歌の練習中にあくびが出るのはなぜ?ボイトレであくびが出るときの考え方と工夫
「ボイトレをしていると、なぜかあくびが出る」 「先生の前で歌っているのに、あくびが止まらなくてはずかしい」 「ねむいわけじゃないのに、歌の練習中にあくびが出てしまう」
歌の練習中にあくびが出る、ボイトレであくびが出る。そんな自分に、とまどっている方もいらっしゃると思います。レッスン中だと、「やる気がないと思われたらどうしよう」と、気になってしまうかもしれません。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、歌の練習中にあくびが出るときに、どんなふうに考えればよいか、そしてどんな工夫ができるかをまとめました。
はじめにお伝えしたいのは、歌の練習中のあくびは、やる気がないしるしとはかぎらない、ということです。ただし、あくびが出る理由は、人によって、また日によってちがいます。この記事は、原因を決めつけるものではありません。あくびがずっと続く、ふらつきや強いねむけがあるなど、いつもとちがう感じがするときは、ひとりで判断せず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
歌の練習中にあくびが出るのは、ふしぎなことではない
歌うときの口やのどの動きは、あくびに似ている
歌の練習では、「口を大きくあけて」「のどの奥をひろげて」と言われることがあります。その口やのどの形は、あくびをするときの形と、少し似ています。
そのため、のどの奥をひろげようとしているうちに、ついあくびにつながってしまう、と感じる方もいらっしゃいます。あくびが出るのは、のどの奥をひろげる動きが、できているからこそ、ということもあるかもしれません。
ボイトレの先生によっては、「あくびをするときの、のどの感じ」を、練習のヒントとして使うこともあります。のどの奥をひろげる感覚については、こちらの記事でもまとめています。「のどを開く」ってどういうこと?声がらくに出るからだの使い方
ふだんとちがう息のすい方をしている
歌うときは、ふだんの会話よりも深く息をすったり、長く息をはいたりします。ふだんとちがう息のリズムになるので、体がなれないうちは、あくびが出やすく感じることもあるかもしれません。
体がつかれていたり、ねむかったりする
もちろん、ねむけやつかれから、あくびが出ることもあります。
- 前の夜に、あまりねむれなかった
- 仕事や家事のあとで、体がつかれている
- 食事のすぐあとに練習している
- あたたかい部屋で、じっと立っている
こんなときは、歌い方というより、体のほうが休みたがっているのかもしれません。
緊張している
人前で歌う前や、レッスンの先生の前で、緊張しているときにも、あくびが出ると感じる方もいらっしゃいます。ねむくないのにあくびが出るときは、気持ちが張りつめていることもあるかもしれません。
あくびが出る場面を、ふりかえってみる
あくびが出るとき、どんな場面だったかを、ふりかえってみてください。メモにしておくと、自分なりのパターンが見えてくることがあります。
- 練習のはじめか、しばらくたってからか
- 口を大きくあける母音のとき(「あ」や「お」など)か
- 高い音や、長くのばす音のときか
- 発声練習のときか、曲を歌っているときか
- 朝か、夜か。つかれている日か
たとえば、「あ」の母音で口を大きくあけたときにだけ出るなら、のどや口の形の使い方が関係しているのかもしれません。夜のつかれている日にだけ出るなら、体の休みが足りていないのかもしれません。
のどと口の使い方を見直す
口を「あけすぎ」ていないか
「口を大きく」と言われると、思いきり縦にあけてしまうことがあります。でも、あけすぎると、あごやのどに力が入り、あくびのような動きにつながることもあります。
- 鏡を見ながら、あごの力をぬいて口をあけてみる
- 指が縦に入るくらいの、むりのない大きさをさがす
- あごを下にがくんと落とすのではなく、ふわっとひらくイメージをもつ
どのくらいあけるのがよいかは、曲や音の高さ、先生の教え方によってもちがいます。わからないときは、レッスンで聞いてみてください。
のどの奥を、ひろげすぎない
のどの奥をひろげることは大切ですが、むりに大きくひろげようとすると、のどに力が入ることがあります。あくびの「はじめの、ふわっとひろがる感じ」くらいで止めておき、あくびをしきるところまではいかないようにすると、ちょうどよいこともあります。
息をすいすぎない
歌う前に、たくさん息をすおうとしすぎると、あくびのような深い息になることがあります。必要なぶんだけ、静かにすうことを意識してみてください。息はたくさんすえばよい、というものではありません。
練習の前にできる工夫
体をうごかして、目をさます
じっと立ったまま練習をはじめると、体がまだ目ざめていないこともあります。
- 肩や首を、ゆっくりまわす
- その場で、かるく足ぶみをする
- 背のびをして、体をのばす
- 窓をあけて、部屋の空気を入れかえる
体がほぐれて、頭もすっきりしてから歌いはじめると、あくびが出にくく感じることがあります。歌う前の準備運動は、こちらの記事でも紹介しています。歌う前の準備運動。体と顔をほぐす、やさしいストレッチ
練習する時間を見直す
つかれている時間や、食事のすぐあとは、どうしてもねむくなりやすいものです。できれば、体がすっきりしている時間に練習してみてください。
ねむりを大切にする
よくねむれていない日が続くと、練習中にもあくびが出やすくなるかもしれません。歌う人にとって、ねむることは、のどや体をととのえる時間でもあります。ねむりとのどのことは、こちらの記事でもまとめています。歌う人の睡眠とのど。よく眠って声をととのえるために
練習中にあくびが出たときは
がまんしすぎなくてもいい
あくびが出そうになったとき、むりにかみころそうとすると、のどやあごに力が入ってしまうこともあります。ひとりで練習しているときは、がまんしすぎず、あくびをしてから、また歌いはじめてもかまいません。
レッスン中なら、ひとこと伝えておく
先生の前であくびが出てしまうと、気まずく感じるかもしれません。そんなときは、「歌っていると、なぜかあくびが出てしまうんです」と、先に伝えておくと安心です。ボイトレの先生は、練習中のあくびを見なれていることもあり、のどや口の使い方を見直すヒントをくれることもあります。
いったん休けいをはさむ
あくびが何回も続くときは、体や頭がつかれているのかもしれません。少し休けいをして、水をのんだり、体をうごかしたりしてから、また練習にもどってみてください。
あくびのあとの、のどの感じをおぼえておく
あくびをしたあとは、のどの奥がひろがって、すっきりした感じがすることがあります。その感じのまま、そっと声を出してみると、いつもよりらくに声が出ると感じる方もいらっしゃいます。あくびを、のどの感覚をたしかめるきっかけにしてみるのも、ひとつの方法です。
歌う前のすごし方も見直してみる
食事のあとは、少し時間をあける
おなかがいっぱいのときは、体がゆったりして、ねむくなりやすいものです。食事のすぐあとに練習するより、少し時間をあけてから歌いはじめると、すっきりした気持ちで練習しやすくなることがあります。反対に、おなかがすきすぎていても集中しにくいので、軽く何か食べておくのもひとつの方法です。
部屋の空気と明るさをととのえる
- ときどき窓をあけて、空気を入れかえる
- 暑すぎる部屋や、あたたかすぎる部屋はさける
- 部屋を明るくして、頭が目ざめやすいようにする
まわりのようすをととのえるだけでも、気持ちが切りかわりやすくなることがあります。
練習の中身に、変化をつける
同じ発声練習を長く続けていると、気持ちがだらけて、あくびが出やすく感じることもあるかもしれません。発声練習、好きな曲、むずかしいところの練習など、中身を少しずつかえながら進めると、あきずに続けやすくなります。
先生に相談してみる
自分ひとりでは、口のあけ方やのどの使い方に、なかなか気づけないこともあります。教室の先生に「ボイトレであくびが出る」と相談して、歌い方を見てもらうのもよい方法です。あくびが出にくい口のあけ方や、息のすい方を、いっしょにさがしてくれることもあります。歌の教室さがし
お医者さんに相談したいとき
つぎのようなときは、歌い方の工夫だけで何とかしようとせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
- 歌っていないときにも、あくびがずっと続く
- 強いねむけが、毎日続いている
- ふらつきや頭痛、息苦しさがある
- のどの痛みや、声のかすれが続く
まとめ
- 歌の練習中のあくびは、やる気がないしるしとはかぎらない
- 歌うときの口やのどの形が、あくびに似ていることもある
- つかれ、ねむけ、緊張から、あくびが出ることもある
- 口をあけすぎない、のどをひろげすぎない、息をすいすぎないことを意識してみる
- 練習の前に体をうごかし、ねむりを大切にする
- あくびが続くとき、いつもとちがう感じがするときは、耳鼻科などのお医者さんに相談する
あくびが気にならなくなると、練習に集中しやすくなるかもしれません。のどの使い方を見てくれる先生をさがしたいときは、教室さがしのページも使ってみてください。練習の目標がほしいときには、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ