2部合唱・3部合唱・混声4部合唱とは?パートの組み合わせをやさしく
「楽譜に混声4部合唱と書いてあるけれど、どういう意味?」 「2部合唱と3部合唱は、何がちがうの?」 「3部合唱のパートは、どう分かれているの?」
合唱の楽譜やプログラムには、「2部合唱」「3部合唱」「混声4部合唱」といったことばが書かれています。合唱をはじめたばかりの方や、クラス合唱で曲をえらぶ方にとっては、わかりにくいことばかもしれません。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、「何部合唱」というよび方の意味と、パートの組み合わせにしぼって、やさしくまとめました。ソプラノやアルトなど、それぞれのパートの声のちがいについては、こちらの記事でくわしく紹介しています。合唱のパートのちがい。ソプラノ・アルト・テノール・バスと、自分に合うパートの見つけ方
「何部合唱」とは、パートの数のこと
「部」は、分かれている声の数
2部合唱、3部合唱、4部合唱の「部」は、いくつのパートに分かれて歌うか、を表しています。
- 2部合唱:二つのパートに分かれて歌う
- 3部合唱:三つのパートに分かれて歌う
- 4部合唱:四つのパートに分かれて歌う
パートの数がふえるほど、重なる音がふえ、ひびきに厚みが出やすくなります。そのぶん、それぞれのパートがしっかり自分の音をたもつことも大切になります。
「同声」と「混声」
何部合唱かといっしょに、「同声」「混声」「女声」「男声」ということばがつくこともあります。
| よび方 | どんな声で歌うか |
|---|---|
| 同声合唱 | 声の高さの近い人どうしで歌う(子どもだけ、女性だけなど) |
| 女声合唱 | 女性の声で歌う |
| 男声合唱 | 男性の声で歌う |
| 混声合唱 | 女性の声と男性の声をまぜて歌う |
たとえば「混声4部合唱」は、女性と男性の声で、四つのパートに分かれて歌う合唱、という意味になります。
2部合唱とは
二つのパートの組み合わせ
2部合唱は、高いパートと低いパートの二つに分かれて歌う形です。子どもの合唱や、同声の合唱では、ソプラノとアルトの二つに分かれることがあります。
楽譜では、上のパートを「上(うえ)」や「1」、下のパートを「下(した)」や「2」と書くこともあります。
2部合唱の特ちょう
- パートが二つなので、自分のパートと、もう一つのパートの関係がわかりやすい
- 合唱をはじめたばかりの人でも、取り組みやすいことがある
- 二つの声の重なりが、はっきり聞こえる
音の重なりがシンプルなぶん、一つ一つの音がよく聞こえます。音のずれもわかりやすいので、ていねいに合わせることが大切です。
混声2部合唱もある
混声でも、女声と男声の二つに分かれて歌う、混声2部合唱という形があります。男声の人数が少ないときなどに、えらばれることもあります。
3部合唱とは
同声3部合唱のパート
同声3部合唱では、ソプラノ、メゾソプラノ、アルトの三つに分かれることがあります。メゾソプラノは、ソプラノとアルトのあいだの高さのパートです。
楽譜には「ソプラノ1・ソプラノ2・アルト」や「上・中・下」と書かれていることもあります。どの名前で書かれているかは、楽譜によってちがいます。
混声3部合唱のパート
混声3部合唱では、ソプラノ、アルト、男声の三つに分かれる形があります。中学校のクラス合唱などで、見かけることもある形です。
| 3部合唱の種類 | パートの組み合わせの例 |
|---|---|
| 同声3部合唱 | ソプラノ・メゾソプラノ・アルト |
| 混声3部合唱 | ソプラノ・アルト・男声 |
男声のパートは、テノールとバスに分かれず、一つのパートとして歌う形です。声がわりのとちゅうの人がいる場合も、歌いやすい音の高さで書かれた楽譜をえらぶことがあります。
3部合唱の特ちょう
三つの音が重なると、和音(ハーモニー)の感じが、2部合唱よりもはっきり出てきます。真ん中のパートは、上と下の音にはさまれるので、ほかのパートにつられないように、自分の音をよくおぼえておくことが大切です。
混声4部合唱とは
ソプラノ・アルト・テノール・バス
混声4部合唱は、ソプラノ、アルト、テノール、バスの四つに分かれて歌う形です。頭文字をとって「SATB」と書かれることもあります。
- ソプラノ:女声の高いパート
- アルト:女声の低いパート
- テノール:男声の高いパート
- バス:男声の低いパート
高い音から低い音まで、広い高さの声がそろうので、ひびきに広がりが出やすい形です。
混声4部合唱の特ちょう
四つのパートがそろうと、和音の音がそろい、ひびきがゆたかになります。そのぶん、それぞれのパートに、ある程度の人数がいることがのぞましい形でもあります。人数のバランスがかたよると、ひびきのバランスもくずれやすくなります。
女声4部・男声4部もある
4部合唱は、混声だけではありません。女声だけで四つに分かれる女声4部合唱や、男声だけで四つに分かれる男声4部合唱もあります。男声4部合唱では、テノールとバスを、さらに二つずつに分けることがあります。
パートがさらに分かれることも
「div.」と書いてあるところ
楽譜の中に「div.(ディヴィジ)」と書いてあるところは、そのパートが、さらに二つに分かれて歌う部分です。たとえば4部合唱の曲でも、とちゅうで一部のパートが分かれ、もっとたくさんの音が重なることもあります。
楽譜の段の見方
合唱の楽譜は、パートごとに段が分かれていることもあれば、二つのパートが一つの段にまとめて書かれていることもあります。音符の棒(ぼう)が上を向いているか、下を向いているかで、どちらのパートの音かを見分けることもあります。楽譜のよみ方は、こちらの記事も参考にしてください。楽譜が読めなくても歌える?楽譜のよみ方のはじめの一歩
自分たちに合う形のえらび方
人数と声のバランスを見る
何部合唱の曲をえらぶかは、団体の人数や、声のバランスによってかわります。
- 男声の人数が少ないとき:混声3部合唱や混声2部合唱をえらぶこともある
- 同じくらいの高さの声の人がそろっているとき:同声2部合唱や同声3部合唱をえらぶこともある
- 各パートに人数がそろっているとき:混声4部合唱にちょうせんしやすい
どの形がよいかは、団体によってちがいます。指導の先生とも相談しながら決めてみてください。
パートの数がふえればよい、というわけではない
4部合唱のほうが、2部合唱より上、というわけではありません。2部合唱にも、二つの声だけでつくるすっきりしたひびきの美しさがあります。自分たちの声で、気持ちよく歌える形をえらぶことが大切です。
声に無理がないかをたしかめる
パートの高さが合わないまま歌い続けると、のどに負担がかかることもあります。高すぎる、低すぎると感じたら、先生に相談してみましょう。のどの痛みやかすれが続くときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
何部合唱かを知ると、練習もしやすくなる
自分のパートの役わりがわかる
いま歌っている曲が何部合唱かを知ると、自分のパートが全体の中でどんな役わりをしているかが、見えやすくなります。たとえば、高いパートがメロディーを受けもち、低いパートが土台をささえている、といった関係がわかると、歌い方の工夫もしやすくなります。
ほかのパートの音にも耳を向ける
自分のパートだけでなく、ほかのパートがどんな音を歌っているかを、ときどき聞いてみましょう。パートの組み合わせがわかっていると、どこで音が重なり、どこでひびきが生まれるのかが、感じとりやすくなります。
聞くだけでも、楽しみがふえる
合唱を聞くときに、「これは混声4部合唱だから、男声の低い音も聞こえるはず」と考えながら聞いてみると、ひびきのちがいがわかりやすくなります。歌う人だけでなく、聞く人にとっても、パートの組み合わせを知ることは、合唱を楽しむ手がかりになります。
まとめ
- 「何部合唱」は、いくつのパートに分かれて歌うかを表している
- 同声・女声・男声・混声は、どんな声で歌うかを表している
- 2部合唱は高いパートと低いパートの二つ、3部合唱は三つのパートに分かれる
- 混声3部合唱は、ソプラノ・アルト・男声に分かれる形がある
- 混声4部合唱は、ソプラノ・アルト・テノール・バスの四つに分かれる
- 楽譜の「div.」は、パートがさらに分かれるところ
- 人数や声のバランスを見て、自分たちに合う形をえらぶ
パートの組み合わせがわかると、楽譜を見るのも、合唱を聞くのも、ぐっと楽しくなります。合唱団や歌の教室をさがしている方は、歌の教室さがしも見てみてください。ひとりで歌う力もためしてみたい方には、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ