歌うとすぐ疲れるときは?原因の見直しと、声と体が疲れにくい歌い方のコツ
「少し歌っただけで、ぐったり疲れてしまう」 「カラオケや合唱の練習のあと、体がどっと重くなる」 「歌うとすぐ疲れるのは、体力がないから?」
歌が好きでも、歌うたびにすぐ疲れてしまうと、だんだん練習がおっくうになってしまいますよね。でも、歌って疲れるのには、体力のほかにも、いろいろな原因が考えられます。歌い方や練習のしかたを少し見直すだけで、らくになることもあります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、歌うと疲れる原因として考えられること、声と体が疲れにくい歌い方のコツ、練習の組み立て方、歌ったあとの休み方をまとめました。大人の方にも、シニアの方にも、そのまま使える内容です。
歌うと疲れるのは、ふしぎなことではない
歌は、全身を使う活動
歌うときは、のどだけでなく、息をはくためのおなかや背中、姿勢をささえる足や腰、口や顔のまわりなど、体のいろいろなところを使っています。気持ちもこめて歌うので、心もはたらいています。
ですから、歌ったあとに疲れを感じるのは、ある意味、自然なことです。しっかり歌った、というしるしでもあります。
「すぐ疲れる」ときは、見直すところがあるかもしれない
ただ、少し歌っただけで、とても疲れてしまう。のどがすぐにつらくなる。そんなときは、体のどこかに、むだな力が入っていたり、息の使い方にくせがあったりするのかもしれません。
まずは、どんな疲れ方をしているのかを、ふりかえってみましょう。
- のどが疲れる、声がかれる
- 肩や首がこる
- おなかや背中が疲れる
- 息切れがする、ぐったりする
- 頭がぼーっとする
どこが疲れるかによって、見直したいところがかわってきます。
歌うとすぐ疲れる原因として考えられること
のどや肩に、力が入っている
高い音や大きな声を出そうとすると、のどや肩、首に力が入ってしまうことがあります。力が入ったまま歌い続けると、そのぶん疲れやすくなります。
肩や首に力が入るときの練習は、歌うときに肩や首に力が入るとき。力を抜くための練習と、ふだんの姿勢にまとめています。
息をたくさん使いすぎている
いっぺんにたくさんの息をはいてしまうと、すぐに息がたりなくなり、何回も大きく息を吸うことになります。これをくりかえすと、体が疲れやすくなります。
反対に、息をがまんしてためこみすぎるのも、体に力が入る原因になります。息のつかい方については、歌で息が続かないときの練習。肺活量より大事な、息のつかい方もあわせて読んでみてください。
声をおしだしている
「もっと大きな声を出さなきゃ」と思うと、声をむりにおしだすような歌い方になることがあります。声を大きくしようとして、のどでがんばってしまうと、のどがすぐに疲れてしまいます。
姿勢がくずれている
背中がまるくなっていたり、反対にそりすぎていたりすると、息がうまく流れにくくなります。体をささえるために、よけいな力を使うことにもなります。
準備運動をしないで、いきなり歌っている
体や声がまだかたいまま、いきなり大きな声で歌いはじめると、のどや体に負担がかかりやすくなります。
歌う時間が長すぎる、休みがない
楽しくなって、休まずに歌い続けてしまうこともあります。ずっと歌い続けると、のども体も休むひまがありません。
体調や生活のリズム
ねむりがたりない、水分がたりない、おなかがすいている、つかれがたまっているなど、その日の体調によっても、疲れやすさはかわります。歌い方だけでなく、ふだんの生活も見直してみるとよいかもしれません。
声と体が疲れにくい歌い方のコツ
らくに立つ・すわる
まずは、らくな姿勢から始めましょう。
- 足を、こしの幅くらいにひらいて立つ
- ひざを、ピンとのばしきらない
- 頭が、上から糸でつられているようなイメージをもつ
- 肩の力を抜いて、すとんと下ろす
すわって歌うときは、いすに浅めにこしかけ、背中をいすの背もたれにあずけすぎないようにすると、息がらくになることがあります。
息は「たくさん」より「長く、なめらかに」
歌うときの息は、たくさん吸うことより、少しずつ、なめらかにはいていくことのほうが大切です。ろうそくの火を、消さないようにゆらすようなイメージで、息を細く長く流してみてください。
息をなめらかに使えるようになると、何回も大きく息を吸わなくてすむので、体がらくになることがあります。
声をおしださず、ひびかせる
大きな声を出そうとするより、声を「ひびかせる」ことを意識してみましょう。口の中を広くして、声が顔のまわりでひびくような感じをさがしてみてください。
声をおしださなくても、ひびきがある声は、まわりによくとどくことがあります。のどでがんばる必要がへると、疲れにくくなります。
自分に合った高さで歌う
むりに高い音や低い音で歌い続けると、のどにも体にも負担がかかります。カラオケなら、キーを自分に合った高さにかえてみましょう。合唱なら、出しにくい音は先生に相談してみるのもよい方法です。
「がんばれば出る」高さより、「らくに出る」高さで歌うことが、疲れにくさにつながります。
歌の中で、力を抜くところをつくる
一曲を、ずっと同じ強さで歌う必要はありません。強く歌うところと、やさしく歌うところをつくると、体も声も、とちゅうで少し休むことができます。
息つぎのときに、肩や顔の力をふっと抜くことも意識してみてください。
疲れにくい練習の組み立て方
はじめに、体と声をほぐす
歌う前には、軽い準備運動をしましょう。
- 肩をゆっくり回す
- 首をゆっくり左右にたおす
- 大きくのびをする
- ハミングや、唇をぶるぶるふるわせる練習で、声をならす
準備運動については、歌う前の準備運動。体と顔をほぐす、やさしいストレッチにくわしく書いています。
練習は、短めにくぎって休みを入れる
長い時間を一気に歌い続けるより、短めにくぎって、そのあいだに休けいをはさむほうが、疲れにくくなります。休けいのときは、水を少しずつ飲み、声を出さずにすごしてみましょう。
疲れてきたと感じたら、その日の練習は早めにおしまいにしてもかまいません。
大きな声で歌う練習ばかりにしない
練習のたびに、全力で歌い続ける必要はありません。
- 小さめの声で、音程やことばをたしかめる
- 歌わずに、歌詞を声に出して読む
- 伴奏を聞きながら、心の中で歌う
こうした練習もまぜると、のどを休ませながら、歌の練習を続けることができます。
練習のあとも、体をゆるめる
歌い終わったら、肩や首をゆっくり回したり、深く息をはいたりして、体をゆるめましょう。その日は、大きな声でのおしゃべりを少しひかえるのもよいかもしれません。
シニアの方が気をつけたいこと
年をかさねると、以前よりも疲れやすくなったと感じることもあります。むりをせず、自分のペースで楽しむことを大切にしてください。
- すわって歌ってもよい
- 休けいを、こまめにとる
- その日の体調に合わせて、練習の量をかえる
- 歌う前後に、水分をとる
体調がすぐれない日は、歌を聞くだけの日にしてもかまいません。年をとって声が出にくいと感じるときのことは、年をとって声が出にくいと感じたら。歌がすきな方のための、やさしい発声練習にもまとめています。
こんなときは、お医者さんに相談を
歌って疲れるのは自然なことですが、次のようなときは、むりをせず、耳鼻科やかかりつけなどのお医者さんに相談してください。
- 声のかすれや、のどの痛みが続いている
- 歌っていないときも、声が出しにくい
- 歌うと息苦しさや、胸の苦しさがある
- めまいや、どうきがする
- 疲れが、なかなかとれない
体のことは、自分で判断せず、気になることがあれば早めに相談しておくと安心です。
まとめ
- 歌は全身を使う活動なので、歌ったあとに疲れるのは自然なこと
- すぐ疲れるときは、のどや肩の力、息の使いすぎ、声のおしだし、姿勢などを見直してみる
- らくな姿勢で、息を長くなめらかに使い、声をおしださずにひびかせる
- 自分に合った高さで歌い、歌の中に力を抜くところをつくる
- 練習の前に体と声をほぐし、短めにくぎって休みを入れる
- 小さめの声や、歌詞を読む練習もまぜて、のどを休ませる
- 不調が続くとき、つらいときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する
疲れにくい歌い方は、ひとりで見つけるのがむずかしいこともあります。先生に見てもらうと、自分では気づかないくせがわかることがあります。歌の教室は歌の教室さがしからさがせます。また、むりのないペースで、目標をもって歌を楽しむ場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ