歌う人の睡眠とのど。よく眠って声をととのえるために
「寝不足の日は、なんだか声が出ない」 「よく眠れなかった次の日は、高い音がいつもより苦しい」
歌を習っている方や、コンクール・発表会をひかえている方の中には、こんなふうに感じたことがある方も多いと思います。歌は、のどだけでなく、体全体をつかって声を出すものです。体がつかれていると、声にもそれがあらわれやすくなります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、睡眠とのど、そして歌の関係について、寝不足で声が出ないと感じるときに見直したいことを中心にお話しします。寝る部屋のととのえ方、寝る前のすごし方、本番前の夜のすごし方、そしてお子様の眠りの見守り方までまとめました。
なお、ここでお話しするのは、毎日の生活で気をつけたいことです。体やのどの調子について、くわしいことや心配なことがあるときは、お医者さんに相談してください。
睡眠と、のどと、歌の関係
歌は、体全体でつくる声
歌うときは、のどだけでなく、息をすったりはいたりする体の力や、姿勢をささえる力、口や顔の動きなど、いろいろなところをつかっています。
よく眠れなかった日は、体がだるい、集中しにくい、と感じることがありますよね。歌でも同じで、体がつかれていると、息がうまく続かない、声がのびにくいと感じることがあります。
寝不足の日に、声が出にくいと感じる人は多い
「寝不足の日は声が出ない」と感じる方は、少なくありません。声がかすれる、高い音が出しにくい、声に元気がないなど、感じ方は人によってさまざまです。
その理由は、ひとつにしぼれるものではありません。体のつかれ、のどのかわき、気持ちの元気のなさなど、いくつかのことが重なっていることが多いようです。だからこそ、眠りをととのえることは、声をととのえるための、生活のきほんのひとつと考えてみてください。
起きてすぐの声のこと
寝ているあいだは、声をつかわないので、起きてすぐは声が出にくいと感じることがあります。これは、寝不足でなくても、多くの人が感じることです。
朝や寝起きに歌うときのコツは、こちらの記事でくわしくまとめています。朝・寝起きに声が出ないときの歌い方。歌う前の声の起こし方と、気をつけたいこと
寝不足で声が出ないときに、見直したいこと
まずは、のどをいたわる
寝不足で声が出にくい日は、むりに大きな声や高い声を出そうとしないことが大切です。
- 水やお茶を、少しずつ飲む
- 小さめの声で、ハミングからはじめる
- その日の練習は、軽めにする
- 体がつらいときは、練習をお休みにする
「いつもの声が出ない」とあせって、のどに力を入れて歌いつづけると、のどがつかれてしまうことがあります。その日は、できる範囲でやさしく声を出すくらいにしておきましょう。
眠れなかった理由を、ふりかえってみる
寝不足が続くときは、なぜよく眠れなかったのかを、ふりかえってみるのもよいと思います。
- 寝る前に、スマホやテレビを長く見ていた
- 夜おそくまで、仕事や勉強をしていた
- 部屋が暑い、寒い、かわいている
- 心配ごとがあって、なかなか寝つけなかった
理由がわかると、次の日から少しずつ見直しやすくなります。すべてをかえようとしなくても、できそうなことを1つえらんで、ためしてみてください。
長く続くときは、お医者さんに相談
よく眠ったのに声のかすれが続く、のどの痛みがなかなかとれない、眠れない日がずっと続く、というときは、自分だけで何とかしようとせず、お医者さんに相談しましょう。声のことは耳鼻科、眠りのことはかかりつけのお医者さんなどに相談すると安心です。
寝る部屋のととのえ方
かわきすぎないようにする
寝ているあいだも、のどは部屋の空気にふれています。部屋がかわいていると、朝起きたときに、のどがかさかさしていると感じることがあります。
- 加湿器をつかう
- ぬれタオルを部屋にほす
- 枕元に、水を用意しておく
とくに、冬や、冷房・暖房をつける季節は、部屋がかわきやすくなります。冬の乾燥とのどについては、こちらの記事でもまとめています。冬の乾燥からのどを守る|歌う人のための加湿・水分・すごし方
冷房・暖房の風が、直接あたらないように
エアコンの風が、寝ている顔やのどに直接あたると、のどがかわきやすくなります。風向きをかえる、ベッドや布団の位置を少しずらすなど、風が直接あたらないように工夫してみましょう。
口があいてしまうとき
寝ているあいだに口があいていると、朝、のどがかわいていると感じることがあります。寝るときにマスクをつけて、のどのうるおいをたもつ工夫をしている方もいます。
鼻がつまっていて口で息をしてしまう、いびきが気になる、というときは、お医者さんに相談してみると安心です。
寝る前のすごし方
夜おそくに、大きな声で歌いすぎない
仕事や学校のあとに、夜しか練習の時間がとれない方も多いと思います。夜に練習するときは、寝る直前まで大きな声で歌いつづけるより、少し早めに練習をおえて、のどと体を休める時間をとるのがおすすめです。
練習のあとは、気持ちが高ぶっていることもあります。静かな音楽を聞く、ゆっくりお風呂に入るなど、おちつく時間をつくると、眠りに入りやすくなります。
あたたかい飲みもので、のどをうるおす
寝る前に、白湯やあたたかいお茶などを少し飲むと、のどがうるおい、気持ちもほっとします。ただ、カフェインの入った飲みものは、眠りにくくなることがあるので、寝る前はひかえめにしておくとよいと思います。
スマホは、早めに手ばなす
寝る前にスマホを見ていると、ついつい時間がたってしまいます。歌の動画を見て勉強したいときも、寝る前ではなく、ほかの時間にするなど、眠る時間を守る工夫をしてみてください。
本番前の夜のすごし方
「早く寝なきゃ」とあせらない
コンクールや発表会の前の夜は、緊張して、なかなか寝つけないこともあります。「早く寝なきゃ」と思うほど、目がさえてしまうこともありますよね。
眠れなくても、目をとじて横になっているだけでも、体を休めることにつながると考えて、あせらずにすごしましょう。前の夜だけでなく、本番の何日か前から、生活のリズムをととのえておくと安心です。
準備は、早めにすませる
持ちものや服の準備を、夜おそくまでしていると、そのぶん眠る時間がへってしまいます。前の日の夕方までに準備をすませておくと、夜はゆっくりすごせます。
前の夜は、練習しすぎない
本番前は、つい「もう1回だけ」と練習したくなります。でも、前の夜に歌いすぎると、のどがつかれたまま本番をむかえることになりかねません。前の夜は、軽く確認するくらいにして、のどを休めることを大切にしましょう。
お子様の眠りを見守るために
発表会の前は、お子様も気持ちが高ぶりやすい
お子様は、楽しみなことや緊張することがあると、なかなか寝つけないことがあります。本番が近づいたら、お父様・お母様が、いつもより少しゆったりした夜の時間をつくってあげてください。
- 寝る前に、本を読んだり、静かに話したりする
- 「楽しみだね」「だいじょうぶだよ」と、安心できることばをかける
- 夜の練習は、早めにおえる
生活のリズムを、家族でととのえる
お子様の眠りは、家族の生活のリズムにも左右されます。夕ごはんやお風呂の時間を、なるべく毎日同じころにするなど、家族みんなでリズムをととのえると、お子様も眠りやすくなることがあります。
お子様が、朝になっても声がかすれている、のどを痛がる、という日が続くときは、むりに歌わせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- 歌は体全体でつくる声。寝不足の日に声が出にくいと感じる人は多い
- 寝不足の日は、むりに大きな声や高い声を出さず、練習を軽めにする
- 眠れなかった理由をふりかえり、できることから見直す
- 寝る部屋は、かわきすぎないように、エアコンの風が直接あたらないように
- 寝る前は、大きな声で歌いすぎず、おちつく時間をつくる
- 本番前の夜は、あせらず、準備を早めにすませ、練習しすぎない
- 声のかすれや眠れない日が続くときは、お医者さんに相談する
よく眠って、のどと体をととのえることは、毎日の練習を気持ちよく続けるための土台になります。先生といっしょに、自分の声や生活に合った練習を考えたい方は、こちらのページから近くの歌の教室をさがしてみてください。歌の教室さがしお子様の歌を、だれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリもおすすめです。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、ふだんの練習のはげみになると思います。こどもの歌声グランプリ