練習・発声のコツ

幼児とおうちの歌あそび。0〜5歳の歌の時間のつくり方

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「子どもと歌であそびたいけれど、何を歌えばいいのかわからない」 「わたしは歌が得意じゃないから、子どもの前で歌うのがはずかしい」

小さなお子様をそだてているお父様・お母様から、こんな声をよく聞きます。歌は、特別な道具がなくても、いつでもどこでも楽しめるあそびです。でも、いざやってみようと思うと、何からはじめたらいいのか、まよってしまいますよね。

わたしは、息子といっしょにたくさんの歌のコンクールに出てきました。その中で感じたのは、歌が好きな子の多くは、小さいころから「歌うことが楽しい」という思い出を、たくさんもっているということです。上手に歌うことより、まずは「楽しい」がいちばんです。

この記事では、0〜5歳のお子様と、おうちで楽しめる歌あそびをまとめました。年齢ごとのあそび方、昔から歌われている童謡やわらべうたのえらび方、毎日の中で歌の時間をつくるコツをお話しします。

おうちの歌あそびで大切にしたいこと

上手に歌わなくてだいじょうぶ

お子様にとって、いちばんうれしいのは、お父様・お母様の声です。音がはずれていても、声が小さくても、まったく問題ありません。プロの歌手の声より、そばにいる大人の声のほうが、お子様の心にとどきやすいものです。

「うまく歌えないから」と思わずに、まずは口ずさむところからはじめてみてください。

歌を「教える」より、いっしょに「あそぶ」

小さなお子様に、「ちゃんと歌って」「音がちがうよ」と言う必要はありません。歌あそびのいちばんの目的は、楽しい時間をいっしょにすごすことです。

  • お子様が歌いはじめたら、それに合わせる
  • お子様が手をたたいたら、いっしょにたたく
  • とちゅうでやめても、しからない

こんなふうに、お子様のペースに合わせると、歌の時間が「楽しいもの」として心にのこりやすくなります。

短い時間で、何回も

歌あそびは、長い時間つづけなくてもだいじょうぶです。1曲だけ、1分だけでもじゅうぶんです。毎日の生活の中で、何回も少しずつ歌うほうが、お子様も楽しみやすくなります。

年齢ごとの歌あそびのアイデア

ここでは、年齢ごとのめやすをしょうかいします。お子様によって育ち方はちがうので、「この年齢だからこれ」と決めつけず、楽しそうなものをえらんでみてください。

0〜1歳ごろ 声と体のふれあいを楽しむ

この時期は、まだ自分で歌うことはむずかしいですが、大人の声をよく聞いています。

  • だっこしながら、ゆっくり体をゆらして歌う
  • おむつがえのときに、足をやさしくさわりながら歌う
  • ねる前に、小さな声で子もり歌を歌う
  • お子様の名前を、メロディーにのせて呼ぶ

歌詞をおぼえていなくても、「ラララ」や「ルルル」で歌うだけでもいいのです。お子様の顔を見ながら、ゆっくり歌ってあげてください。

1〜2歳ごろ まねっこと手あそび

ことばが少しずつ出てくるこの時期は、まねっこが大好きになります。

  • 歌に合わせて、手をたたく
  • 「ぱちぱち」「とんとん」など、音のことばをくりかえす
  • 大人が歌って、さいごの1音だけお子様に言ってもらう
  • 手あそび歌で、指や手をうごかす

わらべうたの「げんこつやまのたぬきさん」のように、手のうごきがある歌は、この時期のお子様にも楽しみやすいと思います。全部できなくても、ひとつのうごきをまねできたら、たくさんほめてあげてください。

2〜3歳ごろ 体をうごかして歌う

歩いたり走ったりが上手になってくると、体全体で歌を楽しめるようになります。

  • 歌に合わせて、その場でジャンプする
  • 動物になりきって歩きながら歌う
  • 「はやく」「ゆっくり」と、テンポをかえて歌う
  • 大きな声と小さな声を、交互に出してみる

テンポをかえるあそびは、お子様がとても喜ぶことが多いです。ゆっくり歌ったあとに、急にはやく歌うと、笑いながらついてきてくれます。

3〜4歳ごろ 歌でやりとりをする

ことばのやりとりができるようになると、歌でも「かけあい」ができるようになります。

  • 大人が1行歌って、お子様が次の1行を歌う
  • 歌詞の一部を、お子様の好きなものにかえてみる
  • 「次はだれの番?」と、順番に歌う
  • 人形やぬいぐるみに歌を聞かせる

わらべうたの「ずいずいずっころばし」のように、あそびといっしょに歌われてきた歌も、この時期から楽しみやすくなります。

4〜5歳ごろ 歌を最後まで歌いきる

この時期になると、1曲を通して歌えるお子様もふえてきます。

  • 好きな歌を、家族の前で発表する
  • スマホで歌を録音して、いっしょに聞く
  • 歌に合わせて、かんたんなふりつけを考える
  • 輪になって歌う「輪唱」に、ちょっとだけチャレンジする

「かえるの合唱」(ドイツ民謡)は、輪唱でよく歌われる歌です。まずは大人とお子様で、ずらして歌うだけでも、「声がかさなっておもしろい」と感じてもらえるかもしれません。

歌えらびのヒント

昔から歌われてきた童謡やわらべうた

おうちの歌あそびには、昔から歌われてきた童謡やわらべうたが、とてもつかいやすいです。

  • メロディーが短く、おぼえやすい
  • 音の高さが、子どもの声に合いやすいものが多い
  • お父様・お母様や、おじいさま・おばあさまも知っていることが多い

たとえば、「どんぐりころころ」(青木存義 作詞・梁田貞 作曲)や、文部省唱歌の「かたつむり」は、多くのご家庭で歌われてきた歌です。わらべうたは、作った人がわからないものも多いですが、そのぶん、地域や家庭によって歌い方がちがうこともあり、それもまた楽しみのひとつです。

お子様の「好き」を大切にする

アニメの歌や、テレビで流れている歌が好きなお子様も多いと思います。それも、もちろんすてきな歌の時間です。「この歌じゃないとだめ」ということはありません。

お子様が「これ歌って」と言ってきた歌を、いっしょに楽しんでみてください。

季節や行事の歌もとり入れる

春には春の歌、夏には夏の歌と、季節の歌をとり入れると、歌の時間がさらに楽しくなります。お散歩で見た花や虫の歌を、帰ってから歌うのもおすすめです。季節の童謡は、こちらの記事でもまとめています。子どもと歌いたい季節の童謡・唱歌|春夏秋冬の歌と、歌い方のコツ

毎日の中で歌の時間をつくるコツ

生活の「きりかえ」に歌をつかう

歌の時間を、わざわざつくらなくてもだいじょうぶです。毎日の生活の中に、歌をまぜてみましょう。

  • 朝おきたときの「おはようの歌」
  • 歯みがきのときの歌
  • おかたづけのときの歌
  • おふろで数をかぞえる歌
  • ねる前の歌

決まった場面で同じ歌を歌うと、お子様も「次はこれをする時間だ」とわかりやすくなります。ぐずりやすい場面でも、歌があると、気持ちをきりかえやすくなることがあります。

おふろは歌の時間にぴったり

おふろは、声がよくひびくので、歌うのが楽しくなる場所です。お子様も、いつもより大きな声で歌ってくれることがあるかもしれません。ただし、のぼせないように、長くなりすぎないようにしましょう。

音源にたよりすぎない

CDや動画の歌を流すのも、もちろんいい方法です。ただ、できれば、ときどきは大人が自分の声で歌ってあげてください。お子様の顔を見ながら、テンポや声の大きさを合わせられるのは、生の声ならではです。

声を守るために気をつけたいこと

大きな声を出しつづけない

小さなお子様は、楽しくなると、どなるような大きな声で歌うことがあります。少しなら問題ありませんが、ずっと続くと、のどがつかれてしまうこともあります。

  • 「小さな声でも歌ってみよう」とさそう
  • ささやくような声と、ふつうの声で歌いくらべる
  • 歌のあいだに、お水をのむ時間をつくる

声がかすれたら休む

歌ったあとに声がかすれていたり、のどを痛がったりしているときは、むりに歌わせず、休ませてあげてください。かすれや痛みが何日も続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談しましょう。

子どもののどを守るために気をつけたいことは、こちらの記事でもくわしく書いています。子どもののどを守るためにできること。歌をがんばる子の毎日のケア

よくあるなやみ

子どもが歌ってくれない

歌わないお子様も、聞いていないわけではありません。じっと聞いている時期のあとに、急に歌いはじめることもよくあります。大人が楽しそうに歌っている姿を見せるだけでも、じゅうぶんな歌あそびです。

同じ歌ばかり歌いたがる

小さなお子様は、同じ歌をくりかえすのが大好きです。何回も同じ歌を歌うことで、安心したり、歌をおぼえたりしています。大人は少しあきてしまうかもしれませんが、つきあってあげられるときは、いっしょに楽しんでみてください。

兄弟で歌いたい歌がちがう

年のはなれた兄弟がいると、歌いたい歌がちがうこともあります。そんなときは、「次はお兄ちゃんの歌、その次は妹の歌」と、順番を決めると、けんかになりにくくなります。

まとめ

  • おうちの歌あそびは、上手に歌うより「楽しい」がいちばん
  • 歌を教えるより、お子様のペースに合わせていっしょにあそぶ
  • 0〜1歳はふれあい、1〜2歳はまねっこ、2〜3歳は体をうごかす、3〜4歳はかけあい、4〜5歳は歌いきる、をめやすに
  • 昔から歌われてきた童謡やわらべうたは、短くおぼえやすい
  • 朝や歯みがき、おふろなど、生活の中に歌をまぜる
  • 大きな声を出しつづけないようにし、かすれや痛みが続くときはお医者さんに相談する

おうちでの歌の時間が、お子様にとって「歌って楽しい」と思えるきっかけになったらうれしいです。もう少し大きくなって、「歌をもっと習ってみたい」と言い出したら、こどもの歌声グランプリをのぞいてみるのもおすすめです。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、おうちで歌ってきた歌を、記念にのこすこともできます。こどもの歌声グランプリ

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