親子でかけあいの歌を楽しもう。まねっこ歌・こたえ歌の、子供とのあそび方
お父様・お母様が歌うと、お子様が同じように歌いかえす。お父様・お母様が問いかけると、お子様がこたえる。こんなふうに、ふたりで声をやりとりする歌を「かけあいの歌」とよびます。
かけあいの歌は、子供がひとりで歌をぜんぶ歌えなくても、楽しめるところが魅力です。まねっこの部分だけ、こたえる部分だけでも、お子様はりっぱな「歌い手」になれます。幼児のまねっこ歌は、歌のはじめの一歩としても、親子のふれあいの時間としても、とり入れやすいあそびです。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、親子で楽しむかけあいの歌にしぼって、まねっこ歌・こたえ歌のあそび方と、家や園でできる工夫をまとめました。むずかしい道具も、楽譜もいりません。お父様・お母様の声があれば、今日からはじめられます。
小さなお子様との歌あそび全体のことは、こちらの記事も参考にしてください。幼児とおうちの歌あそび。0〜5歳の歌の時間のつくり方
かけあいの歌って、どんな歌?
「まねっこ歌」と「こたえ歌」
かけあいの歌には、大きく分けて、ふたつの楽しみ方があります。
- まねっこ歌:お父様・お母様が歌ったところを、お子様がそのまままねして歌う
- こたえ歌:お父様・お母様の問いかけに、お子様がことばや歌でこたえる
まねっこ歌は、同じことばと同じふしをくりかえすので、小さなお子様でも入りやすいあそびです。こたえ歌は、少しだけ「自分で考える」ところがあるので、ことばがふえてきたお子様が、楽しみやすいかもしれません。
かけあいの歌のよいところ
かけあいの歌には、こんなよさがあります。
- 歌をぜんぶ覚えていなくても、歌に入れる
- お父様・お母様の声を、しっかり聞く時間になる
- 「自分の番」がくるので、まつこと・合わせることを楽しめる
- 声のやりとりが、そのまま親子の会話のようになる
とくに「聞いてから歌う」という流れは、歌の土台になる大切な力です。でも、むずかしく考えなくてだいじょうぶです。お子様にとっては、ただ「楽しいあそび」であれば、それでじゅうぶんです。
昔から歌われてきた、かけあいの歌
かけあいの形をもつ歌は、昔から歌われている童謡やわらべうたの中にも見つけられます。いくつか紹介します。
「森のくまさん」
歌い手が歌ったところを、ほかの人があとについて歌う形の童謡です。お父様・お母様が先に歌い、お子様があとから同じところを歌うと、自然とかけあいになります。お話の流れがあるので、くまさん役と女の子役に分かれてみるのも楽しいです。
「アイアイ」
ひとりが歌ったことばを、みんなでくりかえす形で楽しめる童謡です。くりかえす部分が短いので、小さなお子様でもまねしやすい歌です。「アイアイ」ということばを、お子様といっしょにくりかえすだけでも、かけあいの楽しさが味わえます。
「やぎさんゆうびん」
しろやぎさんとくろやぎさんが、お手紙をやりとりするお話の童謡です。お父様・お母様がしろやぎさん、お子様がくろやぎさん、のように役を分けて歌うと、歌の中でお手紙を送りあっているような気分になれます。
「はないちもんめ」
ふたつの組に分かれて、交互に歌いながら前に出たり下がったりする、わらべうたです。家族やきょうだい、園のお友だちと人数がそろうときに楽しめます。組どうしで歌のやりとりをするので、かけあいの楽しさを、からだ全体で感じられます。
「あぶくたった」
まん中の子とまわりの子が、歌ったり、問いかけたり、こたえたりしながら進んでいく、わらべうたです。さいごのやりとりの場面は、お子様がとても楽しみにするところかもしれません。
わらべうたのあそび方については、こちらの記事でもくわしく紹介しています。わらべうたとは?昔から子どもたちが歌いついできた歌と、おうちでの遊び方
まねっこ歌のあそび方
まずは短いところから
はじめは、歌をまるごとではなく、短いところだけをまねっこしてみましょう。お父様・お母様が、ひとことかふたことくらいの短いふしを歌い、お子様が同じように歌いかえします。
うまくまねできなくても、声を出してくれたら、それで大成功です。「まねしてくれて、うれしいな」と、笑顔で伝えてあげてください。
声の感じをかえて、まねっこ
同じふしでも、歌い方をかえると、まねっこはぐんと楽しくなります。
- ゆっくり歌ったり、少し速く歌ったりする
- やさしい声、元気な声、ないしょ話のような声で歌う
- くまさんのような声、小鳥のような声など、役になりきって歌う
お子様は、お父様・お母様の声の感じまでまねしようとします。声のちがいを楽しむうちに、自然と声をよく聞くようになることもあります。ただし、大きな声を出しすぎないように、ほどほどの声でかまいません。
手やからだの動きもつける
歌といっしょに、手をたたく、ひざをたたく、手をふるなどの動きをつけると、まねっこがもっとわかりやすくなります。ことばがまだ少ないお子様でも、動きだけのまねっこなら、楽しく参加できることがあります。
手あそび歌については、こちらの記事も参考にしてください。親子で楽しめる手あそび歌。小さなお子様と、歌うことを好きになる時間
役を交代してみる
お子様がまねっこになれてきたら、こんどはお子様が先に歌い、お父様・お母様がまねっこする番にしてみましょう。
お子様が歌ったふしを、お父様・お母様がまじめにまねすると、お子様はとてもうれしそうな顔をすることがあります。「自分の声をまねしてくれた」という体験は、お子様にとってうれしいものになるかもしれません。
こたえ歌のあそび方
名前をよんで、こたえてもらう
かんたんなこたえ歌として、お名前よびのあそびがあります。お父様・お母様が、ふしをつけてお子様の名前をよび、お子様が、ふしをつけて「はーい」とこたえます。
ふしは、自由でかまいません。高くよんだら高くこたえる、ゆっくりよんだらゆっくりこたえる、のように、よび方をかえてみるのも楽しいです。
問いかけに、ことばでこたえる
ことばがふえてきたら、ふしをつけて問いかけてみましょう。
- 「今日のおやつは、なあに?」と歌って、お子様が「りんご」と歌ってこたえる
- 「どこへ行きたい?」と歌って、お子様が「こうえん」と歌ってこたえる
- 「すきな色は、なあに?」と歌って、お子様が「あか」と歌ってこたえる
こたえは、なんでもかまいません。お子様が自分で考えたことばを、歌にのせて返してくれる。そのやりとりが、こたえ歌の楽しさです。
こたえられないときは、いっしょに歌う
お子様が、こたえにつまってしまうこともあります。そんなときは、お父様・お母様が「りんごかな? みかんかな?」と、えらべるように歌ってあげたり、いっしょにこたえを歌ってあげたりしてください。
「まちがえた」「こたえられなかった」と感じさせないことが、こたえ歌を楽しくつづけるコツです。
家や園で楽しむ工夫
毎日の中に、かけあいをまぜる
かけあいの歌は、歌の時間をわざわざつくらなくても、毎日の中にまぜられます。
- お着がえのときに、まねっこ歌
- おふろの中で、こたえ歌
- お散歩しながら、名前よびのかけあい
ふだんの会話に少しふしをつけるだけでも、かけあいになります。「歌の練習」ではなく、親子の楽しいやりとりのひとつとして、気軽にとり入れてみてください。
園では、みんなでかけあい
園でかけあいの歌を楽しむときは、先生とみんな、組と組、のように分かれると、かけあいがわかりやすくなります。はじめは先生が歌い、子供たちがまねっこする形からはじめると、どの子も入りやすくなります。
はずかしがる子には、むりに声を出させなくてもだいじょうぶです。みんなの声を聞いているだけでも、その子なりに歌に参加しています。
動物の歌でかけあい
動物が出てくる歌は、鳴き声のまねっこと相性がよいです。お父様・お母様が動物の名前を歌い、お子様が鳴き声でこたえる、というあそびもできます。
動物の歌でのあそび方は、こちらの記事にまとめています。動物が出てくる童謡で、子供と歌あそび。まねっこや鳴き声で楽しむ工夫
かけあいの歌を楽しむときに気をつけたいこと
声を出さなくても、せかさない
お子様によっては、聞くのが楽しくて、なかなか声を出さないこともあります。そんなときも「歌って」とせかさず、お父様・お母様が楽しそうに歌うすがたを見せてあげてください。声が出てくるまでの時間は、お子様によってちがいます。
上手にまねできるかは、気にしない
ふしが少しちがっていても、ことばがはっきりしなくても、かまいません。かけあいの歌で大切なのは、声をやりとりする楽しさです。「ちがうよ」と直すより、「いい声だね」「たのしいね」と、声を出したことそのものをよろこんであげてください。
のどに無理をさせない
まねっこやこたえ歌がもりあがると、だんだん声が大きくなってしまうことがあります。さけぶような声にならないよう、お父様・お母様がやさしい声で歌って、お手本になってあげてください。声のかすれや、のどの痛みが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- かけあいの歌には、まねっこ歌とこたえ歌がある
- 歌をぜんぶ覚えていなくても、小さなお子様が歌に入れる
- 「森のくまさん」「アイアイ」「やぎさんゆうびん」「はないちもんめ」「あぶくたった」など、昔からの歌にもかけあいの形がある
- まねっこは短いところから。声の感じや動きをかえて、役も交代してみる
- こたえ歌は、名前よびや、ふしをつけた問いかけからはじめる
- 毎日の生活の中に、気軽にかけあいをまぜる
- 上手かどうかより、声をやりとりする楽しさを大切にする
親子のかけあいで歌うことが楽しくなったら、お子様の歌声を、いつか形にのこしてみるのもすてきです。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ