高齢者の方と楽しむ歌のクイズ。レクリエーションや歌の会で使える、クイズの作り方
「歌の会に、いつもとちがう楽しみを足したい」 「レクリエーションで、歌のクイズをしてみたい」 「高齢者の方が答えやすい問題は、どう作ればいいの?」
高齢者施設やデイサービスのスタッフの方、地域の歌の会の方、ご家族の方から、こんな声を聞くことがあります。歌のクイズは、歌うだけの時間とはちがって、話したり、考えたり、笑ったりするきっかけになります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、高齢者の方と楽しむ歌のクイズについて、問題の形、作り方、進め方、答えやすくするための心くばりをまとめました。むずかしい準備はいりません。使い慣れた歌集や楽譜があれば、今日からでも作りはじめられます。
歌の会そのものの進め方や、歌いやすい曲のえらび方は、こちらの記事にまとめています。高齢者施設・デイサービスの歌の会。みんなで歌いやすい童謡・唱歌のえらび方と進め方
歌のクイズを、レクリエーションに入れるよさ
歌う前後の、ちょうどいい「つなぎ」になる
歌の会では、続けて何曲も歌うと、のどや体がつかれてしまう方もいらっしゃいます。クイズの時間をはさむと、声を休めながら、みんなで歌の話を楽しめます。
歌の前にクイズをして、答えの曲をそのままみんなで歌う、という流れにすると、つぎの歌へ自然につながります。
歌うのが苦手な方も、参加しやすい
大きな声で歌うのは少しはずかしい、という方もいらっしゃいます。クイズなら、答えを言うだけ、うなずくだけ、手をあげるだけでも参加できます。
「歌はきくほうが好き」という方にも、居場所ができるのがクイズのよいところです。
思い出話が、ひろがるきっかけになる
曲名や季節の話から、「この歌は、学校で歌ったね」「あの季節は、こんなことをしていた」と、昔の話がはじまることもあります。クイズの答えが合っているかどうかより、そこから生まれるおしゃべりを大切にしてみてください。
なお、クイズや歌の時間は、あくまで楽しむためのものです。体や頭によい、といった効果を目的にするのではなく、その場の楽しさを大事にしましょう。
クイズを作る前に、決めておきたいこと
使う曲を、先にえらんでおく
クイズの答えにする曲は、その日に歌う曲や、会でふだん歌っている曲からえらぶと、答えやすくなります。古くから歌われてきた童謡・唱歌・抒情歌は、世代をこえて知られていることもあり、クイズにしやすい曲です。
たとえば、こんな曲があります。
- 「ふるさと」
- 「春が来た」
- 「茶摘」
- 「七夕さま」
- 「赤とんぼ」
- 「紅葉」
- 「たき火」
- 「お正月」
歌詞は、その場で歌集を見ながら
歌詞の一部を答えてもらう「穴うめクイズ」をしたいときは、会で使っている楽譜や歌集を見ながら、その場で問題にするのがよいでしょう。前もって紙に書き出すより、みんなで同じ歌集を開いて進めると、まちがいも起きにくくなります。
この記事では、歌詞を使わずにできる、曲名・季節・ものの名前のクイズを中心に紹介します。
むずかしさは「やさしめ」から
はじめは、すぐに答えが出るくらいのやさしい問題から始めてみてください。そのほうが、場があたたまりやすくなります。答えられた、といううれしさが、つぎの問題への楽しみにつながります。
歌のクイズの作り方と、問題の例
季節あてクイズ
曲名を言って、「この歌は、春・夏・秋・冬のどの季節の歌でしょう?」とたずねるクイズです。
- 「茶摘」は、どの季節の歌でしょう?
- 「七夕さま」は、どの季節の歌でしょう?
- 「紅葉」は、どの季節の歌でしょう?
- 「たき火」は、どの季節の歌でしょう?
答えのあとに、「茶摘の季節には、どんなことをしましたか?」と話をふると、思い出話につながりやすくなります。
曲名にかくれた、ものの名前クイズ
曲名の中に入っている、生きものや食べもの、色などをさがすクイズです。
- 生きものの名前が入っている曲は?(答えの例:「赤とんぼ」「かたつむり」「うさぎとかめ」)
- くだものの名前が入っている曲は?(答えの例:「桃太郎」)
- 色の名前が入っている曲は?(答えの例:「赤とんぼ」)
答えがひとつに決まらない問題にすると、いろいろな曲名が出てきて、にぎやかになります。出てきた曲を、その日に何曲か歌ってみるのも楽しい流れです。
ヒントクイズ
ヒントを少しずつ出して、曲名をあててもらうクイズです。はじめは大まかなヒント、だんだんくわしいヒントにしていきます。
- 例:「秋の歌です」→「空をとぶ虫が出てきます」→「その虫は、赤い色です」→ 答え「赤とんぼ」
- 例:「冬の歌です」→「外で、火をかこみます」→「落ち葉を集めます」→ 答え「たき火」
- 例:「夏の歌です」→「夜の空に関係があります」→「ねがいごとを書きます」→ 答え「七夕さま」
ヒントは、歌詞のことばをそのまま使うのではなく、季節や行事、ようすを説明することばにすると作りやすくなります。
前奏クイズ(イントロクイズ)
ピアノやキーボード、音源で、歌の前奏やはじめの部分のメロディーだけをながして、曲名をあててもらうクイズです。
- 歌詞は歌わず、メロディーだけをながす
- わからないときは、もう少し先までながす
- 答えが出たら、そのままみんなで歌いはじめる
音源をつかうときは、音の大きさや、聞こえ方にも気をくばりましょう。耳が聞こえにくい方がいらっしゃるときは、近くの席にご案内したり、曲名を紙で見せたりする工夫もできます。
仲間あつめクイズ
「春の歌を、思いつくだけ言ってみましょう」「動物が出てくる曲名を、みんなで集めてみましょう」と、テーマに合う曲を出し合うクイズです。
正解・不正解をきめず、出てきた曲名をホワイトボードに書いていくと、みんなで作った「歌の一覧」ができあがります。そこから、つぎに歌う曲をえらぶこともできます。
二択・三択クイズ
答えをいくつかの中からえらんでもらう形にすると、答えやすくなることがあります。
- 「浜辺の歌」は、海の歌でしょうか、山の歌でしょうか?
- 「春の小川」と「紅葉」、秋の歌はどちらでしょう?
- 「雪」は、冬の歌でしょうか、夏の歌でしょうか?
手をあげる、札をあげるなど、声を出さなくても答えられるやり方にすると、だれでも参加しやすくなります。
クイズの進め方のコツ
問題は、ゆっくり、はっきり読む
問題を読むときは、いつもよりゆっくり、はっきり話すことを心がけてください。大事なことばは、くりかえして読むと伝わりやすくなります。
問題を大きな字で紙に書いて見せる、ホワイトボードに書くなど、目でも見られるようにすると、聞きのがしても安心です。見やすい紙の作り方は、こちらの記事も参考にしてください。シニアの歌の会で使う、見やすい歌詞カード・楽譜の作り方
答えを待つ時間を、たっぷりとる
すぐに答えが出なくても、あせらせずに待ちましょう。少し待ってもむずかしそうなときは、ヒントを足したり、選択肢を出したりします。
「わからない」と言ってもらえることも、大切な参加のしかたです。答えられなかった方が、はずかしい思いをしないように、場の空気をやわらかくたもちましょう。
正解よりも、「言ってくれたこと」をほめる
まちがった答えが出ても、「その曲もいい歌ですね」「それもあとで歌いましょう」と、受けとめることばをかけてみてください。
チームに分けて点数をつけるやり方もありますが、勝ち負けが気になる方もいらっしゃいます。会の雰囲気を見ながら、点数をつけずに楽しむ形にしてもかまいません。
答えのあとに、歌う・話すをつなげる
クイズの答えが出たら、その曲をみんなで歌ったり、その季節の思い出を話してもらったりすると、時間にまとまりが出ます。
- 答えの曲を、みんなで歌う
- 「この季節、どんなことをしていましたか?」と話をふる
- 歌集のそのページを、みんなで開く
クイズで終わらせず、歌と話につなげることで、ひとつの楽しい流れになります。
答えやすくするための心くばり
席の配置と、聞こえ方
進める人の声や、音源の音が、うしろの席までとどいているかをたしかめましょう。マイクを使うときは、大きすぎない音にします。
体調や、その日の気分に合わせる
その日の体調や気分によって、クイズに乗り気になれない方もいらっしゃいます。むりに答えをもとめず、聞いているだけでもよい、という形にしておくと安心です。
季節や行事に合わせて、問題を入れかえる
同じ問題を何回も使うと、なれてしまうこともあります。季節や月ごとに問題を入れかえると、新しい気持ちで楽しめます。月ごとの歌のえらび方は、こちらの記事にまとめています。高齢者の方の歌の会で使える、月ごとの歌のえらび方。1年の歌のカレンダーの作り方
まとめ
- 歌のクイズは、歌う時間のつなぎになり、歌うのが苦手な方も参加しやすい
- 答えにする曲は、その日に歌う曲や、ふだん歌っている曲からえらぶ
- 歌詞の穴うめは、使う楽譜や歌集を見ながら、その場で問題にする
- 季節あて、ものの名前、ヒント、前奏、仲間あつめ、二択・三択など、形をかえて楽しめる
- 問題はゆっくり読み、目でも見られるようにし、答えを待つ時間をたっぷりとる
- 正解よりも参加してくれたことを大切にし、答えのあとは歌や話につなげる
歌のクイズで歌に親しむ時間がふえると、「もっと歌ってみたい」という気持ちが生まれることもあります。歌を習ってみたい方は、お住まいの地域の教室もさがしてみてください。歌の教室さがし
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