合唱でソロやパートリーダーをまかされたら。本番までにできることと、心のととのえ方
「合唱コンクールで、ソロをやることになった」 「パートリーダーにえらばれたけれど、どうしたらいいかわからない」
学校の合唱コンクールや、合唱団の演奏会で、こうした役をまかされることがあります。えらばれたのはうれしいけれど、「失敗したらどうしよう」「みんなをまとめられるかな」と、どきどきしている人も多いのではないでしょうか。
わたしは、息子といっしょに声楽や童謡のコンクールにたくさん出てきました。ひとりで歌う場を見てきた母として、この記事では、ソロやパートリーダーをまかされたときにできることをまとめます。小学生・中学生・高校生のみなさんと、お父様・お母様に読んでいただけたらうれしいです。
ソロをまかされたとき
まずは、えらばれたことに自信をもつ
ソロにえらばれたということは、先生やみんなが、あなたの声を「いいな」と思ってくれたということです。まずは、そのことに自信をもってください。
完ぺきに歌うことよりも、自分の声で、気持ちをこめて歌うことが大切です。
楽譜をよく読む
ソロの部分を練習する前に、楽譜をていねいに読んでみましょう。
- どこで息をすうか(ブレスの場所)に、しるしをつける
- 強く歌うところ、やさしく歌うところをたしかめる
- ソロの前後で、合唱がどんなふうに歌っているかを見る
ソロは、合唱の中の一部です。前後の流れがわかると、どんな気持ちで歌い始めればいいかが見えてきます。
ソロの入りを、何度も練習する
ソロでいちばん緊張しやすいのは、歌い始めの一音です。
- 合唱からソロにかわるところを、くりかえし練習する
- 前の音を聞いて、自分の音をとる練習をする
- 歌い始める前に、しずかに息をすう
さいしょの音がきれいに出ると、そのあとも落ちついて歌えることが多いです。
合唱とソロでは、声の出し方が少しちがう
合唱では、みんなの声がまざり合うように歌います。ソロでは、自分の声がひとりで会場にとどくように歌います。
- 大きな声を出そうとして、どならない
- ことばをはっきり言うことを意識する
- 体の力をぬいて、のびやかに歌う
声を大きくしようとして、のどに力が入ってしまう人もいます。のどではなく、息をしっかりつかって歌うことを意識してみてください。ソロの歌い方のコツは、こちらの記事でもくわしく書いています。音楽会・学芸会のソロに選ばれるには?オーディションの準備と心がまえ
暗譜しておくと安心
合唱コンクールでは、楽譜を持たずに歌うことも多いですよね。ソロの部分は、とくにしっかり覚えておきましょう。歌詞がとんでしまいそうなときの覚え方は、こちらの記事にまとめています。子どもが歌詞と曲を早くおぼえるコツ。暗譜がにがてな子も楽しくできる6つの方法
パートリーダーをまかされたとき
パートリーダーの役わり
パートリーダーは、ソプラノやアルト、テノール、バスなど、パートごとのまとめ役です。
- パート練習を進める
- 音がとれていない人を手伝う
- 先生や指揮者からの話を、パートのみんなに伝える
- パートのみんなの声を、先生に伝える
「いちばん上手でないといけない」と思う必要はありません。みんなが練習しやすいように、気をくばることが大切です。
パート練習の進め方
パート練習のときは、こんな流れにすると進めやすいです。
- さいしょに、今日練習するところをみんなに伝える
- 発声や、かんたんな音とりから始める
- むずかしいところは、ゆっくりのテンポで練習する
- さいごに、通して歌ってみる
全部を一度にやろうとせず、「今日はここだけ」と決めると、みんなも集中しやすくなります。
声をかけるときのコツ
パートリーダーになると、みんなに注意をしなければいけない場面もあります。
- 名前を出して注意するより、「ここ、もう一回みんなでやろう」とさそう
- できたときは、「今のよかったね」と声に出す
- こまっている人には、休み時間にそっと声をかける
人をまとめるのは、大人でもむずかしいことです。うまくいかない日があっても、自分をせめすぎないでください。
ひとりでかかえこまない
パートがなかなかまとまらないときは、先生や、ほかのパートのリーダーに相談しましょう。パートリーダーは、ひとりでがんばる役ではありません。
合唱コンクール全体の練習のポイントは、こちらの記事にまとめています。学校の合唱コンクール前に、家でできること。小学生のお子様をおうちで応援する方法
緊張とのつきあい方
ソロもパートリーダーも、本番が近づくと、どうしても緊張します。
- 本番の前に、ゆっくり息をはく
- 「うまく歌う」より「気持ちをとどける」と考える
- 家族や友だちの前で、一度歌ってみる
- 練習してきたことを思い出す
緊張するのは、それだけ真剣にとりくんできたしるしです。緊張とのつきあい方は、こちらの記事でもくわしく書いています。本番で緊張する子へのことば。歌のコンクール前に親ができること
のどを大切にする
練習がつづくと、のどがつかれてしまうこともあります。
- 練習のあいだに、水を少しずつ飲む
- 休み時間に、大きな声でさけばない
- のどがいたいときは、むりに歌わず先生に伝える
声のかすれやのどのいたみが長くつづくときは、耳鼻科で相談してみてください。
家でできる、ソロのための練習
学校や合唱団の練習だけでなく、家でも少しだけ練習できると安心です。
- ソロの部分を録音して、自分で聞いてみる
- 鏡を見ながら歌って、口の開け方や表情をたしかめる
- 歌詞を、声に出してゆっくり読んでみる
- 歌の気持ちを、自分のことばで書いてみる
録音した自分の声を聞くのは、少しはずかしいかもしれません。でも、自分では気づかなかったくせや、よいところがわかります。「思ったより声が出ている」と気づくこともあります。
歌詞をゆっくり読んでみると、どのことばを大切に歌いたいかが見えてきます。ソロは、合唱の中でお客さんの耳がいちばん集まるところです。ことばの意味を自分の中で考えておくと、歌に気持ちがこもります。
ただ、家で練習するときは、長い時間歌いすぎないように気をつけましょう。短い時間を、何日かに分けるほうが、のどにもやさしいです。
本番の日にできること
本番の日は、ふだんどおりにすごすことがいちばんです。そのうえで、つぎのことを意識してみてください。
- 朝ごはんをしっかり食べて、体をあたためておく
- 朝の発声は、軽めにしておく。本番の前に声をつかいきらない
- ひかえ室では、おしゃべりで声をつかいすぎない
- ステージに出たら、指揮者の顔を見て、ゆっくり息をすう
ソロの順番が来るまでのあいだは、合唱の声をよく聞いておきましょう。まわりの声が耳に入っていると、自分の歌い始めの音もとりやすくなります。
パートリーダーの人は、本番の前に、パートのみんなに「いつもどおりでだいじょうぶ」と声をかけてあげてください。そのひとことで、パート全体の空気がやわらかくなることがあります。
お父様・お母様ができること
お子様がソロやパートリーダーをまかされると、家でもいろいろな気持ちを見せることがあります。
- 「えらばれてすごいね」と、まずはよろこぶ
- 家で練習を聞いてほしいと言われたら、だまって聞く
- 細かい注意より、よかったところを伝える
- 本番の結果より、がんばったことをみとめる
とくにパートリーダーは、お友だちとの関係でなやむこともあります。話を聞くだけでも、お子様の心はかるくなります。
本番のあとに
本番がおわったら、うまくいったところと、つぎにいかしたいところを、ふりかえってみましょう。
- ソロのどこが気持ちよく歌えたか
- パートのみんなと、どんなことを話したか
- もっとこうしたかったと思うところはあるか
この経験は、つぎに歌うときの大きな力になります。ソロの経験をきっかけに、ひとりで歌うことにも挑戦してみたくなる人もいます。
まとめ
- ソロにえらばれたことに自信をもち、楽譜をよく読む
- 歌い始めの一音を、くりかえし練習する
- ソロは、どならずに、ことばをはっきり、のびやかに歌う
- パートリーダーは、上手さより、みんなが練習しやすいように気をくばる役
- ひとりでかかえこまず、先生やまわりに相談する
- お父様・お母様は、よろこび、聞き、がんばりをみとめる
合唱でソロを歌ってみて、「ひとりで歌うのも楽しい」と感じたら、ひとりで歌う場に出てみるのもひとつの道です。こどもの歌声グランプリには、小学生低学年・小学生高学年・中学生・高校生の部などがあり、おうちでとった動画で応募できます。全員に講評が届くので、ソロの声のよいところを知るきっかけに、よかったらのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ