歌の習い事・教室えらび

60代・70代から歌を習いたい。はじめての方のための、やさしいはじめかた

更新日:2026年11月4日 ・ 書いた人:うみ

「若いころから、ほんとうは歌がすきだった」 「時間ができたいま、なにか新しいことを始めてみたい」

60代、70代になってから、こんなふうに思う方は、けっして少なくないと思います。でも同時に、「いまさら習うなんて、はずかしい」「声が出るかしら」と、一歩をふみ出せずにいる方も多いのではないでしょうか。

わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールや発表会に足をはこんできました。そのなかで、おとなの方、とくにシニアの方が、とても楽しそうに、そしてのびのびと歌っている姿に、何度も心を動かされてきました。

歌は、何歳からでも始められる習い事だと、わたしは思っています。この記事では、60代・70代から歌を始めたい方のために、はじめかたをやさしくまとめます。

「いまからでもおそくない」と思っていい

まず、いちばんお伝えしたいのは、歌を始めるのに、おそすぎることはないということです。

歌は、楽器のように、何かを買いそろえなくても始められます。自分の体そのものが楽器なので、思い立ったその日から、口ずさむことができます。

もちろん、若いころとくらべると、声の出かたがかわったと感じることもあるかもしれません。でも、それはだれにでもあることです。いまの声で、いまの自分らしく歌うことを楽しめば、それでじゅうぶんです。

声が出にくいと感じるときの練習は、こちらの記事にまとめています。年をとって声が出にくいと感じたら。歌がすきな方のための、やさしい発声練習

どんな「歌いたい」があるか考えてみる

歌の習い事といっても、いろいろなかたちがあります。まずは、自分がどんなふうに歌いたいかを、ゆっくり考えてみましょう。

  • 若いころにすきだった歌謡曲を、気持ちよく歌いたい
  • カラオケで、もう少しじょうずに歌えるようになりたい
  • クラシックの歌曲や、日本の歌を、ていねいに歌ってみたい
  • 合唱で、みんなと声を合わせてみたい
  • いつか、発表会やコンクールに出てみたい

「これがやりたい」がはっきりしなくても、だいじょうぶです。「なんとなく歌ってみたい」という気持ちも、りっぱなきっかけです。

歌のジャンルによるちがいについては、こちらの記事も参考になると思います。声楽・ミュージカル・ボーカル、子どもにはどれ?3つのちがいをやさしく解説

習い方は、大きく分けて4つ

おとなの方が歌を習うときの、おもな習い方を紹介します。

カラオケ教室

「まずは知っている歌から」という方の、さいしょの一歩にえらばれやすい習い方です。カラオケにはよく行くけれど、だれかに教わったことはない、という方にも合いやすいと思います。いつもの歌が、少しずつ変わっていくのを楽しめます。

ボイストレーニング

「歌う曲はまだ決めていないけれど、声をのびのび出してみたい」という方に合いやすい習い方です。曲より先に、息や姿勢のことから教わるので、歌にあまり自信がない方でも、あせらずに始められます。

声楽のレッスン

学生のころに音楽の時間がすきだった方や、むかし合唱をしていた方が、「もう一度ちゃんと歌ってみたい」と始めることもある習い方です。はじめは発声の練習が中心になることが多いので、じっくり型の方に向いています。

合唱団・コーラス

決まった日に集まって歌うので、生活のなかに「歌う日」というリズムができます。家にいる時間がふえて、人と会う予定がほしいと感じている方にも、きっかけになりやすい習い方です。

それぞれのちがいは、こちらの記事でくわしく書いています。シニアの歌の教室えらび。カラオケ教室・ボイトレ・声楽・合唱のちがいと、自分に合う教室の見つけ方

教室のさがし方

家の近くでさがす

まずは、通いやすい場所にある教室をしらべてみましょう。地域の音楽教室や、公民館などの集まりで、歌の講座がひらかれていることもあります。

オンラインでさがす

足が少し心配な方や、近くに教室がない方は、おうちで受けられるオンラインのレッスンもあります。スマホやタブレットがあれば、はじめられることが多いです。くわしくは、こちらの記事にまとめています。おうちでできるオンラインの歌のレッスン。スマホが少し不安なシニアの方へ

まわりの人に聞く

お友だちやご近所の方で、歌を習っている方がいれば、話を聞いてみるのもいい方法です。じっさいに通っている方の話は、とても参考になります。

教室をさがすときは、こちらのページも使ってみてください。歌の教室さがし

はじめる前に、気にしておきたいこと

体験レッスンを受けてみる

多くの教室では、体験レッスンを受けられます。いきなり入会するのではなく、まずは1回、ためしてみましょう。先生の話し方や、教室のふんいきは、じっさいに行ってみないとわからないものです。

体験レッスンで見ておきたいことは、こちらの記事にまとめています。歌の体験レッスンで見るべき5つのこと。聞いておきたい質問リストつき

かかるお金を聞いておく

月謝や入会金、発表会のときにかかるお金などは、教室によって大きくちがいます。あとで「思っていたのとちがった」とならないように、さいしょに聞いておくと安心です。

通う回数を考える

月に何回通うかも、教室によってさまざまです。はじめは、むりのない回数から始めて、なれてきたらふやしていく方法もあります。

のどと体を大切にしながら歌う

歌は、体をつかう習い事です。とくにはじめのうちは、むりをしないことを大切にしてください。

  • 歌う前に、かるく体をのばしたり、ゆっくり息をしたりする
  • くらっとしたり、気分がわるくなったりしたら、すぐにすわって休む
  • 大きな声や高い声を、むりに出そうとしない
  • のどがかわいたら、こまめに水をのむ
  • つかれたときは、えんりょせずに休む

もし、声のかすれが長くつづいたり、のどにいたみがあったりするときは、ひとりでなやまずに、耳鼻科などのお医者さんに相談してみてください。持病がある方は、始める前に、かかりつけのお医者さんに聞いておくと安心です。

のどのケアについては、こちらの記事でもふれています。子どもののどを守るためにできること。歌をがんばる子の毎日のケア

「じょうずに歌う」より「楽しく歌う」

おとなになってから習い事を始めると、「早くじょうずにならなくては」と、自分に高いハードルをかけてしまうことがあります。

でも、歌は、楽しむことがいちばんです。先生に教わったことが、ひとつできるようになった。すきな歌を、さいごまで歌いきれた。そんな小さな「できた」を、ひとつずつよろこんでいけばいいと思います。

また、歌の教室や合唱団では、同じように歌がすきな仲間と出会えることもあります。レッスンのあとに、すきな歌の話をする時間も、きっと楽しいものになるはずです。

つづけるためのちいさなコツ

  • 家でも、すきな歌を口ずさむ時間をつくる
  • 歌えるようになった曲を、ノートに書いておく
  • ときどき自分の歌を録音して、きいてみる
  • 「発表会に出る」など、ちいさな目標をつくる

自分の歌を録音してきくのは、はじめは少しはずかしいかもしれません。でも、何か月かたってからきき直すと、「前より声が出ている」と気づけることもあります。

はじめの3か月は「なれる時間」

習い始めてすぐのころは、教室の場所や先生の話し方、レッスンの流れになれるだけで、けっこうつかれるものです。思うように声が出ない日があっても、自分をせめないでください。

はじめの3か月くらいは、「なれる時間」と考えてみるといいと思います。そのあいだに、こんなことを見てみましょう。

  • レッスンの日が、少し楽しみになっているか
  • 先生に、わからないことを聞きやすいか
  • 家でも、歌のことを思い出す時間がふえたか
  • 体やのどに、むりがかかっていないか

もし「なんだか合わないな」と感じたら、ほかの教室や習い方をためしてみるのも、わるいことではありません。自分に合う場所は、少しずつ見つかっていくものです。

ご家族にも話してみる

歌を始めたいと思ったら、ご家族にも話してみてください。「いいね」と言ってもらえるだけで、ふしぎと気持ちが前向きになります。

はなれてくらすお子様やお孫様に、練習している歌を電話ごしに聞いてもらうのも、すてきな楽しみ方です。発表会があるときは、見に来てもらえるかもしれません。

まとめ

  • 歌を始めるのに、おそすぎることはない
  • まずは、自分がどんなふうに歌いたいかを考える
  • 習い方は、カラオケ教室、ボイトレ、声楽、合唱などがある
  • 体験レッスンを受けて、かかるお金や回数もさいしょに聞いておく
  • のどや体を大切にし、気になることがあればお医者さんに相談する
  • じょうずさより、楽しく歌うことをいちばんに

歌を習い始めて、少しなれてきたら、だれかに聞いてもらう場があると、はりあいになります。こどもの歌声グランプリには、シニア(65歳以上)の部もあり、おうちでとった動画で応募できます。いつか「ためしに出してみようかな」と思えたときに、のぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ

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