中学校の合唱コンクール、クラスの曲のえらび方。みんなで決めるときの考え方
「合唱コンクールの曲、どうやって選べばいいの?」 「候補がいくつもあって、クラスの中で意見が分かれている」 「中学の合唱曲の決め方で、もめたくない」
中学校の合唱コンクールでは、クラスで歌う曲をみんなで選ぶことがあります。曲えらびは、合唱づくりのはじめの大きな話し合いです。ここでうまく決められると、そのあとの練習にも気持ちよく入りやすくなります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、中学校の合唱コンクールで、クラスの曲を選ぶときの考え方をまとめます。曲の名前をあげて「これがいい」とすすめるのではなく、どんなクラスでも使える「選び方」と「決め方」にしぼってお伝えします。クラスの実行委員やパートリーダーになった人も、ふつうのクラスの一員として話し合いに出る人も、よかったら参考にしてください。
なお、曲を選べるかどうか、どこまで自由に選べるかは、学校によってちがいます。学年で曲が決まっている学校や、先生があらかじめ候補をしぼっている学校もあります。まずは、学校のきまりや音楽の先生のお話をよくたしかめてから、話し合いを始めてください。
曲えらびの前に、たしかめておきたいこと
学校のきまりと、しめきり
はじめに、次のことをたしかめておくと、話し合いがすすめやすくなります。
- クラスで自由に曲を選べるのか、候補の中から選ぶのか
- ほかのクラスと同じ曲にならないよう、調整があるのか
- 曲を決めるしめきりはいつか
- 楽譜や音源は、だれがどうやって用意するのか
とくに、同じ学年のほかのクラスと曲がかぶったときの決まりは、学校によってちがいます。早めに先生に聞いておくと、あとであわてずにすみます。
クラスの「声」のようすを知る
曲えらびでは、クラスの声のようすを知っておくことも大切です。
- 男子と女子、それぞれの人数
- 声がわりの途中の人がいるかどうか
- 高い声が出しやすい人、低い声が出しやすい人のバランス
中学生のころは、声がわりの時期と重なることもあります。いまの声に合わない曲を選ぶと、練習のあいだにのどに負担がかかってしまうこともあるので、むりのない曲を考えるようにしましょう。のどの痛みやかすれが続く人がいるときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
合唱曲の候補を集めるときのポイント
候補の集め方
候補の集め方には、いくつかの方法があります。
- 音楽の先生に、クラスに合いそうな曲を聞いてみる
- 学校にある合唱曲集や、音楽の教科書の中から探す
- クラスのみんなに、歌ってみたい曲を出してもらう
- 先ぱいたちが歌った曲のことを、先生に聞いてみる
候補は、はじめから一つにしぼらず、いくつか出しておくのがよいでしょう。ただ、候補がふえすぎると、話し合いが長くなって決めにくくなります。ある程度まで集めたら、実行委員や先生といっしょに、話し合う候補をしぼっていくとスムーズです。
聞いてみて、歌ってみる
候補の曲は、みんなで音源を聞いてみましょう。楽譜をながめるだけでは、曲のふんいきや、むずかしさはわかりにくいものです。
できれば、さびのところだけでも、みんなで声を出して歌ってみると、「これなら歌えそう」「ここは高すぎるかも」という感じがつかめます。
曲を選ぶときに見ておきたいこと
パートの数と、クラスの人数
合唱曲には、二つのパートに分かれる曲、三つに分かれる曲、男子と女子がそれぞれのパートを持つ混声の曲などがあります。パートの数によって、よい・わるいが決まるわけではありません。
大切なのは、クラスの人数や男女のバランスに合っているかどうかです。一つのパートの人数がとても少なくなってしまうと、その人たちの負担が大きくなることもあります。パートの組み合わせについては、こちらの記事でくわしく紹介しています。2部合唱・3部合唱・混声4部合唱とは?パートの組み合わせをやさしく
声の高さ(音域)
曲の中で、とくに高いところと低いところが、クラスのみんなにとって出しやすいかどうかを見ておきましょう。
- 高い音が続くところで、声がきつくならないか
- 低いところが、声がわりの途中の人にも出せそうか
- ずっと強い声で歌い続ける曲になっていないか
自分たちの声の高さに合った曲は、むりなく、のびのびと歌いやすくなります。パートごとの声のちがいは、こちらの記事も参考にしてください。合唱のパートのちがい。ソプラノ・アルト・テノール・バスと、自分に合うパートの見つけ方
曲の長さと、練習できる時間
本番までの練習の時間は、限られています。長い曲や、むずかしいところがたくさんある曲を選ぶと、最後まで仕上げるのがたいへんになることもあります。
練習できる時間と、曲のむずかしさのバランスを考えて、「がんばれば届きそう」と思える曲を選ぶと、練習のはげみにもなります。
歌詞の内容と、クラスの気持ち
合唱曲には、友だちのこと、ふるさとのこと、未来のことなど、いろいろなテーマがあります。歌詞を読んで、「自分たちが伝えたい気持ちに近いか」「みんなが心をこめて歌えそうか」を考えてみましょう。
歌詞に共感できる曲は、気持ちをこめやすく、練習の中でクラスのまとまりも生まれやすくなります。
伴奏者と指揮者のことも考える
ピアノ伴奏のむずかしさ
合唱曲の中には、ピアノ伴奏がとてもむずかしい曲もあります。クラスで伴奏をする人が決まっている場合は、候補の楽譜を見てもらい、「練習の時間内に弾けそうか」を聞いておくとよいでしょう。
伴奏者は、本番まで自分の練習も重ねていきます。伴奏者だけに大きな負担がかからないよう、みんなで気をくばりましょう。
指揮者の気持ちも聞く
指揮者も、曲によって指揮のしやすさがちがいます。テンポが何回も変わる曲や、強弱の変化がこまかい曲は、指揮者にとってもむずかしくなることがあります。
伴奏者や指揮者が決まっているなら、曲を決める前に気持ちを聞いておくと、あとで「こんなはずじゃなかった」となりにくくなります。
みんなで決めるときのすすめ方
話し合いのルールを、先に決めておく
曲えらびでもめてしまう理由の一つは、「どうやって決めるか」が決まっていないことです。話し合いの前に、次のことをみんなで共有しておきましょう。
- 何曲の中から選ぶのか
- 理由をみんなに話す時間をとるか
- 最後は多数決にするのか、話し合いでまとめるのか
- 票が割れたときは、どうするのか
ルールが先にあると、決まったあとに「ずるい」「聞いていない」という声が出にくくなります。
理由をことばにして伝え合う
いきなり手をあげて決めるより、「この曲を選びたい理由」をみんなで伝え合う時間をとるのも、一つの方法です。
- 歌詞が、いまのクラスの気持ちに合っている
- 自分たちの声の高さに合っている
- 伴奏者や指揮者も、むりなく取り組めそう
理由を聞くと、最初はちがう曲を考えていた人も、「それならこっちでもいいかも」と思えることがあります。
多数決で決めたあとに大切なこと
多数決で決めた場合は、選ばれなかった曲を推していた人の気持ちにも目を向けましょう。「こっちの曲もよかったね」「意見を出してくれてありがとう」と伝えるだけで、クラスの空気がやわらかくなります。
決まった曲に気持ちを切りかえて、「この曲をみんなで仕上げよう」という方向に進めることが大切です。クラスの目標やスローガンを決めるときの考え方は、こちらにまとめています。合唱コンクールのスローガンの決め方。クラスがまとまる言葉のえらび方と例(二字熟語・中学生向け)
曲が決まったあとに
曲が決まったら、いよいよ練習のスタートです。パートごとの音取りや、指揮者・伴奏者との合わせなど、やることはたくさんあります。クラスで練習をすすめるコツは、こちらの記事で紹介しています。中学・高校の合唱コンクール、クラスで練習するときのコツ。指揮者と伴奏者の役わりも
おうちのお父様・お母様は、お子様が「曲が決まったよ」と話してくれたら、ぜひ興味をもって聞いてあげてください。「どんな曲なの?」「どのパートを歌うの?」と声をかけてもらえると、お子様の練習への気持ちも、少し前向きになるかもしれません。
まとめ
- 曲を自由に選べるかどうかは、学校によってちがう。まずはきまりと先生のお話をたしかめる
- クラスの人数、男女のバランス、声がわりのようすを知っておく
- 候補はいくつか集めて、音源を聞き、少し歌ってみる
- パートの数、声の高さ、曲の長さ、歌詞の内容を見て選ぶ
- 伴奏者と指揮者の気持ちも、曲を決める前に聞いておく
- 決め方のルールを先に決め、理由を伝え合ってから決める
- 決まったあとは、選ばれなかった曲を推した人の気持ちにも目を向ける
クラスで選んだ曲を歌いきる経験は、歌そのものを好きになるきっかけにもなります。合唱をきっかけに、ひとりで歌うことにも挑戦してみたくなったら、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ