歌いながら踊るコツ。ダンスしながらでも息切れせず、声がぶれない練習
「歌だけならちゃんと歌えるのに、ダンスをつけると、とたんに息が苦しくなる」 「踊りながら歌うと、声がゆれたり、とぎれたりしてしまう」
歌いながら踊るのは、思っている以上にむずかしいことです。体を大きく動かすと、息がどんどんあがり、声をささえる力がたりなくなってしまいます。ダンスと歌の息切れは、多くの人がぶつかるなやみです。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、歌いながら踊るコツを、息のつかい方、体のつかい方、練習の順番に分けてお話しします。ダンスと歌の習い事をしているお子様のお父様・お母様にも、自分で挑戦してみたい大人の方にも、取り入れやすい内容にしました。
むずかしい技を身につけるというより、「どこで息をすうか」「どこで力をぬくか」を知ることが、いちばんの近道です。
なぜ、歌いながら踊ると息切れするのか
体を動かすと、たくさんの息が必要になる
体を大きく動かすと、体はたくさんの空気をほしがります。走ったあとに、はあはあと息があがるのと同じです。
ところが、歌っているあいだは、息を少しずつはき続けなければなりません。体は「すいたい」、歌は「はき続けたい」。この2つがぶつかるので、ダンスをしながら歌うと、息切れしやすくなるのです。
体のゆれが、そのまま声のゆれになる
ジャンプしたり、ステップをふんだりすると、そのたびに体がゆれます。体のゆれは、おなかや胸にもつたわり、声がゆれる原因になります。
とくに、着地するときに体がどすんとしずむと、声もいっしょに「どすん」とゆれてしまいます。
力が入りすぎてしまう
踊ることに集中すると、肩や首、のどのまわりに、知らないうちに力が入ります。のどに力が入ると、声がかたくなったり、高い音が出にくくなったりします。
歌いながら踊るコツ1 息のつかい方
息つぎの場所を、先に決めておく
歌いながら踊るときにいちばん大切なのは、息つぎの場所を、前もって決めておくことです。
- 歌詞の区切りで、どこで息をすうかをえらぶ
- 楽譜や歌詞カードに、「V」などのしるしを書いておく
- 動きが大きいところの前で、早めに息をすう
ダンスが入ると、歌だけのときと同じ場所で息をすえないことがあります。ふりつけに合わせて、息つぎの場所を見なおしてみましょう。
鼻と口の両方から、すばやくすう
歌いながら踊るときは、ゆっくり息をすう時間があまりありません。口と鼻の両方から、短く、すっと息をすう練習をしておくと、らくになります。
- 肩を上げずにすう
- おなかのまわりや背中が、ふわっとふくらむ感じですう
- すいすぎない(すいすぎると、かえって苦しくなる)
息のすい方のきほんは、こちらの記事でもお話ししています。歌の腹式呼吸のやり方。子どもにも大人にもわかる、やさしい練習
はく息を、少しずつにする
歌い出しで、いっきに息をつかってしまうと、フレーズのさいごで苦しくなります。はく息をおしむように、少しずつ出していくイメージで歌ってみましょう。
息が続かないときの練習については、こちらも参考にしてください。歌で息が続かないときの練習。肺活量より大事な、息のつかい方
歌いながら踊るコツ2 体のつかい方
体のまん中を、しっかりさせる
体を動かしていても、おへそのあたりから背中にかけて、体のまん中がぐらぐらしないようにすると、声がぶれにくくなります。
かたく力を入れるのではなく、「まっすぐの軸が1本通っている」ようなイメージです。上半身がふらふらしないと、息も声もあんていします。
ひざをやわらかくつかう
ジャンプやステップの着地で、ひざをのばしたままにすると、体にどすんと大きなゆれがつたわります。ひざを少しまげて、クッションのようにやわらかく着地すると、声のゆれが小さくなります。
顔と首は、なるべくらくに
ダンスで頭を大きく動かすと、のどの形もかわり、声が出にくくなることがあります。歌の大事なところでは、頭の動きを少しおさえるなど、ふりつけの中で工夫するのもひとつの方法です。
また、首や肩に力が入っていないか、ときどき鏡でたしかめましょう。
動きの大きさを、歌に合わせて調整する
練習のはじめから、本番と同じ大きさで踊る必要はありません。歌が苦しくなるところでは、動きを少し小さくする、ということも考えてみてください。
先生やふりつけをする人に相談できるときは、「ここで息がたりなくなる」と伝えてみるのもよいと思います。
歌いながら踊るコツ3 練習の順番
ステップ1 歌だけで、しっかり歌えるようにする
まずは、ダンスをつけずに、歌だけでしっかり歌えるようにしておきましょう。歌があやふやなままだと、踊りながらでは、さらにむずかしくなります。
- 歌詞と音程をおぼえる
- 息つぎの場所を決める
- 1曲を、むりなく歌いきれるようにする
ステップ2 ダンスだけで、ふりつけをおぼえる
次に、歌わずに、ダンスだけを練習します。ふりつけを考えなくても体が動くくらいになると、歌に気持ちを向けやすくなります。
ステップ3 歌いながら、歩いてみる
いきなりダンスと歌を合わせるのではなく、まずは「歌いながら歩く」ところからはじめてみましょう。
- その場で足ぶみしながら歌う
- 部屋の中をゆっくり歩きながら歌う
- 少し早足で歩きながら歌う
体を動かしながら声を出すことに、少しずつなれていきます。
ステップ4 ふりつけを小さくして合わせる
次に、ふりつけを小さめにして、歌と合わせてみます。手の動きだけ、足の動きだけ、というように、体の一部だけで合わせるのもおすすめです。
ステップ5 本番の大きさで、短く区切って
さいごに、本番と同じ大きさで踊りながら歌います。いきなり1曲通すのではなく、サビだけ、1番だけなど、短く区切って練習しましょう。苦しくなる場所がわかったら、その部分だけを、何回か練習します。
息切れしにくい体をつくる、ふだんの練習
歌いながらの足ぶみ練習
ふだんの練習に、「足ぶみしながら歌う」を取り入れてみましょう。体を動かしながら、息をあんていさせる練習になります。
はじめは1分から。なれてきたら、少しずつ時間をのばします。
長く息をはく練習
「スー」と、口から細く長く息をはく練習も、息切れしにくい体づくりに役立ちます。
- ゆっくり息をすう
- 「スー」と、できるだけ同じ強さで息をはく
- 何秒続いたか、記録してみる
毎日少しずつ続けると、息のつかい方になれていきます。
動画で自分を見る
歌いながら踊っているところを、スマホで撮ってみましょう。
- 肩が上がっていないか
- 着地のときに、体が大きくしずんでいないか
- 声がとぎれたり、ゆれたりしている場所はどこか
見なおすと、どこを練習すればよいかがわかりやすくなります。
無理をしないための注意
休みながら練習する
歌いながら踊る練習は、体にも、のどにも、ふつうより負担がかかります。こまめに休けいをとり、水分をとりながら練習しましょう。
のどがつかれたら、声を出さずに練習
のどがつかれてきたら、声を出さずに、口の形だけで歌いながら踊る練習にきりかえるのもよい方法です。ふりつけと息つぎのタイミングだけを、たしかめられます。
痛みやかすれが続くとき
のどの痛みや、声のかすれが何日も続くときは、無理をせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。お子様の場合は、練習のしすぎにならないよう、お父様・お母様が時間を見てあげてください。
子どもの場合は、楽しさを大切に
お子様は、うまくできないと、くやしくなってしまうこともあります。「今日は足ぶみしながら歌えたね」など、できたことを見つけて声をかけてあげると、練習が楽しく続きやすくなります。
歌とダンスをいっしょに習える教室のえらび方は、こちらの記事でお話ししています。歌とダンスをいっしょに習える習い事。子供に合うスクールのえらび方と、向いている子
まとめ
- 歌いながら踊ると、体は息をすいたく、歌ははき続けたいので、息切れしやすい
- 息つぎの場所を前もって決め、口と鼻からすばやくすう
- 体のまん中をあんていさせ、ひざをやわらかくつかうと、声がぶれにくい
- 練習は「歌だけ」「ダンスだけ」「歩きながら」「小さく合わせる」「本番の大きさ」の順で
- 足ぶみしながら歌う、長く息をはくなど、ふだんの練習を取り入れる
- こまめに休み、痛みやかすれが続くときは、お医者さんに相談する
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