歌うと頭がくらくらする・息苦しいとき。酸欠のように感じるときの、息の使いすぎを見直すコツ
「歌っていると、頭がくらくらしてくる」 「長いフレーズを歌うと、息苦しくなる」 「歌のあとに、酸欠のような感じや頭痛がすることがある」
歌うとくらくらする、歌のあとに頭痛がする。そんな経験があると、「歌うのは体によくないのかな」と、不安になってしまうかもしれません。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、歌っているときに頭がくらくらする、息苦しくなるときに、どんなことを見直せばよいかをまとめました。とくに、息のすいすぎや、はきすぎといった「息の使いすぎ」に目を向けています。息が続かないときの練習については、べつの記事でくわしくお話ししています。歌で息が続かないときの練習。肺活量より大事な、息のつかい方
はじめに、とても大切なことをお伝えします。歌っていて、くらくらしたり、息苦しくなったりしたら、まずは歌を止めて、すわって休んでください。この記事は、原因を決めつけるものではありません。くらくらがなかなかおさまらない、何度もくりかえす、頭痛が続く、胸が苦しいなど、いつもとちがう感じがするときは、がまんせず、耳鼻科やかかりつけなどのお医者さんに相談してください。
くらくらしたら、まず休む
歌を止めて、すわる
歌っているときに、頭がくらくらしたら、そのまま歌いつづけないでください。
- すぐに歌を止める
- いすや床に、ゆっくりすわる
- まわりに、ぶつかりそうなものがないかをたしかめる
- 立ち上がるときは、ゆっくりと
立ったまま、むりに続けると、ふらついてしまうこともあるかもしれません。まずは、安全な姿勢になることを大切にしてください。
息を、ふだんのリズムにもどす
すわったら、歌うときのような深い息ではなく、ふだんの、自然な息にもどしてみてください。たくさんすおうとしたり、むりに長くはこうとしたりせず、体が落ちつくのを待ちます。
その日は、むりをしない
くらくらがおさまっても、その日は、はげしい練習はひかえて、軽めにしておくと安心です。練習は、また別の日にもできます。
歌うとくらくらするのは、どんなとき?
体が落ちついてから、どんなときにくらくらしたのかを、ふりかえってみてください。メモに書いておくと、先生やお医者さんに相談するときにも役立ちます。
- 息を大きくすったあとか、はききったあとか
- 長いフレーズや、長くのばす音のところか
- 大きな声を出したときか
- 速い曲で、息つぎが短いところか
- 練習のはじめか、しばらく歌ってからか
- 体調がよくない日や、食事をしていないときか
息をすいすぎているとき
「たくさん息をすわなきゃ」と、何度も大きく、深く息をすっていると、体が苦しく感じることがあります。息つぎのたびに、むねいっぱいまですおうとしていないか、ふりかえってみてください。
息をはききりすぎているとき
反対に、フレーズのおわりまで、息を最後までしぼり出すように歌っていると、つぎの息つぎで、あわてて大きくすうことになります。これをくりかえすうちに、息苦しさを感じることもあるかもしれません。
息を止めて、力んでいるとき
高い音や大きな声を出そうとして、のどやおなかに力を入れ、息をぐっと止めてしまうことがあります。体が力んだ状態が続くと、頭に力が入るような感じがすることもあります。
体のコンディションがととのっていないとき
- ねむりが足りていない
- 食事をとっていない、またはおなかがすいている
- 水分が足りていない
- 暑い部屋で練習している
体調によって、ふだんは平気なことでも、つらく感じることがあります。
息の使いすぎを見直すコツ
息は「必要なぶんだけ」すう
歌うときの息は、たくさんすえばよい、というものではありません。すいすぎると、かえって体がかたくなったり、苦しくなったりすることもあります。
- 息つぎのたびに、「むねいっぱい」ではなく「ほどよく」すう
- 短いフレーズのあとは、少しだけすう
- 長いフレーズの前だけ、ゆっくりと、少し深めにすう
フレーズの長さにあわせて、すう量をかえてみてください。
息をはききる前に、つぎの息を
フレーズのおわりで、息を最後までしぼり出さなくても大丈夫です。少し息がのこっているうちに、つぎの息つぎをするくらいのほうが、らくに歌えることがあります。
息つぎの場所を、ふやしてもいい
長いフレーズが苦しいときは、息つぎの場所をふやしてもかまいません。
- 楽譜に、息つぎのしるしを書きこんでおく
- ことばの切れ目など、自然なところで息をすう
- 先生に、どこで息つぎをするとよいか相談する
「ここはひと息で歌わなきゃ」と思いこまず、自分の体にあった歌い方をさがしてみてください。
速さや高さを、いったん下げる
速い曲や、高い音が続く曲で苦しくなるときは、練習のあいだだけ、テンポをゆっくりにしたり、キーを下げたりしてみるのもよい方法です。らくに歌える形で練習をかさねてから、少しずつもとにもどしていきます。
息を止めず、力みをほどく
声を出す前に、息をぐっと止めていないか、意識してみてください。
- 声を出す前に、肩やあごの力をぬく
- 歌いはじめは、ため息のように、ふわっと息を流す
- 高い音でも、おなかやのどを固めすぎないようにする
肩や首の力をぬく練習は、こちらの記事でもまとめています。歌うときに肩や首に力が入るとき。力を抜くための練習と、ふだんの姿勢
練習のしかたを見直す
長く歌いつづけない
休みなく歌いつづけると、息も体もつかれてしまいます。こまめに休けいをはさみ、そのたびに、ふだんの自然な息にもどす時間をつくってみてください。
すわって練習してもいい
くらくらしやすい方は、立って歌う前に、いすにすわって練習してみるのもよい方法です。すわっていても、背すじをのばして歌えば、声は出しやすくなります。体がなれてきたら、立って歌う時間を少しずつのばしていきます。
腹式呼吸を「がんばりすぎない」
腹式呼吸を意識するあまり、おなかを大きくふくらませたり、むりにへこませたりしすぎると、かえって苦しくなることがあります。おなかまわりが、やわらかく動くくらいの感じで十分なこともあります。腹式呼吸のやさしい練習は、こちらの記事で紹介しています。歌の腹式呼吸のやり方。子どもにも大人にもわかる、やさしい練習
部屋の空気と、水分に気をつける
- ときどき窓をあけて、空気を入れかえる
- 暑すぎる部屋では練習しない
- こまめに水分をとる
まわりの環境をととのえるだけでも、楽に歌えると感じることがあります。
本番やレッスンの日に気をつけたいこと
緊張で、息が浅く速くなっていないか
人前で歌うときは、緊張から、息が浅く、速くなってしまうことがあります。息が速くなっていると感じたら、歌う前に、口からゆっくり息をはいて、自然に息が入ってくるのを待ってみてください。何回かくりかえすうちに、気持ちも落ちついてくることがあります。
体調をととのえて当日をむかえる
- 前の日は、なるべく早めにねる
- 当日は、食事をぬかずに、軽めにとっておく
- 水分を、こまめにとっておく
体調がととのっていると、いつもの息の使い方で歌いやすくなります。
むりだと感じたら、止まる勇気を
本番であっても、くらくらしたときは、むりに歌いつづけなくてかまいません。体のほうが大切です。発表会などでは、前もって先生や主催者に、体調のことを伝えておくと安心です。
先生に見てもらう
息のすい方やはき方は、自分ではなかなか気づきにくいものです。教室の先生に「歌うとくらくらすることがある」と伝えて、息の使い方を見てもらうのもよい方法です。体にむりのない息の量や、息つぎの場所を、いっしょに考えてくれることもあります。歌の教室さがし
お医者さんに相談したいとき
つぎのようなときは、歌い方の工夫だけで何とかしようとせず、耳鼻科やかかりつけなどのお医者さんに相談してください。
- くらくらが、なかなかおさまらない
- 歌うたびに、くらくらや頭痛をくりかえす
- 歌っていないときにも、めまいや頭痛がある
- 胸の苦しさや、息のしづらさがある
- 手足のしびれなど、いつもとちがう感じがある
急に強いめまいがする、意識が遠くなるような感じがするなど、ふだんとあきらかにちがうときは、がまんせず、すぐにお医者さんにかかってください。
まとめ
- 歌っていてくらくらしたら、すぐに歌を止めて、すわって休む
- 体が落ちついたら、どんなときにくらくらしたかをふりかえる
- 息のすいすぎ、はききりすぎ、息を止める力みを見直してみる
- 息は必要なぶんだけすい、のこっているうちにつぎの息を。息つぎの場所はふやしてもいい
- 休けいをこまめにはさみ、部屋の空気と水分に気をつける
- くらくらや頭痛が続くとき、いつもとちがうときは、耳鼻科やかかりつけなどのお医者さんに相談する
息の使い方を見直すと、歌うことが、もっと楽な時間になるかもしれません。自分にあった息の使い方を教えてくれる先生をさがしたいときは、教室さがしのページも使ってみてください。むりのないペースで歌を楽しむ目標として、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ