歌の練習は1日何時間がいい?大人の練習時間の考え方と、のどの休め方
「歌の練習って、1日何時間くらいすればいいんだろう」 「仕事があるから、毎日長く練習するのはむずかしい」
歌を習いはじめた大人の方から、よくこんな声を聞きます。たくさん練習したほうが上手になりそうな気がしますし、反対に、少ししか練習できない日は「これでいいのかな」と不安になりますよね。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。その中で感じてきたのは、歌の練習は「時間の長さ」だけで決まるものではない、ということです。
この記事では、大人の方の歌の練習は1日何時間がいいのか、という疑問について、長さより大切なこと、練習の分け方、休けいの入れ方、のどを休める日のつくり方をまとめました。お子様の家での練習時間については、別の記事でくわしく書いています。
歌の練習は1日何時間がいい?
「何時間」に決まった答えはない
さいしょにお伝えしたいのは、歌の練習時間に「これが正解」という決まった答えはない、ということです。
- 歌を習いはじめたばかりか、長く続けているか
- 趣味として楽しみたいのか、本番やコンクールをめざしているのか
- ふだん、声をよくつかう仕事をしているか
- その日の体調やのどの調子
こうしたことによって、合う練習時間はかわります。先生から「このくらい練習してね」と言われている場合は、まずはそれを大切にしてください。
はじめのうちは、短い時間からで十分
歌を習いはじめたばかりの大人の方は、1日10分から30分くらいの短い練習から始める方が多いです。声を出す筋肉は、急にたくさんつかうと、つかれやすくなります。
短くても、毎日のように声を出していると、体が歌うことになれていきます。「長く練習できなかった」とがっかりするより、「今日も少し声を出せた」と考えるほうが、続けやすくなります。
長く続けている方でも、休けいをはさむ
歌になれてきて、本番の前などに長めに練習する方もいます。そんなときも、ずっと歌いっぱなしにするのではなく、休けいをはさむことが大切です。続けて声を出すのは、長くても30分から1時間くらいにして、あいだに休みを入れる方が多いようです。
長さより大切なこと
「何をするか」を決めてから練習する
なんとなく歌いはじめると、好きなところばかり歌って、時間だけがすぎてしまうことがあります。練習の前に、今日やることを1つか2つ決めておくと、短い時間でも中身のある練習になります。
- 今日は、サビの高い音をらくに出す
- 今日は、息つぎの場所をたしかめる
- 今日は、先生に言われた口の形をまねする
毎日少しずつのほうが、身につきやすい
週末にまとめて2時間練習するより、毎日15分ずつ練習するほうが、体がおぼえやすいと感じる方は多いです。歌は、体をつかう習い事なので、少しずつくりかえすことが力になりやすいのです。
声を出さない時間も練習になる
歌の練習は、声を出す時間だけではありません。
- お手本を聞いて、歌い方をたしかめる
- 歌詞を読んで、意味を考える
- 楽譜に息つぎの印を書きこむ
- 自分の録音を聞きなおす
こうした時間も、りっぱな練習です。のどを休めながら、歌を深めることができます。
いそがしい大人のための、練習の分け方
1日10分の場合
時間がとれない日は、10分だけでも練習になります。
- 2分 体をほぐす、首や肩をまわす
- 3分 息の練習、ハミング
- 5分 練習している曲の、気になるところだけ歌う
曲を通して歌わなくても、1か所だけていねいに練習すれば、それで十分です。
1日30分の場合
少し時間がとれる日は、こんなふうに分けてみてください。
- 5分 体をほぐす、息の練習
- 10分 発声練習(ハミング、ゆっくりした音の上がり下がり)
- 10分 曲の気になるところを練習
- 5分 曲を通して歌う、または録音して聞く
練習メニューの組み方は、こちらの記事でもくわしく紹介しています。自宅でできるボイトレメニュー。10分・30分の練習の組み方を、初心者向けにまとめました
1時間以上練習したい日
本番が近いときなど、長めに練習したい日は、15分から20分ごとに休けいを入れましょう。水をのんだり、お部屋の空気を入れかえたりして、のどと体をひと休みさせてください。
後半は、声を出す練習より、録音を聞いたり、楽譜を見なおしたりする時間を多めにすると、のどの負担をへらしやすくなります。
休けいの入れ方
休けいのめやす
- 続けて歌うのは、15分から20分くらいまで
- 休けいは、数分でもよい
- 休けいのときは、話すのもひかえめにする
休けいのあいだに、たくさんおしゃべりをすると、のどが休まりません。静かにすごすのがおすすめです。
水分をこまめにとる
練習のあいだは、水やお茶を少しずつのみましょう。のどがかわいてから飲むより、こまめに口をうるおすほうが、のどにやさしいです。
1日の中で分けて練習する
朝に10分、夜に10分というように、1日の中で練習を分けるのもよい方法です。1回の練習が短いので、のどがつかれにくくなります。ただし、起きてすぐは声が出にくいことが多いので、朝は体をほぐしてから、やさしく声を出すようにしてください。
練習しすぎのサイン
練習をがんばりすぎると、のどや体がつかれてしまいます。こんなサインがあったら、その日は練習をやめて、休みましょう。
- 声がかすれてきた
- のどがヒリヒリする、痛い
- 高い音が、いつもより出にくい
- 歌い終わったあと、話し声もつらい
- 首や肩が、かたくこっている
「もう少しだけ」と続けるより、早めにやめるほうが、つぎの日にまた気持ちよく歌えます。痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
のどを休める日をつくる
週に1日は、歌わない日があってもいい
毎日練習することは大切ですが、のどを休める日をつくるのも、同じくらい大切です。週に1日くらい、声を出す練習をしない日をつくる方もいます。
その日は、好きな歌を聞いたり、歌詞を読んだりして、歌にふれる時間にしてみてください。
話す仕事をしている日は、練習を軽めに
仕事で長く話した日や、会議が多かった日は、のどがつかれていることがあります。そんな日は、声を出す練習を短めにして、息の練習や聞く練習を中心にしましょう。
かぜぎみの日は、むりをしない
体調がよくない日は、練習を休むことも大切です。むりに歌うと、なおるまでに時間がかかることもあります。
練習の時間を見つける工夫
生活の中に「練習の時間」を決めておく
いそがしい大人にとって、いちばんむずかしいのは、練習の時間をつくることかもしれません。「時間があいたらやろう」と思っていると、気づけば1日がおわっていることもあります。
- 帰ってきて着がえたら、10分だけ練習する
- 夕ごはんの前に、息の練習とハミングをする
- 休みの日の午前中に、少し長めに練習する
毎日のながれの中に練習を組みこんでおくと、考えなくても体がうごくようになり、続けやすくなります。
すきま時間にできること
まとまった時間がとれない日も、すきま時間にできることはあります。
- 通勤のあいだに、練習している曲を聞く
- 歯みがきのあとに、鏡の前で口の形をたしかめる
- おふろの前に、首や肩をゆっくりほぐす
声を出さなくても、歌のことを少し考える時間があるだけで、つぎに歌うときの感じがちがってくることがあります。
できなかった日があっても気にしない
仕事や家のことで、練習できない日があるのは当たり前です。1日できなかったからといって、それまでの練習がむだになるわけではありません。つぎの日に、また少しだけ声を出せばだいじょうぶです。
先生と練習時間を相談する
練習時間に迷ったときは、先生に相談するのがいちばんです。
- 家ではどのくらい練習したらいいか
- 何を中心に練習したらいいか
- のどがつかれやすいときは、どうしたらいいか
先生は、あなたの声やのどの様子を見て、合った練習のしかたを教えてくれることが多いです。レッスンの時間や回数の考え方については、こちらの記事もあわせて読んでみてください。ボイトレのレッスンは30分で短い?時間と回数(頻度)の考え方
まとめ
- 歌の練習が1日何時間がいいかは、人によってちがう
- はじめは1日10分から30分くらいの短い練習からでも十分
- 長さより「今日やること」を決めて練習することが大切
- 毎日少しずつのほうが、体がおぼえやすい
- 15分から20分ごとに休けいを入れ、水分をこまめにとる
- かすれや痛みは、練習しすぎのサイン。早めに休む
- のどを休める日をつくり、迷ったら先生に相談する
いそがしい毎日の中でも、自分に合った練習時間を見つけられると、歌はずっと楽しく続けられます。家での練習を見てくれる先生をさがしたいときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし練習の成果をだれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリもあります。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、つぎの練習の目標を見つけるきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ