冬の乾燥からのどを守る|歌う人のための加湿・水分・すごし方
「冬になると、声がかすれやすい」 「朝おきると、のどがかさかさしている」 「本番が冬にあるので、のどの調子が心配」
寒い季節になると、こんななやみを聞くことがふえます。冬は空気がかわきやすく、のどにとってはつらい季節です。歌うことが好きな方ほど、のどの調子が気になりますよね。
わたしは息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。
この記事では、冬の乾燥からのどを守るために、おうちでできることをまとめます。お子様にも、大人やシニアの方にも、そのままつかえる内容です。ただし、ここに書くのはふだんの気づかいです。のどの痛みや声のかすれがつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
冬にのどがかわきやすいのはなぜ?
冬は、外の空気そのものがかわいています。さらに、へやの中では暖房をつかうので、空気がもっとかわきやすくなります。
かわいた空気の中で長くすごすと、のどがかさかさしたり、声が出しにくく感じたりすることがあります。歌う人にとって、のどがしっとりしていることは、とても大切です。
また、冬は寒さで体がちぢこまりやすく、首や肩に力が入りがちです。こうしたことも、歌いにくさにつながることがあります。
へやの空気をととのえる
加湿器をつかう
いちばん取り入れやすいのは、加湿器をつかうことです。
- 長くすごすリビングや、寝るへやにおく
- 湿度計をおいて、へやの湿度をたしかめる
- 湿度は、40〜60%くらいがめやすといわれることが多い
- 加湿しすぎると、結露やカビの原因になることもある
加湿器は、こまめに水をかえて、きれいにしておくことも大切です。説明書にしたがって、お手入れをしてください。
加湿器がないときのくふう
加湿器がなくても、できることはあります。
- ぬれたタオルを、へやにほしておく
- せんたく物を、へやの中でかわかす
- コップに水を入れて、近くにおいておく
- 暖房の風が、顔に直接あたらないようにする
どれも、かんたんにできることばかりです。ご家庭に合う方法を、ためしてみてください。
空気の入れかえも、わすれずに
加湿といっしょに、ときどき窓をあけて、空気を入れかえることも大切です。寒い日は、短い時間でかまいません。
水分をこまめにとる
のどがかわく前に、少しずつ
冬は、夏ほどのどがかわいたと感じにくいので、水分が足りなくなりやすい季節です。のどがかわいたと感じる前に、少しずつ飲むようにしましょう。
- 一度にたくさんではなく、ひと口ずつ、こまめに
- 冷たすぎない、常温か、ぬるめの飲み物がのみやすい
- 水や麦茶など、シンプルな飲み物がとりやすい
- 練習のときは、手のとどくところに飲み物をおく
お子様の場合は、水とうを持たせて、「休けいのたびにひと口のもうね」と声をかけてあげるとよいと思います。
気をつけたい飲み物
コーヒーやお茶にふくまれるカフェインや、あまい飲み物を、たくさんとりすぎないようにしたほうがよい、という声もあります。好きな飲み物をやめる必要はありませんが、練習の前後は、水や麦茶などにしておくと安心です。
寝るときのすごし方
寝ているあいだも、のどはかわく
夜、寝ているあいだは、水分をとらない時間が長くなります。朝おきたときに、のどがかさかさしていると感じる方も多いと思います。
- 寝るへやを加湿する
- 寝る前に、ひと口水を飲む
- まくらもとに、飲み物をおいておく
- 暖房をつけっぱなしにしすぎない
マスクをつけて寝る方も
のどのかわきが気になる方の中には、寝るときにマスクをつけている方もいます。ただし、小さなお子様には、むりにつけさせないようにしてください。息苦しくないか、ようすを見ることが大切です。
口をあけて寝ていないか
口をあけて寝ていると、のどがかわきやすくなるといわれています。お子様の寝ている姿を見て、口があいていることが多いときや、いびきが気になるときは、お医者さんに相談してみてもよいと思います。
お出かけのときに気をつけたいこと
首まわりをあたためる
外の冷たい空気は、のどにも体にもこたえます。
- マフラーやネックウォーマーで、首をあたためる
- 外ではマスクをして、冷たい空気を直接すいこまない
- 帰ったら、手あらい・うがいをする
人の多いところでは
冬は、かぜをひきやすい季節でもあります。本番が近いときは、人がたくさんいるところでは、マスクをするなど、できる範囲で気をつけるとよいと思います。
練習の前とあとに気をつけたいこと
練習の前
- 水分をとって、のどをしめらせておく
- 首や肩をまわして、体の力をぬく
- いきなり大きな声や高い声を出さない
- 鼻歌(ハミング)など、小さな声からはじめる
寒い日は、体がかたくなっています。軽く体をうごかしてから、声を出しはじめましょう。おうちでできる発声練習は、こちらの記事でも紹介しています。おうちでできる子どもの発声練習。5分でできる遊びのような練習法
練習のあと
- 水分をとって、のどを休める
- 大きな声で長く話しつづけない
- 長い時間、歌いっぱなしにしない
のどの調子がよくない日は
声がかすれている日や、のどがいたい日は、むりに歌わないことがいちばんです。「本番が近いから」とがんばりたくなる気持ちはわかりますが、休むことも大切な練習です。
小さな声でひそひそ話すのも、のどにはむりがかかることがある、という話もあります。調子がよくない日は、できるだけ話す量もへらして、のどを休めてあげましょう。
冬の本番の日に気をつけたいこと
冬に発表会やコンクールの本番があるときは、当日のすごし方にも少し気をつけておくと安心です。
会場に行くまで
- 家を出る前に、水分をとっておく
- マフラーやマスクで、首とのどをあたためる
- 飲み物を持っていく
- 会場には少し早めについて、体をあたためる時間をつくる
会場についてから
大きな会場は、暖房がよくきいていて、空気がかわいていることがあります。待っているあいだも、こまめにひと口ずつ水分をとりましょう。
- 待ち時間に、大きな声でおしゃべりしすぎない
- 手や肩をかるくうごかして、体をかたくしない
- 本番の少し前に、ハミングで声をならす
緊張すると、口の中がかわきやすくなることもあります。本番の直前にも、ひと口飲めるようにしておくとよいと思います。
お子様ののどを守るために
お子様は、のどの調子を自分でうまく伝えられないことがあります。
- 声がいつもよりかすれていないか
- せきをしていないか
- 歌うときに、つらそうな顔をしていないか
- 「のどがへん」と言っていないか
ようすが気になるときは、練習をお休みにしてあげてください。子どものどを守るための、ふだんの気づかいは、こちらの記事にくわしく書いています。子どもののどを守るためにできること。歌をがんばる子の毎日のケア
大人・シニアの方へ
年をかさねると、のどがかわきやすくなったり、声が出にくくなったりすると感じる方もいます。冬は、とくにその変化を感じやすい季節です。
- へやの湿度に、ふだんから気をつける
- こまめに水分をとる
- 歌う前に、ゆっくり体と声をならす
- つかれたら、むりをせず休む
年をかさねてからの声の出しにくさについては、こちらの記事でもまとめています。年をとって声が出にくいと感じたら。歌がすきな方のための、やさしい発声練習
こんなときは、お医者さんに相談を
次のようなときは、ひとりでなやまずに、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
- のどの痛みが何日もつづく
- 声のかすれが、なかなかよくならない
- 声が出にくい日がつづいている
- 熱がある、せきがひどい
- 飲みこむときに痛む
この記事に書いたのは、ふだんのすごし方の気づかいです。のどの病気をなおすものではありません。気になることがあるときは、早めに相談すると安心です。
まとめ
- 冬は、外の空気も暖房のへやもかわきやすく、のどにはつらい季節
- 加湿器やぬれタオルで、へやの空気をととのえる
- のどがかわく前に、少しずつ水分をとる
- 寝るへやの加湿や、まくらもとの飲み物で、夜のかわきにそなえる
- 外では首をあたため、マスクで冷たい空気から守る
- 調子がよくない日は、むりに歌わず休む
- 痛みやかすれがつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する
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