歌で頭の体操。手あそび歌や歌あそびで楽しむ、シニアの方の工夫
「歌で頭の体操ができると聞いたけれど、どんなことをすればいいの?」 「デイサービスや家で、手遊び歌を楽しんでみたい」 「歌うだけでなく、少し考えながら楽しめる遊びはないかしら」
歌は、ただ歌うだけでも楽しいものですが、手を動かしたり、ちょっとしたルールを加えたりすると、また新しい楽しみ方が生まれます。
わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。
この記事では、高齢者の方が「歌で脳トレ」を楽しむための工夫として、手遊び歌や、指や手をつかう歌あそび、みんなで楽しめるゲームを紹介します。歌いながら手を動かすことは、頭の体操になると言われることもあります。ただ、ここでお伝えしたいのは、病気をふせぐための方法ではなく、「楽しく笑いながら歌う時間」のつくり方です。
できなくても、まちがえても、笑ってしまえばそれで大成功。そんな気持ちで読んでみてください。
歌で頭の体操をする、ということ
「歌いながら何かをする」がポイント
歌で頭の体操を楽しむときのポイントは、歌いながら、もう一つべつのことをすることです。
- 歌いながら、手や指を動かす
- 歌いながら、決まったことばで手をたたく
- 歌いながら、右手と左手でちがう動きをする
- 歌の題名を思い出したり、当てたりする
二つのことを同時にしようとすると、思うようにいかず、つい笑ってしまうことがあります。その「あれれ?」という感じこそが、歌あそびの楽しさです。
上手にできなくていい
手遊び歌や歌あそびは、上手にできることが目的ではありません。まちがえたり、手がこんがらがったりしても、それを楽しむことが大切です。
まわりの人も、「まちがえた!」と笑い合えるような、あたたかい雰囲気をつくってあげてください。できたかどうかより、いっしょに楽しんだ時間を大切にしましょう。
歌詞をおぼえることより、体を動かすことを中心に
歌で頭の体操というと、歌詞をおぼえることを思いうかべる方もいるかもしれません。歌詞をおぼえるコツについては、べつの記事にまとめています。シニアが歌詞をおぼえるコツ。あせらず、楽しくつづけるための工夫
この記事では、よく知っている歌をつかって、手や指を動かしたり、ルールのある遊びをしたりする楽しみ方を中心にお話しします。
手遊び歌の楽しみ方
よく知っている童謡・唱歌をつかう
手遊び歌をするときは、歌詞を見なくても口ずさめるような、なじみのある童謡や唱歌をえらぶと、手の動きに気持ちを向けやすくなります。
子どものころに歌った歌や、季節の歌など、思い出のある歌だと、自然と声も出やすくなります。ゆっくりしたテンポの歌から始めると、動きについていきやすいでしょう。
グーとパーの手あそび
かんたんに始められるのが、グーとパーをつかった手あそびです。
- 歌に合わせて、両手をグー、パー、グー、パーとくりかえす
- なれてきたら、右手はグー、左手はパーにして、交代していく
- さらになれたら、グーとチョキ、チョキとパーなど、組み合わせをかえる
右手と左手でちがう形を出すのは、思ったよりむずかしいものです。まちがえても気にせず、ゆっくりのテンポで楽しんでください。
右手と左手で、ちがう動きをする
もう少しむずかしくしたいときは、右手と左手で、まったくちがう動きをしてみましょう。
- 右手で太ももを軽くたたき、左手で太ももをさする
- 歌のくぎりで、右手と左手の役わりを交代する
- 右手は前にのばし、左手は胸にあてる。合図で入れかえる
むずかしいと感じたら、片手ずつ練習してからでもかまいません。
ふたりで手を合わせる手あそび
となりの人と向かい合って、歌に合わせて手を合わせる手あそびもあります。昔、「茶つみ」などで遊んだことのある方もいるかもしれません。
自分の手をたたく、相手の手と合わせる、をくりかえすだけでも、リズムを合わせる楽しさがあります。相手とタイミングが合うと、うれしい気持ちになります。
指や手をつかう、歌あそびの工夫
指を順番に折る・のばす
歌に合わせて、指を一本ずつ折ったり、のばしたりする遊びです。
- 親指から小指へ、順番に折っていく
- 折りおわったら、小指から親指へ、順番にのばしていく
- なれてきたら、右手は折り、左手はのばすように、左右で反対にする
指の動きはゆっくりでかまいません。手や指に痛みがある方は、むりに動かさず、できるはんいで楽しんでください。
決まったことばで手をたたく
歌の中の決まったことばが出てきたら、手を一回たたく、という遊びです。たとえば、季節の歌なら「はる」や「はな」など、くりかえし出てくるひとつのことばをえらびます。
歌いながら、そのことばを待つので、自然と歌詞をよく聞くようになります。たたくのをわすれても、笑ってそのまま続けましょう。
決まったことばだけ、声に出さない
反対に、決まったことばのところだけ声を出さずに、口をとじる遊びもあります。いつも歌っている歌でも、ことばをぬくと、急にむずかしく感じることがあります。
みんなで同じところで声をそろえて止まれると、思わず笑いが起きることもあります。
みんなで楽しめる歌あそびゲーム
歌の題名あてクイズ
だれかがハミングでメロディーを歌い、ほかの人が題名を当てるクイズです。
- はじめは、だれでも知っている歌から始める
- わからないときは、少しずつヒントを出す
- 当たったら、みんなでその歌を歌う
題名を思い出そうとしているあいだに、その歌にまつわる思い出話が始まることもあります。
歌のリレー
歌を短いくぎりごとに分けて、順番に歌っていく遊びです。自分の番がいつくるか気にしながら歌うので、ほどよいドキドキ感があります。
まちがえてもだれかがすぐに助けられるように、ゆるやかな雰囲気で進めてください。
季節やテーマで歌をさがす
「春の歌」「海の歌」「動物が出てくる歌」など、テーマを決めて、みんなで知っている歌を出し合う遊びです。思いついた歌を少しずつ歌ってみると、話もはずみます。
歌の会での歌のえらび方や進め方については、こちらの記事もあわせてどうぞ。高齢者施設・デイサービスの歌の会。みんなで歌いやすい童謡・唱歌のえらび方と進め方
体を動かしながら歌う
手だけでなく、足や体も少し動かしてみると、さらに楽しくなります。
- 座ったまま、歌に合わせて足ぶみをする
- 歌のくぎりで、両手を上にのばす
- となりの人と、歌に合わせて肩を軽くたたき合う
座ったままできる体の動かし方は、こちらの記事でくわしく紹介しています。シニアの歌体操。歌に合わせて座ったままできる、やさしい体の動かし方
体を動かすときは、いすにしっかり座り、ころばないように気をつけてください。
むりなく楽しむための気くばり
その日の体調に合わせる
- 手や指、肩に痛みがあるときは、むりに動かさない
- つかれているときは、歌を聞くだけ、口ずさむだけでもいい
- 息が苦しい、くらくらするなどのときは、すぐに休む
痛みが続くときや、体の調子がいつもとちがうと感じるときは、お医者さんに相談してください。
声をかける人のコツ
家族や施設の方が進めるときは、次のようなことを大切にしてみてください。
- はじめはゆっくりのテンポで、少しずつ速くする
- できたら「できましたね」、まちがえたら「むずかしいですね」と、いっしょに笑う
- できない人をせかしたり、くらべたりしない
- 歌の時間を、短く区切って、休けいをはさむ
「できる・できない」ではなく、「楽しかった」で終われるように声をかけるのがポイントです。
ひとりのときは、家族やお孫さんといっしょに
ひとりで手遊び歌をするのが少しさびしいときは、家族やお孫さんといっしょに楽しむのもおすすめです。小さなお子様にとっても、手遊び歌はなじみのある遊びです。
歌の会やサークルに参加して、なかまと楽しむのもよいでしょう。シニアの方に合わせた歌の教室や、みんなで歌える場をさがしたいときは、こちらから見てみてください。歌の教室さがし
まとめ
- 歌で頭の体操を楽しむポイントは、歌いながら、もう一つべつのことをすること
- 上手にできなくていい。まちがえて笑うことも、楽しさのうち
- なじみのある童謡や唱歌で、グーとパー、左右でちがう動きなどの手遊び歌を楽しむ
- 指を折る、決まったことばで手をたたく、ことばをぬくなどの歌あそびもある
- 題名あてクイズや歌のリレーなど、みんなで楽しめるゲームもある
- 体調に合わせて、むりをせず、痛みがあるときは動かさない
- 「できた・できない」より、「楽しかった」で終わることを大切にする
歌を楽しむ時間が、毎日の小さな楽しみになるとうれしいです。歌うことに、ちょっとした目標をもってみたい方には、こんな場もあります。こどもの歌声グランプリは、オンラインの動画審査だけで出られる歌のコンクールです。幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。出た方には、講評とデジタル賞状がとどきます。こどもの歌声グランプリ