歌の習い事・教室えらび

高齢者施設・デイサービスの歌の会。みんなで歌いやすい童謡・唱歌のえらび方と進め方

更新日:2026年11月7日 ・ 書いた人:うみ

「デイサービスで歌の時間を担当することになったけれど、どんな曲をえらべばいいの?」 「高齢者の方に人気の童謡を、一覧で知りたい」

高齢者施設やデイサービス、地域のサロンなどで、歌の会や歌の時間をまかされる方は多いと思います。音楽の専門家でなくても、ちょっとした工夫で、みなさんが参加しやすい会にすることができます。

わたしは息子といっしょに、たくさんのコンクールに出てきました。歌は、うまく歌えるかどうかより、声を出して楽しむことがいちばん大切だと感じています。

この記事では、施設や地域の歌の会を進める方に向けて、高齢者の方に人気の童謡・唱歌の一覧、曲のえらび方、会の進め方、気をつけたいことをまとめます。季節ごとの歌の歌い方は、こちらの記事でも紹介しています。シニアに人気の季節の歌。春夏秋冬、みんなで歌いたい日本の歌と歌い方のコツ

高齢者の歌の会で、童謡・唱歌がえらばれる理由

多くの方が子どものころに歌っている

童謡や唱歌は、学校や家庭で、むかしから歌われてきた歌です。多くの方が子どものころに歌った経験があるので、楽譜がなくても、メロディーを思い出しやすいことが多いです。

ことばがやさしく、テンポがゆったり

童謡や唱歌は、ことばがやさしく、テンポもゆったりした歌が多いので、はじめて会に参加する方でも、ついていきやすいのがよいところです。

季節を感じられる

春の小川、夏の海、秋のもみじ、冬の雪など、季節を歌った曲がたくさんあります。季節に合った歌をえらぶと、「もうそんな時期ね」と、会話のきっかけにもなります。

高齢者に人気の童謡・唱歌の一覧

ここでは、むかしから広く歌われてきた童謡・唱歌の中から、歌の会でつかいやすい曲を、季節ごとにまとめました。参加される方の年代や、地域によって、なじみのある歌はちがいます。あくまで、えらぶときのめやすにしてください。

春の歌

  • 春の小川
  • 朧月夜(おぼろづきよ)
  • どこかで春が
  • こいのぼり
  • 茶摘み(ちゃつみ)

夏の歌

  • 海(うみはひろいな)
  • 夏は来ぬ
  • 浜辺の歌
  • 七夕さま

秋の歌

  • 赤とんぼ
  • 紅葉(もみじ)
  • 村祭り
  • 里の秋
  • 夕焼け小焼け

冬の歌

  • 雪
  • 冬景色
  • たき火
  • お正月

季節を問わず歌いやすい歌

  • ふるさと
  • 七つの子
  • 靴が鳴る
  • 故郷の空

このほかにも、参加されている方から「この歌が好き」というリクエストが出ることもあります。一覧にない歌でも、みなさんがよく知っている歌なら、とり入れてみてください。

みんなが歌いやすい曲のえらび方

1. よく知られている曲を中心に

はじめての会では、多くの方が知っている曲を中心にえらびましょう。知らない曲ばかりだと、歌えずにだまってしまう方が出てきます。

参加される方に「どんな歌が好きですか」と、前もって聞いておくのもよい方法です。

2. 短めで、くりかえしの多い曲

1番から3番まで長く続く曲は、とちゅうで歌詞がわからなくなる方もいます。はじめは、1番だけを歌う、または、短めでくりかえしの多い曲をえらぶと、参加しやすくなります。

3. 高すぎない曲

年をかさねると、高い声が出にくくなる方も多いです。音の高さが、あまり上下しない曲や、高い音が少ない曲のほうが、みなさんで声を合わせやすくなります。

4. 季節や行事に合わせる

季節の歌や、ひな祭り、七夕、お月見などの行事に合わせた歌をえらぶと、会がもり上がりやすくなります。その日のテーマを決めて、2〜3曲をえらんでみるのもおすすめです。

歌いやすくするための工夫

キー(音の高さ)を下げる

学校で習ったときの高さのままだと、高すぎると感じる方が多いかもしれません。伴奏をつかうときは、キーを少し下げると、みなさんが歌いやすくなることが多いです。

カラオケの機械や音源をつかうときは、キーをかえる機能をつかってみましょう。ピアノやキーボードで伴奏するときも、ひくめの調でひくと歌いやすくなります。

テンポをゆっくりに

テンポが速いと、ことばを追いかけるだけでせいいっぱいになります。いつもより少しゆっくりのテンポで歌うと、ことばをかみしめながら歌えます。

座ったまま歌えるようにする

立って歌うのがむずかしい方もいらっしゃいます。いすに座ったまま歌えるように進めると、どなたでも参加しやすくなります。座ったままできる体の動かし方は、こちらの記事にまとめています。シニアの歌体操。歌に合わせて座ったままできる、やさしい体の動かし方

歌詞カードは大きな文字で

歌詞カードをつくるときは、つぎのことに気をつけると読みやすくなります。

  • 文字を大きくする
  • 行と行のあいだを広くする
  • むずかしい漢字には、ふりがなをつける
  • 1曲を1枚におさめる
  • 白い紙に黒い文字など、見やすい色にする

大きな紙やホワイトボードに歌詞を書いて、前にはる方法もあります。

なお、歌詞を印刷してくばったり、ほかの場所にのせたりするときは、著作権のきまりに気をつける必要があります。むかしの曲でも、作詞者や作曲者によって、あつかいがちがうことがあります。くわしくは、施設の担当の方や、著作権を管理している団体の案内などでたしかめてください。

歌の会の進め方の例

1回の会を、30分から45分くらいで進めるときの例です。施設の時間や、参加される方の様子に合わせて、調整してください。

1. はじめのあいさつ(3分)

その日の日づけや季節の話をして、会の流れをかんたんに伝えます。「今日は秋の歌を3曲歌いましょう」など、見通しがあると安心して参加できます。

2. 体と声のじゅんび(5分)

  • 肩を上げて、すとんと下ろす
  • 首を、ゆっくり左右にかたむける
  • 口を大きく開けて「あ・い・う・え・お」と言う
  • 「はー」とゆっくり息をはく

むりのない範囲で、できる動きだけで大丈夫です。

3. よく知っている曲を1曲(5分)

さいしょは、だれもが知っている曲で、声を出すことになれてもらいます。

4. 季節の歌を2〜3曲(15分)

歌の前に、「この歌はどんな景色を歌っているでしょう」と、少し話をはさむと、思い出話が出てくることもあります。歌のあいだに、ひと息つける時間をとりましょう。

5. リクエスト曲や、みんなで歌う曲(5〜10分)

参加されている方のリクエストにこたえたり、手びょうしをつけて歌ったりします。

6. おわりのあいさつ(2分)

「今日もたくさん声が出ましたね」と、みなさんの参加をねぎらって、会をしめくくります。つぎの会で歌う曲を予告しておくと、楽しみにしてもらえます。

会を進める人が気をつけたいこと

上手に歌うことをもとめない

歌の会は、うまく歌うための場ではありません。声が小さい方や、歌詞をまちがえる方がいても、注意せず、その方なりの参加を大切にしましょう。聞いているだけで楽しんでいる方もいらっしゃいます。

体調を見ながら進める

  • のどがかわかないよう、水分をとる時間をつくる
  • つかれた様子の方がいたら、休んでもらう
  • 長い時間、続けて歌わない

体調のことで心配なことがあるときは、施設の看護師さんや職員の方と相談しながら進めてください。

歌のよさを言い切りすぎない

歌うことを楽しいと感じる方は多いですが、体や心への効果は、人によってちがいます。「歌えば元気になります」などと言い切らず、「今日は楽しかったですね」と、その日の気持ちを大切にしましょう。

声の大きさをくらべない

みなさんで歌うと、声の大きな方の声がよく聞こえて、ほかの方が歌いにくくなることもあります。進める人は、「今日はやさしい声で歌ってみましょう」など、声の大きさをそろえるひと言をかけると、みなさんが安心して声を出しやすくなります。

進める人も楽しむ

会を進める人が楽しそうにしていると、参加される方も、自然と声が出やすくなります。完ぺきにやろうとせず、みなさんといっしょに歌を楽しむ気持ちで進めてください。

まとめ

  • 童謡・唱歌は、多くの高齢者の方になじみがあり、歌の会でえらびやすい
  • 季節ごとに曲をえらぶと、会話のきっかけにもなる
  • よく知られた曲、短めの曲、高すぎない曲をえらぶ
  • キーを下げる、テンポをゆっくりにする、座って歌うなどの工夫をする
  • 歌詞カードは大きな文字で。印刷するときは著作権のきまりもたしかめる
  • 上手に歌うことをもとめず、体調を見ながら、みなさんで楽しむ

歌の会で歌うことが楽しくなって、「もっと歌ってみたい」という方が出てきたら、近くの歌の教室やサークルをさがしてみるのもよいと思います。歌の教室さがしまた、歌を動画にとってだれかに聞いてもらいたい方には、こどもの歌声グランプリもあります。オンラインの動画審査だけで出られて、幼児からシニア(65歳以上)までの8部門があり、ジャンルは自由です。講評とデジタル賞状がとどくので、歌の会の思い出や、新しい目標のひとつにもなると思います。こどもの歌声グランプリ

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