30代・40代・50代から歌を習いたい方へ。大人のボイトレのはじめ方と、つづけるコツ
「むかしから歌が好きだったけれど、ちゃんと習ったことはない」 「この年から始めても、だいじょうぶかな」
30代、40代、50代になって、歌を習ってみたいと思う方はたくさんいます。子育てが少し落ちついた、仕事のリズムができてきた、自分の時間を大切にしたくなった。きっかけは人それぞれです。
でも、いざ始めようと思うと、「いまさら」「うまく歌えなかったらはずかしい」と、一歩をふみ出せない方も多いのではないでしょうか。
わたしは、息子といっしょに声楽や童謡のコンクールにたくさん出てきました。その中で、歌は子どもだけでなく、大人の心もゆたかにしてくれるものだと感じてきました。この記事では、30代・40代・50代から歌を習いたい方に向けて、はじめ方とつづけるコツをまとめます。
大人から始めても、だいじょうぶ
大人には、大人のよさがある
子どものころから歌を習っていないと、もうおそいのでは、と思うかもしれません。でも、大人から始めることには、よいところもたくさんあります。
- 歌詞の意味や気持ちを、深く感じとれる
- 先生の説明を、自分で考えながら聞ける
- 自分の目的に合わせて、習い方をえらべる
- 人生の経験が、歌の表現にいきる
歌は、年れいに関係なく楽しめるものです。「いまの自分の声」で歌うことに、大きな意味があります。
声は、年れいとともにかわっていく
大人の声も、少しずつかわっていきます。前より高い声が出にくくなった、声がかすれやすくなった、と感じる方もいるかもしれません。
でも、声の出し方を見なおすことで、らくに歌えるようになることもあります。むりをせず、いまの声と仲よくつきあっていくことが大切です。
ボイトレでは、どんなことをするの?
大人のボイトレは、まず「いまの体のくせ」に気づくところから始まることが多いです。
- 長いあいだのデスクワークで、肩や首に力が入っていないか
- 話すときと歌うときで、息のつかい方がちがっていないか
- 高い声を出すときに、あごが上がっていないか
- 自分では気づいていない、声の出し方のくせはないか
こうしたくせを、先生といっしょに少しずつほどいていきます。そのうえで、息の練習や、好きな曲をつかった練習に進むことが多いです。
大人は、仕事や家事のつかれが、そのまま声に出やすいものです。レッスンのはじめに、体をほぐす時間をとってくれる先生もいます。歌のレッスンをつづけるうちに、会議や電話での話し声が出しやすくなった、と感じる方もいます。
習い方のいろいろ
ボイトレ教室
ポップスや歌謡曲、ミュージカルなど、いろいろなジャンルに対応していることが多いです。個人レッスンが中心の教室が多く、自分のペースで進めやすいのがよいところです。
声楽のレッスン
クラシックの歌い方を習います。ひびきのある声を身につけたい方や、合唱をしている方に向いています。
カラオケ教室
なじみのある曲を楽しく歌いたい方に向いています。カラオケ教室と声楽のちがいは、こちらの記事でくらべています。カラオケ教室と声楽教室、どちらが合う?おとなが歌を習うときのえらび方
合唱団
仲間と声を合わせて歌いたい方には、合唱団という選択肢もあります。ひとりで歌うのは少し勇気がいる、という方も始めやすいです。大人の合唱団については、こちらの記事にまとめています。大人から合唱団に入るには。はじめての方が知っておきたい、さがし方と見学のポイント
教室えらびで見ておきたいこと
体験レッスンを受けてみる
- 先生が、初心者にもわかりやすく説明してくれるか
- できたところを、ほめてくれるか
- のどにむりのない練習をしているか
- 同じくらいの年代の生徒さんがいるか
大人になってからの習い事は、先生との相性がとても大切です。「この先生になら、わからないことを聞ける」と思えるかどうかを、ぜひ見てみてください。
お金と時間のことを、さいしょに聞く
月謝や入会金、発表会の参加費などは、教室によって大きくちがいます。
- 平日の夜や土日など、自分が通える時間にレッスンがあるか
- 急な残業や家族の用事で休んだとき、ふりかえができるか
- 発表会への参加は自由か
- 月謝のほかに、楽譜代などがかかるか
大人の習い事は、つづけられるかどうかが何より大切です。気になることは体験レッスンのときに聞いておき、家族とも相談してから決めると安心です。
近くの教室をさがすときは、こちらのページもつかってみてください。歌の教室さがし
仕事や家事・子育てとの両立
回数は、むりのないところから
- 月に2回くらいから始める
- 仕事帰りに通える場所や時間をえらぶ
- 通う時間がとれないときは、オンラインのレッスンも考える
オンラインのレッスンなら、家事や子育てのあいまにも受けやすいことがあります。
家での練習は、すきま時間で
- 朝の身じたくのときに、鼻歌を歌う
- 車の中や、おふろで、好きな歌を口ずさむ
- ねる前に、ゆっくり息をはく練習をする
毎日長い時間練習しなくても、少しずつつづけることで、声はかわっていきます。
「人に聞かれるのがはずかしい」と思ったら
大人になってから歌を習うとき、多くの方が感じるのが「はずかしさ」です。先生の前で声を出すのも、さいしょは緊張するものです。
- 先生は、初心者の声をたくさん聞いてきているので、気にしなくてだいじょうぶ
- はじめは小さな声からでもかまわない
- 「うまく歌う」より「声を出すことになれる」ことを目標にする
何回かレッスンに通ううちに、声を出すことが、少しずつ気持ちよくなっていきます。体の力がぬけてくると、自分でもびっくりするような声が出ることもあります。
ご家族に聞かれるのがはずかしい、という方は、家族が出かけている時間や、カラオケボックスで練習するのもいい方法です。
のどと体を大切にする
大人のボイトレでは、とくにのどと体を大切にしたいものです。
- レッスンの前後に、水を少しずつ飲む
- のどがつかれた日は、むりに歌わない
- かんそうする季節は、加湿やマスクでのどを守る
- よくねむり、体のつかれをためない
声のかすれやのどのいたみが長くつづくときは、ひとりでがまんしないで、耳鼻科で相談してみてください。のどのケアについては、こちらの記事にもまとめています。子どもののどを守るためにできること。歌をがんばる子の毎日のケア
目標があると、もっと楽しくなる
大人の習い事は、目標がないと、いそがしさにまぎれてしまいがちです。小さな目標を一つ決めておくと、つづけるはげみになります。
- 好きな歌を、1曲さいごまで気持ちよく歌う
- 教室の発表会に出る
- 自分の歌を動画にとって、聞いてみる
- 歌のコンクールに挑戦してみる
自分の歌を動画で聞くと、成長がよくわかります。はじめは少しはずかしいかもしれませんが、数か月たってから聞きくらべると、「前より声が出ている」と気づけるはずです。
大人が出られる歌のコンクールについては、こちらの記事にまとめています。大人が出られる歌のコンクール。会場で歌う大会と動画で応募する大会、自分に合うえらび方
はじめの一歩は、小さくていい
大人になってから新しいことを始めるのは、勇気がいることです。でも、「ちょっとやってみたい」という気持ちは、とても大切です。
まずは体験レッスンを1回だけ受けてみる。それだけでも、立派な一歩です。合わないと思ったら、ほかの教室をためしてみればいいのです。
まとめ
- 30代・40代・50代から歌を始めても、だいじょうぶ。大人ならではのよさがある
- 大人のボイトレは、体のくせに気づき、ほどくところから始まることが多い
- 習い方には、ボイトレ教室、声楽、カラオケ教室、合唱団などがある
- 体験レッスンを受け、お金や時間のことはさいしょにたしかめる
- 仕事や家事とは、回数やオンラインのレッスンで上手に両立する
- のどのいたみやかすれが長くつづくときは、耳鼻科で相談する
練習を重ねてきたら、その歌をだれかに聞いてもらうのも、ひとつの楽しみです。こどもの歌声グランプリには一般(〜64歳)の部があり、おうちでとった動画で、どのジャンルでも応募できます。出場した全員に講評が届くので、いまの自分の声のよいところを知るきっかけに、よかったらのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ