1年の歌の目標の立て方。子どもも大人も、たのしくつづけるために
「今年こそ、歌をもっと上手になりたい」 「子どもの歌の習い事、今年はどんな目標にしようかな」
年のはじめや、新しい学年になるときは、目標を立てたくなる時期ですよね。でも、立てた目標をわすれてしまったり、むずかしすぎて途中でいやになったりすることも、よくあると思います。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌は、すぐに結果が見えにくい習い事です。だからこそ、目標の立て方ひとつで、つづけやすさが大きく変わると感じています。
この記事では、1年の歌の目標を、たのしく、むりなく立てるためのコツをまとめました。お子様にも大人の方にも、それぞれの目標の例をのせています。
歌の目標を立てるよさ
練習の「方向」が決まる
目標があると、毎日の練習で何をがんばればいいかが、わかりやすくなります。「なんとなく歌う」から、「今日はここを気をつけて歌う」に変わると、同じ時間の練習でも、気づくことがふえていきます。
小さな「できた」に気づける
歌の上達は、とてもゆっくりです。目標を立てて、ときどきふりかえると、「前よりも長く声をのばせるようになった」など、小さな変化に気づきやすくなります。その「できた」が、つぎの練習への元気になります。
先生や家族と、気持ちをそろえられる
歌の教室に通っている場合は、目標を先生に伝えることで、レッスンの内容を合わせてもらいやすくなります。お子様の場合は、お父様・お母様と目標を共有しておくと、家での声かけもしやすくなります。
目標の立て方の基本
「大きな目標」と「小さな目標」に分ける
まずは、1年をとおしての「大きな目標」を1つ決めます。そのうえで、それに近づくための「小さな目標」を、いくつか考えてみましょう。
- 大きな目標:1年のおわりに、なりたい自分のすがた
- 小さな目標:1か月〜3か月くらいで、できそうなこと
大きな目標だけだと、毎日何をすればいいかわかりにくくなります。小さな目標だけだと、つづける意味が見えにくくなります。2つを組み合わせるのがポイントです。
「できたかどうか」がわかる形にする
「上手になる」という目標は、すてきですが、できたかどうかがわかりにくいものです。
- 「上手になる」→「1曲を、とちゅうで止まらずに歌いきる」
- 「高い声を出したい」→「らくに出せる音を、ひとつふやす」
- 「たくさん練習する」→「週に3日、10分ずつ練習する」
自分でたしかめられる形にすると、ふりかえりもしやすくなります。
結果ではなく「すること」を目標にする
コンクールの順位や、合格・不合格のように、自分だけではどうにもならない結果を、目標の中心にしないこともおすすめです。
「本番で、練習してきたことを出しきる」「毎月1回、録音して聞く」など、自分の力でできることを目標にすると、結果に気持ちがふりまわされにくくなります。
欲ばりすぎない
あれもこれもと目標をふやすと、どれも中途半端になりがちです。小さな目標は、同時に2つか3つまでにしておきましょう。
1年を4つの季節に分けて考える
1年は長いので、3か月ずつ、4つの季節に分けて考えると、計画が立てやすくなります。
春(4〜6月):土台づくり
- 姿勢や息のつかい方を見直す
- 新しい曲を1曲えらんで、練習をはじめる
- 練習する曜日と時間を決める
新しい学年や環境になる時期なので、むりのない計画からはじめましょう。
夏(7〜9月):チャレンジの時期
- 少しむずかしい曲に挑戦する
- 発表会や、動画で応募できるコンクールに出てみる
- 暑さで体がつかれやすいので、水分をこまめにとる
秋(10〜12月):仕上げと発表
- 1年で練習してきた曲を仕上げる
- 家族の前で歌う、録音してのこすなど、発表の場をつくる
- 季節の歌を楽しむ
冬(1〜3月):ふりかえりと準備
- 1年の録音を聞きくらべて、変化を見つける
- つぎの1年の目標を考える
- 空気が乾燥するので、のどをいたわる
季節はあくまでめやすです。教室の発表会やコンクールの時期に合わせて、自由に入れかえてみてください。
お子様の目標の例
小さなお子様(幼児〜小学校低学年)
小さなお子様の場合は、「歌うことが好き」という気持ちを、いちばん大切にしましょう。
- 好きな歌を、5曲おぼえて歌えるようになる
- 家族の前で、1曲歌ってみる
- 大きな口をあけて歌う
- レッスンに、たのしく通う
目標は、お子様といっしょに決めるのがおすすめです。「どんな歌を歌えるようになりたい?」と聞いてみると、お子様らしい目標が出てくるかもしれません。
小学校高学年〜中学生
少し大きくなったら、お子様自身に目標を考えてもらうのもよいでしょう。
- 楽譜を見ながら、新しい曲を練習できるようになる
- 息つぎの場所を決めて、1曲を歌いきる
- コンクールや発表会に、1回出てみる
- 講評でもらったアドバイスを、1つなおす
声がわりの時期にあたるお子様は、声が出にくくなることもあります。そのときは、目標をゆるめて、むりをさせないようにしてください。
お父様・お母様の声かけ
- 目標ができたかどうかより、とりくんだことをほめる
- 「できなかった」ときも、責めずにいっしょに見直す
- 目標を紙に書いて、見えるところにはっておく
大人の方の目標の例
はじめたばかりの方
- 決めた回数のレッスンに、休まず通う
- 好きな曲を、1曲歌いきれるようになる
- 3か月ごとに、自分の歌を録音する
何年かつづけている方
- 新しいジャンルの曲に挑戦する
- 人前で歌う機会を、1年に1回つくる
- 大人が出られるコンクールに応募してみる
- 合唱やデュエットなど、ほかの人と歌ってみる
シニアの方
- 週に何回か、声を出す時間をつくる
- なつかしい歌を、季節ごとに1曲歌う
- 歌の仲間と、たのしく集まる
大人の方の目標は、「たのしくつづけること」そのものを大切にしてよいと思います。歌の趣味を長くつづけるコツは、こちらの記事にもまとめています。大人が歌の趣味を長くつづけるコツ。目標の立て方と仲間の見つけ方
目標を立てるときに、つかえる質問
目標がなかなか思いうかばないときは、つぎのような質問を、自分やお子様に投げかけてみてください。
- 1年後、どんな歌を歌っていたらうれしい?
- 今の歌で、いちばん気に入っているところはどこ?
- もう少しこうなったらいいな、と思うところはどこ?
- だれに、自分の歌を聞いてもらいたい?
- 歌っていて、いちばんたのしいのはどんなとき?
答えをメモしておくと、そのまま目標のたねになります。お子様の場合は、お父様・お母様が聞き役になって、お話ししながら書きとめてあげるとよいでしょう。
目標を「わすれない」工夫
書いて、見えるところにおく
立てた目標は、紙に書いて、練習する場所にはっておきましょう。スマホのメモや、待ち受け画面にしておくのもよい方法です。
記録をつける
練習した日や、気づいたことを、短くてもいいので記録しておくと、ふりかえりがしやすくなります。録音を日付ごとにのこしておくと、1年後に聞きくらべるたのしみもできます。上達の記録のつけ方は、こちらの記事でもくわしくふれています。歌の上達を記録しよう|録音・録画・練習ノートのつけ方と、成長の見つけ方
月に1回、ふりかえる日を決める
月のはじめなど、ふりかえる日を決めておくと、目標をわすれにくくなります。
- できたこと
- むずかしかったこと
- つぎの1か月で、やってみたいこと
この3つを考えるだけで、十分です。
うまくいかないときは、目標を見直してよい
目標は、とちゅうで変えてもいい
1年のあいだには、いそがしい時期や、体調がすぐれない時期もあります。立てた目標がむずかしいと感じたら、えんりょなく見直しましょう。目標は、自分をしばるものではなく、たのしくつづけるための道しるべです。
のどの調子を大切に
目標に近づこうと、練習しすぎてしまうこともあります。のどがつかれたら、休むことも練習のひとつです。のどの痛みやかすれが何日も続くときは、無理をせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
気持ちが下がったときは、原点にもどる
「なぜ歌がすきなのか」「どんなときに歌いたくなるのか」を思い出してみてください。好きな曲を、ただたのしく歌う日をつくるだけでも、また前向きな気持ちになれることがあります。
まとめ
- 1年の「大きな目標」と、1〜3か月の「小さな目標」を組み合わせる
- 目標は、できたかどうかがわかる形にする
- 結果よりも「自分ですること」を目標にする
- 1年を4つの季節に分けると、計画が立てやすい
- お子様の目標は、歌が好きな気持ちを大切に、いっしょに決める
- 目標は書いて見えるところにおき、月に1回ふりかえる
- うまくいかないときは、目標を見直してよい
1年の目標の中に「歌をだれかに聞いてもらう」を入れてみたい方は、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、1年の練習のふりかえりにもつかえると思います。こどもの歌声グランプリ