子どもと歌いたい季節の童謡・唱歌|春夏秋冬の歌と、歌い方のコツ
「季節に合った歌を、子どもといっしょに歌いたい」 「むかし歌った童謡を、うちの子にも知ってほしい」
そう思うお父様・お母様は、多いのではないでしょうか。童謡や唱歌には、春の花、夏の海、秋の夕やけ、冬の雪など、日本の季節がたくさんつまっています。歌を通して、お子様が季節のうつりかわりに気づくきっかけにもなります。
わたしは息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。童謡の部では、むかしから歌われてきた歌を、いまの子どもたちが一生けんめい歌う姿を何度も見てきました。短い歌の中に、ことばの美しさや、季節のにおいがぎゅっとつまっていることに、あらためて気づかされます。
この記事では、春・夏・秋・冬に分けて、子どもと歌いたい童謡・唱歌を紹介します。あわせて、季節の歌をすてきに歌うためのコツや、おうちでの楽しみ方もまとめました。
季節の童謡・唱歌を歌うよさ
季節に気づく力がそだつ
季節の歌には、その季節ならではの景色やできごとが出てきます。歌を歌ったあとに外を歩くと、「あ、歌に出てきた花だね」「夕やけがきれいだね」と、親子の会話が自然とふえます。
きれいな日本語にふれられる
童謡や唱歌には、ふだんの会話ではあまりつかわない、むかしのことばも出てきます。お子様にとっては「どういう意味?」と思うことばもあるかもしれません。そのときは、いっしょに意味を考えたり、絵本や図かんで調べたりしてみてください。ことばへの興味が広がります。
家族みんなで歌える
むかしからある歌は、おじいさま・おばあさまも知っていることが多いです。お正月やお盆に家族があつまったとき、みんなで同じ歌を歌えるのは、季節の歌ならではのよさです。
春に歌いたい歌
春は、新しい季節のはじまりです。明るく、かろやかな歌が多いのが特徴です。
- 「春が来た」
- 「春の小川」
- 「朧月夜(おぼろづきよ)」
春の歌を歌うコツ
「春が来た」は、同じことばのくり返しが多い歌です。くり返しのところは、1回目と2回目で少しだけ声の大きさをかえてみると、歌がいきいきと聞こえます。たとえば、1回目はふつうに、2回目は少しやさしく、というように、お子様といっしょに工夫してみてください。
「春の小川」は、川の水がさらさら流れるようすを思いうかべて歌うと、なめらかに歌いやすくなります。ことばとことばのあいだで息を切りすぎず、流れるように歌うのがポイントです。
「朧月夜」は、少しゆっくりで、おちついた歌です。小さなお子様には少しむずかしいかもしれませんが、小学生になったら、景色を思いうかべながら歌うのにぴったりの曲です。
夏に歌いたい歌
夏の歌は、海や山、星空など、外の景色が広がる歌が多いです。
- 「夏は来ぬ(なつはきぬ)」
- 「海」(文部省唱歌)
- 「うみ」(ゆったりした三拍子の歌)
- 「たなばたさま」
- 「かたつむり」
夏の歌を歌うコツ
「うみ」は、ゆったりとした三拍子の歌です。体を左右にゆらしながら歌うと、波のリズムを感じやすくなります。小さなお子様は、手をつないでゆれながら歌うのも楽しいですね。
「たなばたさま」は、七夕のころに歌いたい、しずかでやさしい歌です。大きな声を出すより、夜空を見上げるような気持ちで、そっと歌ってみてください。声を小さくするときも、ことばははっきりと言うのがコツです。
「夏は来ぬ」は、むかしのことばがたくさん出てくる唱歌です。小学校の高学年くらいになったら、ことばの意味を調べてから歌うと、歌のイメージがぐっとふくらみます。
夏は暑さで、のどがかわきやすい季節です。歌う前とあとに、水をのむ習慣をつけておくと安心です。
秋に歌いたい歌
秋の歌は、夕やけ、もみじ、虫の声など、少しさみしくて、心にしみる歌が多いのが特徴です。
- 「赤とんぼ」
- 「紅葉(もみじ)」
- 「虫のこえ」
- 「夕やけ小やけ」
- 「村祭」
秋の歌を歌うコツ
「赤とんぼ」は、ゆっくりで、なつかしい気持ちになる歌です。音が上がったり下がったりするところが多いので、まずはお父様・お母様が歌って聞かせ、お子様がまねをするところから始めてみてください。いきなり全部を歌おうとせず、1行ずつおぼえていくと、むりなく歌えます。
「紅葉」は、山の木々の色を思いうかべながら歌う歌です。歌う前に、本物のもみじの葉を見たり、色のちがう葉をあつめたりすると、お子様も歌の世界に入りやすくなります。
「虫のこえ」は、虫の鳴き声をまねするところが楽しい歌です。鳴き声の部分は、虫によって声の感じをかえてみると、聞いている人も楽しくなります。小さなお子様にもおすすめです。
秋の歌は、テンポがゆっくりなものが多いので、のばす音で息が足りなくなることがあります。歌う前に、肩の力をぬいて、ゆっくり息をすう練習をしておくとよいですね。
冬に歌いたい歌
冬の歌は、雪やたき火、お正月など、寒い中にもあたたかさを感じる歌が多いです。
- 「たきび」
- 「雪」
- 「お正月」
- 「ふるさと」
冬の歌を歌うコツ
「たきび」は、寒い日にみんなで火をかこむようすが目にうかぶ歌です。くり返しのところは、リズムよく、はずむように歌うと楽しく聞こえます。
「雪」は、雪がふって、うれしくてはしゃぐ気持ちが伝わる歌です。明るく元気に歌ってよい歌ですが、大きな声でさけぶようにならないよう、気をつけてあげてください。
「お正月」は、お正月を楽しみに待つ気持ちを歌った歌です。年末に歌うと、お子様もお正月がますます待ち遠しくなります。
「ふるさと」は、季節を問わず歌われる歌ですが、家族があつまる年末年始に歌うと、とくに心にひびきます。ゆっくりで、音が長くのびるところが多いので、ひとつひとつの音を大切に、ていねいに歌ってみてください。おじいさま・おばあさまといっしょに歌うのにも、ぴったりの1曲です。
冬は空気が乾燥して、のどがいたみやすい季節です。のどのケアについては、こちらの記事にまとめています。冬の乾燥からのどを守る|歌う人のための加湿・水分・すごし方
季節の歌をすてきに歌うためのコツ
ここからは、どの季節の歌にも共通するコツをまとめます。
1. 歌の景色を思いうかべる
童謡や唱歌は、ことばがえがく景色を思いうかべることで、ぐっと歌いやすくなります。歌う前に「この歌には、どんな景色が出てくるかな」と、お子様と話してみてください。絵をかいてみるのもおすすめです。
2. ことばをはっきり、ていねいに
むかしの歌は、ことばのひびきがとても大切です。口をしっかり開けて、ひとつひとつのことばをていねいに歌うと、聞いている人にも歌の意味が伝わりやすくなります。
3. 速く歌いすぎない
お子様は、知っている歌ほど、どんどん速く歌ってしまうことがあります。とくにゆっくりの歌は、手びょうしをしながら、テンポをたしかめてみてください。
4. むりに大きな声を出さない
元気に歌うことはすてきですが、さけぶような大きな声は、のどに負担がかかります。「お部屋のすみまでとどくくらいの声で」など、声の大きさのめやすを伝えてあげると、お子様もわかりやすいです。
童謡を上手に歌うコツは、こちらの記事でもくわしく紹介しています。童謡を上手に歌うコツ。「ことば」を大切にすると歌はかわる
おうちでの楽しみ方
季節の歌は、練習というより、くらしの中で楽しむのがいちばんです。
- 季節が変わったら、カレンダーをめくるように「今月の歌」をきめる
- お散歩のときに、見つけた景色に合う歌を歌う
- 歌に出てくるものを、図かんや絵本でさがしてみる
- 家族の前で、小さな発表会をひらく
- 歌っているようすを動画にとって、季節ごとに見くらべる
季節ごとに動画をとっておくと、お子様の声や歌い方の成長がよくわかります。1年たって見返すと、「こんなに上手になったんだね」と、親子でうれしくなるはずです。
歌詞をおぼえるのがむずかしいときは、こちらの記事のコツもためしてみてください。子どもが歌詞と曲を早くおぼえるコツ。暗譜がにがてな子も楽しくできる6つの方法
お父様・お母様へ
季節の歌を歌うとき、音程やリズムが少しずれていても、気にしすぎなくてだいじょうぶです。「その歌、きれいだね」「春の感じがしたよ」と声をかけてもらえることが、お子様にとっていちばんのはげみになります。
上手に歌うことより、季節を感じながら、家族で歌う時間を楽しむことを大切にしてみてください。小さなころに歌った季節の歌は、大人になってもずっと心にのこるものです。
まとめ
- 季節の童謡・唱歌は、季節に気づく力や、きれいな日本語にふれるきっかけになる
- 春は「春が来た」「春の小川」、夏は「うみ」「たなばたさま」など、明るく広がる歌が多い
- 秋は「赤とんぼ」「紅葉」、冬は「たきび」「ふるさと」など、心にしみる歌が多い
- 歌の景色を思いうかべ、ことばをていねいに歌うのがコツ
- むりに大きな声を出さず、のどを大切にする
- くらしの中で、家族といっしょに楽しむのがいちばん
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