練習・発声のコツ

合唱の発声練習メニュー。合唱部やクラス合唱で、みんなの声をそろえる練習

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「合唱部の発声練習、毎日同じでいいのかな」 「クラス合唱のリーダーになったけれど、何から練習すればいいのかわからない」

合唱では、ひとりで歌うときとはちがって、みんなの声をそろえることが大切です。そのために、歌う前の発声練習は、とても役に立ちます。

わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。ソロでも合唱でも、歌う前の声の準備が、そのあとの歌声を左右すると感じています。

この記事では、合唱の発声練習について、合唱部の毎日の練習や、中学生のクラス合唱でもつかえるメニューをまとめました。指揮をする人、パートリーダー、先生、そしてお子様をおうえんするお父様・お母様にも読んでいただける内容です。

合唱の発声練習で大切にしたいこと

「ひとりの声」より「みんなの声」

ソロの発声練習は、自分の声をよくすることが中心です。合唱の発声練習では、それに加えて、まわりの声を聞きながら、声をそろえることが大切になります。

  • 声の大きさをそろえる
  • 母音(あいうえお)のひびきをそろえる
  • 息つぎや、歌いはじめのタイミングをそろえる
  • 音の高さを、みんなで合わせる

まわりの声を聞く習慣

合唱の発声練習では、「自分の声を出す」ことと「まわりの声を聞く」ことを、同時に練習します。はじめはむずかしく感じるかもしれませんが、毎日の発声練習でくりかえすうちに、少しずつなれていきます。

合唱の発声練習メニュー

ここでは、合唱部やクラス合唱で、10分から15分ほどでできるメニューをしょうかいします。時間に合わせて、えらんで組み合わせてください。

1 みんなで息をそろえる

まずは、声を出さずに、息だけで練習します。

  1. 全員でまっすぐ立ち、肩の力をぬく
  2. 指揮をする人の合図で、鼻からゆっくり息をすう
  3. 「スー」と、8カウントで息をはく
  4. なれてきたら、12カウント、16カウントとのばしていく

全員が同じタイミングで息をすって、同じタイミングではきおえることを目指します。息の音がそろってくると、それだけで「ひとつのグループ」という感じが生まれます。

2 ハミングでひびきを合わせる

口をとじて、「んー」とハミングをします。ピアノで1つの音を鳴らし、その音にみんなで合わせてみましょう。

  • 小さめの声で、やさしく出す
  • となりの人の声が聞こえるくらいの大きさにする
  • 鼻やくちびるのあたりがひびく感じをたしかめる

大きな声を出す前に、ハミングで声をならしておくと、のどにもやさしく、声がそろいやすくなります。

3 声のサイレン

「ウ〜」と、低い声から高い声へ、高い声から低い声へと、サイレンのように声をなめらかに動かします。声が切りかわるところでも、できるだけなめらかにつなぐことを意識しましょう。

男子と女子で、出しやすい高さがちがうので、むりのないはんいで行ってください。

4 母音をそろえる練習

合唱で声がそろって聞こえるかどうかは、母音のひびきが大きくかかわります。同じ「あ」でも、口の形が人によってちがうと、声がばらばらに聞こえてしまいます。

  1. ひとつの音の高さで、「あ・え・い・お・う」と、ゆっくり歌う
  2. 口の形を、みんなで鏡のようにそろえる
  3. とくに「い」と「え」は、口を横に広げすぎないようにする

「い」や「え」は、口を横に引きすぎると、声がかたく、うすくなりやすいです。口の中を少したてに広げるイメージで歌うと、ほかの母音とひびきがそろいやすくなります。

5 5つの音の音階

「ドレミファソファミレド」の5つの音を、「マ」や「ナ」などの音で歌います。1回歌うごとに、半音ずつ高くしていきます。

  • はじめは、だれでも出しやすい高さから
  • 苦しくなる手前で止める
  • 高くなっても、口の形や声の色をかえないようにする

この練習は、声の高さを広げるだけでなく、音の高さをみんなでそろえる練習にもなります。

6 和音(ハーモニー)の練習

合唱らしい発声練習として、和音の練習もおすすめです。

  1. ピアノで「ド・ミ・ソ」の和音を鳴らす
  2. パートごとに、「ド」「ミ」「ソ」をうけもつ
  3. 「ナー」や「ルー」で、みんなで同時に声を出す
  4. ほかのパートの音を聞きながら、音の高さを合わせる

きれいに合うと、ひびきがすっと広がるように感じられることがあります。その感じを、みんなで味わってみてください。パートのちがいについては、こちらの記事もあわせてどうぞ。合唱のパートのちがい。ソプラノ・アルト・テノール・バスと、自分に合うパートの見つけ方

7 ことばをそろえる練習

さいごに、ことばの練習をします。早口ことばや、これから歌う曲の歌詞を、メロディなしで、みんなで声をそろえて読んでみましょう。

  • 子音(ことばのはじめの音)を、はっきり出す
  • 文のおわりの「ん」や「た」などの音を、みんなで同じタイミングで切る
  • ことばのまとまりを意識して読む

ことばがそろうと、合唱の歌詞がぐっと聞きとりやすくなります。

合唱部の発声練習のくふう

毎日の流れを決めておく

合唱部では、毎日の発声練習の流れを決めておくと、練習がスムーズに進みます。

  1. 息の練習(2分)
  2. ハミング(2分)
  3. 声のサイレン(1分)
  4. 母音をそろえる練習(2分)
  5. 5つの音の音階(3分)
  6. 和音の練習(3分)

このくらいで、だいたい13分ほどです。時間がない日は、1・2・5だけでもよいと思います。

ときどき内容をかえる

毎日まったく同じメニューだと、あきてしまったり、なんとなくこなすだけになったりすることがあります。週に1回くらい、新しい練習を入れたり、母音や音の種類をかえたりすると、集中しやすくなります。

パートごとの発声練習

全体の発声練習のあとに、パートごとにわかれて、少しだけ練習するのもおすすめです。パートリーダーが前に立ち、自分たちの音の高さに合わせて練習すると、パートの声がまとまりやすくなります。

中学生のクラス合唱での発声練習

短い時間でできるものをえらぶ

クラス合唱の練習は、時間がかぎられていることが多いです。5分ほどで、「息の練習」「ハミング」「5つの音の音階」の3つだけでも、やるとやらないとでは、声の出方がかわってきます。

はずかしさを、なくす工夫

中学生になると、みんなの前で声を出すことを、はずかしく感じる人もいます。

  • はじめは、ハミングなど小さな声の練習からはじめる
  • 全員で輪になって、たがいの声を聞き合う
  • 「大きな声を出して」ではなく、「となりの人の声に合わせて」と声をかける

まずは、声を出すことに安心できるふんいきを作ることが大切です。

声がわりの時期の人への気くばり

中学生の時期は、声がわりをむかえる人も多いです。高い声が出にくくなったり、声がひっくり返りやすくなったりすることがあります。声がわりの時期は、むりに高い音を出させず、出しやすい高さで歌えるように、気をくばってあげてください。声がわりについては、こちらの記事にまとめています。声がわりの時期の男の子と歌。続けていい?気をつけたいこと

前に立って発声練習をすすめる人へ

声かけは短く、わかりやすく

発声練習をすすめるときは、「もっと大きく」より、「となりの声を聞いて」「口をたてにあけて」のように、何をすればよいかがわかる声かけが伝わりやすいです。説明は短くして、声を出す時間を多くとるようにしましょう。

よくなったところを伝える

「さっきより、息がそろってきたね」「和音がきれいにひびいたね」と、よくなったところを、みんなに伝えてください。前に立つ人のひとことで、練習のふんいきは大きくかわります。

発声練習で気をつけたいこと

  • 大きな声を出しすぎない。とくに練習のはじめは小さめの声で
  • 高い音を、むりに出さない
  • 練習のあいだに、水をのめる時間をつくる
  • 声がかすれている人は、その日は聞く練習にまわる
  • のどの痛みやかすれが何日も続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する

合唱では、みんなでがんばろうとするあまり、つい声を出しすぎてしまうことがあります。のどを大切にしながら、練習を続けてください。

まとめ

  • 合唱の発声練習では、まわりの声を聞きながら、声をそろえることが大切
  • 息、ハミング、声のサイレン、母音、音階、和音、ことばの順に練習するとよい
  • 合唱部では、毎日の流れを決めつつ、ときどき内容をかえる
  • 中学生のクラス合唱では、短い時間でできるメニューと、はずかしさをなくす工夫を
  • 声がわりの時期の人には、むりに高い音を出させない
  • のどの痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する

合唱でみんなと声を合わせる経験は、ひとりで歌うときにも、きっと生きてきます。ひとりでの歌にもチャレンジしてみたくなったら、こどもの歌声グランプリに出てみるのもよい目標になります。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌声を見つめなおすきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ

小学生中学生高校生合唱

つぎの一歩を さがす

あわせて読みたい