シニアの歌体操。歌に合わせて座ったままできる、やさしい体の動かし方
「歌いながら、少し体も動かしたい」 「みんなで楽しめる、かんたんな体操はないかな」
歌に合わせて体を動かすと、ただ歌うだけとはまたちがう楽しさがあります。手をたたいたり、肩をゆらしたりしながら歌うと、自然と笑顔になる方も多いと思います。
わたしは、息子の歌の習い事をとおして、歌う前に体をほぐすことの大切さを感じてきました。体がほぐれると、声も出しやすくなります。そして、体を動かしながら歌うと、気持ちまで軽くなるように感じます。
この記事では、歌に合わせて楽しめる、やさしい体操を紹介します。ここで紹介するのは、あくまで楽しむための、かんたんな体の動きです。病気をなおしたり、ふせいだりするためのものではありません。自分の体の調子に合わせて、むりのない範囲で楽しんでください。
はじめる前に知っておきたいこと
安全に楽しむための約束
- いすに座って、むりのない動きだけをする
- 呼吸を止めない。歌いながら、または声を出しながら動く
- いたみを感じたら、すぐにやめる
- くらっとしたり、気分がわるくなったりしたら、すぐに休む
- 体調がすぐれない日は、お休みする
持病がある方は、かかりつけ医に相談を
ひざや腰、肩などにいたみがある方、持病のある方、体を動かすことに不安がある方は、はじめる前に、かかりつけ医に相談してください。「この動きはさけたほうがいい」と言われたものは、しないようにしましょう。
いすのえらび方
- キャスターのついていない、動かないいすをえらぶ
- 足のうらが、しっかり床につく高さ
- できれば、背もたれのあるいす
- まわりに、ぶつかるものがないか確認する
いすには、少し浅めに座ると動きやすくなります。ただし、浅すぎると前にすべりやすいので、気をつけてください。
歌えらびのコツ
歌体操には、ゆっくりめで、よく知っている歌が向いています。
- テンポがゆっくりで、リズムがわかりやすい歌
- 多くの方が知っている、季節の歌や唱歌
- 1曲が長すぎない歌
季節ごとに親しまれている歌は、こちらの記事で紹介しています。シニアに人気の季節の歌。春夏秋冬、みんなで歌いたい日本の歌と歌い方のコツ
伴奏や音源の高さは、少し低めにすると、歌いながらでもらくに声を出せます。
準備の動き
まずは、体をやさしくほぐしましょう。
深呼吸
- いすに座って、背すじをかるくのばす
- 鼻からゆっくり息をすう
- 口からゆっくり息をはく
3回ほどくりかえします。息を止めずに、すう・はくを自然につづけてください。大きくすいこもうとがんばらず、気持ちよく感じるくらいでじゅうぶんです。
手のひらをグーパー
- 両手を前に出して、グーとパーをくりかえす
- ゆっくり10回くらい
手の指がほぐれて、体も少しずつ目ざめてきます。
座ったままできる歌体操
1. 手びょうし
歌のリズムに合わせて、手をたたきます。
- ひざの上で手をたたく
- 胸の前で手をたたく
- なれてきたら、ひざと胸をこうごにたたく
いちばんかんたんで、だれでも参加しやすい動きです。
2. 足ぶみ
座ったまま、歌のリズムに合わせて足ぶみをします。
- 右、左と、ゆっくり足を上げ下げする
- 足は、少し上げるだけでじゅうぶん
- ひざがいたい方は、つま先だけをトントンと動かす
3. 肩の上げ下げ
- 歌の1フレーズに合わせて、肩をゆっくり上げる
- 次のフレーズで、すとんと下ろす
肩は、ゆっくり動かすことが大切です。力を入れすぎないようにしましょう。
4. 肩まわし
- 両肩を、うしろにゆっくり回す
- 歌に合わせて、4回くらい
- 前回しも、同じようにゆっくり
5. 首のかたむけ
- 首を、右にゆっくりかたむけて、もどす
- 左にも、ゆっくりかたむけて、もどす
首は、とくにゆっくり、小さく動かしてください。首や肩にいたみやしびれがある方は、この動きはとばしましょう。首を大きくぐるぐる回したり、うしろに強くそらしたりするのは、さけましょう。
6. うでのばし
- 両手を、前にゆっくりのばす
- 歌のフレーズに合わせて、もどす
- なれてきたら、上にのばす動きもためしてみる
肩がいたい方は、うでを上げる高さを低めにしたり、この動きをとばしたりしてください。
7. 体のひねり
- 背すじをのばして、上半身を右にゆっくりひねる
- 正面にもどって、左にもゆっくりひねる
ひねるのは、少しだけでじゅうぶんです。腰がいたい方は、むりにしないでください。
手あそび歌を楽しむ
歌に合わせて手を動かす「手あそび」も、楽しい歌体操のひとつです。
- 歌のことばに合わせて、手で形をつくる
- 歌の中の決まったことばで、手をたたく
- となりの方と、手をあわせてリズムをとる
子どものころにした手あそびを思い出して、「なつかしいね」とお話がはずむこともあります。うまくできなくても、笑いながら楽しめたら、それでじゅうぶんです。
歌体操のメニュー例
| 順番 | すること | 時間のめやす |
|---|---|---|
| 1 | 深呼吸 | 1分 |
| 2 | 手のひらグーパー | 1分 |
| 3 | 手びょうしで1曲 | 2〜3分 |
| 4 | 肩の上げ下げ・肩まわし | 2分 |
| 5 | 足ぶみで1曲 | 2〜3分 |
| 6 | 深呼吸でおしまい | 1分 |
ぜんぶやらなくても、だいじょうぶです。その日の体の調子に合わせて、すきな動きをえらんでください。
体操のあとは、のどもいたわって
歌いながら体を動かしたあとは、のどもつかれています。
- 水やお茶を、少しずつのむ
- しばらく、ゆっくり休む
- 声がかすれたときは、歌をお休みする
やさしい発声練習や、のどのいたわり方は、こちらの記事にまとめています。年をとって声が出にくいと感じたら。歌がすきな方のための、やさしい発声練習
いろいろな場所で楽しむ
おうちで
家族といっしょに、テレビや音源の歌に合わせて体を動かすのも楽しい時間です。お孫さんと手あそびをすると、世代をこえて楽しめます。
歌の会やデイサービスで
みんなで同じ動きをすると、一体感が生まれます。進める方は、参加している方のようすを見ながら、ゆっくりめのテンポで進めてください。むりに動かなくても、歌を聞いたり、手びょうしだけをしたりして参加できるようにしておくと、だれもが楽しめます。
進める方へのヒント
歌の会やデイサービスで歌体操を進めるときは、こんなことに気をつけると、みなさんが安心して楽しめます。
- はじめに、「いたいときはやめてくださいね」と伝えておく
- 動きは、進める方がゆっくり大きく見せる
- 1つの動きを、何回かくりかえしてから次にうつる
- 歌の高さは低め、テンポはゆっくりめにする
- 動けない方も、歌や手びょうしで参加できるようにする
- とちゅうで、水をのむ時間をつくる
参加している方の顔色や、息の苦しそうなようすがないかも、ときどき見てください。うまく動けているかどうかより、「楽しかったね」と言える時間になることが、いちばん大切です。
よくある質問
立ってやったほうがいい?
この記事で紹介した動きは、いすに座ったままでじゅうぶん楽しめます。立って動くと、ふらついたり、ころんだりすることもあるので、まずは座ってできる動きから始めてください。
毎日やったほうがいい?
決まりはありません。歌いたいとき、体を動かしたいときに、楽しんでください。つかれている日や、体調がすぐれない日は、むりにしなくてだいじょうぶです。
まとめ
- 歌体操は、楽しむためのやさしい体の動き。病気をなおすものではない
- いすに座って、むりのない動きだけをする
- 肩や首は、ゆっくり小さく動かす
- 呼吸を止めず、いたいときはすぐにやめる
- 持病がある方は、はじめる前にかかりつけ医に相談する
- 手びょうしや手あそびなど、かんたんな動きから楽しむ
歌に合わせて体を動かしたあとは、声も気持ちも、のびやかになっているかもしれません。シニア(65歳以上)の方も、こどもの歌声グランプリに出ることができます。唱歌や歌謡曲など、ジャンルは自由で、おうちでとった動画1本で応募できます。出場した全員に講評が届くので、すきな歌を歌ってみたくなったら、よかったらのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ