歌が上手くなるまでの期間は?何年かかるかより、のびを感じるための考え方
「歌が上手くなるまで、どのくらいの期間がかかるんだろう」 「ボイトレをはじめたけれど、何年続けたら上手くなるの?」 「子どもの歌の習い事、いつごろ成果が見えるのかな」
歌をはじめた方や、これからはじめようと考えている方にとって、歌が上手くなる期間は、気になることのひとつですよね。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、「歌が上手くなるまで何年かかるか」という問いを、少しちがう角度から考えてみます。先にお伝えすると、歌が上手くなる期間は、人によって大きくちがいます。ですから、この記事では「何年」という数字は書きません。そのかわりに、期間をどう考えると、自分ののびを感じながら歌を続けやすくなるのか、その考え方をまとめます。
練習しても上手くならないと感じて、つらいときの見直し方は、こちらの記事にまとめています。歌は練習しても上手くならない?伸びないと感じるときの見直し方
歌が上手くなる期間が、人によってちがう理由
スタートの地点がちがう
歌をはじめたときの声や耳の感じは、ひとりひとりちがいます。小さいころから歌や音楽にふれてきた方もいれば、大人になってはじめて歌を習う方もいます。話し声の高さや、声の大きさ、息の使い方も、人それぞれです。
スタートの地点がちがえば、同じ練習をしても、変化を感じるまでの道のりはちがってきます。
めざす「上手い」がちがう
「歌が上手くなりたい」と言っても、その中身は人によってちがいます。
- カラオケで、音をはずさずに気持ちよく歌いたい
- 合唱で、まわりと声を合わせられるようになりたい
- 高い声を、らくに出せるようになりたい
- コンクールで、聞く人に気持ちが伝わる歌を歌いたい
- 声楽の曲を、ひびきのある声で歌えるようになりたい
めざすところがちがえば、そこまでの期間も、練習のしかたもちがいます。「何年で上手くなるか」の答えがひとつに決まらないのは、このためです。
練習のしかたや、くらしの中の時間がちがう
先生について習っているか、ひとりで練習しているか。どのくらいの間かくで歌っているか。仕事や学校、家のことで、練習にとれる時間はどれくらいあるか。こうしたことも、人によってちがいます。
また、からだや声の調子、年齢による変化、お子様なら声の育ちなども、ひとりひとりちがいます。だからこそ、ほかの人の期間を、そのまま自分にあてはめる必要はありません。
期間が気になるのは、自然なこと
「どのくらいで上手くなるのか知りたい」と思うのは、とても自然な気持ちです。時間やお金、気持ちをかけて歌に取り組んでいるからこそ、先の見通しがほしくなります。
ただ、期間の数字にこだわりすぎると、「まだ上手くなっていない」「自分はおそいのかもしれない」と、自分を責める気持ちが生まれやすくなります。期間が気になったときは、「いまの自分は、何ができるようになりたいのか」に、もう一度目をもどしてみてください。
「何年かかるか」より、先に考えたいこと
自分にとっての「上手い」を、ことばにしてみる
期間を考える前に、まず「自分は、どんなふうに歌えたらうれしいか」をことばにしてみましょう。
「上手くなりたい」だけだと、ゴールが見えず、いつまでたっても「まだまだ」と感じてしまうことがあります。「この曲のサビを、のどに力を入れずに歌いたい」のように、具体的なことばにすると、自分が近づいているかどうかを感じやすくなります。
大きな目標と、小さな目標を分ける
「人前で堂々と歌えるようになりたい」のような大きな目標は、すぐにはとどかないかもしれません。そこで、大きな目標までの道のりを、小さな目標に分けてみます。
- 大きな目標:発表会で、一曲をとおして気持ちよく歌う
- 小さな目標:歌詞を見ずに歌えるようになる
- 小さな目標:サビの高い音を、らくに出す練習をする
- 小さな目標:先生の前で、通して歌ってみる
小さな目標なら、ひとつずつ「できた」を感じることができます。その「できた」が重なっていくことが、のびを感じることにつながります。
一年の歌の目標の立て方は、こちらの記事でも紹介しています。1年の歌の目標の立て方。子どもも大人も、たのしくつづけるために
期間は「区切り」として使う
期間を考えること自体は、悪いことではありません。ただ、「何年で上手くなる」というゴールとしてではなく、「この発表会まで」「次の季節まで」のような、ふりかえるための区切りとして使うと、気持ちが楽になります。
区切りが来たら、「どこまで近づいたか」「次は何をしようか」をふりかえります。上手くなったかどうかを判定する日ではなく、次の一歩を決める日、と考えてみてください。
のびを感じるための見方
変化は、少しずつ、行ったり来たりしながら
歌の変化は、まっすぐ右上がりに進むとはかぎりません。できるようになったと思ったら、次の日にはうまくいかない、ということもあります。声の調子は日によってちがうので、行ったり来たりしながら、少しずつ進んでいくものと考えておくと、あせりにくくなります。
「できるようになったこと」に目を向ける
上手くなりたい気持ちが強いと、「できないこと」ばかりが目に入ってしまいます。ときどき、「はじめたころとくらべて、できるようになったこと」を思い出してみてください。
- 前より、歌っていて息が苦しくなりにくい
- 先生に言われたことの意味が、分かるようになってきた
- 自分の声を録音で聞いても、前ほどいやではなくなった
- 歌うことが、前より楽しいと感じる
声の変化だけでなく、気持ちや考え方の変化も、大切なのびです。録音やノートで記録をのこす方法は、こちらの記事にまとめています。歌の上達を記録しよう|録音・録画・練習ノートのつけ方と、成長の見つけ方
ほかの人とくらべすぎない
同じ教室の人や、同じころにはじめた人が、自分より早く上手くなっているように見えて、落ちこむこともあるかもしれません。でも、先にお話ししたように、スタートの地点も、めざすところも、使える時間もちがいます。
くらべる相手は、ほかの人ではなく、少し前の自分です。そう考えるだけで、気持ちが軽くなることがあります。
目標に合わせた見通しの立て方
先生に「いまの自分」を聞いてみる
自分ひとりでは、どこまで進んでいるのか分かりにくいこともあります。習っている方は、先生に「いまの自分は、どんなところがよくなっていますか」「次は何に取り組むとよいですか」と聞いてみましょう。
「何年で」という答えはなくても、「いまはこの段階だから、次はここ」という見通しを、いっしょに考えてくれることがあります。
目標に合った練習の場をえらぶ
めざす歌によって、合った練習の場もちがいます。カラオケを楽しみたいのか、合唱をしたいのか、声楽を学びたいのか。目標に合った教室や先生をえらぶことも、遠まわりをしないための工夫のひとつです。
ボイトレで変化を感じやすいところについては、こちらの記事も参考にしてください。ボイトレの効果は何ヶ月で出る?変化を感じやすいところと、つづけるコツ
むりをして、早く進めようとしない
早く上手くなりたいからといって、長い時間歌い続けたり、出にくい高い声をむりに出し続けたりすると、のどに負担がかかることもあります。のどの痛みやかすれが続くときは、練習をお休みして、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
歌は、のどを大切にしながら、長く続けていくものです。
お子様の歌の習い事で、期間が気になるとき
お子様のペースを大切に
お子様の歌の習い事では、お父様・お母様が「いつごろ上手くなるのかな」と気になることもあると思います。でも、お子様の声やからだの育ち方は、ひとりひとりちがいます。
「まだできない」ではなく、「前よりここが楽しそうになった」「前より大きな声で歌えるようになった」など、小さな変化を見つけて、ことばにして伝えてあげてください。
結果より、続けていることをみとめる
コンクールの結果や、先生からのことばも大切ですが、お子様が歌を続けていること、そのものも大切にしたいところです。「今日も歌ったね」というひとことが、お子様の「また歌いたい」につながることがあります。
まとめ
- 歌が上手くなる期間は、人によって大きくちがう
- スタートの地点、めざす「上手い」、練習のしかたや時間がちがうため、答えはひとつではない
- 先に、自分にとっての「上手い」をことばにしてみる
- 大きな目標を、小さな目標に分けて、「できた」を重ねる
- 期間はゴールではなく、ふりかえるための区切りとして使う
- 変化は行ったり来たりしながら進むと考え、できるようになったことに目を向ける
- くらべる相手は、ほかの人ではなく、少し前の自分
- 先生に見通しを聞き、のどにむりをさせずに続ける
何年かかるかを気にするより、いまの自分ののびを見つけながら歌うほうが、歌をもっと楽しめるかもしれません。目標に合った先生をさがしたいときは、こちらから教室をさがせます。歌の教室さがし
区切りのひとつとして、いまの歌声を聞いてもらう場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ