練習・発声のコツ

シニアの歌体操。歌に合わせて座ったままできる、やさしい体の動かし方

更新日:2026年11月4日 ・ 書いた人:うみ

「歌いながら、少し体も動かしたい」 「みんなで楽しめる、かんたんな体操はないかな」

歌に合わせて体を動かすと、ただ歌うだけとはまたちがう楽しさがあります。手をたたいたり、肩をゆらしたりしながら歌うと、自然と笑顔になる方も多いと思います。

わたしは、息子の歌の習い事をとおして、歌う前に体をほぐすことの大切さを感じてきました。体がほぐれると、声も出しやすくなります。そして、体を動かしながら歌うと、気持ちまで軽くなるように感じます。

この記事では、歌に合わせて楽しめる、やさしい体操を紹介します。ここで紹介するのは、あくまで楽しむための、かんたんな体の動きです。病気をなおしたり、ふせいだりするためのものではありません。自分の体の調子に合わせて、むりのない範囲で楽しんでください。

はじめる前に知っておきたいこと

安全に楽しむための約束

  1. いすに座って、むりのない動きだけをする
  2. 呼吸を止めない。歌いながら、または声を出しながら動く
  3. いたみを感じたら、すぐにやめる
  4. くらっとしたり、気分がわるくなったりしたら、すぐに休む
  5. 体調がすぐれない日は、お休みする

持病がある方は、かかりつけ医に相談を

ひざや腰、肩などにいたみがある方、持病のある方、体を動かすことに不安がある方は、はじめる前に、かかりつけ医に相談してください。「この動きはさけたほうがいい」と言われたものは、しないようにしましょう。

いすのえらび方

  • キャスターのついていない、動かないいすをえらぶ
  • 足のうらが、しっかり床につく高さ
  • できれば、背もたれのあるいす
  • まわりに、ぶつかるものがないか確認する

いすには、少し浅めに座ると動きやすくなります。ただし、浅すぎると前にすべりやすいので、気をつけてください。

歌えらびのコツ

歌体操には、ゆっくりめで、よく知っている歌が向いています。

  • テンポがゆっくりで、リズムがわかりやすい歌
  • 多くの方が知っている、季節の歌や唱歌
  • 1曲が長すぎない歌

季節ごとに親しまれている歌は、こちらの記事で紹介しています。シニアに人気の季節の歌。春夏秋冬、みんなで歌いたい日本の歌と歌い方のコツ

伴奏や音源の高さは、少し低めにすると、歌いながらでもらくに声を出せます。

準備の動き

まずは、体をやさしくほぐしましょう。

深呼吸

  • いすに座って、背すじをかるくのばす
  • 鼻からゆっくり息をすう
  • 口からゆっくり息をはく

3回ほどくりかえします。息を止めずに、すう・はくを自然につづけてください。大きくすいこもうとがんばらず、気持ちよく感じるくらいでじゅうぶんです。

手のひらをグーパー

  • 両手を前に出して、グーとパーをくりかえす
  • ゆっくり10回くらい

手の指がほぐれて、体も少しずつ目ざめてきます。

座ったままできる歌体操

1. 手びょうし

歌のリズムに合わせて、手をたたきます。

  • ひざの上で手をたたく
  • 胸の前で手をたたく
  • なれてきたら、ひざと胸をこうごにたたく

いちばんかんたんで、だれでも参加しやすい動きです。

2. 足ぶみ

座ったまま、歌のリズムに合わせて足ぶみをします。

  • 右、左と、ゆっくり足を上げ下げする
  • 足は、少し上げるだけでじゅうぶん
  • ひざがいたい方は、つま先だけをトントンと動かす

3. 肩の上げ下げ

  • 歌の1フレーズに合わせて、肩をゆっくり上げる
  • 次のフレーズで、すとんと下ろす

肩は、ゆっくり動かすことが大切です。力を入れすぎないようにしましょう。

4. 肩まわし

  • 両肩を、うしろにゆっくり回す
  • 歌に合わせて、4回くらい
  • 前回しも、同じようにゆっくり

5. 首のかたむけ

  • 首を、右にゆっくりかたむけて、もどす
  • 左にも、ゆっくりかたむけて、もどす

首は、とくにゆっくり、小さく動かしてください。首や肩にいたみやしびれがある方は、この動きはとばしましょう。首を大きくぐるぐる回したり、うしろに強くそらしたりするのは、さけましょう。

6. うでのばし

  • 両手を、前にゆっくりのばす
  • 歌のフレーズに合わせて、もどす
  • なれてきたら、上にのばす動きもためしてみる

肩がいたい方は、うでを上げる高さを低めにしたり、この動きをとばしたりしてください。

7. 体のひねり

  • 背すじをのばして、上半身を右にゆっくりひねる
  • 正面にもどって、左にもゆっくりひねる

ひねるのは、少しだけでじゅうぶんです。腰がいたい方は、むりにしないでください。

手あそび歌を楽しむ

歌に合わせて手を動かす「手あそび」も、楽しい歌体操のひとつです。

  • 歌のことばに合わせて、手で形をつくる
  • 歌の中の決まったことばで、手をたたく
  • となりの方と、手をあわせてリズムをとる

子どものころにした手あそびを思い出して、「なつかしいね」とお話がはずむこともあります。うまくできなくても、笑いながら楽しめたら、それでじゅうぶんです。

歌体操のメニュー例

順番 すること 時間のめやす
1 深呼吸 1分
2 手のひらグーパー 1分
3 手びょうしで1曲 2〜3分
4 肩の上げ下げ・肩まわし 2分
5 足ぶみで1曲 2〜3分
6 深呼吸でおしまい 1分

ぜんぶやらなくても、だいじょうぶです。その日の体の調子に合わせて、すきな動きをえらんでください。

体操のあとは、のどもいたわって

歌いながら体を動かしたあとは、のどもつかれています。

  • 水やお茶を、少しずつのむ
  • しばらく、ゆっくり休む
  • 声がかすれたときは、歌をお休みする

やさしい発声練習や、のどのいたわり方は、こちらの記事にまとめています。年をとって声が出にくいと感じたら。歌がすきな方のための、やさしい発声練習

いろいろな場所で楽しむ

おうちで

家族といっしょに、テレビや音源の歌に合わせて体を動かすのも楽しい時間です。お孫さんと手あそびをすると、世代をこえて楽しめます。

歌の会やデイサービスで

みんなで同じ動きをすると、一体感が生まれます。進める方は、参加している方のようすを見ながら、ゆっくりめのテンポで進めてください。むりに動かなくても、歌を聞いたり、手びょうしだけをしたりして参加できるようにしておくと、だれもが楽しめます。

進める方へのヒント

歌の会やデイサービスで歌体操を進めるときは、こんなことに気をつけると、みなさんが安心して楽しめます。

  • はじめに、「いたいときはやめてくださいね」と伝えておく
  • 動きは、進める方がゆっくり大きく見せる
  • 1つの動きを、何回かくりかえしてから次にうつる
  • 歌の高さは低め、テンポはゆっくりめにする
  • 動けない方も、歌や手びょうしで参加できるようにする
  • とちゅうで、水をのむ時間をつくる

参加している方の顔色や、息の苦しそうなようすがないかも、ときどき見てください。うまく動けているかどうかより、「楽しかったね」と言える時間になることが、いちばん大切です。

よくある質問

立ってやったほうがいい?

この記事で紹介した動きは、いすに座ったままでじゅうぶん楽しめます。立って動くと、ふらついたり、ころんだりすることもあるので、まずは座ってできる動きから始めてください。

毎日やったほうがいい?

決まりはありません。歌いたいとき、体を動かしたいときに、楽しんでください。つかれている日や、体調がすぐれない日は、むりにしなくてだいじょうぶです。

まとめ

  • 歌体操は、楽しむためのやさしい体の動き。病気をなおすものではない
  • いすに座って、むりのない動きだけをする
  • 肩や首は、ゆっくり小さく動かす
  • 呼吸を止めず、いたいときはすぐにやめる
  • 持病がある方は、はじめる前にかかりつけ医に相談する
  • 手びょうしや手あそびなど、かんたんな動きから楽しむ

歌に合わせて体を動かしたあとは、声も気持ちも、のびやかになっているかもしれません。シニア(65歳以上)の方も、こどもの歌声グランプリに出ることができます。唱歌や歌謡曲など、ジャンルは自由で、おうちでとった動画1本で応募できます。出場した全員に講評が届くので、すきな歌を歌ってみたくなったら、よかったらのぞいてみてください。こどもの歌声グランプリ

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