高齢者の方の歌の会で使える、月ごとの歌のえらび方。1年の歌のカレンダーの作り方
「毎月の歌の会で、どの歌をえらべばいいか迷ってしまう」 「レクリエーションの歌を、月別に決めておきたい」
高齢者の方といっしょに歌う会を続けていると、「今月は何を歌おう」と考える時間が、少しずつ負担になることがあります。そんなときに役立つのが、1年の歌のカレンダーです。月ごとの行事と歌をむすびつけて、前もって計画を立てておくと、毎月の準備がぐっと楽になります。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、高齢者の方の歌を月ごとにえらぶ考え方と、1年の歌のカレンダーの作り方をまとめます。季節ごとの歌をまとめて知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。シニアに人気の季節の歌。春夏秋冬、みんなで歌いたい日本の歌と歌い方のコツ
ここでは、曲名は月ごとに少しだけにしぼり、「どう考えてえらぶか」「どう計画を立てるか」を中心にお伝えします。歌詞は、歌の本などでたしかめてください。
歌を月ごとにえらぶよさ
季節のうつりかわりを感じられる
月ごとに歌をかえると、「もうこんな季節なんですね」と、季節のうつりかわりを感じるきっかけになります。外に出る日がへりがちな方にとっても、歌が季節を運んでくれます。
行事と合わせると、話がひろがる
ひなまつり、七夕、お月見など、月ごとの行事と歌をむすびつけると、歌の前後に自然とお話が生まれます。「子どものころ、ひなまつりはどうしていましたか」と聞くだけで、思い出話がはじまることもあります。
準備する人の負担がへる
前もって1年の計画を立てておくと、毎月いちから考えなくてすみます。歌詞カードや伴奏の準備も、早めにとりかかれます。
月ごとの歌をえらぶときの考え方
その月の行事を書き出す
まずは、1月から12月まで、その月にどんな行事があるかを書き出してみましょう。お正月、節分、ひなまつり、お花見、こどもの日、七夕、お盆、お月見、紅葉、年の瀬など、身近な行事でかまいません。
行事や景色に合う歌をさがす
つぎに、その行事や、その月の景色に合う歌をさがします。むかしから歌われてきた童謡・唱歌の中から、題名だけで季節がわかる歌をえらぶと、参加する方にもつたわりやすくなります。
歌いやすさをたしかめる
えらんだ歌が、高すぎないか、テンポが速すぎないかもたしかめておきましょう。ゆったりとした歌と、明るくはずむ歌を、月の中でうまくまぜると、会にメリハリが生まれます。
その会の方のことを思いうかべる
同じ月の歌でも、集まる方によって、なじみのある歌はちがいます。ふるさとの地方や、すごしてきた時代によっても、思い出の歌はかわります。参加する方の顔を思いうかべながらえらぶのが、大切です。
月別の歌の例と、行事のむすびつけ方
ここでは、月ごとに少しだけ曲名を紹介します。あくまで例のひとつとして、会に合わせてかえてみてください。
1月・2月・3月
1月は、お正月の行事に合わせて「お正月」「一月一日」を。新しい年のはじまりを、明るい歌でいわいましょう。
2月は、節分や雪の季節です。「雪」は、はずむような歌で、手びょうしも合わせやすい歌です。立春のころには「早春賦」で、春を待つ気持ちを歌うのもよいでしょう。
3月は、ひなまつりの月です。「うれしいひなまつり」を歌うと、ひなかざりの思い出話がひろがります。「春よ来い」で、春のおとずれを待つのもおすすめです。
4月・5月・6月
4月は、お花見の季節です。「さくらさくら」や「春の小川」で、春の景色を思いうかべながら歌いましょう。
5月は、こどもの日と、新茶の季節です。「鯉のぼり」や「茶摘」を。「茶摘」は、ふたりで向かい合って手あそびをしながら歌うこともできる歌です。
6月は、つゆの季節です。「かたつむり」や「あめふり」のような、雨の日を楽しくする童謡がよく合います。
7月・8月・9月
7月は、七夕の月です。「たなばたさま」を歌いながら、短冊に願いごとを書くのも楽しい時間になります。夏の海を思いうかべる「海」もよいでしょう。
8月は、夏休みやお盆の季節です。「我は海の子」で夏の元気を、「夕焼小焼」で夕方の帰り道を思い出してみましょう。
9月は、お月見と敬老の日の月です。「うさぎ」や「月」は、お月見の話題とつなげやすい歌です。
10月・11月・12月
10月は、秋まつりの季節です。「村祭」でにぎやかに、「赤とんぼ」でしみじみと、ふたつの気分を味わえます。
11月は、紅葉と、秋の深まりを感じる月です。「紅葉」や「里の秋」を、ゆったりと歌いましょう。
12月は、年の瀬です。「たき火」で冬の道の風景を、「冬景色」でしずかな冬の朝を思いうかべてみてください。
毎月の歌の会に入れたい工夫
思い出話のきっかけをつくる
月の行事にちなんだ問いかけを、歌の前にひとつ用意しておきましょう。
- 1月:「お正月には、どんなあそびをしましたか」
- 3月:「ひなかざりは、お家にありましたか」
- 7月:「短冊には、どんな願いごとを書きましたか」
- 10月:「秋まつりでは、どんなおみせが出ていましたか」
答えやすい問いかけにすると、お話しすることが少しにがてな方も、うなずいたり、ひとことだけ答えたりしやすくなります。
季節のものを用意する
その月の花、くだもの、かざりなどを用意して、目で見たり、手にとったりしてもらうと、歌の世界にぐっと入りやすくなります。4月なら桜の写真、10月ならどんぐりや落ち葉など、手に入りやすいものでじゅうぶんです。
歌い方は、ゆっくり、低めに
どの月の歌も、むかし習った高さより少し低めにし、テンポはゆっくりにすると、歌いやすくなります。歌の前には、肩をゆっくり回したり、ハミングで声をならしたりして、準備をしておきましょう。のどがいたい方や、声のかすれが長くつづく方は、むりをせず、耳鼻科などのお医者さんに相談してください。
手あそびや体の動きを合わせる
歌に合わせて手をたたく、ひざをたたく、手をひらひらさせるなど、すわったままできる動きをとり入れると、体もほぐれます。「雪」では雪がふるしぐさ、「たなばたさま」では星がきらきら光るしぐさなど、歌に合わせた動きを考えるのも楽しいものです。手あそび歌や歌あそびの工夫は、こちらの記事にまとめています。歌で頭の体操。手あそび歌や歌あそびで楽しむ、シニアの方の工夫
1年の歌のカレンダーの作り方
表にまとめる
紙やパソコンで、1月から12月までの表を作りましょう。それぞれの月に、こんなことを書きこんでおくと便利です。
- その月の行事
- 歌う歌の題名
- 歌の前の問いかけ
- 合わせたい手あそびや体の動き
- 用意したい季節のもの
ひとつにまとめておくと、ほかの方と準備を分けるときにも、ひと目でわかります。
新しい歌と、くり返しの歌をまぜる
毎月まったくちがう歌ばかりだと、おぼえるのが大変になることもあります。その月の歌のほかに、会のはじめやおわりにいつも歌う歌を決めておくと、安心して参加しやすくなります。たとえば、会のおわりに「ふるさと」を歌う、と決めておくのもひとつの方法です。
月のはじめと終わりで、少しずつ歌をかえる
季節は、月の区切りでぱっとかわるわけではありません。月のはじめは前の月の歌を少しのこし、月の終わりにはつぎの月の歌を少しだけ入れてみると、季節のうつりかわりを自然に感じられます。
歌詞カードもいっしょに準備する
カレンダーができたら、歌詞カードも月ごとにまとめて用意しておくと安心です。大きな文字で、ふりがなをつけておきましょう。見やすい歌詞カードの作り方は、こちらの記事で紹介しています。シニアの歌の会で使う、見やすい歌詞カード・楽譜の作り方
年のおわりに、ふりかえる
年のおわりには、カレンダーを見ながら、「この歌は、とても声が出ていた」「この歌は、少し歌いにくそうだった」と、ふりかえってみましょう。参加する方の声も聞きながら、つぎの年のカレンダーに生かしていくと、その会らしいカレンダーに育っていきます。
まとめ
- 歌を月ごとにえらぶと、季節のうつりかわりを感じられ、話もひろがる
- まずは月ごとの行事を書き出し、行事や景色に合う歌をさがす
- 曲は月ごとに少しだけにしぼり、歌いやすさもたしかめる
- 歌の前の問いかけや季節のものを用意して、思い出話のきっかけをつくる
- 低め・ゆっくりで歌い、すわったままできる手あそびや体の動きを合わせる
- 1年の歌のカレンダーを表にまとめ、くり返し歌う歌も決めておく
- 年のおわりにふりかえって、つぎの年に生かす
月ごとの歌の会を続けていくと、歌うことが毎月のたのしみになっていきます。もっと歌を習ってみたい方は、近くの教室をさがしてみるのもよいでしょう。歌の教室さがし 歌の会でみがいた歌声を、ほかの方に聞いてもらう場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ