練習・発声のコツ

歌うと頭がくらくらする・息苦しいとき。酸欠のように感じるときの、息の使いすぎを見直すコツ

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「歌っていると、頭がくらくらしてくる」 「長いフレーズを歌うと、息苦しくなる」 「歌のあとに、酸欠のような感じや頭痛がすることがある」

歌うとくらくらする、歌のあとに頭痛がする。そんな経験があると、「歌うのは体によくないのかな」と、不安になってしまうかもしれません。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。

この記事では、歌っているときに頭がくらくらする、息苦しくなるときに、どんなことを見直せばよいかをまとめました。とくに、息のすいすぎや、はきすぎといった「息の使いすぎ」に目を向けています。息が続かないときの練習については、べつの記事でくわしくお話ししています。歌で息が続かないときの練習。肺活量より大事な、息のつかい方

はじめに、とても大切なことをお伝えします。歌っていて、くらくらしたり、息苦しくなったりしたら、まずは歌を止めて、すわって休んでください。この記事は、原因を決めつけるものではありません。くらくらがなかなかおさまらない、何度もくりかえす、頭痛が続く、胸が苦しいなど、いつもとちがう感じがするときは、がまんせず、耳鼻科やかかりつけなどのお医者さんに相談してください。

くらくらしたら、まず休む

歌を止めて、すわる

歌っているときに、頭がくらくらしたら、そのまま歌いつづけないでください。

  • すぐに歌を止める
  • いすや床に、ゆっくりすわる
  • まわりに、ぶつかりそうなものがないかをたしかめる
  • 立ち上がるときは、ゆっくりと

立ったまま、むりに続けると、ふらついてしまうこともあるかもしれません。まずは、安全な姿勢になることを大切にしてください。

息を、ふだんのリズムにもどす

すわったら、歌うときのような深い息ではなく、ふだんの、自然な息にもどしてみてください。たくさんすおうとしたり、むりに長くはこうとしたりせず、体が落ちつくのを待ちます。

その日は、むりをしない

くらくらがおさまっても、その日は、はげしい練習はひかえて、軽めにしておくと安心です。練習は、また別の日にもできます。

歌うとくらくらするのは、どんなとき?

体が落ちついてから、どんなときにくらくらしたのかを、ふりかえってみてください。メモに書いておくと、先生やお医者さんに相談するときにも役立ちます。

  • 息を大きくすったあとか、はききったあとか
  • 長いフレーズや、長くのばす音のところか
  • 大きな声を出したときか
  • 速い曲で、息つぎが短いところか
  • 練習のはじめか、しばらく歌ってからか
  • 体調がよくない日や、食事をしていないときか

息をすいすぎているとき

「たくさん息をすわなきゃ」と、何度も大きく、深く息をすっていると、体が苦しく感じることがあります。息つぎのたびに、むねいっぱいまですおうとしていないか、ふりかえってみてください。

息をはききりすぎているとき

反対に、フレーズのおわりまで、息を最後までしぼり出すように歌っていると、つぎの息つぎで、あわてて大きくすうことになります。これをくりかえすうちに、息苦しさを感じることもあるかもしれません。

息を止めて、力んでいるとき

高い音や大きな声を出そうとして、のどやおなかに力を入れ、息をぐっと止めてしまうことがあります。体が力んだ状態が続くと、頭に力が入るような感じがすることもあります。

体のコンディションがととのっていないとき

  • ねむりが足りていない
  • 食事をとっていない、またはおなかがすいている
  • 水分が足りていない
  • 暑い部屋で練習している

体調によって、ふだんは平気なことでも、つらく感じることがあります。

息の使いすぎを見直すコツ

息は「必要なぶんだけ」すう

歌うときの息は、たくさんすえばよい、というものではありません。すいすぎると、かえって体がかたくなったり、苦しくなったりすることもあります。

  • 息つぎのたびに、「むねいっぱい」ではなく「ほどよく」すう
  • 短いフレーズのあとは、少しだけすう
  • 長いフレーズの前だけ、ゆっくりと、少し深めにすう

フレーズの長さにあわせて、すう量をかえてみてください。

息をはききる前に、つぎの息を

フレーズのおわりで、息を最後までしぼり出さなくても大丈夫です。少し息がのこっているうちに、つぎの息つぎをするくらいのほうが、らくに歌えることがあります。

息つぎの場所を、ふやしてもいい

長いフレーズが苦しいときは、息つぎの場所をふやしてもかまいません。

  • 楽譜に、息つぎのしるしを書きこんでおく
  • ことばの切れ目など、自然なところで息をすう
  • 先生に、どこで息つぎをするとよいか相談する

「ここはひと息で歌わなきゃ」と思いこまず、自分の体にあった歌い方をさがしてみてください。

速さや高さを、いったん下げる

速い曲や、高い音が続く曲で苦しくなるときは、練習のあいだだけ、テンポをゆっくりにしたり、キーを下げたりしてみるのもよい方法です。らくに歌える形で練習をかさねてから、少しずつもとにもどしていきます。

息を止めず、力みをほどく

声を出す前に、息をぐっと止めていないか、意識してみてください。

  • 声を出す前に、肩やあごの力をぬく
  • 歌いはじめは、ため息のように、ふわっと息を流す
  • 高い音でも、おなかやのどを固めすぎないようにする

肩や首の力をぬく練習は、こちらの記事でもまとめています。歌うときに肩や首に力が入るとき。力を抜くための練習と、ふだんの姿勢

練習のしかたを見直す

長く歌いつづけない

休みなく歌いつづけると、息も体もつかれてしまいます。こまめに休けいをはさみ、そのたびに、ふだんの自然な息にもどす時間をつくってみてください。

すわって練習してもいい

くらくらしやすい方は、立って歌う前に、いすにすわって練習してみるのもよい方法です。すわっていても、背すじをのばして歌えば、声は出しやすくなります。体がなれてきたら、立って歌う時間を少しずつのばしていきます。

腹式呼吸を「がんばりすぎない」

腹式呼吸を意識するあまり、おなかを大きくふくらませたり、むりにへこませたりしすぎると、かえって苦しくなることがあります。おなかまわりが、やわらかく動くくらいの感じで十分なこともあります。腹式呼吸のやさしい練習は、こちらの記事で紹介しています。歌の腹式呼吸のやり方。子どもにも大人にもわかる、やさしい練習

部屋の空気と、水分に気をつける

  • ときどき窓をあけて、空気を入れかえる
  • 暑すぎる部屋では練習しない
  • こまめに水分をとる

まわりの環境をととのえるだけでも、楽に歌えると感じることがあります。

本番やレッスンの日に気をつけたいこと

緊張で、息が浅く速くなっていないか

人前で歌うときは、緊張から、息が浅く、速くなってしまうことがあります。息が速くなっていると感じたら、歌う前に、口からゆっくり息をはいて、自然に息が入ってくるのを待ってみてください。何回かくりかえすうちに、気持ちも落ちついてくることがあります。

体調をととのえて当日をむかえる

  • 前の日は、なるべく早めにねる
  • 当日は、食事をぬかずに、軽めにとっておく
  • 水分を、こまめにとっておく

体調がととのっていると、いつもの息の使い方で歌いやすくなります。

むりだと感じたら、止まる勇気を

本番であっても、くらくらしたときは、むりに歌いつづけなくてかまいません。体のほうが大切です。発表会などでは、前もって先生や主催者に、体調のことを伝えておくと安心です。

先生に見てもらう

息のすい方やはき方は、自分ではなかなか気づきにくいものです。教室の先生に「歌うとくらくらすることがある」と伝えて、息の使い方を見てもらうのもよい方法です。体にむりのない息の量や、息つぎの場所を、いっしょに考えてくれることもあります。歌の教室さがし

お医者さんに相談したいとき

つぎのようなときは、歌い方の工夫だけで何とかしようとせず、耳鼻科やかかりつけなどのお医者さんに相談してください。

  • くらくらが、なかなかおさまらない
  • 歌うたびに、くらくらや頭痛をくりかえす
  • 歌っていないときにも、めまいや頭痛がある
  • 胸の苦しさや、息のしづらさがある
  • 手足のしびれなど、いつもとちがう感じがある

急に強いめまいがする、意識が遠くなるような感じがするなど、ふだんとあきらかにちがうときは、がまんせず、すぐにお医者さんにかかってください。

まとめ

  • 歌っていてくらくらしたら、すぐに歌を止めて、すわって休む
  • 体が落ちついたら、どんなときにくらくらしたかをふりかえる
  • 息のすいすぎ、はききりすぎ、息を止める力みを見直してみる
  • 息は必要なぶんだけすい、のこっているうちにつぎの息を。息つぎの場所はふやしてもいい
  • 休けいをこまめにはさみ、部屋の空気と水分に気をつける
  • くらくらや頭痛が続くとき、いつもとちがうときは、耳鼻科やかかりつけなどのお医者さんに相談する

息の使い方を見直すと、歌うことが、もっと楽な時間になるかもしれません。自分にあった息の使い方を教えてくれる先生をさがしたいときは、教室さがしのページも使ってみてください。むりのないペースで歌を楽しむ目標として、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ

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