ピアノと歌、両方ならうときの考え方。子どもの習い事をむりなくつづけるために
「ピアノをならっているけれど、歌もやってみたいと言いだした」 「歌をならっているけれど、ピアノもできたほうがいいのかな」
お子様の習い事で、こんなふうになやむお父様・お母様は多いと思います。
ピアノと歌は、どちらも音楽ですが、ちがうところもたくさんあります。この記事では、息子を歌のコンクールにたくさん連れていったわたしが、ピアノと歌を両方ならうときの考え方をまとめます。
ピアノと歌、両方ならうよさ
音を「目」と「耳」でわかるようになる
ピアノをならうと、楽譜を読む力がついてきます。楽譜が読めると、歌の新しい曲をおぼえるときも、「この音は上がる」「ここは長くのばす」と、目で見てわかるようになります。
音程が安定しやすい
ピアノで正しい音を何度も聞いていると、耳がそだってきます。自分の声の音が高いのかひくいのか、気づきやすくなるお子様もいます。
音程について気になるときは、こちらの記事も参考にしてみてください。子どもの歌の音程が合わないとき。おうちでできるやさしい練習
伴奏を「聞く」力がつく
歌は、伴奏といっしょにつくる音楽です。ピアノをならっていると、伴奏の音のうごきにも耳がむくようになり、歌いやすくなることがあります。
歌うことで、ピアノの表現がゆたかになる
反対に、歌をならっていると、ピアノのメロディを「歌うようにひく」感覚がわかりやすくなる、といわれます。息つぎの場所や、フレーズのまとまりを、体で感じられるからです。
気をつけたいこと
練習時間がふえる
両方ならうと、家での練習時間もふえます。学校の宿題や、ほかの遊びの時間もあるなかで、お子様がつかれてしまわないように気をつけましょう。
発表会やコンクールの時期がかさなる
ピアノと歌の発表会やコンクールが、同じ時期にかさなることがあります。どちらも本番が近いと、お子様も親も大変です。予定は早めにたしかめて、むりのない計画を立てましょう。
お金や送りむかえのこと
習い事がふえると、月謝や送りむかえの時間もふえます。かかるお金は、先生や教室、ご家庭によってさまざまです。むりのない範囲で考えることが大切です。
声楽の習い事に、1年でどんなお金がかかるかは、こちらの記事にまとめています。子どもの声楽、1年でかかる本当の費用。レッスン代だけじゃないお金の話
練習時間の分け方
両方ならうときは、毎日まんべんなくやろうとすると、つかれてしまいます。こんな分け方もあります。
1日の中で分ける
- 学校から帰ったら、ピアノを10分
- 夕ごはんのあとに、歌を5分〜10分
歌は、のどをつかうので、長い時間の練習はおすすめしません。短くても、毎日少しずつのほうが身につきます。
曜日で分ける
- 月・水・金はピアノを多めに
- 火・木は歌を多めに
レッスンの前の日に、そのレッスンの練習を多めにする、という分け方も、お子様にはわかりやすいようです。
本番が近いほうを多めに
発表会やコンクールが近いほうを多めにして、もう片方は「さらっとふれるだけ」の日があってもいいと思います。
どちらかにしぼったほうがいいとき
両方ならうのがいいとはかぎりません。こんなようすが見えたら、少し立ち止まって考えてみましょう。
- 練習の時間になると、いやがることがふえた
- 夜ねる時間がおそくなっている
- 「どっちもやめたい」と言いだした
- 友だちと遊ぶ時間が、ほとんどなくなった
こんなときは、お子様と話して、どちらかを少しお休みしたり、レッスンの回数をへらしたりするのもひとつの方法です。
「やめる」か「つづける」かの二つだけでなく、「少しペースを落とす」という道もあります。
習い事をやめたいと言われたときの考え方は、こちらの記事にまとめています。「歌をやめたい」と言われたら。すぐに答えを出さない、親の向き合い方
どちらを先に始める?
「両方やりたいけれど、まずどちらから?」となやむこともありますね。
ピアノから始めるよさ
楽譜を読む力や、音の高さを聞きわける耳が、早いうちからそだちます。あとで歌を始めたときに、新しい曲をおぼえやすくなります。
歌から始めるよさ
歌は、体ひとつで始められます。楽器を用意しなくてもいいので、気軽に始めやすいです。歌う楽しさを知ってから、「伴奏もひいてみたい」とピアノに興味をもつお子様もいます。
どちらが正しい、ということはありません。お子様が「やってみたい」と思っているほうから始めるのが、いちばんだと思います。
歌の習い事を何歳から始めるかについては、こちらの記事にまとめています。子どもの声楽は何歳から?習いはじめとコンクールデビューのめやす
先生どうしの「考え方」のちがい
ピアノの先生と歌の先生で、言うことがちがうと感じることがあるかもしれません。たとえば、すわり方や立ち方、息のつかい方などです。
これは、楽器と声で、体のつかい方がちがうからです。どちらかがまちがっているわけではありません。お子様がまよっているときは、「ピアノのときはこう、歌のときはこう、でいいんだよ」と伝えてあげると安心します。
どうしても気になるときは、それぞれの先生に「もうひとつの習い事でこう言われた」と、そのまま伝えて相談してみてください。先生どうしの考えを知ることで、お子様にとっていちばんいい形が見えてくることもあります。
家で「ピアノと歌」をいっしょに楽しむ
両方ならっているからこそできる楽しみ方もあります。
自分でひいて、自分で歌う
かんたんな曲なら、ピアノでメロディをひきながら歌ってみましょう。音をたしかめながら歌えるので、音程の練習にもなります。
家族が伴奏、お子様が歌
お父様・お母様やきょうだいがピアノをひけるなら、伴奏をしてみるのもすてきです。上手でなくても大丈夫です。家族で音楽をつくる時間は、お子様にとって楽しい思い出になります。
お子様が伴奏、家族が歌
反対に、お子様がピアノをひいて、家族が歌うのもおすすめです。「伴奏する人の気持ち」がわかると、歌うときに伴奏をよく聞けるようになります。
よくある質問
歌の練習のために、ピアノは必要?
歌を習うために、かならずピアノがいるわけではありません。音をたしかめるだけなら、小さなキーボードや、スマホのアプリでも練習できます。まずは、お子様の「やりたい」を大切にしてください。
歌の先生に、ピアノのことを伝えたほうがいい?
伝えておくと、先生もお子様のようすをわかったうえでレッスンしてくださいます。ピアノの発表会が近い時期などは、「今月は少しいそがしくて」と伝えておくと、練習の量を考えてもらえることもあります。
両方つづけると、どちらも中途半端にならない?
なやむところですよね。でも、子どものうちは、いろいろな音楽にふれること自体に、大きな意味があると思います。どちらか一つを深めたくなったら、そのときに考えれば大丈夫です。
親ができること
- お子様の「やりたい」気持ちを、まず聞く
- 練習は、短くても毎日少しずつ
- 発表会やコンクールの予定を、早めにカレンダーに書く
- つかれているようすがあれば、休む日をつくる
- 両方がんばっていることを、ときどき言葉にしてほめる
習い事は、つづけることも大切ですが、お子様が音楽を「好き」でいられることがいちばん大切です。
まとめ
- ピアノと歌を両方ならうと、楽譜を読む力や耳がそだち、おたがいにいい影響がある
- 練習時間、本番の時期、お金や送りむかえには気をつける
- 練習は、1日の中や曜日で分けて、むりなく
- つかれているようすがあれば、ペースを落とすのもひとつの方法
- どちらから始めるかは、お子様の「やってみたい」を大切に
ピアノも歌もがんばっているお子様が、歌の力をためしてみたいと思ったら、動画で出られるコンクールに挑戦してみるのもいいかもしれません。おうちで練習している歌を、そのまま動画にして応募できます。こどもの歌声グランプリ