40代・50代の女性の声の変化と歌。更年期に声が変わる、出にくいと感じたときの向き合い方
「40代になってから、前は出ていた高い声が出にくい」 「50代に入って、声が低くなった気がする」 「更年期と声の変化って、関係があるのかな」
歌が好きな女性の中には、40代・50代のころに、こんなふうに声の変化を感じる方もいます。長く歌ってきた方ほど、思うように声が出ないことに、とまどいやさびしさを感じるかもしれません。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、40代・50代の女性が、声の変化を感じたときの向き合い方をまとめます。シニアの方の声については、こちらの記事でふれています。シニアの声を若々しくたもつ毎日の習慣。話す・歌う・笑うここでは、40代・50代の女性の声と歌にしぼってお伝えします。
はじめにお伝えしたいのは、声の変化の感じ方や、その理由は、人によってちがう、ということです。この記事では、体のことを言い切ることはしません。気になる変化があるときは、お医者さんに相談することを大切にしてください。そのうえで、歌を楽しみつづけるための考え方と工夫をお伝えします。
40代・50代の女性が感じる、声の変化
どんな変化を感じることがあるか
40代・50代の女性が、歌っていて感じる声の変化には、たとえばこんなものがあります。
- 高い音が出にくくなった、出せても細くなった
- 話し声や歌声が、前より低くなった気がする
- 声がかすれやすい、すっきり出ない日がある
- 長く歌うと、声がつかれやすくなった
- のどがかわきやすい、ひっかかる感じがする
こうした変化を感じる方もいれば、とくに感じない方もいます。また、同じ方でも、日によって感じ方がちがうこともあります。
更年期と声の関係について
40代・50代は、更年期と言われる時期と重なることもあります。この時期の体の変化、たとえば女性ホルモンのゆれが、声にかかわることもあると言われています。
ただ、声の変化には、ほかにもいろいろなことがかかわります。仕事や家のことでのつかれ、ねむりの状態、話す量、のどの乾燥なども、声の出しやすさに関係すると言われることがあります。「更年期だから声が変わった」と決めつけず、「いろいろなことが重なっているのかもしれない」と、ゆったり考えてみてください。
声の変化は「悪くなった」とはかぎらない
声が低くなった、やわらかくなったと感じることは、かならずしも悪いことではありません。年齢とともに、声に深みやあたたかさが出てきたと感じる方もいます。
前の声とくらべて「出なくなった」と思うと、さびしくなります。でも、「今の声には、今の声のよさがある」と考えると、歌の楽しみ方が広がることもあります。
声の変化を感じたときの、心の向き合い方
若いころの声とくらべすぎない
歌が好きな方ほど、昔の録音や、思い出の中の自分の声と、今の声をくらべてしまうことがあります。でも、体がかわっていくのは、だれにとっても自然なことです。
くらべるなら、「少し前の自分」くらい近いところとくらべてみてください。その中で、「今日はらくに歌えた」「この曲は今の声に合っている」と感じられることを、大切にしていきましょう。
落ちこむ気持ちも、そのままでいい
声が思うように出ないと、落ちこんだり、歌うのがこわくなったりすることもあるかもしれません。その気持ちを、むりに打ち消そうとしなくてもかまいません。
「今はそう感じているんだな」と、自分の気持ちを受けとめるだけでも、少し楽になることがあります。歌から少しはなれたくなったら、しばらく聞く側にまわってもいいのです。
歌の目標を、今の自分に合わせてかえる
「前と同じ高さで歌う」ことだけを目標にすると、苦しくなることがあります。
- 今の声で、気持ちよく歌える曲を見つける
- ことばを大切に、ていねいに歌う
- 声の強さより、ひびきのやわらかさを楽しむ
- 仲間と声を合わせる楽しさを味わう
目標をかえることは、あきらめることではありません。今の自分の声で、歌をもっと楽しむための工夫です。
歌い方と曲えらびの工夫
キーを下げて歌う
高い音が出にくいと感じるときは、曲のキーを下げて歌ってみてください。カラオケでも、楽譜でも、キーを下げるのはまったくはずかしいことではありません。
キーを下げると、のどに力が入りにくくなり、ことばや気持ちのこめ方に目を向けやすくなることもあります。低い声のよさについては、こちらの記事でもふれています。声が低いのがなやみの女の子・女性へ。低い声のよさと、歌の楽しみ方
今の声に合う曲をさがす
これまで歌ってきた曲にこだわらず、今の声に合う曲をさがしてみるのもよい方法です。
- 音の高さの幅が、広すぎない曲
- ゆったりしたテンポで、息つぎがしやすい曲
- 低めの音域で、ことばを語るように歌える曲
新しい曲との出会いが、歌の楽しさをもういちど感じるきっかけになることもあります。
声を出す前に、体と声をあたためる
声の変化を感じているときは、いきなり歌いはじめるより、体と声をゆっくりあたためることを大切にしてみてください。
- 肩や首を、ゆっくり回してほぐす
- 口をとじて、らくな高さでハミングをする
- 小さな声で、「あー」「おー」と短く声を出す
- 少しずつ、出しやすい高さの中で声を動かす
あたためる時間をとることで、のどへの負担をへらしながら、声を出しやすくなることもあります。
長く歌いすぎない
声がつかれやすいと感じるときは、練習の時間を短めにして、こまめに休みを入れてみてください。少し歌って、水を飲んで、また少し歌う。そんなペースでも、じゅうぶん練習になります。
のどと体をいたわる、ふだんのすごし方
のどをかわかさない
のどの乾燥が気になるときは、こまめに水分をとる、部屋の乾燥に気をつける、マスクをつかうなど、できる範囲で工夫してみてください。どれが合うかは人によってちがうので、自分にとって心地よい方法を見つけていきましょう。
話し声もいたわる
仕事や家のことで、たくさん話す日が続くと、歌うときの声にも影響することがあります。大きな声を出しつづけない、つかれたら話すのを休む、など、話し声もいたわってみてください。
ねむりと休息を大切にする
ねむりが浅い日や、つかれがたまっている日は、声も出にくく感じることがあります。むりをせず、休むことも、声を守るための大切な時間と考えてみてください。
教室や先生に相談するとき
声の変化を、先生に伝える
歌の教室に通っている方は、声の変化を感じていることを、先生に伝えてみてください。
- 高い音が出にくくなったこと
- 声がかすれやすい日があること
- 長く歌うとつかれやすいこと
伝えることで、今の声に合った練習や曲えらびを、いっしょに考えてもらいやすくなります。女性の声のなやみと練習については、こちらの記事でもまとめています。女性のボイトレのはじめ方。初心者が知っておきたい声のなやみと練習
今の自分に合う教室をさがす
声の変化をきっかけに、教室や習い方を見直す方もいます。声楽、ボイトレ、合唱、カラオケ教室など、歌の楽しみ方はいろいろあります。体験レッスンで、今の声のことを相談してみて、話しやすい先生をさがすのもよい方法です。
お医者さんに相談したいときのめやす
次のようなことがあるときは、ひとりでなやまず、お医者さんに相談してください。
- 声のかすれ、のどの痛み、声の出にくさが続くとき(耳鼻科・耳鼻咽喉科など)
- 声だけでなく、体のほてり、だるさ、ねむりにくさ、気持ちのゆれなど、つらい変化があるとき(婦人科など)
- 急に声が出にくくなった、いつもとちがうと強く感じるとき
声のかすれが続くことについては、こちらの記事でもふれています。大人の声がかすれる・出にくいとき|話し声と歌声の見直し方
「年齢のせいだから」とがまんしてしまうと、気持ちも体もつらくなることがあります。気になることは、早めに相談してみてください。お医者さんと話すことで、安心して歌にもどれることもあります。
まとめ
- 40代・50代の女性の中には、高い声が出にくい、声が低くなったなどの変化を感じる方もいる
- 更年期の体の変化が声にかかわると言われることもあるが、理由は人によってちがい、決めつけない
- 若いころの声とくらべすぎず、今の声のよさに目を向ける
- キーを下げる、今の声に合う曲をさがす、声をあたためる、長く歌いすぎない
- のどの乾燥、話し声、ねむりと休息に気をつける
- 声の変化は先生に伝え、今の自分に合う習い方をさがす
- 気になる変化が続くときは、耳鼻科や婦人科などのお医者さんに相談する
声は、年齢とともにかわっていくものです。そのときどきの声で歌を楽しめるように、今の声に寄りそってくれる先生をさがしたいときは、歌の教室さがしもつかってみてください。今の声で歌う楽しさを形にする場として、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ