学校の合唱コンクールの審査はどこを見る?クラスで意識したいポイント
「合唱コンクールの審査って、どこを見ているの?」 「評価のポイントがわかれば、練習の目標を立てやすいのに」 「上手なクラスと、そうでないクラスは何がちがうんだろう」
中学校や高校の合唱コンクールが近づくと、こんなことが気になってくるかもしれません。審査のポイントを知っておくと、クラスの練習で「何をめざせばいいか」が見えやすくなります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、学校の合唱コンクールで、審査のときに見られることがあるポイントと、クラスで意識したいことをまとめます。
はじめに大切なことをお伝えします。合唱コンクールの審査のしかたは、学校によってちがいます。音楽の先生が審査をする学校、外部の先生をまねく学校、生徒や保護者の投票をとり入れる学校などがあり、何をどれくらい重く見るかも同じではありません。審査のことが気になるときは、まずは学校で配られる要項や、先生のお話をたしかめてください。この記事でお伝えするのは、一般的に大切にされやすいことの「考え方」です。
なお、ひとりで歌う歌のコンクールの審査については、こちらの記事でまとめています。歌のコンクール、審査員はどこを見ている?点数につながる7つのポイント
学校の合唱コンクールの審査は、学校によってちがう
審査する人と、評価のしかた
学校の合唱コンクールでは、次のような形で審査がおこなわれることがあります。
- 先生が、いくつかの項目ごとに点数をつける
- 審査する人が、全体の印象をもとに順位を決める
- 生徒どうしで投票する
- 先生の審査と、生徒の投票を組み合わせる
項目ごとに点数をつける場合は、その項目が要項にのっていることもあります。もし項目がわかるなら、クラスの練習の目標を立てるときの手がかりになります。
賞の種類もいろいろ
学年ごとに順位をつける学校もあれば、指揮者賞や伴奏者賞など、役わりごとの賞をもうける学校もあります。どんな賞があるかを知っておくと、クラスの目標の立て方も変わってきます。
声と音にかかわるポイント
ここからは、審査で見られることがあるポイントを、いくつかの面から紹介します。どれも、よい合唱をつくるうえで大切にされやすいことです。
パートの声がそろっているか
合唱では、同じパートの人たちの声が、ひとつにまとまって聞こえるかどうかが大切にされます。ひとりの声だけが目立ってしまったり、声の出し方がばらばらだったりすると、まとまりがないように聞こえることがあります。
- 歌い出しのタイミングがそろっている
- のばす音の長さや、切るタイミングがそろっている
- 声の明るさや、ひびき方が近い
声をそろえるための練習は、こちらの記事でも紹介しています。合唱の発声練習メニュー。合唱部やクラス合唱で、みんなの声をそろえる練習
音程が正しいか
それぞれのパートが、正しい音で歌えているかも、大事なポイントです。とくに、ほかのパートとはなれた音を歌うところや、伴奏がうすくなるところでは、音がずれやすくなることがあります。
音程がたしかだと、ハーモニーもきれいにひびきやすくなります。ほかのパートにつられてしまう人がいるときは、パートごとに音を確認する時間をとってみてください。
パートのバランスとハーモニー
あるパートだけが大きすぎたり、小さすぎたりすると、和音のバランスがくずれて聞こえることがあります。主旋律をうたうパートが聞こえやすいか、ほかのパートが支えになっているか、といったバランスも見られることがあります。
人数が少ないパートがあるときは、ほかのパートが声の大きさを合わせるなど、クラス全体でバランスを考えることが大切です。
ことばと表現にかかわるポイント
歌詞がはっきり聞こえるか
合唱では、歌詞のことばが客席にとどくかどうかも大切です。声はきれいでも、ことばがぼんやりしていると、曲のメッセージが伝わりにくくなります。
- 子音(「か」の k のように、母音の前につく音)を、少していねいに出す
- ことばの終わりを、ぼやかさない
- 意味のまとまりで、息つぎの場所をそろえる
強弱や、曲の流れの表し方
楽譜にある強弱の記号や、テンポの変化を、どこまで表せているかも見られることがあります。ずっと同じ大きさで歌うより、小さく歌うところと大きく歌うところの差があると、曲にメリハリが出ます。
大きな声を出そうとして、どなるような声になってしまわないよう注意しましょう。小さい声でも、ひびきがある声を意識すると、強弱の差がきれいに伝わります。
曲の気持ちが伝わるか
歌詞の意味や、曲がつたえたい気持ちを、クラスでどれくらい共有できているかも、歌い方に表れます。歌詞について話し合い、「この部分はどんな気持ちで歌うか」をそろえておくと、表現にまとまりが出やすくなります。
ステージでのすがたにかかわるポイント
入場から退場まで
審査では、歌っている時間だけでなく、入場、礼、退場などのようすも見られることがあります。
- 静かに、きびきびと入場できているか
- 並ぶまでの時間がもたついていないか
- 礼のタイミングがそろっているか
- 歌い終わったあとも、気をぬかずに退場できているか
並び方の考え方については、こちらの記事でまとめています。合唱の並び方はどう決める?パートの立ち位置と並び順の考え方
歌っているときの表情と姿勢
まっすぐ立ち、顔を上げて歌っているクラスは、見ている人にも気持ちが伝わりやすくなります。楽譜や足もとばかり見ていると、声も下に向かいやすくなります。
表情は、むりに笑顔をつくる必要はありません。曲の気持ちに合った表情を、クラスで話し合ってみるのもよいでしょう。
指揮者と伴奏者との一体感
指揮者の動きにクラス全体がよく反応できているか、伴奏とのタイミングが合っているかも、まとまりの一つとして見られることがあります。歌う人は指揮者をよく見て、伴奏の音もよく聞くことを意識してみてください。
審査のポイントを、クラスの練習にいかすには
録音して、外から聞いてみる
自分たちの歌は、歌っている最中にはわかりにくいものです。スマホなどで練習を録音して、みんなで聞いてみると、「ここのことばが聞こえない」「このパートが小さい」といったことに気づきやすくなります。
目標をしぼって練習する
審査のポイントをぜんぶ同時に直そうとすると、たいへんです。練習の日ごとに「今日は歌い出しをそろえる」「今日はことばをはっきり」と、目標をしぼると、成長を感じやすくなります。
クラスでの練習のすすめ方は、こちらの記事でも紹介しています。中学・高校の合唱コンクール、クラスで練習するときのコツ。指揮者と伴奏者の役わりも
点数だけを目標にしない
審査のポイントを知ることは大切ですが、それだけを目標にすると、練習が苦しくなってしまうこともあります。クラスのみんなで、ひとつの歌をつくりあげることそのものにも、大きな意味があります。
のどの調子が気になる人がいるときは、むりに大きな声を出させないようにしましょう。痛みやかすれが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
生徒の投票があるときに意識したいこと
生徒どうしの投票で賞が決まる学校では、聞いている人の心に、どれだけ気持ちがとどいたかが大切になることもあります。
- 歌う前から、クラスが落ちついた空気で並べているか
- 歌っているみんなが、楽しそうに、または真剣に歌っているか
- 曲にこめたい気持ちが、表情やすがたからも伝わるか
ほかのクラスの合唱を聞くときは、静かに、よい聞き手でいることも大切です。自分たちが聞いてもらうときと同じように、ほかのクラスの歌にも心を向けてみてください。
審査の結果を、どう受けとめるか
審査の結果は、その日のその時間の歌に対する、ひとつの見方です。審査する人や、審査のしかたが変われば、ちがう結果になることもあります。
思うような結果が出なかったとしても、クラスでつくってきた歌の価値がなくなるわけではありません。講評をもらえたら、つぎの機会にいかせるヒントとして受けとめてみましょう。
まとめ
- 合唱コンクールの審査のしかたは、学校によってちがう。まずは要項や先生のお話をたしかめる
- 声と音では、パートの声のそろい方、音程、パートのバランスとハーモニーが見られることがある
- ことばと表現では、歌詞の聞こえ方、強弱、曲の気持ちが見られることがある
- ステージでは、入場から退場までのようす、表情と姿勢、指揮者や伴奏者との一体感も見られることがある
- 練習を録音して聞き、目標をしぼって取り組む
- 点数だけでなく、みんなで歌をつくる時間そのものも大切にする
合唱で身につけた「聞いて合わせる力」や「ことばを伝える力」は、ひとりで歌うときにもいかせます。こんどは自分の声で挑戦してみたくなったら、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ