声がわりの時期の男の子と歌。続けていい?気をつけたいこと
「最近、高い声が出にくそう」
「声がかすれて、歌いにくそう」
小学校の高学年ごろから、男の子は声がわり(変声期)をむかえます。歌をがんばってきたお子様ほど、本人もお父様・お母様も不安になる時期です。
この記事では、声がわりの時期の歌とのつきあい方をお伝えします。ただし、声の変化には大きな個人差があります。気になることがあるときは、習っている先生や、のどの専門のお医者さんに相談してください。
声がわりでよくある変化
- 高い音が出にくくなる
- 声がかすれたり、ひっくりかえったりする
- いつもの曲が歌いにくくなる
- 声の高さが、日によってかわる
これは体が大きくなっている証拠です。お子様には「大人の声になる準備をしているんだよ」と伝えて、不安をやわらげてあげましょう。
声がわりのはじまりに気づくには
声がわりは、ある日とつぜんはじまるというより、少しずつ進んでいくことが多いです。はじまる時期や、どれくらい続くかは、お子様によって本当にさまざまです。つぎのようなことに気づいたら、声がわりがはじまっているのかもしれません。
- 話し声が、前より少し低く、かすれぎみになった
- 歌っていて、いつも出ていた高い音で声がわれる
- 朝と夕方で、声の出やすさがちがう
- 本人が「なんだか歌いにくい」と言うようになった
録音や動画をときどきのこしておくと、変化に気づきやすくなります。また、女の子も、男の子ほど大きくはありませんが、成長とともに声が少しかわることがあると言われています。気になるときは、同じように先生に相談してみてください。
歌は続けていい?
声がわりの時期でも、むりのない範囲で歌を続けるお子様はたくさんいます。大切なのは、「むりをしないこと」です。
気をつけたいこと
- 出ない高い音を、むりに出さない
- 大きな声でどなるように歌わない
- のどがいたい、かすれがひどいときはお休みする
- かすれが長く続くときは、お医者さんに相談する
曲のえらび方をかえる
曲全体の高さを下げる(移調する)、音のはばがせまい曲をえらぶなど、そのときの声にあった曲にすると歌いやすくなります。先生といっしょにえらびましょう。
リズムやことばの練習をふやす
声をたくさん使う練習をへらして、歌詞の意味を考える、楽譜を読む、いろいろな歌を聞く、などの練習に時間を使うのもよい方法です。
この時期の練習のしかた
声がわりの時期は、「たくさん歌う」より「やさしく、短く歌う」ことを心がけてみてください。たとえば、つぎのような工夫があります。
| いつもの練習 | この時期のおすすめ |
|---|---|
| 毎日長い時間歌う | 短い時間に分けて、こまめに休む |
| 高い音をくりかえし練習する | 出しやすい高さの音を中心に練習する |
| 大きな声で歌う | 中くらいの声で、ひびきを感じながら歌う |
| 曲を通して何度も歌う | ハミングや、ことばを読む練習をまぜる |
練習のあとに、のどがつかれている感じがしないかを、お子様に聞いてみてください。「少し休みたい」と言ったら、すぐに休ませてあげることが大切です。
おうちでできる、のどのケア
声がわりの時期は、ふだんの生活でも、のどをいたわってあげましょう。
- こまめに水分をとる
- 部屋がかわきすぎないように気をつける
- 外で大きな声でさけびつづけない
- かぜをひいたときは、歌の練習をお休みする
- 夜はしっかりねて、体を休める
部活動や外遊びで、大きな声を出す場面がふえる年ごろでもあります。歌の練習だけでなく、一日をとおして声をどれくらい使っているかを、ときどきふりかえってみてください。のどのケアについては、こちらにもまとめています。子どもののどを守るためにできること。歌をがんばる子の毎日のケア
先生やお医者さんに相談するめやす
声がわりは自然なことですが、つぎのようなときは、ひとりでなやまず相談してください。
- 声のかすれが、しばらくたってもよくならない
- 話すだけでも、のどがいたい
- 声がまったく出ない日がある
- 歌の先生から「一度見てもらったほうがいい」と言われた
歌の先生には、「最近こんな様子です」と、おうちでの様子を伝えておくと、練習の内容をかえてもらいやすくなります。のどのことで心配なときは、耳鼻科で相談すると安心です。
コンクールはどうする?
声がわりの時期は、声が安定しないこともあります。コンクールに出るかどうかは、お子様の気持ちと、先生の考えを聞いて決めましょう。
- 出るなら、今の声にあった曲をえらぶ
- 動画で出られるコンクールなら、声の調子がよい日にとれる
- 「今年はお休み」というえらび方もある
お子様の気持ちによりそう
声がわりは、体だけでなく気持ちもゆれやすい時期です。「前のように歌えない」とくやしがったり、「もう歌いたくない」と言ったりすることもあります。
「声がかわるのは、大人になっている証拠。新しい声も楽しみだね」と、前向きなことばをかけてあげましょう。やめたいと言われたときの向き合い方はこちら。「歌をやめたい」と言われたら。すぐに答えを出さない、親の向き合い方
かけたいことば、さけたいことば
声がわりの時期のお子様は、自分の声の変化にとても敏感です。何気ないひとことが、心にのこってしまうこともあります。
| かけたいことば | さけたいことば |
|---|---|
| 「今の声も、いいひびきだね」 | 「前のほうが上手だったのに」 |
| 「出しにくい音は、むりしなくていいよ」 | 「がんばれば出るでしょう」 |
| 「声がおちついたら、どんな声になるか楽しみ」 | 「声がわりなんて早く終わればいいのに」 |
また、同じ学年のお友だちと、声がわりの早いおそいをくらべないことも大切です。はじまる時期も、進み方も、一人ひとりちがいます。
声がわりのあとの楽しみ
声がわりがおちつくと、新しい声で歌える曲がふえていきます。子どものころとはちがう、落ちついた声やひびきを、楽しめるようになるお子様もいます。
この時期にことばや楽譜の勉強をしておくと、声がおちついたときに、それがそのまま力になります。「今は声をそだてている時期」と考えて、あせらずに見まもってあげてください。中学生になってからの歌とのつきあい方は、こちらにまとめています。中学生のボイトレ。歌を習う前に知っておきたい、声変わり・部活・好きな歌とのつきあい方
よくある質問
声がわりの時期に歌うと、声がわるくなりますか?
むりのない範囲で、やさしく歌うぶんには、心配しすぎなくてよいと言われています。ただし、出ない音をむりに出したり、どなるように歌ったりするのはさけてください。不安なときは、先生やお医者さんに相談しましょう。
学校の合唱では、どうすればいいですか?
高い音がつらいときは、音楽の先生に相談してみてください。パートをかえてもらったり、出にくい部分は小さな声で歌ったりと、工夫してもらえることもあります。
声がわりは、どれくらいで終わりますか?
お子様によって大きくちがうので、いちがいには言えません。少しずつ進んで、気づいたらおちついていた、ということも多いようです。期間を気にするより、そのときどきの声の調子を見ながら、むりのない練習を続けてください。
歌のレッスンは、お休みしたほうがいいですか?
かならずお休みしなければいけない、というものではありません。声の調子を見ながら、レッスンの内容をかえて続けるお子様も、少しのあいだお休みするお子様もいます。お子様の気持ちと、先生の考えを聞いて、ご家庭で決めてください。お休みしているあいだも、好きな歌を聞いたり、歌詞を読んだりすることで、歌とのつながりはたもてます。
まとめ
- 声がわりは、大人の声になる準備。個人差が大きい
- むりをしなければ、歌を続けているお子様も多い
- 出ない音をむりに出さない。曲や練習のしかたをかえる
- おうちでも、水分や休みをとって、のどをいたわる
- 気になるときは、先生やお医者さんに相談
新しい声との出会いを、お子様といっしょに楽しめますように。