歌は練習しても上手くならない?伸びないと感じるときの見直し方
「毎日練習しているのに、ぜんぜん上手くならない気がする」 「前はもっと楽しかったのに、最近は歌っても手ごたえがない」
歌を続けていると、こんなふうに感じる時期が、だれにでもあると思います。がんばっているのに結果が見えないと、「自分には向いていないのかな」と落ちこんでしまいますよね。お子様の練習を見ているお父様・お母様も、「このままでいいのかな」と心配になることがあるかもしれません。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌は、まっすぐ右上がりに上手になるものではなく、のびる時期と、止まっているように感じる時期をくりかえしながら、少しずつかわっていくものだと感じています。
この記事では、歌の練習をしても上手くならないと感じるときに、見直したいことをまとめました。上達を感じにくい理由、練習のしかた、声や体のつかい方、そして気持ちのもち方について、順番にお話しします。
歌が上手くならないと感じる理由
上達は、自分では気づきにくい
歌の変化は、毎日少しずつなので、自分ではなかなか気づけません。毎日鏡を見ていると、自分の顔のかわり方に気づかないのと同じです。
「上手くならない」と感じていても、じっさいには、少しずつかわっていることもあります。
耳がよくなると、自分にきびしくなる
練習を続けていると、歌を聞く耳も育っていきます。すると、前は気にならなかった小さなずれや、声のゆれに気づくようになります。
これは、耳がよくなったしるしでもあります。「前より下手になった」のではなく、「前より細かいところまで聞こえるようになった」のかもしれません。
「のびが止まる時期」は、だれにでもある
何かを習っていると、ぐんぐんのびる時期のあとに、止まっているように感じる時期がくることがあります。この時期は、体の中で、新しいことがなじんでいく時間だとも言われます。
あせらずに続けていると、ある日ふと、前より歌いやすくなっていることに気づく方も多いです。
練習のしかたを見直す
同じことを、同じようにくりかえしていないか
毎日練習していても、いつも同じ曲を、同じように頭から最後まで歌っているだけだと、変化が出にくいことがあります。
- 歌いにくいところだけを取り出して練習しているか
- ゆっくりのテンポで、ていねいにたしかめているか
- 「今日はここを直す」という目当てがあるか
練習の目当てを、ひとつにしぼる
一度にたくさんのことを直そうとすると、どれも中途半端になりやすいです。
- 今日は、息つぎの場所だけを決める
- 今日は、サビの高い音だけをていねいに出す
- 今日は、ことばのはじめをはっきり言う
ひとつにしぼると、できたかどうかがわかりやすくなり、手ごたえも感じやすくなります。
練習のしすぎになっていないか
上手くなりたい気持ちが強いと、長い時間練習しすぎてしまうことがあります。のどがつかれた状態で歌い続けると、かえって声が出にくくなることもあります。
練習の長さより、中身を大切にしてみてください。声を出さずに、お手本を聞いたり、歌詞を読みこんだりする時間も、りっぱな練習です。
声と体のつかい方をチェックする
姿勢
歌うときの姿勢がくずれていると、息がうまくつかえず、声が出しにくくなります。
- 背中が丸まっていないか
- あごが前に出ていないか
- 肩に力が入っていないか
鏡の前で歌ったり、横から動画をとったりすると、自分の姿勢をたしかめやすくなります。
息のつかい方
歌の声は、息にのって出ていきます。息が足りなかったり、強すぎたりすると、声が安定しにくくなります。
- 肩を上げて、あわててすっていないか
- 歌いはじめに、息を一気に出していないか
- フレーズのおわりで、息が足りなくなっていないか
のどや体の力み
「上手く歌おう」と思うほど、のどや首に力が入ってしまうことがあります。力が入ると、高い音が出にくくなったり、声がかたくなったりしやすいです。
歌う前に、首や肩をゆっくりまわしたり、あくびをするように口をひらいたりして、体をほぐしてみてください。
曲が今の声に合っているか
練習している曲が、今の声には高すぎたり、低すぎたりすることもあります。むずかしすぎる曲ばかり練習していると、上手くならないと感じやすくなります。
ときには、少しやさしい曲や、キーを下げた形で練習してみるのもひとつの方法です。
自分の歌を「記録」して、変化を見つける
録音して聞きくらべる
上達に気づくために、いちばんわかりやすいのが録音です。同じ曲を、1か月ごとくらいに録音して聞きくらべてみてください。毎日は気づかなかった変化に、気づけることがあります。
- 声がのびやかになっている
- 息つぎが自然になっている
- ことばが聞きとりやすくなっている
上達の記録のつけ方は、こちらの記事でくわしく紹介しています。歌の上達を記録しよう|録音・録画・練習ノートのつけ方と、成長の見つけ方
「できるようになったこと」を書き出す
できないことばかりに目がいくと、気持ちが落ちこみやすくなります。「前はできなかったけれど、今はできること」を書き出してみると、自分のがんばりが見えてきます。
人に聞いてもらう
先生に相談する
教室に通っている方は、「最近、上手くならない気がする」と、先生に正直に相談してみてください。先生は、自分では気づけない変化や、つぎに練習したらいいことを教えてくれることが多いです。
練習のしかたを少しかえるだけで、また手ごたえを感じられるようになることもあります。
先生に見てもらう機会をつくる
ひとりで練習している方は、ときどき先生に見てもらう機会をつくるのもおすすめです。体験レッスンや、単発のレッスンを受けてみると、新しい気づきがあるかもしれません。
近くの教室やオンラインのレッスンをさがすときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし
講評をもらえる場に出てみる
コンクールや発表会など、人に聞いてもらう場に出ると、自分の歌がどう聞こえているかを知るきっかけになります。目標の日があると、練習にもメリハリがつきやすくなります。
気持ちが落ちこんだときの考え方
人とくらべすぎない
まわりの人の歌を聞くと、「あの人は上手なのに、自分は…」と思ってしまうことがあります。でも、はじめた時期も、声も、練習できる時間も、人それぞれちがいます。くらべる相手は、前の自分でじゅうぶんです。
歌を楽しむ時間をもつ
練習ばかりしていると、歌うことが「やらなければならないこと」になってしまうことがあります。ときには、練習のことを忘れて、好きな歌を気ままに歌う時間をつくってみてください。楽しい気持ちを思い出すと、また練習に向かう気持ちがわいてくることもあります。
少しお休みしてもいい
どうしても気持ちがのらないときは、数日お休みしてもかまいません。少しはなれることで、また歌いたい気持ちがもどってくることもあります。
お子様が「上手くならない」と言うとき
お子様が「練習しても上手くならない」と言うときは、お父様・お母様のことばかけが大きな支えになります。
- 「前より声が大きくなったね」と、変化をことばにする
- 結果より、練習を続けていることをほめる
- 前の録音をいっしょに聞いて、ちがいを見つける
「もっとがんばりなさい」より、「ここがよくなったね」と伝えるほうが、お子様のやる気につながりやすいです。
のどの調子にも目を向ける
声が出にくい、かすれる、すぐにつかれるといったことが続くときは、練習のしかただけでなく、のどの調子が関係していることもあります。痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- 歌の上達は、自分では気づきにくく、のびが止まるように感じる時期もある
- 耳がよくなると、自分の歌にきびしくなることもある
- 同じ練習のくりかえしになっていないか、目当てをひとつにしぼれているかを見直す
- 姿勢、息、力み、曲の高さをチェックする
- 録音で聞きくらべ、できるようになったことを書き出す
- 先生や、講評をもらえる場で、人に聞いてもらう
- 人とくらべすぎず、歌を楽しむ時間も大切にする
上手くならないと感じるときこそ、人に聞いてもらうと、自分では気づけなかったよいところが見つかることがあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られるコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、今の歌のよいところと、つぎの練習の目当てを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ