夜に歌の練習をするとき。声の大きさと、近所への気くばり
「仕事から帰ると、もう夜。歌の練習ができるのは、夜しかない」 「夜にボイトレをすると、近所にうるさいと思われないか心配」 「夜に声を出すと、自分でもびっくりするほどひびいて聞こえる」
大人が歌を習っていると、練習の時間が夜になることがあります。でも、夜は昼よりもまわりが静かなぶん、声の大きさや近所のことが気になりますよね。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、夜に歌の練習をするときの考え方にしぼってお話しします。お部屋の防音の工夫や防音グッズについては、べつの記事にまとめています。ここでは、「夜」という時間ならではの気くばりと、夜にむいている練習のしかたを紹介します。
夜に声が気になるのは、なぜ?
まわりが静かだと、声がよく聞こえる
昼間は、車の音や人の話し声など、いろいろな音がまざっています。夜になると、そうした音がへって、まわりがしんと静かになります。
そのため、昼ならあまり気にならない声でも、夜は目立って聞こえることがあります。自分では小さな声のつもりでも、まわりの人には思ったよりとどいていることもあります。
夜は、休む時間だと考える人もいる
夜は、家でゆっくりすごしたり、ねむったりする時間でもあります。小さなお子様がねていたり、朝早く起きる仕事の方がいたりと、家ごとにすごし方はちがいます。
自分にとっては練習の時間でも、近所の方にとっては休む時間かもしれない。そう考えておくと、声の大きさを決めるときの目安になります。
住まいによって、音の伝わり方はちがう
マンションやアパート、一戸建てなど、住まいによって音の伝わり方はちがいます。かべのむこうに、すぐとなりの部屋がある場合もあれば、家と家のあいだが少しはなれている場合もあります。
マンションやアパートでは、楽器や歌について、管理のきまりがあることもあります。気になるときは、一度きまりを見ておくと安心です。
夜に練習するときの気くばり
夜おそい時間は、声を出す練習をひかえる
夜の中でも、おそい時間になるほど、まわりは静かになります。声を出す練習は、なるべく夜の早めの時間にすませ、おそい時間は、声を出さない練習や小さな声の練習にきりかえるのがおすすめです。
何時までならよいかは、住まいや近所のようすによってちがいます。自分の住まいの雰囲気を見ながら、むりのない時間を決めてみてください。
窓やドアをしめる
夏など、窓をあけていると、声は外に出ていきやすくなります。夜に練習するときは、窓やドアをしめてから始めましょう。カーテンをしめておくのもよいでしょう。
となりの部屋に近いところで歌わない
となりの家や部屋とかべ一枚でつながっているところは、声が伝わりやすいことがあります。夜は、なるべくとなりと接していない部屋や、部屋のまん中あたりで練習してみてください。
近所の方とのあいさつを大切にする
ふだんから近所の方とあいさつをしていると、もしものときにも話しやすくなります。気になる場合は、「夜に少し歌の練習をしているのですが、気になることがあったら言ってくださいね」と、ひとこと伝えておくのも一つの方法です。
夜にむいている、小さな声の練習
夜は、大きな声で歌うよりも、小さな声でできる練習にきりかえると、気持ちよく続けやすくなります。
ハミング
口をとじて、「んー」と鼻のあたりをひびかせるハミングは、声が外にもれにくく、夜の練習にむいています。
- 楽な高さで、「んー」と長めに声を出す
- 練習中の曲のメロディーを、ハミングでなぞる
- 鼻やほおのあたりが、ふるえる感じをたしかめる
ハミングのやり方は、こちらの記事でくわしく紹介しています。ハミングのボイトレのやり方。口をとじた練習で、声のひびきをつかもう
ストローをつかった練習
ストローをくわえて、そこから声を出す練習も、声が小さくなりやすく、夜の練習によい方法です。ストローをくわえたまま、曲のメロディーをなぞってみてください。
くわしいやり方は、こちらの記事にまとめています。ストローを使ったボイトレのやり方。のどにやさしい発声練習を、おうちではじめよう
小さな声で、ことばをていねいに
大きな声を出せない夜は、ことばの発音を見直すよい時間です。小さな声で、一つひとつのことばを、ていねいに歌ってみてください。
小さな声で歌うと、口の動きや、ことばのつなぎ方に気持ちを向けやすくなります。ただし、ささやき声のように息ばかりの声は、のどがつかれることもあるので、楽な声で歌うようにしてください。
声を出さずにできる練習
おそい時間には、声を出さない練習もとり入れてみましょう。夜にしかできない、落ちついた練習の時間になります。
曲を聞いて、イメージをふくらませる
イヤホンで練習中の曲を聞きながら、どこで息をすうか、どんな気持ちで歌うかを考えてみてください。好きな歌手の歌い方を、じっくり聞いてみるのもよいでしょう。
楽譜や歌詞に、書きこみをする
楽譜や歌詞カードに、息つぎの場所や、気をつけたいところを書きこんでおくと、次に声を出して練習するときに、すぐに生かせます。
録音を聞き返す
昼やレッスンのときに録音した自分の歌を、夜にゆっくり聞き返すのも、大切な練習です。よかったところと、直したいところをメモしておくと、次の練習で何をすればよいかがはっきりします。
息や体の練習
声を出さずに、ゆっくり息をはく練習や、肩や首をほぐすストレッチも、夜にできる練習です。体がほぐれると、気持ちも落ちついて、ねる前のリラックスの時間にもなります。
家族への気くばりも大切に
家族の生活の時間を知っておく
近所だけでなく、いっしょに住んでいる家族への気くばりも大切です。
- 小さなお子様がねる時間
- 家族がテレビを見たり、くつろいだりしている時間
- 朝早く起きる家族がいるかどうか
家族のすごし方を知っておくと、練習してもよい時間や、声の大きさを決めやすくなります。
「練習してもいい時間」を話し合っておく
家族に「このくらいの時間までなら、練習してもいい?」と、前もって話し合っておくと、おたがいに気をつかいすぎずにすみます。
家族が応援してくれると、夜の練習もしやすくなります。
夜と昼で、練習を分ける
声をしっかり出す練習は、昼や休みの日に
夜は小さな声や声を出さない練習を中心にして、声をしっかり出す練習は、休みの日の昼間などにまとめてするのも一つの方法です。
- 夜:ハミング、ストロー、小さな声、楽譜の書きこみ、録音の聞き返し
- 休みの日の昼:声をしっかり出す練習、曲を通して歌う練習
このように分けておくと、夜に「声を出せない」となやみすぎずにすみます。
家の外で練習できる場所をもつ
家ではどうしても大きな声が出せないときは、カラオケボックスや、音楽スタジオ、地域の音楽室などをつかう方法もあります。家で大きな声が出せないときの練習場所については、こちらの記事も参考にしてください。家で大きな声が出せないときの、歌の練習場所と方法
教室のレッスンを、声を出す時間にする
歌の教室に通っていれば、レッスンの時間は、気がねなく声を出せる貴重な時間です。夜しか練習できない方は、仕事帰りに通える教室や、オンラインでレッスンを受けられる教室をさがしてみるのもよいでしょう。自分の生活に合う教室をさがしたいときは、こちらから見てみてください。歌の教室さがし
夜の練習で、のどにも気をつけて
夜は、一日のつかれがたまっている時間でもあります。つかれているときにむりに声を出すと、のどに力が入りやすくなることがあります。
- のどがかわいたら、こまめにお水を飲む
- つかれている日は、声を出さない練習だけにする
- ねる前は、のどを休める時間をとる
のどの痛みやかすれが続くときは、練習をお休みして、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
まとめ
- 夜はまわりが静かなぶん、声が目立って聞こえることがある
- 夜は休む時間と考える人もいるので、おそい時間は声を出す練習をひかえる
- 窓やドアをしめ、となりに近い場所をさけて練習する
- 夜は、ハミングやストロー、小さな声の練習にきりかえる
- 曲を聞く、楽譜に書きこむ、録音を聞き返すなど、声を出さない練習もある
- 家族の生活の時間を知り、練習してもいい時間を話し合っておく
- 声をしっかり出す練習は、昼や休みの日、家の外やレッスンの時間にまとめる
夜の短い時間でも、工夫しだいで、歌の練習は続けられます。練習の成果を発表する目標として、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ