練習・発声のコツ

歌うと咳が出るときは?歌っている最中にせきこむときの考え方と工夫

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「歌っていると、とちゅうで咳が出てしまう」 「高い音や長くのばすところで、せきこんで止まってしまう」 「ふだんは平気なのに、歌うときだけ咳が出る」

歌うと咳が出る、歌の最中にせきこんでしまう。こんななやみをかかえている方もいらっしゃると思います。せっかく気持ちよく歌っていたのに、とちゅうで止まってしまうと、くやしいですし、「人前で歌うのがこわい」と感じることもあるかもしれません。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。

この記事では、歌っている最中に出るせきにしぼって、どんなときに出やすいのかのふりかえり方と、息や声の使い方、歌う前・歌っている最中にできる工夫をまとめました。歌う前についしてしまう咳払いについては、べつの記事でくわしくお話ししています。咳払いは歌によくない?歌う前の咳払いのかわりにできる、のどのととのえ方

はじめにお伝えしておきたいのは、この記事は、せきの原因を決めつけるものではない、ということです。せきが出る理由は、人によって、また日によってもちがいます。せきが長く続くとき、つらいとき、歌っていないときにも出るときは、ひとりで判断せず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。

歌うと咳が出るのは、どんなとき?

まずは「いつ出るか」をふりかえってみる

歌っている最中のせきは、いつも同じところで出る方もいれば、日によってちがう方もいます。まずは、どんなときに出やすいかを、そっとふりかえってみてください。

  • 歌いはじめてすぐに出るのか、しばらく歌ってから出るのか
  • 高い音、低い音、長くのばす音など、どんなところで出るのか
  • 大きな声を出したときか、小さな声のときか
  • 息をすったあとか、息をはききるころか
  • 朝か、夜か。部屋がかわいているときか

メモに書いておくと、自分なりのパターンが見えてくることがあります。レッスンの先生や、お医者さんに相談するときにも、メモがあると話しやすくなります。

のどがかわいているとき

のどや口の中がかわいていると、むずむずして、せきが出やすく感じることがあります。冬や、エアコンのきいた部屋、長い時間しゃべったあとなどは、とくにかわきやすいかもしれません。

息をいきおいよく出しすぎているとき

大きな声を出そうとして、息をいっぺんに強く出すと、のどに負担がかかり、せきにつながることがあります。「声を大きくしよう」と思うほど、息を押し出してしまう方もいらっしゃいます。

のどや首に力が入っているとき

高い音を出そうとして、のどをしめたり、首やあごに力が入ったりすると、のどがきゅっとせまくなり、むせるように感じることがあります。

息をすうときに、むせてしまうとき

あわてて息をすうと、空気がいきおいよく入って、むせてしまうことがあります。とくに、息つぎの時間が短いところでは、急いで大きくすおうとしがちです。

息と声の使い方を見直す

息は「押し出す」より「流す」イメージで

歌うとき、息は強く押し出すより、ゆっくり流しつづけるイメージをもつと、のどがらくになることがあります。

  • ろうそくの火をゆらすくらいの、やさしい息をはいてみる
  • その息に、そっと声をのせるように歌ってみる
  • 声が小さくなってもいいので、まずはのどがらくな感じをさがす

声の大きさは、息のいきおいだけで出すものではありません。体のひびきを使うと、強く押さなくても、声がとおることがあります。体のひびきについては、レッスンの先生に聞いてみるのもよい方法です。

息つぎは、早めに、静かに

息つぎで急いでたくさんすおうとすると、むせやすくなります。

  • 息つぎの場所を、楽譜に書きこんでおく
  • フレーズのおわりで、少し早めに口をひらいて、静かにすう
  • 「たくさんすわなきゃ」と思わず、必要なぶんだけすう

鼻から静かにすうか、口からすうかは、曲の速さや場面によってちがいます。ブレスのすい方は、こちらの記事でもまとめています。歌の息は鼻から吸う?口から吸う?ブレスの吸い方を場面ごとに考える

声の出はじめを、やわらかく

歌いはじめの声を「ぐっ」と強く出すと、のどに負担がかかることがあります。声の出はじめは、ため息のように、ふわっとはじめるイメージで出してみてください。「は」の音から声を出す練習をしてみるのもひとつの方法です。

高い音で、むりをしない

せきが出やすいのが高い音のところなら、しばらくのあいだ、曲のキーを下げて歌ってみるのもよい方法です。のどがらくな高さで練習をかさねてから、少しずつもとの高さにもどしていくと、むりがありません。

歌う前にできる工夫

のどと口をうるおしておく

  • 歌う前に、常温か、少しあたたかい水を少しずつのむ
  • 部屋がかわいているときは、加湿器を使ったり、ぬれタオルをほしたりする
  • マスクをして、のどのかわきをふせぐ

つめたすぎる飲み物は、人によってはのどがきゅっとする感じがすることもあります。自分にとって、のどがらくな温度をさがしてみてください。冬の乾燥とのどのケアについては、こちらの記事にもまとめています。冬の乾燥からのどを守る|歌う人のための加湿・水分・すごし方

体と息をほぐしてから歌う

いきなり大きな声で歌いはじめると、のどもびっくりしてしまいます。

  • 肩をゆっくりまわして、首や肩の力をぬく
  • 口をとじて、ハミングで小さく声を出す
  • 「スー」と、細く長く息をはく

体と息がほぐれてから歌いはじめると、のどへの負担が少なくなることがあります。

しゃべりすぎたあとは、少し休む

長い時間しゃべったあとや、大きな声を出したあとは、のどがつかれていることがあります。すぐに歌わず、少し静かにすごしてから歌うようにすると、らくに感じることがあります。

歌っている最中に咳が出そうなときは

むりに歌いつづけない

練習中にせきが出そうになったら、むりに歌いつづけず、いったん止まってかまいません。がまんして歌いつづけると、のどにさらに負担がかかってしまうかもしれません。

落ちついて、ゆっくり息をする

  • いったん歌を止めて、鼻からゆっくり息をする
  • 水を少しずつのむ
  • つばをごくんとのみこむ

あわてずに、のどが落ちつくのを待ってみてください。

つよい咳払いを、くりかえさない

のどのむずむずが気になって、「ゴホン」と強い咳払いをくりかえすと、のどにかえって負担がかかることがあります。軽く息をはく、水をのむ、つばをのみこむなど、やさしい方法をためしてみてください。

本番で出そうになったら

発表会やコンクールの本番で、せきが出そうになることもあるかもしれません。

  • 息つぎのときに、つばをのみこんでみる
  • 声を少しやわらかくして、のどのしめつけをゆるめる
  • どうしても出てしまったら、あわてずに、つぎのフレーズから歌いなおす

せきが出てしまっても、そこで歌がだめになるわけではありません。落ちついて、つぎのフレーズに向かえば大丈夫です。本番前に水を用意しておけるかどうかは、会場や主催者によってちがうので、前もってたしかめておくと安心です。

ふだんの生活でできること

のどをかわかせない毎日を

  • こまめに水分をとる
  • ねるときに部屋がかわきすぎないようにする
  • 口をあけてねてしまうときは、のどのかわきに気をつける

体調がよくない日は、歌を休む

かぜぎみのとき、のどに違和感があるときは、むりに歌わず、休むことも大切です。休むことで、練習がむだになるわけではありません。

歌い方は、先生に見てもらう

自分ではなかなか気づけない、息の使い方やのどの力みもあります。教室の先生に「歌うと咳が出ることがある」と伝えて、歌い方を見てもらうのもよい方法です。息の使い方を、いっしょに見直してくれることもあります。歌の教室さがし

お医者さんに相談したいとき

つぎのようなときは、歌い方の工夫だけで何とかしようとせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。

  • せきが長く続いている
  • 歌っていないときにも、せきが出る
  • せきといっしょに、のどの痛みや、声のかすれが続く
  • 息苦しさや、胸の苦しさがある
  • 夜、せきでねむれない

のどが痛いときの歌い方の見直しについては、こちらの記事でもまとめています。歌うとのどが痛いのはなぜ?大人の歌い方の見直しとケア

まとめ

  • 歌うと咳が出るときは、まず「いつ、どこで出るか」をふりかえってみる
  • のどのかわき、息の出しすぎ、のどや首の力み、あわてた息つぎなどが、きっかけになることもある
  • 息は「押し出す」より「流す」イメージで。息つぎは早めに、静かに
  • 歌う前は、のどをうるおし、体と息をほぐしてから歌いはじめる
  • 歌っている最中にせきが出そうなときは、むりをせず、いったん止まってかまわない
  • せきが続くとき、つらいときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する

のどにやさしい歌い方を身につけると、歌う時間が、もっと気持ちのよいものになるかもしれません。息の使い方を見てくれる先生をさがしたいときは、教室さがしのページも使ってみてください。歌を楽しむ目標として、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ

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