子どもの興味が歌からほかのことに移ったとき。ダンスや楽器へ…親の考え方
「歌を習っていたのに、最近はダンスのことばかり話している」 「ピアノをやってみたい、と言いだした」 「習い事の興味が、すぐに変わってしまう。このままでいいのかな」
歌の習い事をつづけてきたお子様が、ある日、ほかのことに目を向けはじめる。そんなとき、お父様・お母様は、うれしい気持ちと、少しさみしい気持ち、そして「ここまでがんばってきたのに」というとまどいが、まざりあうかもしれません。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、子どもの習い事の興味が変わるとき、とくに歌からダンスや楽器など、ほかのことに心がうつったときの、親の考え方をまとめます。教室そのものをやめる・かえるときの手順ではなく、お子様の「興味のうつりかわり」を、どう受けとめるかにしぼってお話しします。
教室をやめたい・かえたいと思ったときの考え方や、先生への伝え方は、こちらの記事にまとめています。歌の教室をやめたい・かえたいと思ったとき。考えることと、先生への伝え方
子どもの興味が変わるのは、どうして?
世界が広がっているしるし
お子様は、学校や園、お友だち、テレビや動画など、毎日いろいろなものにふれています。その中で、「これもおもしろそう」「あれもやってみたい」と感じるのは、それだけ見えている世界が広がっているということでもあります。
興味がうつることは、あきっぽさだけで説明できるものではありません。新しいことに心が動くのは、お子様がそだっている途中のすがたのひとつ、と考えることもできます。
歌の中で育った気持ちが、つながっていることもある
歌からほかのことへ、興味がうつったように見えても、じつは歌でつちかったものが、つながっていることもあります。
- 歌に合わせてからだを動かすのが楽しくなって、ダンスに目が向いた
- 伴奏の音を聞いているうちに、ピアノや楽器が気になりはじめた
- ステージに立つ楽しさから、劇やミュージカルにあこがれた
こう考えると、新しい興味は、歌とまったく関係のないものではないのかもしれません。
お友だちの影響もある
「仲よしの子がダンスを始めたから」というように、お友だちがきっかけになることもあります。それも、お子様にとっては大切な理由のひとつです。「お友だちのまねだから」と軽く見ずに、まずは話を聞いてみてください。
「ほかのことをやりたい」と言われたときの受けとめ方
まずは、気持ちを聞く
お子様が「ダンスをやってみたい」「楽器をやりたい」と言ったら、すぐに「だめ」「歌はどうするの」と返さずに、まずは気持ちを聞いてみてください。
- 「どんなところが、おもしろそうだと思ったの?」
- 「どこで見たの?だれかがやっていたの?」
- 「やってみたら、どんなことがしたい?」
話を聞くうちに、お子様がどれくらい本気なのか、どんなところにひかれているのかが、少しずつ見えてくることがあります。
親のさみしさは、そのままにしなくていい
長く歌の習い事をささえてきたお父様・お母様にとって、お子様の心がほかのことへうつるのは、さみしいことかもしれません。「ここまでつづけてきたのに」と思うのも、自然な気持ちです。
その気持ちは、むりにおさえこまなくてだいじょうぶです。ただ、お子様の前では、「歌をやめるなんてもったいない」と強く言うより、「新しいことに興味がもてたんだね」と、まずは受けとめてあげられるとよいかもしれません。
すぐに答えを出さなくていい
「やりたい」と言われたその日に、すべてを決める必要はありません。しばらくようすを見ていると、興味が強くなることもあれば、自然とおちつくこともあります。
「少し考えてみようね」「どんなものか、いっしょに調べてみよう」と、時間をかけて向き合うのもひとつの方法です。
歌とのつきあい方は、いろいろある
興味がうつったからといって、「歌をつづけるか、やめるか」のどちらかしか道がないわけではありません。
歌をつづけながら、新しいことも試す
時間や体力にゆとりがあれば、歌の習い事をつづけながら、新しいことを体験してみる道もあります。ただ、予定をつめこみすぎると、お子様もお父様・お母様も疲れてしまうことがあります。かけもちのスケジュールの考え方は、こちらにまとめています。歌とほかの習い事のかけもち。小学生が無理なくつづけるスケジュールの考え方
歌を「習い事」から「楽しみ」にかえる
レッスンはお休みしても、おうちで好きな歌を歌う、家族でカラオケに行くなど、歌を楽しみとして残しておくこともできます。習い事でなくなっても、歌が好きな気持ちまでなくなるとはかぎりません。
歌といっしょに楽しめるものをえらぶ
ダンスやミュージカル、楽器の弾き歌いなど、歌とつながりのある習い事もあります。歌とダンスをいっしょに習える教室については、こちらの記事で紹介しています。歌とダンスをいっしょに習える習い事。子供に合うスクールのえらび方と、向いている子
一度はなれて、また戻ってくることもある
ほかのことに夢中になったあと、しばらくして「また歌いたい」と言いだすお子様もいます。いったんはなれたことで、歌のよさにあらためて気づくこともあります。歌への道は、とじてしまうわけではありません。
新しいことを始めるときに、考えておきたいこと
体験してみる
ダンスや楽器の教室でも、体験レッスンを用意しているところがあります。くわしくは教室によってちがうので、たしかめてみてください。実際にやってみると、お子様が思っていたのとちがった、ということもあれば、ますます夢中になることもあります。
お子様といっしょに、約束ごとを決める
新しいことを始めるときは、お子様といっしょに、ざっくりとした約束ごとを話しあっておくと安心です。
- いまの歌の習い事は、どうするか
- 新しい習い事の練習は、いつするか
- 「ちょっとちがった」と思ったときは、どうするか
大人が決めるのではなく、お子様の考えも聞きながら決めると、お子様も「自分でえらんだ」と感じやすくなることがあります。
「すぐやめたらどうしよう」と心配しすぎない
「また、すぐに興味が変わったらどうしよう」と心配になるかもしれません。でも、いろいろなことを試してみる中で、お子様が自分に合うものを見つけていくこともあります。試したことは、たとえ長くつづかなくても、お子様の中に何かを残してくれるかもしれません。
興味がころころ変わるように見えるとき
「つづける力がない」と決めつけない
あれもこれもと興味がうつるお子様を見ていると、「この子は何をやってもつづかないのでは」と心配になることもあるかもしれません。
でも、ひとつのことを長くつづけることだけが、よいこととはかぎりません。いろいろなことにふれる時期があるからこそ、のちに「これがやりたい」と思えるものに出会えることもあります。いまは、そのための寄り道の時間なのかもしれません。
お子様の「好きの共通点」をさがしてみる
興味がうつりかわっていくようすを、少しはなれて見てみると、そこに共通点が見えてくることがあります。
- 音楽に合わせて、からだを動かすことが好き
- 人の前で、何かを見せることが好き
- 音や音色に、心がひかれる
- お友だちといっしょに、何かをつくるのが好き
こうした共通点に気づけると、お子様に合いそうなものを、親子で考えやすくなります。歌、ダンス、楽器と、形はちがっても、お子様の中にある「好き」は、ひとつの線でつながっているのかもしれません。
親ができるのは、見守ることと、話を聞くこと
お子様の興味をむりにしぼろうとしなくても、だいじょうぶです。お父様・お母様ができるのは、お子様の話をおもしろがって聞くこと、そして、えらんだ道を見守ることです。「やってみたら?」「どうだった?」という、ふだんの会話が、お子様にとっての安心につながることがあります。
歌でつちかったものは、どこかで生きる
歌の習い事でお子様がふれてきたことは、ほかのことに興味がうつっても、なくなるわけではありません。
- 音をよく聞く耳
- リズムを感じる力
- 人の前で発表した経験
- 練習をつみかさねてきた時間
こうしたものが、ダンスや楽器、ほかの場面で、お子様をささえてくれることもあります。音楽の習い事がお子様にどんな力をつけてくれるかについては、こちらの記事も参考にしてください。音楽の習い事のメリット。子どもにつながりやすい力と、つづけるコツ
まとめ
- 子どもの興味が変わるのは、世界が広がっているしるしでもある
- 歌でつちかったものが、ダンスや楽器への興味につながっていることもある
- 「ほかのことをやりたい」と言われたら、まず気持ちを聞く
- 親のさみしさも自然な気持ち。すぐに答えを出さなくていい
- 歌は「つづける・やめる」だけでなく、楽しみとして残す道もある
- 新しいことは、体験してみる。約束ごとをお子様といっしょに決める
- 歌でつちかったものは、ほかの場面でもお子様をささえてくれることがある
歌がお子様にとって「いつでも戻ってこられる楽しみ」として残っていたら、すてきですね。ほかのことに夢中な時期でも、ふと歌いたくなったときの目標として、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ