歌の上達を記録しよう|録音・録画・練習ノートのつけ方と、成長の見つけ方
「毎日練習しているけれど、上手になっているのかわからない」 「先生に言われたことを、すぐにわすれてしまう」 「子どもの歌の成長を、のこしておきたい」
歌の練習をつづけていると、こんなふうに感じることがあると思います。歌は、目に見えないものなので、自分がどれくらいのびているのか、わかりにくいですよね。
そんなときに役に立つのが、練習の記録です。録音や録画、練習ノートなどで記録をのこしておくと、あとから見返したときに、「前よりここができるようになった」と気づきやすくなります。
わたしは息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。そのあいだ、練習のようすをとっておくことの大切さを、何度も感じてきました。
この記事では、歌の上達を記録する方法を、録音・録画・練習ノートの3つに分けて紹介します。さいごに、記録から成長を見つけるコツもまとめます。お子様にも、大人やシニアの方にも、つかえる内容です。
記録をのこすとよいこと
記録をのこすことには、いろいろなよさがあります。
- 自分の声を、外から聞くことができる
- 前とくらべて、のびたところがわかる
- 先生に言われたことを、わすれにくくなる
- 練習のやる気がつづきやすくなる
- 本番の前に、自信をもちやすくなる
歌っている自分の声は、自分の耳で聞くのと、録音で聞くのとでは、ちがって聞こえることが多いです。はじめて録音を聞くと、「え、こんな声なの?」とおどろく方も少なくありません。でも、その「ちがい」に気づけることが、上達への一歩になります。
録音で記録する
録音のよいところ
録音は、いちばん手軽な記録の方法です。スマホの録音アプリをつかえば、すぐにはじめられます。
- 声だけに集中して聞ける
- 音程やリズム、ことばのはっきりさがわかりやすい
- 何度でも聞き返せる
録音のコツ
- 毎回、同じ場所で、同じくらいの距離からとる
- スマホは、口から少しはなれたところにおく
- テレビやせんたく機など、まわりの音が少ないときにとる
- ファイルの名前に、日付と曲名を入れておく
同じ条件でとっておくと、あとでくらべるときに、声のちがいがわかりやすくなります。
毎回ぜんぶとらなくてもいい
練習のたびに1曲まるごととるのは、たいへんです。
- 週に1回だけとる
- むずかしいところだけをとる
- 先生に言われたところを、なおす前と後でとる
このように、とるところを決めておくと、つづけやすくなります。
録画で記録する
録画のよいところ
録画は、声だけでなく、歌っている姿も見ることができます。
- 姿勢や立ち方がわかる
- 口のあけ方や、表情がわかる
- 手や肩に、よけいな力が入っていないかがわかる
- 歌っているときのくせに、気づきやすい
声だけを聞いていてもわからないことが、動画を見ると、すっとわかることがあります。
録画のコツ
- スマホをたてて、動かないようにおく
- 顔から足もとまで、体全体がうつるようにする
- へやを明るくして、顔がよく見えるようにする
- うしろに、ごちゃごちゃしたものがうつらないようにする
歌の動画をきれいにとる方法は、こちらの記事でくわしく書いています。歌の動画をきれいにとるコツ。スマホ・マイク・部屋の音と、安心して公開するための注意点
動画をつかった練習のしかたは、こちらの記事にまとめています。動画をつかった歌の練習のしかた。お子様が楽しくつづけられるコツと注意点
練習ノートをつける
練習ノートのよいところ
録音や録画は「声と姿」の記録です。練習ノートは、「何をしたか」「何を感じたか」の記録になります。
- 先生に言われたことを書きとめておける
- 自分で気づいたことを、わすれずにのこせる
- 練習の量や、つづけた日数がわかる
ノートに書くこと
むずかしく考えず、次のようなことを、短く書いてみましょう。
| 書くこと | 例 |
|---|---|
| 日付 | 11月6日 |
| 練習した曲 | 練習している曲の名前 |
| 練習した時間 | 15分 |
| やったこと | 発声、2番のサビの練習 |
| できたこと | 高いところが前よりらくに出た |
| 次にやりたいこと | 息つぎの場所をたしかめる |
| 先生のことば | 口を大きくあけて |
ぜんぶを毎回書く必要はありません。「できたこと」と「次にやりたいこと」の2つだけでも、じゅうぶん役に立ちます。
お子様のノートは、たのしく
お子様が練習ノートをつけるときは、絵やシールをつかってもよいと思います。
- 練習した日に、シールをはる
- その日の気分を、顔のマークでかく
- お父様・お母様が、ひとことコメントを書く
小さなお子様は、まだ文字を書くのがむずかしいこともあります。その場合は、お父様・お母様が、かわりに書いてあげてください。
大人・シニアの方のノート
大人やシニアの方は、手帳やスマホのメモをつかうのもおすすめです。レッスンのあとすぐに、先生に言われたことを書いておくと、家での練習に役立ちます。
記録から、成長を見つけるコツ
1か月前、3か月前とくらべる
昨日と今日では、ちがいがわからないことがほとんどです。でも、1か月前や3か月前の記録とくらべると、ちがいが見えてくることがあります。
- 声が、前よりしっかり出ている
- ことばが、はっきり聞こえるようになった
- 息つぎのところで、あわてなくなった
- 姿勢がよくなった
- 表情が、やわらかくなった
「できたこと」から見る
記録を見返すと、つい「ここがまだだめ」と思ってしまいがちです。でも、さきに「できるようになったこと」をさがしてみてください。
できたことに気づけると、次の練習もたのしくなります。なおしたいところは、そのあとで、ひとつだけえらんでみましょう。
見返すタイミングを決めておく
- 月のはじめに、先月の記録を聞く
- 発表会やコンクールのあとに、ふりかえる
- 新しい曲をはじめる前に、前の曲の記録を見る
決まった日に見返すと、記録がたまっていくのも、たのしみのひとつになります。
先生にも記録を見てもらう
レッスンに通っている方は、とった録音や録画を、先生に見てもらうのもよい方法です。自分では気づかなかったよいところや、次に練習するとよいところを、教えてもらえることがあります。
- レッスンの前に「この前とったものを聞いてもらえますか」と聞いてみる
- 家での練習で、うまくいかなかったところをとっておく
- 先生のアドバイスを、ノートに書いておく
記録を見せてよいかどうかは、教室や先生によってちがいます。まずは、先生に聞いてみてください。
本番の前に見返す
発表会やコンクールの前に、これまでの記録を見返すのもおすすめです。「はじめはこんなに歌えなかったのに、ここまでできるようになった」と気づけると、本番の前の不安が、少しやわらぐことがあります。
記録をつづけるためのくふう
かんたんな方法からはじめる
さいしょから、録音も録画もノートも、ぜんぶやろうとするとたいへんです。まずは、ひとつだけえらんではじめてみましょう。
データを整理しておく
録音や録画は、すぐにたまってしまいます。
- 曲ごとにフォルダを分ける
- 日付が入った名前にする
- とくによくとれたものには、しるしをつけておく
お子様の記録は、家族のたからもの
お子様の歌の記録は、上達の記録であると同時に、そのときにしか聞けない声の記録でもあります。成長するにつれて、声はかわっていきます。あとから見返したとき、家族にとって、たいせつな思い出になると思います。
記録をとるときは、お子様が「とられるのがいや」と感じていないか、ようすを見てあげてください。むりにカメラを向けず、お子様の気持ちを大切にしましょう。
のどにむりをさせない
記録をとるために、何度もとり直しをしたくなることがあります。でも、歌いすぎはのどの負担になります。とり直しは2〜3回までにするなど、決めておくと安心です。のどの痛みや声のかすれがつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- 記録をのこすと、目に見えない歌の成長が見えやすくなる
- 録音は、声だけに集中して、音程やリズムを聞ける
- 録画は、姿勢や表情、体の力の入り方がわかる
- 練習ノートには、「できたこと」と「次にやりたいこと」を短く書く
- 1か月前、3か月前の記録とくらべて、できるようになったことをさがす
- かんたんな方法からはじめて、むりなくつづける
記録してきた歌の中から、いちばんよくとれた動画を、だれかに聞いてもらうのもよいと思います。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られるコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。応募した方には、講評とデジタル賞状がとどくので、それもまた、歌の成長の記録のひとつになります。よかったらのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ