歌ったあとののどのケア。練習のあと・本番のあとにできること
「たくさん歌ったあと、のどがつかれた感じがする」 「本番が終わったら、声がかすれていた」 「歌う前の準備はしているけれど、歌ったあとは何もしていない」
歌う前の準備運動はしていても、歌ったあとのケアまでは、あまり考えたことがないという方もいらっしゃると思います。でも、声をたくさん使ったあとこそ、のどやからだを、やさしくいたわってあげたいところです。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、歌ったあとにしぼって、のどのケアとクールダウンのやり方、場面ごとのすごし方をまとめました。ここでお伝えするのは、ふだんの生活でできる工夫です。のどの痛みやかすれが続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
歌う前にできる準備運動については、こちらの記事にまとめています。歌う前の準備運動。体と顔をほぐす、やさしいストレッチ
歌ったあとに、ケアをしたい理由
声を使ったあとは、のどもからだもつかれている
歌うときは、息をたくさん使い、からだのいろいろなところを動かしています。歌い終わったあとも、のどやからだは、まだ歌っていたときの状態がのこっていることがあります。
走ったあとにいきなり止まらず、ゆっくり歩いて息をととのえるように、歌ったあとも、少しずつふだんの状態にもどしてあげるイメージです。
つかれをためないために
歌ったあとのつかれを、そのままにしておくと、次の練習のときに声が出にくく感じることもあります。歌ったあとに少しいたわるだけで、気持ちよく次の練習をむかえやすくなります。
歌ったあとのクールダウン
小さな声で、ハミングをする
歌い終わったら、すぐに声を止めるのではなく、小さな声で、口を閉じてハミングをしてみてください。高い音や大きな声は使わず、話し声に近い、楽な高さで、ゆっくり音をなぞるくらいでかまいません。
のどに力を入れず、鼻のあたりがやさしくひびくような感じを大切にします。
くちびるをふるわせる
くちびるを軽く閉じて、息で「ぷるぷる」とふるわせる練習も、クールダウンに使えます。楽な高さで、音をゆっくり下げていくようにしてみてください。
むずかしく感じるときは、むりにしなくてもかまいません。
息をゆっくりととのえる
歌っているときは、息を深く吸ったり、長くはいたりしています。歌い終わったら、おなかに手をあてて、ゆっくり息をはき、自然に吸うことを何回かくりかえしてみてください。
息がおちつくと、からだのこわばりもほどけやすくなります。
首・肩・顔をほぐす
歌っているあいだに、首や肩、あご、ほおに力が入っていることがあります。
- 肩を、ゆっくり上げて、すとんと下ろす
- 首を、むりのない範囲で、ゆっくり左右にかたむける
- ほおやあごのまわりを、手のひらでやさしくなでる
- 口を軽く開けたり閉じたりする
強くもんだり、のどをおしたりはしないでください。気持ちいいと感じるくらいの、やさしい動きにしましょう。
歌ったあとに、のどをいたわるすごし方
水分をとる
歌ったあとは、のどがかわいていると感じることがあります。常温の水や、白湯などを、少しずつ飲むようにしてみてください。冷たすぎるものを一度にたくさん飲むより、少しずつのほうが、からだにやさしいと感じる方もいらっしゃいます。
声を休める時間をつくる
たくさん歌ったあとは、しばらく声を休める時間をつくってみてください。大きな声でのおしゃべりや、さわがしい場所で声をはり上げることは、なるべくひかえるとよいかもしれません。
ただ、まったく声を出してはいけない、ということではありません。ふつうの声で、楽に話すくらいなら、気にしすぎなくてもだいじょうぶなことがあります。
ささやき声は、ひかえめに
声を休めようとして、ささやき声で話す方もいらっしゃいます。でも、ささやき声は、のどに負担を感じる人もいます。話すときは、むりのない、ふつうの小さめの声で話すくらいがよいかもしれません。
のどを、かわかしすぎない
歌ったあとは、部屋の空気がかわいていないか、気にかけてみてください。マスクをしたり、加湿をしたりすることで、のどが楽に感じることもあります。
よくねむる
声もからだも、休むことでととのっていきます。歌った日は、いつもより早めに休むことを意識してみてください。ねむりとのどについては、こちらの記事でも紹介しています。歌う人の睡眠とのど。よく眠って声をととのえるために
場面ごとの、歌ったあとのすごし方
ふだんの練習のあと
練習のあとは、クールダウンのハミングや、首・肩をほぐすことを、練習の終わりの習慣にしてみてください。
その日の練習で、のどがつかれた感じがしたら、どこでつかれたかを、ふりかえってメモしておくのもよい方法です。高いところ、長くのばすところ、大きな声を出すところなど、のどに負担がかかりやすいところがわかると、次の練習の仕方を考えやすくなります。
練習時間とのどの休め方については、こちらの記事にまとめています。歌の練習は1日何時間がいい?大人の練習時間の考え方と、のどの休め方
本番のあと
本番のあとは、ほっとして気持ちがゆるみます。うれしくて、たくさんおしゃべりをしたくなることもあると思います。
でも、本番ではいつも以上に声を使っていることがあります。楽屋や帰り道では、小さめの声で話す、水分をとる、帰ったら早めに休むなど、のどをいたわることを、少しだけ意識してみてください。
緊張していたぶん、からだもつかれています。首や肩をほぐして、ゆっくりお風呂に入るなど、からだ全体を休めることも大切です。
カラオケのあと
カラオケでは、楽しくて、気づいたら長い時間歌っていた、ということもあります。お部屋の空気がかわいていたり、大きな声で話したりすることもあります。
帰り道は、なるべく声をひかえて、水分をとるようにしてみてください。次の日に声がかすれていたら、その日はむりに歌わず、声を休めるようにしましょう。
お子様が歌ったあと
お子様は、楽しいと夢中になって、つかれに気づかないまま歌い続けることがあります。歌い終わったら、お父様・お母様から「お水を飲もうね」「少しお休みしようね」と声をかけてあげてください。
お子様の声のようすで気になることがあるときは、自分で判断せず、お医者さんやレッスンの先生に相談すると安心です。
歌ったあとに、ひかえたいこと
咳払いを、何回もくりかえす
歌ったあと、のどに何かがひっかかったような感じがして、咳払いをしたくなることがあります。でも、強い咳払いを何回もくりかえすと、のどに負担を感じることもあります。
そんなときは、水を少し飲む、つばを飲みこむ、小さくハミングをするなど、やさしい方法をためしてみてください。
すぐに、大きな声を出す
歌い終わってほっとしたとたんに、大きな声で笑ったり、遠くの人をよんだりすることもあると思います。声を使ったあとは、しばらくは、楽な声で話すことを意識してみてください。
「もう少しだけ」と歌いすぎる
練習のあと、調子がいいと、「もう少しだけ」と歌い続けたくなることがあります。でも、つかれを感じはじめたら、その日はそこで終わりにするのも、大切な判断です。
のどの調子がいいうちに終えると、次の練習も気持ちよくはじめやすくなります。
気をつけたいサイン
歌ったあとに、次のようなことがあるときは、むりに歌を続けないでください。
- のどの痛みが、なかなかひかない
- 声のかすれが、続いている
- 声が出にくい感じが、続いている
- 飲みこむときに、痛みや、いつもとちがう感じがある
- 熱があるなど、からだの調子もよくない
こうした状態が続くときや、つらいときは、ひとりでがまんせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
歌うとのどが痛くなるときの、歌い方の見直しについては、こちらの記事でもまとめています。歌うとのどが痛いのはなぜ?大人の歌い方の見直しとケア
まとめ
- 歌ったあとは、のどもからだもつかれているので、少しずつふだんの状態にもどす
- 小さな声のハミングや、くちびるのふるわせで、やさしくクールダウンする
- 息をととのえ、首・肩・顔をやさしくほぐす
- 水分をとり、声を休める時間をつくり、よくねむる
- 本番やカラオケのあとは、とくにおしゃべりをひかえめにする
- お子様には、歌い終わったら休むよう声をかける
- 痛みやかすれが続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談する
歌ったあとのケアも、歌の大切な一部です。のどにやさしい歌い方やケアのしかたを、先生にいっしょに考えてもらうのもひとつの方法です。お近くの教室や、オンラインで習える教室は、こちらからさがせます。歌の教室さがしのどをいたわりながら、目標をもって歌を楽しみたい方には、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ