合唱コンクールのスローガンの決め方。クラスがまとまる言葉のえらび方と例(二字熟語・中学生向け)
「合唱コンクールのスローガンを決めることになったけれど、何を書けばいいの?」 「クラスでいい案が出なくて、話し合いが止まってしまった」
合唱コンクールが近づくと、クラスでスローガンを決める学校は多いと思います。とくに中学生になると、係の人や学級委員の人が中心になって、自分たちで決めることがふえてきます。いざ考えはじめると、どんな言葉がいいのか、まよってしまいますよね。
わたしは、息子といっしょに、たくさんの歌のコンクールに出てきました。歌は、ひとりで歌うときも、みんなで歌うときも、「どんな気持ちで歌うか」が声にあらわれます。スローガンは、その気持ちをクラスでそろえるための、小さな旗のようなものだと思います。
この記事では、合唱コンクールのスローガンの決め方を、話し合いのすすめ方、言葉えらびのコツ、二字熟語や短い文の例、決めたあとの生かし方の順にまとめます。ここにのせている例は、この記事のために考えたオリジナルの言葉です。そのまま使うより、クラスに合わせて言葉をかえてみてください。
合唱コンクールのスローガンは、何のためにある?
気持ちをひとつにするための言葉
合唱は、ひとりが上手でも、それだけではまとまりません。声の大きさ、息をすうタイミング、歌いはじめと歌いおわり。みんながそろってはじめて、ひとつの歌になります。
スローガンは、練習のあいだに「わたしたちは、こんな歌をめざしている」と思い出すための言葉です。練習がうまくいかない日にも、黒板や教室の前にはってあるスローガンを見ると、もう一度気持ちをそろえやすくなります。
先生や係だけで決めないほうがいい理由
スローガンは、だれか1人が考えて、そのまま決まることもあります。でも、できればクラスのみんなが少しずつかかわれる形にすると、「自分たちの言葉」として大切にしやすくなります。
全員が意見を言わなくてもかまいません。紙に書いて出すだけ、手をあげて選ぶだけでも、かかわったという気持ちが生まれます。
スローガンを決める前に、話し合っておきたいこと
どんな合唱にしたいかを、言葉にしてみる
いきなり「スローガンを考えて」と言われても、なかなか言葉は出てきません。その前に、こんな問いをクラスで出し合ってみると、言葉のたねが見つかります。
- 聞いている人に、どんな気持ちになってほしいか
- 歌いおわったとき、自分たちがどう感じていたいか
- このクラスのいいところは何か
- 今のクラスに足りないと思うことは何か
- 自由曲(または課題曲)の歌詞で、心にのこる場面はどこか
出てきた言葉は、黒板に書き出しておきましょう。「明るい」「やさしい」「全力」「笑顔」など、短い言葉でかまいません。
曲の内容とつながっているか
スローガンは、歌う曲の内容とつながっていると、練習のときにイメージしやすくなります。たとえば、旅立ちをえがいた曲なら「前へ」「未来」、自然をえがいた曲なら「空」「風」など、曲の世界に合う言葉を入れてみるのもひとつの方法です。
ただし、歌詞をそのまま使うのはさけましょう。歌詞の言葉をヒントにしながら、自分たちの言葉に言いかえるほうが、オリジナルのスローガンになります。
クラスでのスローガンの決め方(すすめ方の例)
1. ひとりずつ、案を紙に書く
まずは、ひとりずつ小さな紙に案を書いてもらいます。名前は書かなくてもいいことにすると、はずかしがらずに出しやすくなります。思いつかない人は、「入れたい言葉」を1つ書くだけでもOKにしておきましょう。
2. 似ている案をまとめる
集まった案を、係の人が黒板に書き出します。「ひとつ」「団結」「心を合わせる」のように、似ている意味の言葉はグループにまとめておくと、クラスがどんな気持ちを大切にしたいのかが見えてきます。
3. 3つか4つにしぼって、えらぶ
案が多すぎると、えらびにくくなります。グループごとに、いちばん伝わりやすい案を1つずつえらび、3つか4つにしぼりましょう。そのうえで、手をあげる、紙に書いて投票するなど、クラスに合った方法でえらびます。
4. 言葉をととのえる
えらばれた案は、そのままでも、少し手を入れてもかまいません。「言いやすいか」「長すぎないか」「みんなが同じ意味で受けとれるか」をたしかめて、さいごにととのえます。
話し合いは、1回の学活の時間で終わらなくても大丈夫です。あせらず、2回に分けて決めるクラスもあります。
言葉えらびのコツ
短く、声に出して言いやすい
スローガンは、練習の前にみんなで声に出すこともあります。長すぎると、おぼえにくく、言いにくくなります。二字熟語なら2文字、文の形なら10〜15文字くらいまでを目安にすると、すっきりまとまります。
前向きな言葉をえらぶ
「負けない」「ミスしない」のような言葉より、「とどける」「ひびかせる」のように、何をめざすかがわかる言葉のほうが、歌う気持ちがのびやかになります。
順位より「どんな歌にしたいか」
「金賞をとる」「優勝」といった言葉を入れたくなる気持ちもわかります。でも、結果は自分たちだけでは決められません。「聞く人の心にとどく歌」「全員の声がそろった歌」など、自分たちの力でめざせることを言葉にすると、本番の結果にかかわらず、ふりかえりやすくなります。
だれかをはずさない言葉にする
歌うのがとくいな人も、にがてな人もいます。「声が大きい人がひっぱる」のような言葉より、「全員で」「ひとりひとりの声で」のように、みんなが入れる言葉をえらぶと、クラスの空気がやわらかくなります。
スローガンの例 二字熟語
二字熟語は、短くて力強く、黒板や横断幕にも書きやすいのがよいところです。ここでは、意味といっしょにオリジナルの例を紹介します。
気持ちをそろえる二字熟語
- 一心(いっしん) みんなの心をひとつにする
- 団結(だんけつ) 力を合わせて、ひとつのまとまりになる
- 調和(ちょうわ) ちがう声が、きれいにとけ合う
- 共鳴(きょうめい) おたがいの声がひびき合う
- 和音(わおん) ちがう音が重なって、ひとつのひびきになる
前に進む気持ちをあらわす二字熟語
- 飛躍(ひやく) 今より大きく成長する
- 前進(ぜんしん) 一歩ずつ前へ進む
- 挑戦(ちょうせん) むずかしいことにも向かっていく
- 全力(ぜんりょく) もっている力を出しきる
組み合わせて作る言葉
二字熟語を2つならべると、意味がゆたかになります。
- 一心×共鳴 心をひとつに、声をひびかせる
- 調和×全力 全員の声を合わせて、力を出しきる
- 挑戦×笑顔 むずかしさもたのしみながら、笑顔で歌う
漢字の言葉に、ひと言をそえる形もおすすめです。たとえば「共鳴 とどけ、わたしたちの声」のように、二字熟語のあとに短い文をつけると、意味がつたわりやすくなります。
スローガンの例 短い文の形
文の形のスローガンは、気持ちがそのまま伝わりやすいのがよいところです。こちらもオリジナルの例です。
まとまりを大切にしたいクラス
- 心をひとつに、声をひとつに
- ひとりの声が、みんなの歌になる
- 全員でつくる、たったひとつのハーモニー
聞く人にとどけたいクラス
- いちばんうしろの席まで、とどけよう
- 歌で伝える、このクラスの物語
- 聞いた人の心に、のこる歌を
成長をめざすクラス
- きのうの声より、今日の声
- 練習の数だけ、ひびきはふかくなる
- 最後の一音まで、全員で
中学生のクラスなら、少し大人っぽい言葉や、自分たちだけがわかる合言葉を入れてもよいと思います。クラスの名前や番号を入れて、「3組の声をひびかせよう」とするのもひとつの方法です。
決めたスローガンを、練習で生かすには
目に見える場所にはる
決めたスローガンは、教室の前や、練習する場所にはっておきましょう。手書きで大きく書くと、それだけでクラスの気持ちが少し高まります。
練習の前後に、ひと言ふりかえる
「今日の練習は、スローガンに近づけたかな」と、練習のおわりに1分だけふりかえる時間をとると、言葉がただのかざりではなくなります。指揮者やパートリーダーの人が、ひと言ずつ話すのもよいと思います。
クラスでの練習のすすめ方や、指揮者・伴奏者の役わりについては、こちらの記事にくわしくまとめています。中学・高校の合唱コンクール、クラスで練習するときのコツ。指揮者と伴奏者の役わりも
気持ちがばらばらになったときに立ちもどる
練習がつづくと、「まじめにやらない人がいる」「声が出ていない」と、クラスの中でぶつかることもあります。そんなときこそ、スローガンに立ちもどってみてください。「わたしたちは、どんな歌をめざしていたっけ」と話し合うきっかけになります。
のどにむりをさせない
本番が近づくと、練習の時間がふえて、のどがつかれやすくなります。大きな声を出しつづけるより、休けいをはさみながら練習しましょう。のどの痛みやかすれが何日も続くときは、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
お父様・お母様ができること
お子様が係になって、スローガンを考えることになったときは、家でいっしょに言葉を出し合ってみるのもよいと思います。ただ、案を決めるのはお子様とクラスのみんなです。「こんな言葉はどう?」とヒントを出すくらいにして、見守ってあげてください。
小学生の合唱コンクールのことは、こちらの記事でもまとめています。小学生の合唱コンクール。服装・曲えらび・練習のポイント
まとめ
- スローガンは、クラスの気持ちをそろえるための言葉
- 決める前に「どんな合唱にしたいか」をクラスで出し合う
- 案を紙に書く、似た案をまとめる、3〜4つにしぼる、ととのえる、の流れで決める
- 短く、前向きで、みんなが入れる言葉をえらぶ
- 二字熟語は短く力強く、文の形は気持ちが伝わりやすい
- 歌詞やほかの学校の言葉はそのまま使わず、自分たちの言葉にする
- 決めたあとは、目に見える場所にはり、練習でふりかえる
みんなで声をそろえる楽しさを知ったお子様が、ひとりでも歌ってみたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、自分の歌のよいところを知るきっかけになると思います。こどもの歌声グランプリ