合唱の並び方はどう決める?パートの立ち位置と並び順の考え方
「合唱の並び方って、決まりがあるの?」 「ソプラノは右?左?パートの並び順がわからない」 「クラス合唱で、並び方を決める係になってしまった」
合唱の練習や本番の前に、こんな疑問をもつ方もいらっしゃると思います。合唱の並び方は、見た目だけでなく、声の聞こえ方や歌いやすさにもかかわる、大切なことです。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、合唱の並び方とパートの並び順について、考え方の土台をまとめました。はじめにお伝えしておきたいのは、合唱の並び方に、どこでも同じ「正解」があるわけではない、ということです。団体の人数や、曲、会場、指導の先生の考えによって、並び方はちがいます。この記事は、決めるときのヒントとして読んでいただけたらうれしいです。
合唱の並び方が大切な理由
自分の声とまわりの声の聞こえ方がかわる
合唱では、自分のパートの声と、ほかのパートの声を聞きながら歌います。だれのとなりに立つかで、聞こえる音がかわり、歌いやすさもかわります。
お客様や審査員への聞こえ方がかわる
客席から見て、どのパートがどこにいるかで、聞こえてくるひびきの感じがかわることもあります。曲の中で目立たせたいパートを、どこに置くかを考える団体もあります。
見た目のまとまりにもかかわる
背の高さや人数のバランスによって、ステージでの見え方もかわります。前の人の頭で、うしろの人の顔がかくれないように並ぶことも大切です。
パートの並べ方の例
ここでは、パートの並べ方の例をいくつか紹介します。どれが正しいということではなく、団体によってえらび方がちがいます。左右は、客席から見たときの向きで考えると、話がわかりやすくなります。
女声や同声の合唱の場合
ソプラノ、メゾソプラノ、アルトのように、高い声から低い声へ、横に並べる形があります。高い声のパートを客席から見て左に置く団体もあれば、右に置く団体もあります。
混声合唱の場合
混声合唱では、女声と男声をどう並べるかで、いろいろな形があります。ことばでの説明だけだとわかりにくいので、表にまとめてみます。
| 並べ方の例 | どんな形か | 考えられるよさ |
|---|---|---|
| 横に四つ並べる | ソプラノ・アルト・テノール・バスを横一列のかたまりで並べる | パートごとのまとまりがつくりやすい |
| 前と後ろに分ける | 前の列に女声、後ろの列に男声を並べる | 男声のひびきが、女声の上からとどきやすい |
| 外側と内側に分ける | 外側にソプラノとバス、内側にアルトとテノールを置く | 低いパートと高いパートが、それぞれ近いパートと聞きあいやすい |
| パートをまぜる | ちがうパートの人どうしがとなりに立つ | 全体のひびきがまざりやすい |
パートをまぜる並び方は、ひとりひとりが自分のパートをしっかり歌えることが前提になります。はじめは、パートごとにかたまって並ぶ形から始める団体もあります。
人数のバランスで考える
あるパートの人数が少ないときは、そのパートを真ん中に置いたり、前の列に出したりして、声がとどきやすくなるように工夫することもあります。男声が少ないときの工夫は、こちらの記事でも紹介しています。合唱団で男声が少ないとき。パートの組み方と、男性に入ってもらう工夫
パートの中での並び順
背の高さで並ぶ
ステージで見やすくするために、背の高い人を後ろの列に、低い人を前の列に置くことがあります。ひな壇(だんになった台)を使うときも、顔が見えるかどうかをたしかめておきましょう。
声の性質で並ぶ
声がよくとおる人と、やわらかい声の人を、バランスよく並べる考え方もあります。同じパートの中で、声の強さがかたよらないようにすると、パート全体のひびきがととのいやすくなります。
音がとれる人を真ん中に置く
パートの中に、音取りに自信のある人がいれば、その人を真ん中やパートのそばに置いて、まわりの人がその声をたよりにできるようにする方法もあります。ほかのパートにつられやすい人の立ち位置を考えるときにも、役に立つ考え方です。
となりのパートとのさかい目
パートとパートのさかい目に立つ人は、ほかのパートの声を近くで聞くことになります。自分のパートがしっかり歌える人を、さかい目に置く団体もあります。
指揮者や伴奏者との位置関係
指揮者が見えるかどうか
並び方を決めるときは、全員から指揮者が見えるかどうかをたしかめましょう。前の人のかげになって指揮が見えないと、歌い出しや終わりがそろいにくくなります。指揮者の立ち方や合図については、こちらの記事も参考になります。合唱の指揮のやり方。はじめて指揮者になった人のための、振り方の基本と練習
ピアノとの距離
伴奏のピアノに近いパートと、遠いパートでは、ピアノの音の聞こえ方がちがいます。ピアノの音が聞こえにくいパートがあれば、立ち位置を少しかえることも考えてみてください。
会場や曲によって並び方をかえる
練習の部屋と本番の会場はちがう
ふだんの練習の部屋と、本番のホールでは、ひびき方がちがいます。練習では歌いやすかった並び方でも、ホールでは聞こえ方がかわることがあります。できれば、本番の会場か、それに近い広さの場所で、並び方をためしておけると安心です。
曲によって並び方をかえる団体もある
同じ演奏会の中でも、曲によって並び方をかえる団体もあります。たとえば、ある曲ではパートごとに並び、ある曲ではパートをまぜて並ぶ、といった形です。並びかえの時間や動き方も、前もって決めておくとあわてずにすみます。
人数がかわったときは見なおす
新しい人が入ったり、お休みの人がいたりして人数がかわったときは、並び方を見なおしてみましょう。前と同じ並び方のままだと、パートのバランスがくずれていることもあります。
並び方を決めるときに気をつけたいこと
いくつかの形をためしてみる
一つの並び方に決める前に、いくつかの形をためして、歌ってみるのがよい方法です。録音して聞きくらべると、どの並び方がその団体に合っているか、考えやすくなります。
歌う人の声も聞く
並び方は、指導の先生やリーダーが決めることもありますが、歌う人が「この位置だと歌いにくい」と感じていることもあります。気になることがあれば、話しあえる空気をつくっておくと、みんなが気持ちよく歌えます。
早めに決めて、慣れておく
本番の直前に並び方をかえると、聞こえ方がかわって、とまどうこともあります。できるだけ早めに並び方を決めて、その形で何回か練習しておくと安心です。
体調への気づかい
ひな壇の上で長く立っていると、つかれることもあります。具合がわるくなったときに、だれにどう伝えるかも、前もって決めておくと安心です。
並び方を決めたあとにしておきたいこと
並び方の図を、みんなで共有する
並び方が決まったら、だれがどこに立つのかを、紙やメモにまとめて、みんなで見られるようにしておきましょう。前の列から順に名前を書いておくと、本番の前にあわてずにすみます。
入場と退場の順番も合わせて決める
ステージに入るときの順番が、並び方とちぐはぐだと、ならぶときに人がまじわって時間がかかってしまいます。並ぶ位置が決まったら、どの列から、どちらの方向から入るかも合わせて決めておくと、入場がスムーズになります。
一度決めても、見なおしてかまわない
練習を続けるうちに、「この位置だと、ほかのパートの声が聞こえにくい」といった気づきが出てくることもあります。決めた並び方にこだわりすぎず、必要に応じて見なおしていくことも大切です。
動画でとって、見え方をたしかめる
並んだようすを、客席がわから動画でとってみるのもよい方法です。顔がかくれている人はいないか、パートのかたまりがかたよっていないかなど、ステージの上にいるとわからないことに気づけることがあります。
まとめ
- 合唱の並び方に、どこでも同じ正解があるわけではなく、団体や曲・会場によってちがう
- 並び方は、声の聞こえ方、歌いやすさ、見た目のまとまりにかかわる
- パートの並べ方には、横に並べる、前後に分ける、外側と内側に分ける、まぜるなど、いろいろな形がある
- パートの中では、背の高さ、声の性質、音取りに自信のある人の位置などを考える
- 指揮者が見えるか、ピアノの音が聞こえるかもたしかめる
- いくつかの形をためし、早めに決めて慣れておく
並び方が決まると、合唱のひびきがまとまっていくのを、みんなで感じられるようになります。合唱団や歌の教室をさがしている方は、歌の教室さがしも見てみてください。ひとりで歌う場もためしてみたい方には、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ