練習・発声のコツ

シニアが歌詞をおぼえるコツ。あせらず、楽しくつづけるための工夫

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「好きな歌なのに、歌詞がなかなか頭に入らない」 「きのうおぼえたはずなのに、今日はもう出てこない」

歌の教室やサークルに通っているシニアの方の中には、こんなふうに感じている方も多いと思います。メロディーは口ずさめるのに、ことばがつまってしまう。そんなとき、「もう年だから」と少しさびしい気持ちになる方もいるかもしれません。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌詞をおぼえることは、年れいに関係なく、だれにとっても少し手間のかかることです。

この記事では、シニアの方にしぼって、歌詞をむりなくおぼえるコツと、楽しくつづけるための工夫をまとめます。お子様や若い方むけの「早くおぼえるコツ」は、こちらの記事に書いています。子どもが歌詞と曲を早くおぼえるコツ。暗譜がにがてな子も楽しくできる6つの方法

ここでは、「早く」よりも「ゆっくり、楽しく、長くつづける」ことを大切にしてお話しします。

まずは、気持ちを楽にすることから

「すぐにおぼえられない」は、ふつうのこと

歌詞をおぼえるのに時間がかかるのは、めずらしいことではありません。若いころにおぼえた歌でも、何年も歌っていなければ、ことばが出てこないことはよくあります。

おぼえるのに時間がかかっても、歌を楽しむ力がへるわけではありません。むしろ、長い人生でいろいろな気持ちを知っているからこそ、歌のことばに心をこめやすい、という面もあります。

「全部おぼえる」を目標にしない

はじめから1曲まるごとおぼえようとすると、つかれてしまいます。

  • 今週は、1番だけ
  • 今日は、さいしょの4行だけ
  • サビ(いちばんもり上がるところ)だけ

このように、小さく区切って目標にすると、「できた」という気持ちを毎回あじわえます。それが、つづける力になります。

歌詞を見ながら歌っても、だいじょうぶ

教室や発表会によっては、歌詞を見ながら歌ってよいこともあります。おぼえることが目的ではなく、歌を楽しむことが目的です。どこまでおぼえるかは、先生や仲間と相談して決めてかまいません。

見やすい歌詞カードを作る

大きな文字で、ゆったり書く

歌詞をおぼえる前に、まずは「見やすい歌詞」を用意しましょう。小さな文字の歌詞は、読むだけでつかれてしまいます。

  • 文字は大きめにする
  • 行と行のあいだを広くあける
  • 1番、2番のあいだに、1行あける
  • 紙はA4など、大きめのものをつかう

パソコンやプリンターがあれば、文字を大きくして印刷するのも楽です。なければ、自分の手で書きうつすのもよい方法です。

自分の手で書きうつしてみる

歌詞をノートや紙に書きうつすと、ことばをひとつずつ目で見て、手を動かすことになります。ゆっくり書くうちに、「ここは、こういうことばだったのか」と気づくこともあります。

きれいに書かなくてもかまいません。自分が読みやすければ、それでじゅうぶんです。

色や印をつける

  • 1番と2番で、ちがう色のペンをつかう
  • 同じことばがくり返されるところに、印をつける
  • 息つぎをするところに、小さな「V」を書く

印があると、歌っている最中にも、どこを歌っているのかわかりやすくなります。

少しずつおぼえる順番

1 まずは、曲をたくさん聞く

いきなり歌詞を読むより、先に曲を何度も聞いてみましょう。メロディーが耳になじむと、ことばも入りやすくなります。

家事をしながら、お茶を飲みながら、ラジオのように流しておくだけでもかまいません。

2 歌詞を声に出して読む

次に、歌詞をふつうに声に出して読んでみます。歌わずに、話すように読むのがポイントです。

  • ゆっくり、はっきり読む
  • 意味がわからないことばは、しらべておく
  • どんな場面の歌なのか、思いうかべながら読む

昔のことばや、ふだんつかわないことばが入っている歌もあります。意味がわかると、ぐっとおぼえやすくなります。

3 短く区切って、歌ってみる

1行か2行ずつ、歌詞を見ながら歌ってみます。うまく歌えたら、次の行へ。前の行とつなげて、もう一度歌う。この「つなげて、もどる」をくり返すと、少しずつ長く歌えるようになります。

4 歌詞をかくして、ためしてみる

なれてきたら、紙で歌詞を少しかくして歌ってみましょう。つまったら、すぐに見てかまいません。「見ないで歌えたところ」が少しずつふえていくのを楽しんでください。

毎日の中で、くり返すコツ

1日1回、短い時間でいい

長い時間をかけて一度におぼえるより、短い時間を毎日つづけるほうが、ことばは頭にのこりやすいといわれます。

  • 朝ごはんのあとに、1回だけ歌う
  • さんぽのとき、心の中で歌う
  • ねる前に、歌詞カードを1回読む

5分くらいでも、毎日つづけることが大切です。

「いつもの場所」に歌詞をおいておく

冷蔵庫のとびら、洗面所の鏡のよこ、テーブルの上など、よく目にする場所に歌詞カードをはっておくと、ふとしたときに目に入ります。何度も目にするうちに、自然とことばがなじんでいきます。

録音を聞きながら歌う

先生や家族に歌ってもらった声、または自分が歌った声をスマホで録音しておくと、いつでも聞きながら練習できます。スマホのつかい方がむずかしいときは、家族に手伝ってもらうのもよいですね。

ことばを「場面」でおぼえる

歌の中の景色を思いうかべる

歌詞は、ただの文字のならびとしておぼえるより、「場面」として思いうかべるほうが、心にのこりやすくなります。

たとえば、季節の歌なら、

  • どんな景色が見えるか
  • どんな音が聞こえるか
  • だれが、どんな気持ちでいるか

を、ひとつずつ思いうかべながら歌ってみてください。絵本をめくるように、場面が次々にうかんでくると、ことばも自然につながっていきます。

自分の思い出とむすびつける

歌の場面と、自分の思い出をむすびつけるのもおすすめです。子どものころに見た景色、家族とすごした季節など、歌詞から思い出すことがあれば、それをメモしておきましょう。思い出とつながったことばは、わすれにくくなります。

かんたんな手の動きをつける

歌詞に合わせて、かんたんな手の動きをつけるのもひとつの方法です。「空」で手を上に、「花」で両手を開く、などです。体を少し動かすと、ことばと動きがいっしょにのこりやすくなります。むりのない、小さな動きでかまいません。

仲間といっしょに楽しくつづける

いっしょに歌う人がいると、つづけやすい

ひとりでおぼえるのは、ときどきさびしくなるものです。教室やサークルの仲間と、「今週はここまでおぼえよう」と声をかけ合うと、楽しくつづけやすくなります。

  • 歌詞カードを見せ合う
  • おぼえにくいところを教え合う
  • 練習の前に、1回いっしょに歌う

先生に「おぼえ方」を相談する

教室に通っている方は、先生に「歌詞がおぼえにくい」と、えんりょなく伝えてみてください。区切り方や、練習の順番を、その方に合わせて考えてくれる先生も多いです。

できたことを、ほめ合う

「1番を見ないで歌えた」「サビがすっと出てきた」など、小さなことでも、できたことを言葉にして、ほめ合いましょう。だれかに「すごいね」と言ってもらえると、また歌いたくなります。

わすれてしまったときの考え方

わすれるのも、練習のうち

おぼえた歌詞を、何日かするとわすれてしまうことは、だれにでもあります。わすれたら、また読んで、また歌えばだいじょうぶです。2回目、3回目は、1回目よりも早く思い出せることが多いです。

本番でつまっても、歌いつづける

発表会などで歌詞がとんでしまっても、あわてなくてだいじょうぶです。

  • メロディーだけを「ラララ」で歌う
  • 次のわかるところから、また歌い出す
  • にっこりして、さいごまで歌いきる

見ている人は、歌詞のまちがいより、楽しそうに歌う姿をおぼえているものです。

つかれたら、休む

歌詞をおぼえようとがんばりすぎると、頭も体もつかれてしまいます。今日は気が乗らないという日は、思いきってお休みしましょう。好きな歌を聞くだけの日があってもかまいません。

まとめ

  • 歌詞をおぼえるのに時間がかかるのは、ふつうのこと
  • 1曲全部ではなく、1番だけ、4行だけなど、小さく区切る
  • 大きな文字で、行をあけた歌詞カードを作る
  • 聞く、読む、区切って歌う、かくしてためす、の順番で
  • 1日5分でも、毎日くり返す
  • 歌の場面や、自分の思い出とむすびつける
  • 仲間や先生といっしょに、楽しくつづける

歌詞をおぼえることは、ゆっくりでもかまいません。いっしょに歌う仲間や、相談できる先生がいると、もっと楽しくつづけられます。近くの教室やオンラインの教室をさがすときは、こちらのページをつかってみてください。歌の教室さがし練習してきた歌を聞いてもらいたくなったら、こどもの歌声グランプリものぞいてみてください。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、歌をつづける楽しみのひとつになると思います。こどもの歌声グランプリ

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