練習・発声のコツ

歌の練習は1日何時間がいい?大人の練習時間の考え方と、のどの休め方

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「歌の練習って、1日何時間くらいすればいいんだろう」 「仕事があるから、毎日長く練習するのはむずかしい」

歌を習いはじめた大人の方から、よくこんな声を聞きます。たくさん練習したほうが上手になりそうな気がしますし、反対に、少ししか練習できない日は「これでいいのかな」と不安になりますよね。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。その中で感じてきたのは、歌の練習は「時間の長さ」だけで決まるものではない、ということです。

この記事では、大人の方の歌の練習は1日何時間がいいのか、という疑問について、長さより大切なこと、練習の分け方、休けいの入れ方、のどを休める日のつくり方をまとめました。お子様の家での練習時間については、別の記事でくわしく書いています。

歌の練習は1日何時間がいい?

「何時間」に決まった答えはない

さいしょにお伝えしたいのは、歌の練習時間に「これが正解」という決まった答えはない、ということです。

  • 歌を習いはじめたばかりか、長く続けているか
  • 趣味として楽しみたいのか、本番やコンクールをめざしているのか
  • ふだん、声をよくつかう仕事をしているか
  • その日の体調やのどの調子

こうしたことによって、合う練習時間はかわります。先生から「このくらい練習してね」と言われている場合は、まずはそれを大切にしてください。

はじめのうちは、短い時間からで十分

歌を習いはじめたばかりの大人の方は、1日10分から30分くらいの短い練習から始める方が多いです。声を出す筋肉は、急にたくさんつかうと、つかれやすくなります。

短くても、毎日のように声を出していると、体が歌うことになれていきます。「長く練習できなかった」とがっかりするより、「今日も少し声を出せた」と考えるほうが、続けやすくなります。

長く続けている方でも、休けいをはさむ

歌になれてきて、本番の前などに長めに練習する方もいます。そんなときも、ずっと歌いっぱなしにするのではなく、休けいをはさむことが大切です。続けて声を出すのは、長くても30分から1時間くらいにして、あいだに休みを入れる方が多いようです。

長さより大切なこと

「何をするか」を決めてから練習する

なんとなく歌いはじめると、好きなところばかり歌って、時間だけがすぎてしまうことがあります。練習の前に、今日やることを1つか2つ決めておくと、短い時間でも中身のある練習になります。

  • 今日は、サビの高い音をらくに出す
  • 今日は、息つぎの場所をたしかめる
  • 今日は、先生に言われた口の形をまねする

毎日少しずつのほうが、身につきやすい

週末にまとめて2時間練習するより、毎日15分ずつ練習するほうが、体がおぼえやすいと感じる方は多いです。歌は、体をつかう習い事なので、少しずつくりかえすことが力になりやすいのです。

声を出さない時間も練習になる

歌の練習は、声を出す時間だけではありません。

  • お手本を聞いて、歌い方をたしかめる
  • 歌詞を読んで、意味を考える
  • 楽譜に息つぎの印を書きこむ
  • 自分の録音を聞きなおす

こうした時間も、りっぱな練習です。のどを休めながら、歌を深めることができます。

いそがしい大人のための、練習の分け方

1日10分の場合

時間がとれない日は、10分だけでも練習になります。

  • 2分 体をほぐす、首や肩をまわす
  • 3分 息の練習、ハミング
  • 5分 練習している曲の、気になるところだけ歌う

曲を通して歌わなくても、1か所だけていねいに練習すれば、それで十分です。

1日30分の場合

少し時間がとれる日は、こんなふうに分けてみてください。

  • 5分 体をほぐす、息の練習
  • 10分 発声練習(ハミング、ゆっくりした音の上がり下がり)
  • 10分 曲の気になるところを練習
  • 5分 曲を通して歌う、または録音して聞く

練習メニューの組み方は、こちらの記事でもくわしく紹介しています。自宅でできるボイトレメニュー。10分・30分の練習の組み方を、初心者向けにまとめました

1時間以上練習したい日

本番が近いときなど、長めに練習したい日は、15分から20分ごとに休けいを入れましょう。水をのんだり、お部屋の空気を入れかえたりして、のどと体をひと休みさせてください。

後半は、声を出す練習より、録音を聞いたり、楽譜を見なおしたりする時間を多めにすると、のどの負担をへらしやすくなります。

休けいの入れ方

休けいのめやす

  • 続けて歌うのは、15分から20分くらいまで
  • 休けいは、数分でもよい
  • 休けいのときは、話すのもひかえめにする

休けいのあいだに、たくさんおしゃべりをすると、のどが休まりません。静かにすごすのがおすすめです。

水分をこまめにとる

練習のあいだは、水やお茶を少しずつのみましょう。のどがかわいてから飲むより、こまめに口をうるおすほうが、のどにやさしいです。

1日の中で分けて練習する

朝に10分、夜に10分というように、1日の中で練習を分けるのもよい方法です。1回の練習が短いので、のどがつかれにくくなります。ただし、起きてすぐは声が出にくいことが多いので、朝は体をほぐしてから、やさしく声を出すようにしてください。

練習しすぎのサイン

練習をがんばりすぎると、のどや体がつかれてしまいます。こんなサインがあったら、その日は練習をやめて、休みましょう。

  • 声がかすれてきた
  • のどがヒリヒリする、痛い
  • 高い音が、いつもより出にくい
  • 歌い終わったあと、話し声もつらい
  • 首や肩が、かたくこっている

「もう少しだけ」と続けるより、早めにやめるほうが、つぎの日にまた気持ちよく歌えます。痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。

のどを休める日をつくる

週に1日は、歌わない日があってもいい

毎日練習することは大切ですが、のどを休める日をつくるのも、同じくらい大切です。週に1日くらい、声を出す練習をしない日をつくる方もいます。

その日は、好きな歌を聞いたり、歌詞を読んだりして、歌にふれる時間にしてみてください。

話す仕事をしている日は、練習を軽めに

仕事で長く話した日や、会議が多かった日は、のどがつかれていることがあります。そんな日は、声を出す練習を短めにして、息の練習や聞く練習を中心にしましょう。

かぜぎみの日は、むりをしない

体調がよくない日は、練習を休むことも大切です。むりに歌うと、なおるまでに時間がかかることもあります。

練習の時間を見つける工夫

生活の中に「練習の時間」を決めておく

いそがしい大人にとって、いちばんむずかしいのは、練習の時間をつくることかもしれません。「時間があいたらやろう」と思っていると、気づけば1日がおわっていることもあります。

  • 帰ってきて着がえたら、10分だけ練習する
  • 夕ごはんの前に、息の練習とハミングをする
  • 休みの日の午前中に、少し長めに練習する

毎日のながれの中に練習を組みこんでおくと、考えなくても体がうごくようになり、続けやすくなります。

すきま時間にできること

まとまった時間がとれない日も、すきま時間にできることはあります。

  • 通勤のあいだに、練習している曲を聞く
  • 歯みがきのあとに、鏡の前で口の形をたしかめる
  • おふろの前に、首や肩をゆっくりほぐす

声を出さなくても、歌のことを少し考える時間があるだけで、つぎに歌うときの感じがちがってくることがあります。

できなかった日があっても気にしない

仕事や家のことで、練習できない日があるのは当たり前です。1日できなかったからといって、それまでの練習がむだになるわけではありません。つぎの日に、また少しだけ声を出せばだいじょうぶです。

先生と練習時間を相談する

練習時間に迷ったときは、先生に相談するのがいちばんです。

  • 家ではどのくらい練習したらいいか
  • 何を中心に練習したらいいか
  • のどがつかれやすいときは、どうしたらいいか

先生は、あなたの声やのどの様子を見て、合った練習のしかたを教えてくれることが多いです。レッスンの時間や回数の考え方については、こちらの記事もあわせて読んでみてください。ボイトレのレッスンは30分で短い?時間と回数(頻度)の考え方

まとめ

  • 歌の練習が1日何時間がいいかは、人によってちがう
  • はじめは1日10分から30分くらいの短い練習からでも十分
  • 長さより「今日やること」を決めて練習することが大切
  • 毎日少しずつのほうが、体がおぼえやすい
  • 15分から20分ごとに休けいを入れ、水分をこまめにとる
  • かすれや痛みは、練習しすぎのサイン。早めに休む
  • のどを休める日をつくり、迷ったら先生に相談する

いそがしい毎日の中でも、自分に合った練習時間を見つけられると、歌はずっと楽しく続けられます。家での練習を見てくれる先生をさがしたいときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし練習の成果をだれかに聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリもあります。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、つぎの練習の目標を見つけるきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ

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