりしてしまいます。練習の前と後に、少しだけ時間をとってあげましょう。
練習の前
- 肩をまわしたり、首をゆっくりかたむけたりして、体の力をぬく
- 口をとじて「んー」と、小さな声でハミングする
- 低い音から高い音へ、サイレンのように声をすべらせる(むりのない高さまで)
どれも、小さな声で、いたくない範囲で行います。くわしいやり方は、こちらの記事にまとめています。おうちでできる子どもの発声練習。5分でできる遊びのような練習法
練習の後
- 水を少しのむ
- しばらくは、大きな声を出す遊びをひかえる
- 「きょうはどうだった?」と、のどの調子を聞いてみる
練習の後に声がかれているなら、その日の練習が少し長すぎたのかもしれません。つぎの日は短めにするなど、少しずつ調整していきましょう。
季節ごとに気をつけたいこと
| 季節 | 気をつけたいこと |
|---|---|
| 春 | 花粉で鼻がつまると、声が出しにくくなることも。気になるときはお医者さんに相談 |
| 夏 | 冷房で部屋やのどがかわきやすい。冷たいのみ物ののみすぎにも注意 |
| 秋 | 朝と夜の寒さの差で、体調をくずしやすい。うすい上着で調整 |
| 冬 | 空気がかわき、かぜもはやる季節。部屋のしっけと、手洗い・うがいを大切に |
一年を通して、「のどがかわく場所」と「体がひえること」に気をつけると、声の調子をたもちやすくなります。
年れいによって気をつけたいこと
- 幼児のお子様は、楽しくなると、ついさけぶように歌ってしまいがちです。「やさしい声で歌おうね」と、声の大きさの目じるしを伝えてあげましょう。
- 小学生になると、練習の時間が長くなりがちです。時間を決めて、とちゅうでお休みを入れましょう。
- 高学年から中学生にかけては、声がわりが始まるお子様もいます。声が出にくい時期は、むりに高い音を出さないようにしましょう。声がわりの時期の男の子と歌。続けていい?気をつけたいこと
声がかれたときは
- 歌の練習はお休みする
- ひそひそ声で話すのも、のどに負担がかかることがあるので、ふつうの小さめの声で
- ひどいときや、長くつづくときは、お医者さんに相談する
「コンクールが近いから」とむりをするより、しっかり休んでのどをなおすほうが、結果としてよい歌になります。
耳鼻科に相談したいとき
つぎのようなときは、自己判断せず、耳鼻科に相談すると安心です。
- 声のかすれが、何日もよくならない
- のどのいたみが強い、または熱がある
- 声がかれることを、何度もくりかえしている
- 話すときにも、声が出しにくそう
歌をならっていることや、どのくらい練習しているかを伝えると、お医者さんも様子をつかみやすくなります。歌の先生にも、のどの調子を伝えておきましょう。
のどを守る声かけ
のどのケアは、お子様が自分で気をつけられるようになることが、いちばんの目標です。そのために、お父様・お母様の声かけが大きな助けになります。
- 「のどの調子はどう?」と、練習の前に聞く
- 「きょうは声がつかれているみたいだから、ここまでにしよう」と、止める理由を伝える
- お休みした日も、「のどを大切にできたね」とみとめる
- 「休むのもれんしゅうのうち」と、くりかえし伝える
「休む=なまけている」ではないことを、小さいうちから知っておくと、大きくなってからも自分の声を大切にできるようになります。
よくある質問
のどあめは使ってもいい?
のどがかわいたときに、口の中がうるおうと感じるお子様もいます。ただ、小さなお子様は、あめをのどにつまらせることがあるので注意が必要です。年れいにあわせて、おうちの方がそばで見ていてあげてください。
歌う直前に食べてもいい?
おなかがいっぱいだと、息がすいにくくなり、歌いにくく感じることがあります。本番や練習の直前は、軽めにしておくと安心です。
練習しすぎかどうか、どうやって見わける?
練習のあとや、つぎの日の朝に声がかれていたら、練習が多すぎたサインかもしれません。どのくらいの練習がよいかは、お子様の年れいや体の大きさによってちがいます。歌の先生に相談して、その子にあった時間を決めていきましょう。
コンクール前1週間のすごし方
| 時期 | すごし方のめやす |
|---|---|
| 1週間前 | ふだんどおり練習する。新しいことはふやさない |
| 3〜4日前 | 練習は短めに。早ねを心がける |
| 前の日 | 通して1〜2回歌うくらいにして、のどを休める |
| 当日 | 水をのみ、軽く声を出してから本番へ |
本番が近づくと、「もっと練習しなきゃ」と思いがちです。でも、この時期にいちばん大切なのは、元気な体とのどで当日をむかえることです。
人の多い場所に出かける予定は、できるだけへらしておくと安心です。手洗いやうがいを家族みんなで心がけて、お子様だけでなく、まわりのおとなもかぜをひかないように気をつけましょう。当日の朝は、いつもより少し早く起きて、体と声が目をさます時間をつくってあげてください。
コンクール前に体調をくずしたら
会場で歌うコンクールは、日にちをかえられないことがほとんどです。そういうときは、「今回はお休みして、つぎにいかそう」という判断も大切です。
動画で出られるコンクールなら、受けつけの期間の中で、のどの調子がよい日をえらんでとれるのもよいところです。動画で出られる子どもの歌のコンクールまとめ。おうちから挑戦できます
まとめ
- 子どもののどはせんさい。むりをしないことがいちばん
- 声がつかれているサインに、おとなが気づいてあげる
- 水をのむ、部屋のしっけ、大声を出しすぎない
- 練習の前後に、やさしく体と声をととのえる
- 練習は短く、よくねる
- 声がかれたらお休み。つづくときは耳鼻科へ
のどを大切にすることも、歌を長く楽しむための大切な練習のひとつです。