動画をつかった歌の練習のしかた。お子様が楽しくつづけられるコツと注意点
いまは、スマホやタブレットで、いつでも歌の動画を見られる時代です。
「動画を見ながら練習させてもいいのかな」 「自分の歌をとって見るのは、いい練習になる?」
この記事では、息子をたくさんの歌のコンクールに連れていったわたしが、動画をつかった歌の練習のしかたと、気をつけたいことをまとめます。
動画の練習は、大きく分けると3つあります。
- お手本の動画を「見る」
- 自分の歌を「とる」
- とった動画を「見返す」
ひとつずつ見ていきましょう。
1. お手本の動画を「見る」
曲のイメージをつかむ
新しい曲を練習するとき、まずはお手本の動画を見ると、曲のふんいきや、歌い方のイメージがつかみやすくなります。
楽譜だけではわかりにくい、「ここはやさしく」「ここは元気に」といった感じも、耳で聞くとよくわかります。
いろいろな人の歌を聞いてみる
同じ曲でも、歌う人によって、歌い方はちがいます。何人かの歌を聞くと、「この歌い方が好き」「わたしはこう歌いたい」と、お子様なりの考えが生まれてきます。
まねしすぎに気をつける
お手本は大切ですが、大人の歌手のまねをしすぎると、子どもの声に合わない歌い方になってしまうことがあります。とくに、ひくい声や、声をふるわせる歌い方を、むりにまねするのはさけましょう。
お子様には、お子様らしい、まっすぐな声のよさがあります。お手本は「イメージをつかむもの」と考えるのがいいと思います。
習っている先生がいるときは
声楽などを習っているときは、先生の歌い方や考え方を大切にしましょう。動画で聞いた歌い方と、先生の言うことがちがうときは、先生にそっと相談してみてください。
2. 自分の歌を「とる」
とるだけで「本番の練習」になる
スマホでとられていると思うと、お子様は少し緊張します。この「ちょっとした緊張」が、本番の練習になります。
緊張しやすいお子様への声かけは、こちらの記事にまとめています。本番で緊張する子へのことば。歌のコンクール前に親ができること
とり方はかんたんでいい
練習の動画は、きれいにとる必要はありません。
- スマホを机や棚に立てかける
- お子様の上半身が入るくらいのきょり
- しずかな部屋でとる
これだけでじゅうぶんです。コンクールに応募するための動画のとり方は、こちらの記事でくわしく書いています。歌の動画審査、スマホでのきれいなとり方。おうちでできる10のコツ
毎回とらなくていい
毎日とると、お子様もつかれてしまいます。週に1回、または新しい曲を通して歌えるようになったときなど、区切りでとるくらいがちょうどいいと思います。
3. とった動画を「見返す」
まずは、いいところを見つける
動画を見返すと、どうしても「できていないところ」に目がいきます。でも、最初はかならず、いいところから伝えましょう。
- 「この顔、すごくいいね」
- 「ここの声、きれいに出てたね」
- 「さいごまで止まらずに歌えたね」
見るポイントは、1回に1つだけ
いくつも言われると、お子様はどこを直せばいいのかわからなくなります。1回に見るポイントは、1つだけにしましょう。
- 今日は「表情」を見てみよう
- 今日は「立ち方」を見てみよう
- 今日は「歌詞がはっきり聞こえるか」を見てみよう
お子様に聞いてみる
「自分で見て、どう思った?」と聞いてみてください。お子様が自分で気づいたことは、親が言うより、ずっと心にのこります。
前の動画とくらべる
前にとった動画とくらべると、成長がよくわかります。「1か月前より、声が出てるね」と、変化を見つけてあげると、お子様の自信になります。
気をつけたいこと
見すぎに気をつける
お手本の動画を見ていると、ついつい関係のない動画まで見てしまうことがあります。練習の時間と、動画を見る時間は、あらかじめ決めておくと安心です。
- 「お手本は2回だけ見よう」
- 「練習がおわったら、画面はとじよう」
見る距離や時間にも気をつける
小さな画面を、近くで長く見つづけるのは、目にもよくありません。できれば、テレビなど大きな画面で見たり、ときどき目を休ませたりしましょう。
動画を外に出すときは
とった動画を、SNSなどにのせるときは、気をつけることがあります。
- お子様の顔や名前、学校がわかるものがうつっていないか
- 家のまわりのようすが、うつりこんでいないか
- 曲によっては、外にのせてよいかの決まりがあること
練習の動画は、家族の中だけで見るのがいちばん安心です。コンクールに応募するときも、動画のあつかい方は募集の案内に書かれていることが多いので、よく読んでおきましょう。
動画を見ながら歌いつづけない
お手本の動画に合わせて、何度もくりかえし歌っていると、気づかないうちに長い時間歌ってしまうことがあります。のどがつかれるので、歌う回数も決めておきましょう。声がかれたり、のどのいたみがつづいたりするときは、休ませて、心配なら耳鼻科で相談してください。
親が「先生」になりすぎない
動画を見ると、親もいろいろ言いたくなります。でも、親が先生のようになりすぎると、お子様は歌うのが楽しくなくなってしまいます。
家では「いちばんのファン」でいるくらいが、ちょうどいいと思います。
年れいによる動画のつかい方
小さなお子様(3歳〜幼稚園のころ)
小さなお子様は、まだ自分の動画を見て「ここを直そう」と考えるのはむずかしいです。この年れいでは、動画は「楽しむもの」と考えましょう。
- 歌っている自分を見て、「わあ、うたってる!」とよろこぶ
- おじいちゃん・おばあちゃんに送って、ほめてもらう
- お手本の動画に合わせて、いっしょに体を動かして歌う
「歌うと、みんながよろこんでくれる」という気持ちが、つぎの練習の力になります。
小学校低学年のお子様
少しずつ、自分の歌を見て気づけるようになってきます。「どこがよかった?」と聞いて、自分のいいところを見つける練習から始めましょう。
小学校高学年のお子様
高学年になると、自分で動画をとって、自分で見返せるようになるお子様もいます。親が口を出しすぎず、お子様にまかせてみるのもいいと思います。
ただ、高学年は、自分の姿をはずかしがる時期でもあります。いやがるときは、むりに見せたりとったりせず、音だけ録音する方法もあります。
お手本の動画えらびのヒント
お手本にする動画は、なんでもいいわけではありません。
- お子様の年れいに近い人や、子どもの合唱団などの歌
- 歌詞がはっきり聞こえる歌
- 楽譜どおりに、まっすぐ歌っている歌
アレンジが多い歌や、大人むけの歌い方の動画は、練習のお手本にはむかないこともあります。習っている先生がいるときは、どの動画をお手本にすればいいか、相談してみるのもいいですね。童謡を歌うときのコツは、こちらの記事にもまとめています。童謡を上手に歌うコツ。「ことば」を大切にすると歌はかわる
動画練習の1週間の例
- 月:お手本の動画を見て、曲のイメージをつかむ
- 火〜木:歌詞を見ながら練習(動画はなし)
- 金:通して歌って、動画をとる
- 土:家族でいっしょに動画を見返す。いいところを3つ見つける
- 日:お休み
これはあくまで一例です。お子様のようすを見ながら、むりのない形にしてください。
まとめ
- 動画の練習は「見る」「とる」「見返す」の3つ
- お手本は、イメージをつかむもの。まねしすぎない
- とるだけで、本番の練習になる
- 見返すときは、いいところから。見るポイントは1つだけ
- 見すぎや、動画を外に出すときの注意も大切
家でとりためた練習の動画は、そのままコンクールへの挑戦にもつながります。こどもの歌声グランプリは、おうちでとった動画1本で応募でき、全員に講評が届きます。練習の成果をためしてみたいときに、よかったらのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ