冬の歌を高齢者の方とみんなで。冬の童謡・唱歌と、年末年始の歌の会の工夫
「冬の歌で、高齢者の方といっしょに歌える曲はあるかな」 「年末年始の歌の会を、あたたかい時間にしたい」
冬は、外が寒く、出かける日がへりやすい季節です。そんなときこそ、みんなで集まって歌う時間は、心も体もほっとあたたまるひとときになります。冬の童謡や唱歌には、雪、たき火、お正月など、むかしのくらしの風景がたくさんつまっています。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、高齢者の方とみんなで歌いたい冬の歌を、冬の行事とむすびつけながら紹介します。春・夏・秋・冬の歌をまとめて知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。シニアに人気の季節の歌。春夏秋冬、みんなで歌いたい日本の歌と歌い方のコツ
ここでは冬だけにしぼって、思い出話のきっかけ、寒い日の歌い方、手あそびや体を動かす工夫まで、ゆっくりお伝えします。曲名だけを紹介しますので、歌詞は歌の本などでたしかめてください。
冬の歌を高齢者の方と歌うよさ
むかしの冬のくらしを思い出すきっかけになる
冬の歌には、いろり、だんろ、たき火、雪あそびなど、むかしの冬のくらしがえがかれています。歌っているうちに、「子どものころは、こたつでみかんを食べたね」「雪の日は、そりであそんだよ」と、思い出がふっとよみがえることもあります。
歌のあとに、そうしたお話がはじまると、歌の会がおしゃべりの場にもなります。上手に歌うことよりも、その時間をいっしょにすごすことを大切にしてみてください。
年末年始の行事と合わせやすい
冬は、年の瀬、お正月、七草、節分と、行事がつづく季節です。行事に合わせて歌をえらぶと、季節のうつりかわりを感じやすくなります。カレンダーを見ながら、「今日はお正月の歌にしましょう」と決めていくのも楽しいものです。
寒い日でも、体を動かすきっかけになる
寒いと、どうしても体をちぢこめてしまいます。歌に合わせて手をたたいたり、肩を回したりするだけでも、体があたたまってくることがあります。歌は、むりなく体を動かすきっかけにもなります。
冬の行事とむすびつけて歌いたい冬の童謡・唱歌
ここでは、むかしから歌われてきた冬の童謡・唱歌を、行事や場面ごとに紹介します。
雪がふる日に
- 雪
- 冬景色
「雪」は、はずむような明るい歌です。外に雪がつもった日や、雪のニュースを見た日に歌うと、話がはずみます。「冬景色」は、しずかな冬の朝の風景を歌った唱歌です。ゆったりと、ことばを味わうように歌ってみてください。
寒い夜のあたたかさを感じたいときに
- 冬の夜
- ペチカ
- たき火
「冬の夜」は、家族があつまって火をかこむ、あたたかな冬の夜の歌です。「ペチカ」は、だんろのぬくもりを感じる童謡です。「たき火」は、冬の道でたき火にあたる風景の歌で、子どものころの冬の帰り道を思い出す方もいらっしゃいます。
年の瀬に
- 蛍の光
年の終わりに、一年をふりかえりながら歌いたい歌です。「今年はどんな一年でしたか」とお話ししてから歌うと、しみじみとした時間になります。しっとりとした歌なので、テンポはゆっくりめがおすすめです。
お正月に
- お正月
- 一月一日
「お正月」は、お正月を指おりかぞえて待つ、明るい童謡です。歌うと、場がぱっとにぎやかになります。「一月一日」は、新しい年のはじまりをいわう歌です。年のはじめの歌の会で、まず歌いたい一曲です。
冬の夜空を見上げて
- 冬の星座
冬の夜空の星を歌った、うつくしい唱歌です。メロディーがなめらかなので、ゆっくり、声をつなげるように歌ってみてください。「冬は星がきれいに見えますね」と、夜空のお話からはじめるのもよいでしょう。
冬の終わり、春を待つころに
- 早春賦
- 春よ来い
立春をすぎたころ、まだ寒いけれど春が近づいてくる、そんな季節に合う歌です。「早春賦」は、春を待ちわびる気持ちを歌ったしっとりとした歌、「春よ来い」は、春をよぶかわいらしい童謡です。冬の歌の会のしめくくりに歌うと、つぎの季節へのたのしみがふくらみます。
思い出話のきっかけになる声かけ
歌の前やあとに、少しお話の時間をとると、歌がもっと身近になります。むずかしいことは聞かず、答えやすい問いかけにするのがコツです。
歌の前の声かけ
- 「雪の日は、どんなあそびをしましたか」
- 「むかしのお家では、どうやって暖をとっていましたか」
- 「お正月には、どんなごちそうを食べましたか」
- 「おもちは、ついたことがありますか」
歌う前にこうしたお話をしておくと、歌詞に出てくることばが、ぐっと身近に感じられます。
歌のあとの声かけ
- 「この歌は、どこで歌いましたか」
- 「たき火にあたったこと、ありますか」
- 「たこあげや、はねつきはしましたか」
話したくない方や、思い出しにくい方には、むりに聞かないようにしましょう。うなずいて聞いてくださるだけでも、その場の一員です。
冬のものを手にとってもらう
みかん、毛糸の手ぶくろ、お正月のかざりなど、冬らしいものを用意して、手にとってもらうのもひとつの方法です。目で見て、手でさわると、思い出がよみがえりやすくなることもあります。
寒い日の歌い方の工夫
部屋をあたためてから歌う
寒い部屋では、体がかたくなり、声も出しにくくなることがあります。歌の会をはじめる前に、部屋をあたためておきましょう。ただ、暖房で空気がかわきやすいので、加湿器をつかったり、ぬれたタオルをほしたりするのもおすすめです。冬ののどのまもり方は、こちらの記事にまとめています。冬の乾燥からのどを守る|歌う人のための加湿・水分・すごし方
はじめは、声を出す準備から
いきなり大きな声で歌うと、のどに負担がかかることがあります。はじめは、ハミングで歌ったり、「あー」と小さな声で出してみたりして、少しずつ声をならしていきましょう。
高さは低めに、テンポはゆっくりに
むかし習った高さのままだと、高く感じる方もいらっしゃいます。伴奏をつけるときは、少し低めの高さにしてみてください。テンポも、いつもよりゆっくりにすると、息つぎがしやすくなり、ことばもはっきり歌えます。
こまめに水分をとる
冬は、のどのかわきに気づきにくいこともあります。曲と曲のあいだに、白湯やお茶をひと口のむ時間をとりましょう。
体調を見ながら、むりをしない
かぜぎみの方や、のどがいたい方は、むりに歌わず、聞いて楽しむだけでもじゅうぶんです。声のかすれやのどのいたみが長くつづくときは、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
すわったままできる手あそび・体を動かす工夫
手をこすって、あたためる
歌う前に、両手をこすりあわせて、手をあたためましょう。「さあ、手をあたためましょう」と声をかけるだけで、場の空気もほぐれます。
歌に合わせて手びょうし
「雪」や「お正月」のような明るい歌は、手びょうしを合わせやすい歌です。ひざをかるくたたく、手をたたく、と少しずつかえていくと、楽しく体が動きます。
たき火にあたるしぐさ
「たき火」を歌うときは、両手を前に出して、火にあたるようなしぐさをしてみましょう。手をひらひらさせたり、手のひらと手のこうをかえしたりすると、手先の運動にもなります。
雪がふるしぐさ
「雪」を歌うときは、両手を上からゆっくりおろして、雪がふるようすをあらわしてみましょう。腕を上げるのがつらい方は、胸の高さからでもかまいません。
肩と首をやさしくほぐす
寒いと、肩に力が入りやすくなります。歌の前に、肩をゆっくり上げて、すとんとおろす動きを何回かくりかえしましょう。首は、ゆっくり左右にかたむける程度にして、ぐるぐる回さないようにします。歌に合わせた体操は、こちらの記事でも紹介しています。シニアの歌体操。歌に合わせて座ったままできる、やさしい体の動かし方
年末年始の歌の会を楽しくする工夫
お部屋のかざりで季節を感じる
しめかざりや、雪のかざり、ちぎり絵のお正月かざりなどを用意すると、部屋に入ったときから冬の歌の会らしくなります。かざりを作る時間を、歌の会の前にとるのも楽しいものです。
歌の順番を工夫する
冬の歌の会では、こんなならべ方もひとつの方法です。
- はじめは、明るくて手びょうしを合わせやすい歌
- まん中に、しっとりとした冬の景色の歌
- おわりは、みんなで声を合わせやすい歌
明るい歌でスタートすると、体も気持ちもあたたまり、しっとりとした歌にも入りやすくなります。
歌詞カードは大きく、見やすく
歌詞カードは、大きな文字で、ふりがなをつけておくと安心です。「蛍の光」や「冬景色」のように、むかしのことばが出てくる歌は、ことばの意味をかんたんにお話ししてから歌うと、歌いやすくなります。見やすい歌詞カードの作り方は、こちらにまとめています。シニアの歌の会で使う、見やすい歌詞カード・楽譜の作り方
歌の会のおわりに、ひとこと
さいごに、「今年もいっしょに歌えて、うれしかったです」「また新しい年も、歌いましょうね」と声をかけてしめくくると、あたたかい気持ちで会をおえられます。
まとめ
- 冬の歌は、むかしの冬のくらしを思い出すきっかけになる
- 雪の日、寒い夜、年の瀬、お正月、春を待つころと、行事や場面に合わせて歌をえらぶ
- 歌の前やあとに、答えやすい問いかけで思い出話をひろげる
- 部屋をあたため、のどのかわきに気をつけ、高さは低め、テンポはゆっくりに
- 手をこする、たき火のしぐさ、雪のしぐさなど、すわったまま体を動かす
- かざりや歌の順番の工夫で、年末年始の歌の会をあたたかい時間にする
- 体調を見ながら、むりをしない
冬の歌をみんなで歌う時間は、寒い季節を楽しくすごす力になります。歌の会だけでなく、もっと歌を習ってみたいと思ったときは、近くの教室をさがしてみるのもよいでしょう。歌の教室さがし 歌うことが楽しみになってきたら、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ